【Python】配列(リスト)をforループで回す方法

この記事では、Pythonの基本的なデータ構造である「配列(リスト)」と、それを効率的に操作するための「forループ」について解説します。

学べる内容
  1. 配列(リスト)とは何か、その基本と作成方法
  2. forループの基本的な使い方
  3. 配列(リスト)をforループで回す方法
  4. enumerate関数を使った便利なループ
  5. 配列(リスト)の内包表記
  6. ネストされた配列(リスト)のループ

これらの知識を身につけることで、Pythonでのデータ操作がぐっと楽になります。

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配列(リスト)とは

Pythonにおける配列は、一般的に「リスト」と呼ばれます。

リストは、複数の要素を一つの変数にまとめて格納するためのデータ構造です。

リストを使うことで、データの集合を効率的に管理し、操作することができます。

配列(リスト)の基本

リストは、角括弧 [] を使って作成され、要素はカンマ , で区切られます。

リストの要素には、数値、文字列、他のリストなど、さまざまなデータ型を含めることができます。

また、リストはミュータブル(変更可能)なデータ型であり、要素の追加、削除、変更が可能です。

以下に、リストの基本的な例を示します。

# 数値のリスト
numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
# 文字列のリスト
fruits = ["apple", "banana", "cherry"]
# 混合データ型のリスト
mixed = [1, "apple", 3.14, True]
# リストのリスト(ネストされたリスト)
nested = [[1, 2, 3], ["a", "b", "c"]]

配列(リスト)の作成方法

リストを作成する方法はいくつかあります。

以下に、代表的な方法を紹介します。

1. 角括弧を使ったリストの作成

最も基本的なリストの作成方法は、角括弧 [] を使う方法です。

リストの要素を角括弧内にカンマで区切って記述します。

# 空のリストを作成
empty_list = []
# 数値のリストを作成
numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
# 文字列のリストを作成
fruits = ["apple", "banana", "cherry"]

2. list()関数を使ったリストの作成

list()関数を使ってリストを作成することもできます。

特に、他のイテラブル(例えば、タプルや文字列)をリストに変換する場合に便利です。

# タプルをリストに変換
tuple_data = (1, 2, 3)
list_from_tuple = list(tuple_data)
# 文字列をリストに変換
string_data = "hello"
list_from_string = list(string_data)

3. リスト内包表記を使ったリストの作成

リスト内包表記を使うと、簡潔なコードでリストを作成することができます。

特に、既存のリストから新しいリストを生成する場合に便利です。

# 1から10までの数値のリストを作成
numbers = [x for x in range(1, 11)]
# 既存のリストの要素を2倍にした新しいリストを作成
original_list = [1, 2, 3, 4, 5]
doubled_list = [x * 2 for x in original_list]

以上が、Pythonにおけるリストの基本と作成方法です。

リストは非常に柔軟で強力なデータ構造であり、さまざまな場面で活用することができます。

次に、forループを使ってリストを操作する方法について詳しく見ていきましょう。

forループの基本

forループの構文

Pythonのforループは、指定したシーケンス(リスト、タプル、文字列など)の各要素に対して繰り返し処理を行うための構文です。

基本的な構文は以下の通りです。

for 変数 in シーケンス:
    実行する処理

この構文では、シーケンスの各要素が順に変数に代入され、その変数を使ってブロック内の処理が実行されます。

forループの基本的な使い方

それでは、具体的な例を見てみましょう。

以下の例では、リストの各要素を順に出力するforループを示しています。

# リストの定義
fruits = ["apple", "banana", "cherry"]
# forループを使ってリストの各要素を出力
for fruit in fruits:
    print(fruit)

このコードを実行すると、以下のように出力されます。

apple
banana
cherry

配列(リスト)の要素を順に処理する

forループを使うことで、リストの各要素に対して同じ処理を繰り返し行うことができます。

例えば、リストの各要素に対して文字列の長さを計算する場合は以下のようになります。

# リストの定義
fruits = ["apple", "banana", "cherry"]
# forループを使ってリストの各要素の長さを出力
for fruit in fruits:
    print(f"{fruit}の長さは{len(fruit)}文字です")

このコードを実行すると、以下のように出力されます。

appleの長さは5文字です
bananaの長さは6文字です
cherryの長さは6文字です

インデックスを使ったループ

リストの要素だけでなく、インデックスも必要な場合があります。

その場合、range関数len関数を組み合わせてインデックスを取得することができます。

# リストの定義
fruits = ["apple", "banana", "cherry"]
# forループを使ってインデックスと要素を出力
for i in range(len(fruits)):
    print(f"インデックス: {i}, 要素: {fruits[i]}")

