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[Python] 小数点以下の任意桁で切り捨て・切り上げする方法

2025-01-18更新日: 2025-01-18

Pythonで小数点以下の任意桁で切り捨てや切り上げを行うには、標準ライブラリのmathモジュールやdecimalモジュールを使用します。

math.floor関数は数値を切り捨て、math.ceil関数は切り上げを行いますが、これらは整数に対して動作します。

小数点以下の桁数を指定したい場合は、decimal.Decimalクラスを用いてquantizeメソッドを使用することで、任意の桁数での切り捨てや切り上げが可能です。

目次から探す

小数点以下の任意桁での切り捨て・切り上げ
応用例
まとめ

小数点以下の任意桁での切り捨て・切り上げ

round関数を使った小数点以下の桁数指定

Pythonの組み込み関数であるroundを使用すると、小数点以下の桁数を指定して数値を丸めることができます。

round関数は、数値と丸めたい桁数を引数として受け取ります。

# 小数点以下2桁で丸める
number = 3.14159
rounded_number = round(number, 2)
print(rounded_number)  # 出力: 3.14

この例では、3.14159を小数点以下2桁で丸めて3.14を得ています。

round関数は四捨五入を行うため、指定した桁数の次の桁が5以上の場合は切り上げられます。

Decimalモジュールでの任意桁数指定

Decimalモジュールを使用すると、より高精度な数値計算が可能です。

Decimalは浮動小数点数の誤差を避けるために使用され、任意の桁数での切り捨てや切り上げができます。

from decimal import Decimal, ROUND_DOWN, ROUND_UP
# Decimalを使って小数点以下2桁で切り捨て
number = Decimal('3.14159')
truncated_number = number.quantize(Decimal('0.00'), rounding=ROUND_DOWN)
print(truncated_number)  # 出力: 3.14
# Decimalを使って小数点以下2桁で切り上げ
rounded_up_number = number.quantize(Decimal('0.00'), rounding=ROUND_UP)
print(rounded_up_number)  # 出力: 3.15

この例では、Decimalを使用して小数点以下2桁での切り捨てと切り上げを行っています。

ROUND_DOWNは切り捨て、ROUND_UPは切り上げを意味します。

自作関数での任意桁数指定

自作関数を作成することで、より柔軟に小数点以下の桁数を制御することができます。

以下は、任意の桁数で切り捨てと切り上げを行う関数の例です。

def truncate(number, digits):
    stepper = 10.0 ** digits
    return int(number * stepper) / stepper
def round_up(number, digits):
    stepper = 10.0 ** digits
    return (int(number * stepper) + 1) / stepper
# 小数点以下2桁で切り捨て
truncated_number = truncate(3.14159, 2)
print(truncated_number)  # 出力: 3.14
# 小数点以下2桁で切り上げ
rounded_up_number = round_up(3.14159, 2)
print(rounded_up_number)  # 出力: 3.15

この例では、truncate関数で小数点以下の桁数を指定して切り捨て、round_up関数で切り上げを行っています。

stepperを使用して、指定した桁数に応じた計算を行っています。

応用例

金額計算での切り捨て・切り上げ

金額計算では、特に消費税や割引計算などで小数点以下の処理が重要です。

例えば、商品の合計金額を計算する際に、切り捨てや切り上げを行うことで、正確な請求額を求めることができます。

from decimal import Decimal, ROUND_DOWN, ROUND_UP
# 商品の価格リスト
prices = [Decimal('19.99'), Decimal('5.49'), Decimal('3.50')]
# 合計金額を計算し、小数点以下2桁で切り捨て
total = sum(prices)
total_truncated = total.quantize(Decimal('0.00'), rounding=ROUND_DOWN)
print(total_truncated)  # 出力: 28.98
# 合計金額を計算し、小数点以下2桁で切り上げ
total_rounded_up = total.quantize(Decimal('0.00'), rounding=ROUND_UP)
print(total_rounded_up)  # 出力: 29.00

この例では、商品の価格を合計し、切り捨てと切り上げを行っています。

Decimalを使用することで、金額計算における精度を確保しています。

科学計算での精度管理

科学計算では、計算結果の精度が非常に重要です。

小数点以下の桁数を適切に管理することで、計算誤差を最小限に抑えることができます。

from decimal import Decimal, getcontext
# 精度を設定
getcontext().prec = 10
# 科学計算の例
value = Decimal('0.12345678901234567890')
result = value * Decimal('2.5')
print(result)  # 出力: 0.3086419725

この例では、Decimalの精度を10桁に設定し、計算を行っています。

科学計算では、必要に応じて精度を調整することで、計算結果の信頼性を高めることができます。

データ分析での数値処理

データ分析では、データの集計や統計処理において小数点以下の桁数を調整することがよくあります。

これにより、データの見やすさや解釈のしやすさが向上します。

import numpy as np
# データセット
data = np.array([1.234, 2.345, 3.456, 4.567])
# 平均値を計算し、小数点以下2桁で丸める
mean_value = np.mean(data)
rounded_mean = round(mean_value, 2)
print(rounded_mean)  # 出力: 2.9