EdgeDriverのインストール方法(Micrsoft Edgeをプログラムから動かす)
Microsoft Edgeをプログラムから操作するためには、EdgeDriverをインストールし、Seleniumなどのライブラリを使用します。
以下はその手順です。
- EdgeDriverの読み込み: プログラム内で
webdriver.Edge(executable_path='path_to_driver')
を使用してEdgeDriverを読み込み、ブラウザを操作します。 - Edgeのバージョン確認: Edgeブラウザの設定メニューからバージョンを確認します。
- EdgeDriverのダウンロード: Edgeのバージョンに対応するEdgeDriverをMicrosoft Edge Developerサイトからダウンロードします。
- EdgeDriverの配置: ダウンロードしたEdgeDriverを適切なディレクトリに配置します。
- Seleniumのインストール: Pythonの場合、
pip install selenium
でSeleniumをインストールします。
EdgeDriverとは
EdgeDriverは、Microsoft Edgeブラウザを自動化するためのWebDriverです。
WebDriverは、Seleniumなどのテスト自動化ツールと連携して、ブラウザをプログラムから操作するためのインターフェースを提供します。
EdgeDriverを使用することで、Webアプリケーションのテストやデータ収集、スクレイピングなどを効率的に行うことができます。
EdgeDriverは、Microsoft Edgeのバージョンに応じたものを使用する必要があり、正しいバージョンを選択することで、ブラウザの機能をフルに活用できます。
Pythonをはじめとする多くのプログラミング言語で利用可能で、簡単にインストールして使用することができます。
これにより、開発者は手動での操作を減らし、より効率的な作業が可能になります。
EdgeDriverのインストール手順
Microsoft Edgeのバージョン確認
Edgeのバージョン確認方法
Microsoft Edgeのバージョンを確認するには、以下の手順を実行します。
- Edgeブラウザを開く。
- 右上の「…」メニューをクリックし、「設定」を選択。
- 左側のメニューから「Microsoft Edgeについて」を選ぶと「バージョン情報」が表示されます。

この情報をもとに、適切なEdgeDriverを選択します。
バージョンに応じたEdgeDriverの選択
EdgeDriverは、使用しているMicrosoft Edgeのバージョンに対応したものを選ぶ必要があります。
バージョン情報を確認したら、次のステップでEdgeDriverをダウンロードします。
EdgeDriverのダウンロード
Microsoft Edge Developerサイトの利用方法
EdgeDriverは、Microsoftの公式サイトからダウンロードできます。
以下の手順でアクセスします。
- Microsoft Edge Developerにアクセス。
- ページ内の
Download
セクションから、確認したEdgeのバージョンに対応するEdgeDriverを見つけます。
ダウンロードするファイルの選択
ダウンロードする際は、OSに応じたファイルを選択します。
Windowsの場合は、通常 msedgedriver.exe
というファイルを選びます。
EdgeDriverの配置
適切なディレクトリの選び方
ダウンロードしたEdgeDriverを配置するディレクトリは、任意ですが、一般的には以下のような場所が推奨されます。
C:\Program Files\
C:\Tools\
これにより、後の環境変数設定が容易になります。
環境変数へのパス設定
EdgeDriverを配置したディレクトリを環境変数に追加することで、どのディレクトリからでもEdgeDriverを呼び出せるようになります。
以下の手順で設定します。
- 「スタート」メニューを右クリックし、「システム」を選択。
- 「システムの詳細設定」をクリックし、「環境変数」を選択。
Path
を選び、「編集」をクリック。- 「新規」をクリックし、EdgeDriverを配置したディレクトリのパスを追加します。
Seleniumのインストール
PythonでのSeleniumインストール方法
PythonでSeleniumをインストールするには、以下のコマンドを実行します。
pip install selenium
これにより、SeleniumがPython環境にインストールされます。
他のプログラミング言語でのSeleniumインストール
他のプログラミング言語でもSeleniumは利用可能です。
例えば、Javaの場合はMavenを使用して以下の依存関係を追加します。
<dependency>
<groupId>org.seleniumhq.selenium</groupId>
<artifactId>selenium-java</artifactId>
<version>4.0.0</version>
</dependency>
EdgeDriverの動作確認
簡単なPythonコードでの動作確認
EdgeDriverが正しくインストールされたか確認するために、以下のPythonコードを実行します。
from selenium import webdriver
# EdgeDriverのパスを指定
driver = webdriver.Edge(executable_path='C:\\path\\to\\msedgedriver.exe')
# Bingのページを開く
driver.get('https://www.bing.com/')
# タイトルを表示
print(driver.title)
# ブラウザを閉じる
driver.quit()
このコードを実行すると、Bingのページが開き、タイトルが表示されます。
Bing
EdgeDriverのトラブルシューティング
EdgeDriverが動作しない場合、以下の点を確認します。
- EdgeブラウザとEdgeDriverのバージョンが一致しているか。
- 環境変数に正しいパスが設定されているか。