このコードを実行すると、以下のように出力されます。

インデックス: 0, 要素: apple
インデックス: 1, 要素: banana
インデックス: 2, 要素: cherry

このように、forループを使うことでリストの各要素やインデックスを簡単に処理することができます。

次のセクションでは、さらに便利なenumerate関数を使ったループの方法について解説します。

配列(リスト)をforループで回す方法

基本的なforループの使い方

配列(リスト)の要素を順に処理する

Pythonでは、forループを使って配列(リスト)の要素を順に処理することができます。

以下に基本的な例を示します。

# 配列(リスト)の定義
fruits = ["apple", "banana", "cherry"]
# forループを使って配列(リスト)の要素を順に処理する
for fruit in fruits:
    print(fruit)

このコードを実行すると、以下のように出力されます。

apple
banana
cherry

このように、forループを使うことで配列(リスト)の各要素に対して順に処理を行うことができます。

インデックスを使ったループ

配列(リスト)の要素を処理する際に、要素のインデックスも必要な場合があります。

その場合、range関数len関数を組み合わせてインデックスを使ったループを実現できます。

# 配列(リスト)の定義
fruits = ["apple", "banana", "cherry"]
# インデックスを使ったループ
for i in range(len(fruits)):
    print(f"インデックス: {i}, 要素: {fruits[i]}")

このコードを実行すると、以下のように出力されます。

インデックス: 0, 要素: apple
インデックス: 1, 要素: banana
インデックス: 2, 要素: cherry

この方法を使うことで、配列(リスト)の要素とそのインデックスを同時に処理することができます。

enumerate関数を使ったループ

enumerate関数の基本

enumerate関数を使うと、配列(リスト)の要素とそのインデックスを同時に取得することができます。

enumerate関数は、配列(リスト)を引数に取り、インデックスと要素のペアを返します。

# 配列(リスト)の定義
fruits = ["apple", "banana", "cherry"]
# enumerate関数を使ったループ
for index, fruit in enumerate(fruits):
    print(f"インデックス: {index}, 要素: {fruit}")

このコードを実行すると、以下のように出力されます。

インデックス: 0, 要素: apple
インデックス: 1, 要素: banana
インデックス: 2, 要素: cherry

インデックスと要素を同時に取得する方法

enumerate関数を使うことで、インデックスと要素を同時に取得しながらループを回すことができます。

これにより、コードがより簡潔で読みやすくなります。

例えば、配列(リスト)の要素に対して特定の処理を行い、その結果を新しい配列(リスト)に格納する場合、以下のように書くことができます。

# 配列(リスト)の定義
numbers = [10, 20, 30, 40]
# インデックスと要素を同時に取得して処理を行う
new_numbers = []
for index, number in enumerate(numbers):
    new_number = number * 2
    new_numbers.append(new_number)
    print(f"インデックス: {index}, 元の要素: {number}, 新しい要素: {new_number}")
# 新しい配列(リスト)の内容を表示
print("新しい配列(リスト):", new_numbers)

このコードを実行すると、以下のように出力されます。

インデックス: 0, 元の要素: 10, 新しい要素: 20
インデックス: 1, 元の要素: 20, 新しい要素: 40
インデックス: 2, 元の要素: 30, 新しい要素: 60
インデックス: 3, 元の要素: 40, 新しい要素: 80
新しい配列(リスト): [20, 40, 60, 80]

このように、enumerate関数を使うことで、インデックスと要素を同時に取得しながら効率的にループを回すことができます。

配列(リスト)の内包表記

内包表記の基本

Pythonには「リスト内包表記」と呼ばれる便利な機能があります。

リスト内包表記を使うと、リストを簡潔に作成することができます。

通常のforループを使ってリストを作成する場合と比べて、コードが短くなり、読みやすくなります。

リスト内包表記の基本的な構文は以下の通りです:

[式 for 変数 in イテラブル]

例えば、1から10までの数値を含むリストを作成する場合、通常のforループを使うと以下のようになります:

# 通常のforループを使ったリストの作成
numbers = []
for i in range(1, 11):
    numbers.append(i)
print(numbers)
# 出力: [1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10]

これをリスト内包表記を使って書くと、以下のように簡潔に表現できます:

# リスト内包表記を使ったリストの作成
numbers = [i for i in range(1, 11)]
print(numbers)
# 出力: [1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10]

内包表記を使ったループの例

リスト内包表記は、単にリストを作成するだけでなく、リストの各要素に対して操作を行う場合にも非常に便利です。

以下にいくつかの例を示します。

例1: 各要素に対して操作を行う

例えば、1から10までの数値の2乗を含むリストを作成する場合、リスト内包表記を使うと以下のようになります:

