[Python] NumPy – 全要素が0のn次元配列を作成する方法

NumPyでは、全要素が0のn次元配列を作成するためにnumpy.zeros()関数を使用します。

この関数は、引数に配列の形状(タプルで指定)を渡すことで、任意の次元の配列を作成できます。

例えば、1次元配列の場合はnumpy.zeros(5)、2次元配列の場合はnumpy.zeros((3, 4))のように指定します。

デフォルトではデータ型はfloat64ですが、dtype引数で他の型(例: int)を指定することも可能です。

この記事でわかること
  • numpy.zeros()の基本的な使い方
  • n次元配列の作成方法
  • 配列の形状変更や要素変更
  • メモリ使用量とデータ型の影響
  • 大規模データ処理時の注意点

目次から探す

numpy.zeros()関数の使い方

NumPyライブラリのnumpy.zeros()関数は、指定した形状の配列を作成し、その全要素を0で初期化します。

この関数は、数値計算やデータ処理において非常に便利です。

以下では、numpy.zeros()の基本的な使い方や、配列の次元、データ型の指定方法について解説します。

numpy.zeros()の基本的な使い方

numpy.zeros()を使用するには、まずNumPyライブラリをインポートする必要があります。

基本的な構文は以下の通りです。

import numpy as np
# 1次元配列を作成
array_1d = np.zeros(5)  # 要素数5の1次元配列
print(array_1d)
[0. 0. 0. 0. 0.]

この例では、要素数5の1次元配列が作成され、全ての要素が0で初期化されています。

配列の次元を指定する方法

numpy.zeros()では、配列の次元を指定することができます。

次元はタプルで指定します。

以下の例では、2次元配列を作成します。

import numpy as np
# 2次元配列を作成
array_2d = np.zeros((3, 4))  # 3行4列の2次元配列
print(array_2d)
[[0. 0. 0. 0.]
 [0. 0. 0. 0.]
 [0. 0. 0. 0.]]

この例では、3行4列の2次元配列が作成され、全ての要素が0で初期化されています。

データ型を指定する方法

numpy.zeros()では、配列のデータ型を指定することも可能です。

データ型はdtype引数で指定します。

以下の例では、整数型の配列を作成します。

import numpy as np
# 整数型の2次元配列を作成
array_int = np.zeros((2, 3), dtype=int)  # 2行3列の整数型配列
print(array_int)
[[0 0 0]
 [0 0 0]]

この例では、2行3列の整数型の2次元配列が作成され、全ての要素が0で初期化されています。

numpy.zeros()と他の配列作成関数の違い

NumPyには、配列を作成するための他の関数もあります。

以下の表に、numpy.zeros()と他の配列作成関数の違いを示します。

スクロールできます
関数名説明初期値
numpy.zeros()指定した形状の配列を0で初期化する0
numpy.ones()指定した形状の配列を1で初期化する1
numpy.empty()指定した形状の配列を初期化せずに作成不定(未初期化)

このように、numpy.zeros()は全要素を0で初期化するのに対し、numpy.ones()は全要素を1で初期化し、numpy.empty()は初期化を行わないため、未定義の値が含まれることがあります。

n次元配列の作成

NumPyを使用すると、任意の次元の配列を簡単に作成できます。

ここでは、1次元から3次元以上の配列の作成方法について詳しく解説します。

1次元配列の作成

1次元配列は、最も基本的な配列の形です。

numpy.zeros()を使って、指定した要素数の1次元配列を作成することができます。

以下の例を見てみましょう。

import numpy as np
# 要素数5の1次元配列を作成
array_1d = np.zeros(5)
print(array_1d)
[0. 0. 0. 0. 0.]

この例では、要素数5の1次元配列が作成され、全ての要素が0で初期化されています。

2次元配列の作成

2次元配列は、行と列を持つ配列です。

numpy.zeros()を使って、行数と列数を指定することで作成できます。

以下の例を見てみましょう。

import numpy as np
# 3行4列の2次元配列を作成
array_2d = np.zeros((3, 4))
print(array_2d)
[[0. 0. 0. 0.]
 [0. 0. 0. 0.]
 [0. 0. 0. 0.]]

この例では、3行4列の2次元配列が作成され、全ての要素が0で初期化されています。

3次元以上の配列の作成

3次元配列は、行、列、深さを持つ配列です。

numpy.zeros()を使って、3次元以上の配列を作成することも可能です。

以下の例では、2×3×4の3次元配列を作成します。

import numpy as np
# 2×3×4の3次元配列を作成
array_3d = np.zeros((2, 3, 4))
print(array_3d)
[[[0. 0. 0. 0.]
  [0. 0. 0. 0.]
  [0. 0. 0. 0.]]
 [[0. 0. 0. 0.]
  [0. 0. 0. 0.]
  [0. 0. 0. 0.]]]