- EdgeDriverの実行権限があるか。
これらを確認することで、問題を解決できる場合が多いです。
EdgeDriverを使った基本的な操作
EdgeDriverでブラウザを起動する
EdgeDriverを使用してMicrosoft Edgeブラウザを起動するには、以下のPythonコードを実行します。
このコードでは、EdgeDriverのパスを指定してブラウザを起動します。
from selenium import webdriver
# EdgeDriverのパスを指定
driver = webdriver.Edge(executable_path='C:\\path\\to\\msedgedriver.exe')
このコードを実行すると、Edgeブラウザが起動します。
Webページの読み込み
起動したブラウザで特定のWebページを読み込むには、getメソッド
を使用します。
以下のコードは、Googleのホームページを開く例です。
# Googleのページを開く
driver.get('https://www.google.com/')
要素の取得と操作
Webページ上の要素を取得し、操作することができます。
以下に、ボタンのクリックとテキスト入力の例を示します。
ボタンのクリック
特定のボタンをクリックするには、要素を取得してclickメソッド
を使用します。
以下のコードは、Googleの検索ボタンをクリックする例です。
# 検索ボックスにテキストを入力
search_box = driver.find_element('name', 'q')
search_box.send_keys('Python')
# 検索ボタンをクリック
search_button = driver.find_element('name', 'btnK')
search_button.click()
テキスト入力
テキストボックスに文字を入力するには、send_keysメソッド
を使用します。
上記のコードでは、検索ボックスに Python
というテキストを入力しています。
スクリーンショットの取得
Webページのスクリーンショットを取得するには、get_screenshot_as_fileメソッド
を使用します。
以下のコードは、現在のページのスクリーンショットを保存する例です。
# スクリーンショットを取得して保存
driver.get_screenshot_as_file('screenshot.png')
このコードを実行すると、カレントディレクトリにscreenshot.png
という名前でスクリーンショットが保存されます。
ブラウザの終了
操作が完了したら、ブラウザを閉じるためにquitメソッド
を使用します。
以下のコードでブラウザを終了します。
# ブラウザを閉じる
driver.quit()
このコードを実行すると、起動したEdgeブラウザが閉じられます。
これにより、リソースが解放され、次回の操作に備えることができます。
EdgeDriverの応用例
自動ログインスクリプトの作成
自動ログインスクリプトを作成することで、特定のWebサイトに自動的にログインすることができます。
以下は、ユーザー名とパスワードを入力してログインボタンをクリックする例です。
from selenium import webdriver
# EdgeDriverのパスを指定
driver = webdriver.Edge(executable_path='C:\\path\\to\\msedgedriver.exe')
# ログインページを開く
driver.get('https://example.com/login')
# ユーザー名とパスワードを入力
username = driver.find_element('name', 'username')
password = driver.find_element('name', 'password')
username.send_keys('your_username')
password.send_keys('your_password')
# ログインボタンをクリック
login_button = driver.find_element('name', 'login')
login_button.click()
このコードを実行すると、指定したユーザー名とパスワードで自動的にログインします。
Webスクレイピングの実装
EdgeDriverを使用してWebスクレイピングを行うことも可能です。
特定のWebページからデータを取得する例を示します。
from selenium import webdriver
# EdgeDriverのパスを指定
driver = webdriver.Edge(executable_path='C:\\path\\to\\msedgedriver.exe')
# スクレイピング対象のページを開く
driver.get('https://example.com/data')
# データを取得
data_elements = driver.find_elements('class name', 'data-class')
for element in data_elements:
print(element.text)
# ブラウザを閉じる
driver.quit()
このコードでは、指定したクラス名の要素からテキストを取得し、コンソールに表示します。
定期的なWebページの監視
特定のWebページを定期的に監視し、変更があった場合に通知するスクリプトを作成できます。
以下は、ページのタイトルを定期的にチェックする例です。
import time
from selenium import webdriver
# EdgeDriverのパスを指定
driver = webdriver.Edge(executable_path='C:\\path\\to\\msedgedriver.exe')
# 監視するページを開く
driver.get('https://example.com')
# 初期タイトルを取得
initial_title = driver.title
while True:
time.sleep(60) # 60秒待機
