[C言語] 勝つまでじゃんけんするプログラムの書き方
C言語で「勝つまでじゃんけんする」プログラムを作成するには、ループと条件分岐を活用します。
まず、ユーザーとコンピュータの手をランダムに生成し、比較するための関数を用意します。
次に、whileループを使用して、ユーザーが勝つまで繰り返しじゃんけんを行います。
ループ内で、ユーザーの入力を受け取り、コンピュータの手をランダムに選び、勝敗を判定します。
ユーザーが勝利した場合にループを終了し、結果を表示します。
プログラムの設計
じゃんけんプログラムを作成するにあたり、まずはプログラムの設計を行います。
設計段階では、プログラムの流れや必要な機能を明確にし、効率的な実装を目指します。
フローの設計
プログラムのフローを設計することで、全体の流れを把握しやすくなります。
以下に、じゃんけんプログラムの基本的なフローを示します。
入力の取得
じゃんけんプログラムでは、ユーザーからの入力が必要です。
ユーザーは「グー」「チョキ」「パー」のいずれかを選択します。
入力の取得は、標準入力を用いて行います。
- ユーザーに選択肢を提示する
- 標準入力からユーザーの選択を取得する
- 入力が有効かどうかを確認する
勝敗の判定
ユーザーの入力とコンピュータの手を比較し、勝敗を判定します。
勝敗の判定は以下のように行います。
- ユーザーの手とコンピュータの手を比較
- 勝ち、負け、引き分けのいずれかを判定
- 結果をユーザーに表示
繰り返し処理の実装
ユーザーが勝つまでじゃんけんを繰り返すために、繰り返し処理を実装します。
繰り返し処理は、ループを用いて実現します。
- 勝つまでループを継続
- 各ラウンドで勝敗を判定
- ユーザーが勝利したらループを終了
擬似コードの作成
プログラムのフローが決まったら、擬似コードを作成します。
擬似コードは、プログラムのロジックを自然言語で表現したものです。
以下に、じゃんけんプログラムの擬似コードを示します。
1. ユーザーに「グー」「チョキ」「パー」を選択させる
2. コンピュータの手をランダムに選択
3. ユーザーの手とコンピュータの手を比較
4. 勝敗を判定
   - ユーザーが勝った場合、プログラムを終了
   - 引き分けまたはユーザーが負けた場合、1に戻る
5. 結果を表示この擬似コードを基に、実際のC言語プログラムを実装していきます。
擬似コードを作成することで、プログラムの全体像を把握しやすくなり、実装時のミスを減らすことができます。
C言語での実装
ここでは、じゃんけんプログラムをC言語で実装する方法を解説します。
各ステップで必要なコードを示しながら、プログラムを完成させていきます。
必要な変数の宣言
まずは、プログラムで使用する変数を宣言します。
じゃんけんプログラムでは、ユーザーの手、コンピュータの手、勝敗を判定するための変数が必要です。
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <time.h>
// ユーザーの手を格納する変数
int userHand;
// コンピュータの手を格納する変数
int computerHand;
// 勝敗を判定するための変数
int result;標準入力からのデータ取得
ユーザーからの入力を取得するために、標準入力を使用します。
ここでは、ユーザーに「グー」「チョキ」「パー」を選択させ、その選択を取得します。
// ユーザーに選択肢を提示
printf("じゃんけんをしましょう!\n0: グー, 1: チョキ, 2: パー\n");
// ユーザーの入力を取得
scanf("%d", &userHand);ランダムな手の生成
コンピュータの手をランダムに生成するために、rand()関数を使用します。
srand()関数でシードを設定することで、毎回異なる乱数を生成します。
// 乱数のシードを設定
srand(time(NULL));
// コンピュータの手をランダムに生成
computerHand = rand() % 3;勝敗判定のロジック
ユーザーの手とコンピュータの手を比較し、勝敗を判定します。
勝敗の判定は、以下のロジックに基づいて行います。
// 勝敗を判定
if (userHand == computerHand) {
    result = 0; // 引き分け
} else if ((userHand == 0 && computerHand == 1) ||
           (userHand == 1 && computerHand == 2) ||
           (userHand == 2 && computerHand == 0)) {
    result = 1; // ユーザーの勝ち
} else {
    result = -1; // ユーザーの負け
}繰り返し処理の実装
ユーザーが勝つまでじゃんけんを繰り返すために、whileループを使用します。
ユーザーが勝利するまでループを継続します。
// ユーザーが勝つまで繰り返す
while (result != 1) {
    // ユーザーに選択肢を提示
    printf("じゃんけんをしましょう!\n0: グー, 1: チョキ, 2: パー\n");
    // ユーザーの入力を取得
    scanf("%d", &userHand);
    // コンピュータの手をランダムに生成
    computerHand = rand() % 3;
    // 勝敗を判定
    if (userHand == computerHand) {
        printf("引き分けです。\n");
        result = 0;
    } else if ((userHand == 0 && computerHand == 1) ||
               (userHand == 1 && computerHand == 2) ||