この例では、2×3×4の3次元配列が作成され、全ての要素が0で初期化されています。

任意の次元数の配列を作成する方法

numpy.zeros()を使用すると、任意の次元数の配列を作成することができます。

次元数はタプルで指定し、必要な形状を定義します。

以下の例では、4次元配列を作成します。

import numpy as np
# 2×3×4×5の4次元配列を作成
array_4d = np.zeros((2, 3, 4, 5))
print(array_4d)
[[[[0. 0. 0. 0. 0.]
  [0. 0. 0. 0. 0.]
  [0. 0. 0. 0. 0.]
  [0. 0. 0. 0. 0.]]
 [[[0. 0. 0. 0. 0.]
  [0. 0. 0. 0. 0.]
  [0. 0. 0. 0. 0.]
  [0. 0. 0. 0. 0.]]]]

この例では、2×3×4×5の4次元配列が作成され、全ての要素が0で初期化されています。

numpy.zeros()を使うことで、必要な次元数の配列を簡単に作成できることがわかります。

numpy.zeros()の応用例

numpy.zeros()で作成した配列は、さまざまな数値計算やデータ処理に利用できます。

ここでは、初期化された配列を使った数値計算や、配列の形状変更、部分的な変更、他の関数との組み合わせについて解説します。

初期化された配列を使った数値計算

numpy.zeros()で作成した配列は、数値計算に利用できます。

例えば、全ての要素が0の配列に対して、スカラー値を加算することができます。

以下の例を見てみましょう。

import numpy as np
# 3行4列の2次元配列を作成
array = np.zeros((3, 4))
# 配列に5を加算
result = array + 5
print(result)
[[5. 5. 5. 5.]
 [5. 5. 5. 5.]
 [5. 5. 5. 5.]]

この例では、全ての要素が0の配列に5を加算し、全ての要素が5の配列が得られました。

配列の形状を変更する方法(reshape)

NumPyでは、reshapeメソッドを使用して配列の形状を変更することができます。

以下の例では、1次元配列を2次元配列に変換します。

import numpy as np
# 1次元配列を作成
array_1d = np.zeros(12)
# 1次元配列を2行6列の2次元配列に変形
array_2d = array_1d.reshape((2, 6))
print(array_2d)
[[0. 0. 0. 0. 0. 0.]
 [0. 0. 0. 0. 0. 0.]]

この例では、12要素の1次元配列を2行6列の2次元配列に変形しました。

reshapeを使うことで、配列の形状を柔軟に変更できます。

配列の一部を変更する方法

numpy.zeros()で作成した配列の一部を変更することも可能です。

以下の例では、2次元配列の特定の要素を変更します。

import numpy as np
# 3行4列の2次元配列を作成
array_2d = np.zeros((3, 4))
# 特定の要素を変更
array_2d[1, 2] = 10  # 1行2列目の要素を10に変更
print(array_2d)
[[ 0.  0.  0.  0.]
 [ 0.  0. 10.  0.]
 [ 0.  0.  0.  0.]]

この例では、1行2列目の要素を10に変更しました。

配列のインデックスを指定することで、特定の要素を簡単に変更できます。

他の関数と組み合わせた応用例

numpy.zeros()で作成した配列は、他のNumPy関数と組み合わせて使用することができます。

以下の例では、numpy.sum()を使って、全要素の合計を計算します。

import numpy as np
# 3行4列の2次元配列を作成
array_2d = np.zeros((3, 4))
# 配列の一部を変更
array_2d[0, 0] = 1
array_2d[1, 1] = 2
array_2d[2, 2] = 3
# 配列の全要素の合計を計算
total_sum = np.sum(array_2d)
print(total_sum)
6.0

この例では、配列の特定の要素を変更した後、全要素の合計を計算し、結果として6が得られました。

numpy.zeros()で作成した配列は、他のNumPy関数と組み合わせることで、さまざまな計算に利用できます。

numpy.zeros()の注意点

numpy.zeros()を使用する際には、いくつかの注意点があります。

特にメモリ使用量やデータ型、パフォーマンスに関する点を理解しておくことが重要です。

以下では、これらの注意点について詳しく解説します。

メモリ使用量に関する注意

numpy.zeros()で作成する配列のサイズが大きくなると、メモリ使用量も増加します。

例えば、非常に大きな配列を作成すると、システムのメモリを圧迫し、場合によってはメモリ不足に陥ることがあります。

以下の例では、1億要素の配列を作成する場合のメモリ使用量を示します。

import numpy as np
# 1億要素の1次元配列を作成
large_array = np.zeros(100_000_000)
print(large_array.nbytes)  # メモリ使用量を表示
800000000

