【C言語】文字列の2次元配列の使い方を解説

C言語でプログラミングを学ぶ際に、文字列の2次元配列は非常に便利なデータ構造です。

このガイドでは、文字列の2次元配列の基本的な宣言方法や初期化方法から、実際の操作方法、さらには応用例までをわかりやすく解説します。

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文字列の2次元配列の宣言と初期化

C言語において、文字列の2次元配列は非常に便利なデータ構造です。

例えば、複数の名前や単語を一つの配列にまとめて管理することができます。

ここでは、文字列の2次元配列の宣言方法と初期化方法について詳しく解説します。

宣言方法

文字列の2次元配列の宣言

文字列の2次元配列を宣言するには、以下のような形式を使用します。

char 配列名[行数][列数];

例えば、5つの文字列を格納するための2次元配列を宣言する場合、以下のように記述します。

char names[5][20];

この例では、namesという配列に5つの文字列を格納でき、それぞれの文字列は最大で19文字(+終端文字)まで格納可能です。

宣言時の注意点

文字列の2次元配列を宣言する際には、以下の点に注意が必要です。

  1. メモリの確保: 各文字列の最大長を考慮して列数を設定する必要があります。

列数が不足すると、文字列が途中で切れてしまいます。

  1. 終端文字: C言語の文字列は終端文字(\0)で終わる必要があります。

列数にはこの終端文字の分も含めて確保する必要があります。

初期化方法

文字列の2次元配列を初期化する方法には、静的初期化と動的初期化の2つがあります。

静的初期化

静的初期化は、配列を宣言すると同時に初期値を設定する方法です。

以下の例では、3つの文字列を持つ2次元配列を静的に初期化しています。

char fruits[3][10] = {
    "Apple",
    "Banana",
    "Cherry"
};

この例では、fruitsという配列に3つの文字列が格納され、それぞれの文字列は最大で9文字(+終端文字)まで格納可能です。

動的初期化

動的初期化は、配列を宣言した後で個別に初期値を設定する方法です。

以下の例では、5つの文字列を持つ2次元配列を動的に初期化しています。

#include <stdio.h>
#include <string.h>
int main() {
    char cities[5][20];
    strcpy(cities[0], "Tokyo");
    strcpy(cities[1], "New York");
    strcpy(cities[2], "London");
    strcpy(cities[3], "Paris");
    strcpy(cities[4], "Berlin");
    for (int i = 0; i < 5; i++) {
        printf("%s\n", cities[i]);
    }
    return 0;
}

この例では、strcpy関数を使用して各要素に文字列をコピーしています。

動的初期化は、プログラムの実行中に文字列を変更する必要がある場合に便利です。

以上が、文字列の2次元配列の宣言と初期化方法です。

次に、文字列の2次元配列の操作方法について詳しく見ていきましょう。

文字列の2次元配列の操作

要素へのアクセス

文字列の2次元配列を操作する際には、各要素にアクセスする方法を理解することが重要です。

要素へのアクセスは、インデックスを使用して行います。

インデックスを使ったアクセス方法

文字列の2次元配列の各要素にアクセスするためには、行と列のインデックスを指定します。

以下に例を示します。

#include <stdio.h>
int main() {
    char fruits[3][10] = {"Apple", "Banana", "Cherry"};
    
    // 2次元配列の要素にアクセス
    printf("1番目のフルーツ: %s\n", fruits[0]);
    printf("2番目のフルーツ: %s\n", fruits[1]);
    printf("3番目のフルーツ: %s\n", fruits[2]);
    
    return 0;
}

このプログラムでは、fruitsという2次元配列を宣言し、各要素にアクセスして表示しています。

文字列の取得と変更

文字列の2次元配列の要素を取得したり変更したりすることも簡単です。

以下に例を示します。

#include <stdio.h>
#include <string.h>
int main() {
    char fruits[3][10] = {"Apple", "Banana", "Cherry"};
    
    // 2次元配列の要素を取得
    printf("1番目のフルーツ: %s\n", fruits[0]);
    
    // 2次元配列の要素を変更
    strcpy(fruits[1], "Blueberry");
    printf("変更後の2番目のフルーツ: %s\n", fruits[1]);
    
    return 0;
}

このプログラムでは、strcpy関数を使用して2次元配列の要素を変更しています。

文字列の追加と削除

文字列の2次元配列に新しい文字列を追加したり、既存の文字列を削除したりすることも可能です。

文字列の追加方法

文字列の2次元配列に新しい文字列を追加するには、空いているインデックスに新しい文字列を代入します。

以下に例を示します。

#include <stdio.h>
#include <string.h>
int main() {
    char fruits[4][10] = {"Apple", "Banana", "Cherry"};
    
    // 新しい文字列を追加
    strcpy(fruits[3], "Date");
    printf("4番目のフルーツ: %s\n", fruits[3]);
    
    return 0;
}

このプログラムでは、fruits配列の4番目の要素に新しい文字列を追加しています。

文字列の削除方法

文字列の2次元配列から文字列を削除するには、該当するインデックスの要素を空文字列に設定します。

以下に例を示します。

#include <stdio.h>
#include <string.h>
int main() {
    char fruits[3][10] = {"Apple", "Banana", "Cherry"};
    
