[コマンドプロンプト] runasコマンドの使い方 – ほかユーザー権限で実行する

runasコマンドは、Windowsで別のユーザー権限を使用してプログラムを実行するためのコマンドです。

管理者権限や他のユーザーアカウントの権限でアプリケーションを起動する際に使用されます。

基本的な使い方は、runas /user:ユーザー名 "コマンド"です。

例えば、管理者権限でコマンドプロンプトを開く場合は、runas /user:Administrator cmdと入力します。

実行時にパスワードの入力が求められます。

runasコマンドとは

runasコマンドは、Windowsのコマンドプロンプトで特定のユーザー権限でプログラムを実行するためのコマンドです。

このコマンドを使用することで、管理者権限や他のユーザーアカウントの権限を持つアプリケーションを起動することができます。

特に、システム管理者や開発者にとっては、異なる権限での操作が必要な場合が多く、runasコマンドは非常に便利です。

例えば、通常のユーザーアカウントでログインしている場合でも、管理者権限を持つアプリケーションを実行することが可能です。

ただし、実行する際には対象のユーザーのパスワードを入力する必要があり、セキュリティ上の注意も必要です。

runasコマンドを使いこなすことで、Windows環境での作業効率を向上させることができます。

runasコマンドの基本的な使い方

基本構文

runasコマンドの基本構文は以下の通りです。

runas /user:ユーザー名 "コマンド"

この構文では、/userオプションを使用して実行したいユーザー名を指定し、その後に実行したいコマンドをダブルクォーテーションで囲んで記述します。

これにより、指定したユーザーの権限でコマンドを実行することができます。

ユーザー名を指定して実行する方法

runasコマンドを使用する際には、実行したいユーザー名を指定する必要があります。

例えば、Administratorというユーザーでcmd.exeを実行したい場合、以下のように入力します。

runas /user:Administrator "cmd.exe"

このコマンドを実行すると、指定したユーザーの権限でコマンドプロンプトが起動します。

パスワードの入力について

runasコマンドを実行すると、指定したユーザーのパスワードを入力するよう求められます。

パスワードを入力すると、指定したユーザーの権限でコマンドが実行されます。

なお、パスワードは画面に表示されないため、正確に入力する必要があります。

コマンドの実行例

以下は、runasコマンドを使用してメモ帳を管理者権限で実行する例です。

runas /user:Administrator "notepad.exe"

このコマンドを実行すると、管理者権限でメモ帳が起動します。

パスワードを入力後、メモ帳が表示され、管理者権限での操作が可能になります。

runasコマンドのオプション

runasコマンドには、さまざまなオプションが用意されており、これらを活用することでより柔軟にコマンドを実行できます。

以下に主要なオプションの使い方を説明します。

/userオプションの使い方

/userオプションは、実行したいユーザーアカウントを指定するために使用します。

以下のように記述します。

runas /user:ユーザー名 "コマンド"

例：runas /user:Administrator "cmd.exe"

このコマンドは、Administratorユーザーとしてコマンドプロンプトを起動します。

/savecredオプションの使い方

/savecredオプションを使用すると、指定したユーザーの資格情報(ユーザー名とパスワード)を保存し、次回以降の実行時にパスワードの入力を省略できます。

以下のように記述します。

runas /user:ユーザー名 /savecred "コマンド"

例：runas /user:Administrator /savecred "notepad.exe"

このコマンドを実行すると、次回からパスワードを入力せずにメモ帳を起動できます。

/noprofileオプションの使い方

/noprofileオプションを使用すると、指定したユーザーのプロファイルを読み込まずにコマンドを実行します。

これにより、環境設定が影響を与えない状態でコマンドを実行できます。

以下のように記述します。

runas /user:ユーザー名 /noprofile "コマンド"

例：runas /user:Administrator /noprofile "cmd.exe"