driver.refresh() # ページをリフレッシュ
current_title = driver.title
if current_title != initial_title:
print('ページタイトルが変更されました:', current_title)
break
# ブラウザを閉じる
driver.quit()
このコードは、ページのタイトルが変更されるまで60秒ごとにリフレッシュを行います。
フォームの自動入力と送信
Webフォームに自動的にデータを入力し、送信することも可能です。
以下は、フォームにデータを入力して送信する例です。
from selenium import webdriver
# EdgeDriverのパスを指定
driver = webdriver.Edge(executable_path='C:\\path\\to\\msedgedriver.exe')
# フォームページを開く
driver.get('https://example.com/form')
# フォームにデータを入力
name_field = driver.find_element('name', 'name')
email_field = driver.find_element('name', 'email')
name_field.send_keys('山田太郎')
email_field.send_keys('taro@example.com')
# フォームを送信
submit_button = driver.find_element('name', 'submit')
submit_button.click()
このコードを実行すると、指定した名前とメールアドレスがフォームに入力され、送信されます。
複数タブの操作
EdgeDriverを使用して複数のタブを操作することもできます。
以下は、新しいタブを開いて別のページを表示する例です。
from selenium import webdriver
import time
# EdgeDriverのパスを指定
driver = webdriver.Edge(executable_path='C:\\path\\to\\msedgedriver.exe')
# 最初のタブでページを開く
driver.get('https://example.com')
# 新しいタブを開く
driver.execute_script("window.open('https://google.com', '_blank');")
# タブを切り替える
driver.switch_to.window(driver.window_handles[1]) # 2番目のタブに切り替え
# 新しいタブでの操作
print(driver.title) # Googleのタイトルを表示
# 元のタブに戻る
driver.switch_to.window(driver.window_handles[0])
# ブラウザを閉じる
driver.quit()
このコードでは、最初のタブで指定したページを開き、新しいタブでGoogleを表示し、タブを切り替える操作を行います。
EdgeDriverのバージョン管理
EdgeDriverの自動更新方法
EdgeDriverの自動更新を行うには、以下の手順を実行します。
自動更新を行うためのツールやスクリプトを使用することが一般的です。
例えば、Pythonのwebdriver-manager
ライブラリを使用すると、EdgeDriverを自動的にダウンロードして管理できます。
pip install webdriver-manager
次に、以下のコードを使用してEdgeDriverを自動的に取得し、使用することができます。
from selenium import webdriver
from webdriver_manager.microsoft import EdgeChromiumDriverManager
# EdgeDriverを自動的にダウンロードして起動
driver = webdriver.Edge(EdgeChromiumDriverManager().install())
このコードを実行すると、最新のEdgeDriverが自動的にダウンロードされ、ブラウザが起動します。
EdgeDriverのバージョンとEdgeブラウザの互換性
EdgeDriverは、Microsoft Edgeブラウザの特定のバージョンに対応しています。
EdgeDriverのバージョンは、Edgeブラウザのバージョンと一致する必要があります。
互換性のあるバージョンを確認するには、以下の手順を実行します。
- Microsoft Edgeのバージョンを確認する。
- Microsoft Edge Developerサイトにアクセスし、対応するEdgeDriverのバージョンを確認する。
互換性がない場合、EdgeDriverは正常に動作しないため、必ずバージョンを一致させることが重要です。
古いバージョンのEdgeDriverを使う方法
特定の理由で古いバージョンのEdgeDriverを使用する必要がある場合、以下の手順でダウンロードできます。
- Microsoft Edge Developerサイトにアクセス。
- ページの下部にある
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リンクをクリック。 - 使用したいEdgeDriverのバージョンを選択し、ダウンロードします。
ダウンロードした古いバージョンのEdgeDriverを適切なディレクトリに配置し、環境変数を設定することで、古いバージョンを使用することができます。
古いバージョンを使用する際は、Edgeブラウザのバージョンとの互換性にも注意が必要です。
まとめ
この記事では、EdgeDriverのインストール方法や基本的な操作、応用例、バージョン管理について詳しく解説しました。
特に、EdgeDriverを使用することで、Microsoft Edgeブラウザを自動化し、さまざまなタスクを効率的に実行できることがわかりました。
これを機に、EdgeDriverを活用して自動化スクリプトを作成し、日常業務やプロジェクトに役立ててみてはいかがでしょうか。