               (userHand == 2 && computerHand == 0)) {
        printf("あなたの勝ちです!\n");
        result = 1;
    } else {
        printf("あなたの負けです。\n");
        result = -1;
    }
}このようにして、C言語でじゃんけんプログラムを実装することができます。
プログラムは、ユーザーが勝利するまで繰り返し実行されます。
プログラムのテスト
プログラムを実装した後は、正しく動作するかどうかを確認するためにテストを行います。
ここでは、じゃんけんプログラムのテスト方法について解説します。
テストケースの設計
テストケースを設計することで、プログラムが期待通りに動作するかを確認します。
じゃんけんプログラムでは、以下のようなテストケースを考慮します。
| テストケース | ユーザーの手 | コンピュータの手 | 期待される結果 | 
|---|---|---|---|
| 引き分け | グー | グー | 引き分け | 
| ユーザーの勝ち | グー | チョキ | ユーザーの勝ち | 
| ユーザーの負け | グー | パー | ユーザーの負け | 
| ユーザーの勝ち | チョキ | パー | ユーザーの勝ち | 
| ユーザーの負け | チョキ | グー | ユーザーの負け | 
| 引き分け | パー | パー | 引き分け | 
これらのテストケースを実行し、プログラムが正しく動作するかを確認します。
デバッグ方法
プログラムにバグがある場合、デバッグを行って修正します。
デバッグの方法としては、以下の手順を参考にしてください。
- 出力を確認する: プログラムの出力が期待通りでない場合、どの部分で誤りが発生しているかを確認します。
- 変数の値を確認する: デバッグ用の出力を追加し、変数の値を確認します。
例:printf("userHand: %d\n", userHand);
- ロジックを見直す: 勝敗判定のロジックやループの条件を見直し、誤りがないか確認します。
- 段階的にテストする: プログラムを部分的に実行し、各部分が正しく動作するかを確認します。
よくあるエラーとその対処法
じゃんけんプログラムでよくあるエラーとその対処法を以下に示します。
- 入力が無効な場合: ユーザーが無効な入力をした場合、プログラムが正しく動作しないことがあります。
入力の検証を追加し、無効な入力があった場合は再入力を促すようにします。
- 例:if (userHand < 0 || userHand > 2) { printf("無効な入力です。再度入力してください。\n"); continue; }
- 乱数が固定されている場合: srand()を使用していないと、毎回同じ乱数が生成されます。
srand(time(NULL));をプログラムの開始時に追加し、乱数のシードを設定します。
- 無限ループに陥る場合: 勝敗判定のロジックに誤りがあると、無限ループに陥ることがあります。
ループの条件と勝敗判定のロジックを見直し、正しく設定されているか確認します。
これらのエラーを確認し、適切に対処することで、プログラムが正しく動作するようになります。
応用例
じゃんけんプログラムは基本的なゲームですが、さまざまな応用が可能です。
ここでは、じゃんけんプログラムを発展させた応用例を紹介します。
コンピュータの手を学習させる
コンピュータの手をランダムに生成する代わりに、過去の対戦結果を基に学習させることができます。
これにより、コンピュータがより賢く手を選ぶようになります。
- 学習アルゴリズムの導入: 過去のユーザーの手を記録し、次の手を予測するアルゴリズムを導入します。
例えば、ユーザーがよく出す手を分析し、それに勝つ手を選ぶようにします。
- データの蓄積: 対戦結果をデータベースやファイルに保存し、次回の対戦に活用します。
GUIを用いたじゃんけんプログラム
コマンドラインではなく、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を用いてじゃんけんプログラムを作成することで、より直感的で使いやすいアプリケーションを提供できます。
- GUIライブラリの使用: C言語でGUIを作成するために、GTKやQtなどのライブラリを使用します。
- インタラクティブな操作: ボタンをクリックして手を選ぶなど、ユーザーが視覚的に操作できるようにします。
- 視覚的なフィードバック: 勝敗結果を画像やアニメーションで表示し、ユーザーに視覚的なフィードバックを提供します。
ネットワーク対戦型じゃんけん
ネットワークを介して、他のプレイヤーと対戦できるじゃんけんプログラムを作成することも可能です。
これにより、リアルタイムでの対戦が楽しめます。
- ネットワーク通信の実装: ソケットプログラミングを用いて、クライアントとサーバー間で通信を行います。
- リアルタイム対戦: プレイヤー同士がリアルタイムで対戦できるように、通信の遅延を最小限に抑えます。
- マッチメイキング機能: ランダムに対戦相手を見つけるマッチメイキング機能を実装し、スムーズに対戦を開始できるようにします。
これらの応用例を通じて、じゃんけんプログラムをより高度で面白いものに発展させることができます。
各応用例には、それぞれの技術的なチャレンジがありますが、実装することでプログラミングスキルを向上させることができます。
まとめ
この記事では、C言語で勝つまでじゃんけんをするプログラムの設計から実装、テスト、応用例までを解説しました。
プログラムの基本的な流れを理解し、実際にコードを実装することで、C言語の基礎的なプログラミングスキルを向上させることができます。
この記事を参考に、さらに複雑なプログラムや新しい機能を追加して、プログラミングの楽しさを体験してみてください。
 
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