この例では、1億要素の配列を作成すると、約800MBのメモリを使用します。

大規模なデータを扱う際には、メモリ使用量に注意が必要です。

データ型によるメモリ効率の違い

numpy.zeros()では、デフォルトで浮動小数点型float64の配列が作成されますが、dtype引数を使用して他のデータ型を指定することができます。

データ型によってメモリ使用量が異なるため、必要な精度に応じて適切なデータ型を選択することが重要です。

以下の表に、一般的なデータ型のメモリ使用量を示します。

スクロールできます
データ型メモリ使用量(バイト)
float648
float324
int648
int324
bool1

例えば、float32型を使用することで、メモリ使用量を半分に削減できます。

以下の例では、float32型の配列を作成します。

import numpy as np
# float32型の2次元配列を作成
array_float32 = np.zeros((1000, 1000), dtype=np.float32)
print(array_float32.nbytes)  # メモリ使用量を表示
4000000

この例では、float32型の配列を作成すると、約4MBのメモリを使用します。

データ型を適切に選択することで、メモリ効率を向上させることができます。

大規模データ処理時のパフォーマンス

大規模なデータを処理する際には、numpy.zeros()の使用がパフォーマンスに影響を与えることがあります。

特に、配列のサイズが大きくなると、初期化にかかる時間が増加します。

以下の例では、サイズの異なる配列を作成する際の処理時間を比較します。

import numpy as np
import time
# 大きな配列を作成する際の処理時間を計測
start_time = time.time()
large_array = np.zeros((10000, 10000))  # 10000x10000の配列
end_time = time.time()
print(f"処理時間: {end_time - start_time}秒")
処理時間: 0.123456秒  # 実際の時間は環境によって異なります

この例では、10000×10000の配列を作成する際の処理時間を計測しています。

配列のサイズが大きくなると、初期化にかかる時間が増加するため、パフォーマンスに影響を与えることがあります。

大規模データを扱う際には、処理時間を考慮することが重要です。

以上のように、numpy.zeros()を使用する際には、メモリ使用量、データ型、パフォーマンスに関する注意点を理解し、適切に利用することが求められます。

よくある質問

numpy.zeros()で作成した配列の要素を変更できますか?

はい、numpy.zeros()で作成した配列の要素は変更可能です。

配列のインデックスを指定することで、特定の要素を簡単に変更できます。

例えば、以下のようにして配列の特定の要素を変更できます。

import numpy as np
# 2行3列の配列を作成
array = np.zeros((2, 3))
# 特定の要素を変更
array[0, 1] = 5  # 0行1列目の要素を5に変更
print(array)

この例では、0行1列目の要素が5に変更されます。

numpy.zeros()とnumpy.empty()の違いは何ですか?

numpy.zeros()numpy.empty()の主な違いは、配列の初期化方法です。

numpy.zeros()は全ての要素を0で初期化しますが、numpy.empty()は配列を初期化せず、未定義の値を持つ配列を作成します。

以下の表にその違いを示します。

スクロールできます
関数名説明初期値
numpy.zeros()指定した形状の配列を0で初期化する0
numpy.empty()指定した形状の配列を初期化せずに作成不定(未初期化)

numpy.empty()は初期化を行わないため、メモリの割り当てが速く、パフォーマンスが向上する場合がありますが、未定義の値が含まれるため、使用する際には注意が必要です。

numpy.zeros()で作成した配列を他の配列と結合できますか?

はい、numpy.zeros()で作成した配列を他の配列と結合することができます。

NumPyのnumpy.concatenate()numpy.vstack()numpy.hstack()などの関数を使用して、配列を結合できます。

以下の例では、2つの配列を縦に結合します。

import numpy as np
# 2行3列の配列を2つ作成
array1 = np.zeros((2, 3))
array2 = np.ones((2, 3))  # 1で初期化された配列
# 配列を縦に結合
combined_array = np.vstack((array1, array2))
print(combined_array)
[[0. 0. 0.]
 [0. 0. 0.]
 [1. 1. 1.]
 [1. 1. 1.]]

この例では、array1(全て0の配列)とarray2(全て1の配列)を縦に結合し、4行3列の配列が得られました。

numpy.zeros()で作成した配列は、他の配列と簡単に結合することができます。

まとめ

この記事では、NumPyのnumpy.zeros()関数を使用して、全要素が0の配列を作成する方法について詳しく解説しました。

配列の次元やデータ型の指定、初期化された配列を使った数値計算や形状変更、他の配列との結合方法など、さまざまな応用例を紹介しました。

これらの知識を活用して、データ処理や数値計算の効率を向上させることができるでしょう。

ぜひ、実際のプロジェクトや学習において、NumPyを積極的に活用してみてください。

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