【C言語】計算式における型キャストの優先順位を解説

C言語でプログラムを書くとき、異なるデータ型を扱う場合には「型キャスト」という操作が必要です。

また、計算式の中でどの演算子が先に計算されるかを理解することも重要です。

この記事では、計算式における型キャストの優先順位や演算子の優先順位について、初心者の方にもわかりやすく解説します。

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計算式における型キャストの優先順位

C言語において、計算式の中で異なるデータ型を扱う場合、型キャスト(型変換)が必要になることがあります。

型キャストは、特定のデータ型を別のデータ型に変換する操作です。

この記事では、計算式における型キャストの優先順位について詳しく解説します。

演算子の優先順位

C言語では、演算子にはそれぞれ優先順位があり、計算式の評価順序に影響を与えます。

ここでは、算術演算子、比較演算子、論理演算子の優先順位について説明します。

算術演算子の優先順位

算術演算子は、数値の計算を行うための演算子です。

以下に、主な算術演算子の優先順位を示します。

  1. 乗算(*)、除算(/)、剰余(%)
  2. 加算(+)、減算(-)

例えば、以下のコードを見てみましょう。

int a = 5;
int b = 10;
int c = 2;
int result = a + b * c; // 5 + (10 * 2) = 25

この場合、b * cが先に計算され、その後にa +が計算されます。

比較演算子の優先順位

比較演算子は、2つの値を比較するための演算子です。

以下に、主な比較演算子の優先順位を表にまとめました。

演算子説明優先順位
<小なり高い
>大なり高い
<=小なりイコール高い
>=大なりイコール高い
==等しい低い
!=等しくない低い

例えば、以下のコードを見てみましょう。

int a = 5;
int b = 10;
int c = 2;
int result = (a < b) == (b > c); // (5 < 10) == (10 > 2) = 1 == 1 = 1

この場合、a < bb > cが先に計算され、その後に==が計算されます。

論理演算子の優先順位

論理演算子は、論理値(真または偽)を操作するための演算子です。

以下に、主な論理演算子の優先順位を示します。

以下に、主な論理演算子の優先順位を表にまとめました:

優先順位演算子説明
1!論理否定
2&&論理積 (AND)
3||論理和

例えば、以下のコードを見てみましょう。

int a = 5;
int b = 10;
int c = 2;
int result = (a < b) && (b > c) || (a == c); // ((5 < 10) && (10 > 2)) || (5 == 2) = (1 && 1) || 0 = 1 || 0 = 1

この場合、a < bb > cが先に計算され、その後に&&が計算され、最後に||が計算されます。

型キャストの優先順位

型キャストは、特定のデータ型を別のデータ型に変換する操作です。

型キャストの優先順位は、演算子の優先順位と密接に関連しています。

型キャストと演算子の関係

型キャストは、演算子の優先順位に影響を与えることがあります。

例えば、以下のコードを見てみましょう。

int a = 5;
int b = 2;
double result = (double)a / b; // (double)5 / 2 = 5.0 / 2 = 2.5

この場合、aが先にdouble型にキャストされ、その後に除算が行われます。

型キャストが演算子よりも優先されるため、正しい結果が得られます。

型キャストの適用順序

型キャストの適用順序は、演算子の優先順位に従います。

以下に、型キャストの適用順序を示します。

  1. 型キャスト
  2. 演算子の優先順位に従った計算

例えば、以下のコードを見てみましょう。

int a = 5;
int b = 2;
double result = (double)(a / b); // (double)(5 / 2) = (double)2 = 2.0

この場合、a / bが先に計算され、その後にdouble型にキャストされます。

結果として、2.0が得られます。

以上のように、C言語における計算式の型キャストの優先順位を理解することで、正確な計算結果を得ることができます。

型キャストと演算子の優先順位をしっかりと把握し、適切な型変換を行うことが重要です。

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