【C言語】配列の要素の値を全て表示する方法を解説

この記事では、forループやwhileループを使って配列の要素を表示する方法をわかりやすく解説します。

また、配列の要素を表示する際の注意点や、文字列配列、多次元配列、ポインタを使った応用例についても紹介します。

この記事を読むことで、配列の要素を正確に表示するための基本的な知識とテクニックを身につけることができます。

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配列の要素を全て表示する方法

C言語で配列の要素を全て表示する方法はいくつかありますが、ここでは代表的な方法としてforループとwhileループを使った方法を解説します。

これらのループを使うことで、配列の各要素に順番にアクセスし、表示することができます。

forループを使った表示

基本的なforループの使い方

forループは、指定した回数だけ繰り返し処理を行うための構文です。

基本的な構文は以下の通りです。

for (初期化; 条件; 更新) {
    // 繰り返し実行する処理
}
  • 初期化: ループが開始される前に一度だけ実行される部分です。

通常、ループカウンタの初期化が行われます。

  • 条件: ループが続行されるかどうかを判定する条件です。

この条件が真(true)である限り、ループは繰り返されます。

  • 更新: 各ループの終わりに実行される部分です。

通常、ループカウンタの更新が行われます。

配列の要素を表示する具体例

それでは、forループを使って配列の要素を表示する具体例を見てみましょう。

以下のコードは、整数型の配列の要素をforループを使って表示する例です。

#include <stdio.h>
int main() {
    int array[] = {1, 2, 3, 4, 5}; // 配列の宣言と初期化
    int size = sizeof(array) / sizeof(array[0]); // 配列のサイズを計算
    // forループを使って配列の要素を表示
    for (int i = 0; i < size; i++) {
        printf("%d\n", array[i]); // 配列の各要素を表示
    }
    return 0;
}

このコードを実行すると、以下のように配列の各要素が表示されます。

1
2
3
4
5

whileループを使った表示

基本的なwhileループの使い方

whileループは、指定した条件が真(true)である限り、繰り返し処理を行うための構文です。

基本的な構文は以下の通りです。

while (条件) {
    // 繰り返し実行する処理
}
  • 条件: ループが続行されるかどうかを判定する条件です。

この条件が真(true)である限り、ループは繰り返されます。

配列の要素を表示する具体例

それでは、whileループを使って配列の要素を表示する具体例を見てみましょう。

以下のコードは、整数型の配列の要素をwhileループを使って表示する例です。

#include <stdio.h>
int main() {
    int array[] = {1, 2, 3, 4, 5}; // 配列の宣言と初期化
    int size = sizeof(array) / sizeof(array[0]); // 配列のサイズを計算
    int i = 0; // ループカウンタの初期化
    // whileループを使って配列の要素を表示
    while (i < size) {
        printf("%d\n", array[i]); // 配列の各要素を表示
        i++; // ループカウンタの更新
    }
    return 0;
}

このコードを実行すると、以下のように配列の各要素が表示されます。

1
2
3
4
5

以上が、forループとwhileループを使って配列の要素を全て表示する方法です。

どちらの方法も基本的なループ構文を理解することで、簡単に配列の要素を表示することができます。

配列の要素を表示する際の注意点

配列の要素を表示する際には、いくつかの注意点があります。

これらの注意点を理解しておくことで、プログラムのバグを防ぎ、正確な出力を得ることができます。

配列のサイズを超えないようにする

配列の要素を表示する際に最も重要な注意点の一つは、配列のサイズを超えないようにすることです。

C言語では、配列の範囲外にアクセスすると未定義の動作が発生する可能性があります。

これは、プログラムがクラッシュしたり、予期しない結果を返したりする原因となります。

例えば、以下のようなコードは配列の範囲外にアクセスしてしまう可能性があります。

#include <stdio.h>
int main() {
    int arr[5] = {1, 2, 3, 4, 5};
    for (int i = 0; i <= 5; i++) { // 注意: i <= 5 は範囲外アクセス
        printf("%d\n", arr[i]);
    }
    return 0;
}

このコードでは、iが5のときに配列の範囲外にアクセスしてしまいます。

正しくは以下のように、i < 5とするべきです。

#include <stdio.h>
int main() {
    int arr[5] = {1, 2, 3, 4, 5};
    for (int i = 0; i < 5; i++) {
        printf("%d\n", arr[i]);
    }
    return 0;
}