# 各要素の2乗を計算するリスト内包表記
squares = [i**2 for i in range(1, 11)]
print(squares)
# 出力: [1, 4, 9, 16, 25, 36, 49, 64, 81, 100]

例2: 条件付きのリスト内包表記

リスト内包表記には条件を追加することもできます。

例えば、1から10までの数値のうち、偶数のみを含むリストを作成する場合、以下のように書けます:

# 偶数のみを含むリスト内包表記
evens = [i for i in range(1, 11) if i % 2 == 0]
print(evens)
# 出力: [2, 4, 6, 8, 10]

例3: ネストされたリスト内包表記

リスト内包表記はネストすることもできます。

例えば、2つのリストの全ての組み合わせを作成する場合、以下のように書けます:

# 2つのリストの全ての組み合わせを作成するリスト内包表記
list1 = [1, 2, 3]
list2 = ['a', 'b', 'c']
combinations = [(i, j) for i in list1 for j in list2]
print(combinations)
# 出力: [(1, 'a'), (1, 'b'), (1, 'c'), (2, 'a'), (2, 'b'), (2, 'c'), (3, 'a'), (3, 'b'), (3, 'c')]

リスト内包表記を使うことで、コードが簡潔になり、読みやすくなります。

特に、リストの要素に対して操作を行う場合や、条件付きでリストを作成する場合に非常に便利です。

ぜひ、リスト内包表記を活用して、効率的なコードを書いてみてください。

応用編:ネストされた配列(リスト)のループ

配列(リスト)をforループで回す基本的な方法を理解したら、次はネストされた配列(リスト)を扱う方法について学びましょう。

ネストされた配列とは、配列の中にさらに配列が含まれている構造のことです。

ここでは、二次元配列と三次元以上の配列をforループで回す方法について解説します。

二次元配列(リスト)のループ

二次元配列は、行と列を持つ配列です。

例えば、以下のような配列が二次元配列です。

matrix = [
    [1, 2, 3],
    [4, 5, 6],
    [7, 8, 9]
]

この二次元配列をforループで回す方法を見ていきましょう。

行ごとにループする

まずは、行ごとにループする方法です。

これは、外側のループで行を取得し、内側のループでその行の要素を取得する方法です。

matrix = [
    [1, 2, 3],
    [4, 5, 6],
    [7, 8, 9]
]
for row in matrix:
    for element in row:
        print(element, end=' ')
    print()

このコードの実行結果は以下の通りです。

1 2 3 
4 5 6 
7 8 9

インデックスを使ってループする

次に、インデックスを使ってループする方法です。

これは、行と列のインデックスを使って要素を取得する方法です。

matrix = [
    [1, 2, 3],
    [4, 5, 6],
    [7, 8, 9]
]
for i in range(len(matrix)):
    for j in range(len(matrix[i])):
        print(matrix[i][j], end=' ')
    print()

このコードの実行結果も同様に以下の通りです。

1 2 3 
4 5 6 
7 8 9

三次元以上の配列(リスト)のループ

三次元以上の配列は、さらに複雑な構造を持ちます。

例えば、以下のような配列が三次元配列です。

tensor = [
    [
        [1, 2, 3],
        [4, 5, 6]
    ],
    [
        [7, 8, 9],
        [10, 11, 12]
    ]
]

この三次元配列をforループで回す方法を見ていきましょう。

三次元配列をループする

三次元配列をループする場合も、外側のループから順に内側のループへと進んでいきます。

tensor = [
    [
        [1, 2, 3],
        [4, 5, 6]
    ],
    [
        [7, 8, 9],
        [10, 11, 12]
    ]
]
for matrix in tensor:
    for row in matrix:
        for element in row:
            print(element, end=' ')
        print()
    print()

このコードの実行結果は以下の通りです。

1 2 3 
4 5 6 
7 8 9 
10 11 12

インデックスを使って三次元配列をループする

インデックスを使って三次元配列をループする方法もあります。

tensor = [
    [
        [1, 2, 3],
        [4, 5, 6]
    ],
    [
        [7, 8, 9],
        [10, 11, 12]
    ]
]
for i in range(len(tensor)):
    for j in range(len(tensor[i])):
        for k in range(len(tensor[i][j])):
            print(tensor[i][j][k], end=' ')
        print()
    print()

このコードの実行結果も同様に以下の通りです。

1 2 3 
4 5 6 
7 8 9 
10 11 12

以上が、ネストされた配列(リスト)をforループで回す方法です。

二次元配列や三次元以上の配列を扱う際には、外側のループから順に内側のループへと進んでいくことがポイントです。

これにより、複雑なデータ構造を効率的に処理することができます。

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