    // 2番目の文字列を削除
    strcpy(fruits[1], "");
    printf("削除後の2番目のフルーツ: %s\n", fruits[1]);
    
    return 0;
}

このプログラムでは、fruits配列の2番目の要素を空文字列に設定して削除しています。

文字列の検索

文字列の2次元配列から特定の文字列を検索することも可能です。

文字列の検索方法

文字列の2次元配列から特定の文字列を検索するには、strcmp関数を使用します。

以下に例を示します。

#include <stdio.h>
#include <string.h>
int main() {
    char fruits[3][10] = {"Apple", "Banana", "Cherry"};
    char target[10] = "Banana";
    int found = 0;
    
    // 文字列の検索
    for (int i = 0; i < 3; i++) {
        if (strcmp(fruits[i], target) == 0) {
            printf("%sは%d番目に見つかりました。\n", target, i + 1);
            found = 1;
            break;
        }
    }
    
    if (!found) {
        printf("%sは見つかりませんでした。\n", target);
    }
    
    return 0;
}

このプログラムでは、fruits配列からtarget文字列を検索し、見つかった場合にはそのインデックスを表示します。

検索アルゴリズムの例

文字列の2次元配列から特定の文字列を検索するためのアルゴリズムとして、線形探索が一般的です。

以下に線形探索の例を示します。

#include <stdio.h>
#include <string.h>
int linear_search(char arr[][10], int size, char target[]) {
    for (int i = 0; i < size; i++) {
        if (strcmp(arr[i], target) == 0) {
            return i; // 見つかった場合のインデックスを返す
        }
    }
    return -1; // 見つからなかった場合は-1を返す
}
int main() {
    char fruits[3][10] = {"Apple", "Banana", "Cherry"};
    char target[10] = "Cherry";
    
    int index = linear_search(fruits, 3, target);
    
    if (index != -1) {
        printf("%sは%d番目に見つかりました。\n", target, index + 1);
    } else {
        printf("%sは見つかりませんでした。\n", target);
    }
    
    return 0;
}

このプログラムでは、linear_search関数を使用してfruits配列からtarget文字列を検索し、見つかった場合にはそのインデックスを返します。

見つからなかった場合には-1を返します。

文字列の2次元配列の応用例

文字列の2次元配列を使うことで、さまざまな応用が可能です。

ここでは、文字列のソート、結合、分割について解説します。

文字列のソート

文字列の2次元配列をソートすることで、アルファベット順や辞書順に並べ替えることができます。

ソートアルゴリズムの紹介

文字列のソートにはさまざまなアルゴリズムがありますが、ここでは基本的なバブルソートを紹介します。

バブルソートは、隣接する要素を比較して順序が逆であれば交換するという操作を繰り返すことでソートを行います。

ソートの実装例

以下に、文字列の2次元配列をバブルソートでソートする例を示します。

#include <stdio.h>
#include <string.h>
void bubbleSort(char arr[][20], int n) {
    char temp[20];
    for (int i = 0; i < n-1; i++) {
        for (int j = 0; j < n-i-1; j++) {
            if (strcmp(arr[j], arr[j+1]) > 0) {
                // 文字列を交換
                strcpy(temp, arr[j]);
                strcpy(arr[j], arr[j+1]);
                strcpy(arr[j+1], temp);
            }
        }
    }
}
int main() {
    char arr[5][20] = {"banana", "apple", "cherry", "mango", "blueberry"};
    int n = 5;
    printf("ソート前:\n");
    for (int i = 0; i < n; i++) {
        printf("%s\n", arr[i]);
    }
    bubbleSort(arr, n);
    printf("\nソート後:\n");
    for (int i = 0; i < n; i++) {
        printf("%s\n", arr[i]);
    }
    return 0;
}

このプログラムを実行すると、以下のように出力されます。

ソート前:
banana
apple
cherry
mango
blueberry
ソート後:
apple
banana
blueberry
cherry
mango

文字列の結合

文字列の2次元配列の各要素を結合して1つの文字列にすることができます。

文字列の結合方法

文字列の結合には、strcat関数を使用します。

strcat関数は、2つの文字列を結合して1つの文字列にします。

結合の実装例

以下に、文字列の2次元配列を結合する例を示します。

#include <stdio.h>
#include <string.h>
int main() {
    char arr[5][20] = {"Hello", " ", "World", "!", "\n"};
    char result[100] = "";
    for (int i = 0; i < 5; i++) {
        strcat(result, arr[i]);
    }
    printf("結合結果:\n%s", result);
    return 0;
}

このプログラムを実行すると、以下のように出力されます。

結合結果:
Hello World!

文字列の分割

文字列の2次元配列を使って、1つの文字列を複数の部分に分割することができます。

文字列の分割方法

文字列の分割には、strtok関数を使用します。

strtok関数は、指定した区切り文字で文字列を分割します。

分割の実装例

以下に、文字列をスペースで分割する例を示します。

#include <stdio.h>
#include <string.h>
int main() {
    char str[] = "Hello World! This is C programming.";
    char *token;
    char arr[10][20];
    int i = 0;
    token = strtok(str, " ");
    while (token != NULL) {
        strcpy(arr[i], token);
        i++;
        token = strtok(NULL, " ");
    }
    printf("分割結果:\n");
    for (int j = 0; j < i; j++) {
        printf("%s\n", arr[j]);
    }
    return 0;
}

このプログラムを実行すると、以下のように出力されます。

分割結果:
Hello
World!
This
is
C
programming.

以上が、文字列の2次元配列を使ったソート、結合、分割の応用例です。

これらの操作を理解することで、文字列の2次元配列をより効果的に活用できるようになります。

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