配列の要素が文字列の場合の注意点

配列の要素が文字列の場合には、特に注意が必要です。

文字列は終端文字(ヌル文字 \0)で終わる必要があります。

この終端文字がないと、文字列の終わりを正しく認識できず、予期しない動作が発生する可能性があります。

文字列配列の表示方法

文字列配列を表示する場合、printf関数を使って簡単に表示することができます。

例えば、以下のようなコードで文字列配列を表示することができます。

#include <stdio.h>
int main() {
    char str[] = "Hello, World!";
    printf("%s\n", str); // 文字列を表示
    return 0;
}

このコードでは、%sフォーマット指定子を使って文字列を表示しています。

文字列の終端文字に注意

文字列の終端文字に注意することは非常に重要です。

例えば、以下のようなコードでは、終端文字がないために予期しない動作が発生する可能性があります。

#include <stdio.h>
int main() {
    char str[5] = {'H', 'e', 'l', 'l', 'o'}; // 終端文字がない
    printf("%s\n", str); // 予期しない動作が発生する可能性
    return 0;
}

このコードでは、str配列に終端文字が含まれていないため、printf関数は文字列の終わりを正しく認識できません。

正しくは以下のように、終端文字を含める必要があります。

#include <stdio.h>
int main() {
    char str[6] = {'H', 'e', 'l', 'l', 'o', '\0'}; // 終端文字を含める
    printf("%s\n", str); // 正しく表示される
    return 0;
}

このように、文字列配列を扱う際には終端文字に注意し、配列のサイズを超えないようにすることが重要です。

これらの注意点を守ることで、正確で安全なプログラムを作成することができます。

応用例

多次元配列の要素を表示する方法

多次元配列の宣言と初期化

多次元配列は、配列の中にさらに配列が含まれている構造を持つ配列です。

最も一般的な多次元配列は2次元配列で、行列のようにデータを格納します。

以下に2次元配列の宣言と初期化の例を示します。

#include <stdio.h>
int main() {
    // 2次元配列の宣言と初期化
    int matrix[3][3] = {
        {1, 2, 3},
        {4, 5, 6},
        {7, 8, 9}
    };
    return 0;
}

この例では、3行3列の2次元配列 matrix を宣言し、初期化しています。

多次元配列の要素を表示する具体例

多次元配列の要素を表示するには、ネストされたループを使用します。

以下に具体的な例を示します。

#include <stdio.h>
int main() {
    // 2次元配列の宣言と初期化
    int matrix[3][3] = {
        {1, 2, 3},
        {4, 5, 6},
        {7, 8, 9}
    };
    // 2次元配列の要素を表示
    for (int i = 0; i < 3; i++) {
        for (int j = 0; j < 3; j++) {
            printf("%d ", matrix[i][j]);
        }
        printf("\n"); // 行の終わりで改行
    }
    return 0;
}

このプログラムを実行すると、以下のように2次元配列の要素が表示されます。

1 2 3 
4 5 6 
7 8 9

ポインタを使った配列の要素表示

ポインタと配列の関係

C言語では、配列の名前はその配列の最初の要素へのポインタとして扱われます。

例えば、int arr[5] という配列がある場合、arr&arr[0] と同じ意味になります。

ポインタを使うことで、配列の要素にアクセスすることができます。

ポインタを使った配列の要素表示の具体例

ポインタを使って配列の要素を表示する方法を以下に示します。

#include <stdio.h>
int main() {
    // 配列の宣言と初期化
    int arr[5] = {10, 20, 30, 40, 50};
    // ポインタを使って配列の要素を表示
    int *ptr = arr; // 配列の最初の要素へのポインタ
    for (int i = 0; i < 5; i++) {
        printf("%d ", *(ptr + i));
    }
    return 0;
}

このプログラムを実行すると、以下のように配列の要素が表示されます。

10 20 30 40 50

この例では、ポインタ ptr を使って配列 arr の要素にアクセスしています。

*(ptr + i)arr[i] と同じ意味になります。

ポインタを使うことで、配列の要素に対して柔軟に操作を行うことができます。

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