このコマンドは、管理者のプロファイルを読み込まずにコマンドプロンプトを起動します。

/netonlyオプションの使い方

/netonlyオプションは、ネットワークリソースに対してのみ認証を行う場合に使用します。

このオプションを指定すると、ローカルリソースには影響を与えずにネットワーク接続を行います。

以下のように記述します。

runas /user:ユーザー名 /netonly "コマンド"

例：runas /user:Domain\User /netonly "explorer.exe"

このコマンドは、指定したドメインユーザーとしてエクスプローラーを起動しますが、ローカルリソースには影響を与えません。

/trustlevelオプションの使い方

/trustlevelオプションは、指定した信頼レベルでコマンドを実行するために使用します。

信頼レベルは、セキュリティポリシーに基づいて設定されます。

以下のように記述します。

runas /user:ユーザー名 /trustlevel:信頼レベル "コマンド"

例：runas /user:Administrator /trustlevel:untrusted "notepad.exe"

このコマンドは、指定した信頼レベルでメモ帳を起動します。

/showtrustlevelsオプションの使い方

/showtrustlevelsオプションを使用すると、利用可能な信頼レベルのリストを表示します。

以下のように記述します。

runas /showtrustlevels

このコマンドを実行すると、システムで設定されている信頼レベルの一覧が表示されます。

これにより、どの信頼レベルを使用できるかを確認できます。

runasコマンドの応用例

runasコマンドは、さまざまなシナリオで活用できる非常に便利なツールです。

以下に、具体的な応用例をいくつか紹介します。

管理者権限でアプリケーションを実行する

管理者権限が必要なアプリケーションを実行する場合、runasコマンドを使用して簡単に起動できます。

例えば、管理者権限でコマンドプロンプトを開くには、以下のように入力します。

runas /user:Administrator "cmd.exe"

このコマンドを実行すると、管理者権限でコマンドプロンプトが起動し、特権操作が可能になります。

ドメインユーザーとしてコマンドを実行する

ドメイン環境で作業している場合、特定のドメインユーザーとしてコマンドを実行することができます。

以下のように記述します。

runas /user:Domain\User "コマンド"

例：runas /user:Domain\User "notepad.exe"

このコマンドを実行すると、指定したドメインユーザーの権限でメモ帳が起動します。

ネットワーク接続のみで認証する

/netonlyオプションを使用することで、ネットワーク接続に対してのみ認証を行うことができます。

これにより、ローカルリソースには影響を与えずにネットワークリソースにアクセスできます。

以下のように記述します。

runas /user:Domain\User /netonly "explorer.exe"

このコマンドを実行すると、指定したドメインユーザーとしてエクスプローラーが起動し、ネットワークリソースにアクセスできます。

特定のユーザープロファイルを無視して実行する

特定のユーザープロファイルを無視してコマンドを実行したい場合、/noprofileオプションを使用します。

以下のように記述します。

runas /user:Administrator /noprofile "cmd.exe"

このコマンドを実行すると、管理者のプロファイルを読み込まずにコマンドプロンプトが起動します。

これにより、環境設定の影響を受けずにコマンドを実行できます。

パスワードを保存して実行する

/savecredオプションを使用すると、指定したユーザーの資格情報を保存し、次回以降の実行時にパスワードの入力を省略できます。

以下のように記述します。

runas /user:Administrator /savecred "notepad.exe"

このコマンドを実行すると、次回からパスワードを入力せずにメモ帳を起動できるようになります。

これにより、頻繁に管理者権限でアプリケーションを実行する場合に便利です。

runasコマンドの注意点

runasコマンドを使用する際には、いくつかの注意点があります。

これらを理解しておくことで、より安全かつ効果的にコマンドを利用できます。

パスワードのセキュリティリスク

runasコマンドを使用する際、指定したユーザーのパスワードを入力する必要があります。

このパスワードは画面に表示されないため、誤って入力するリスクは低いですが、他のユーザーが近くにいる場合、パスワードを見られる可能性があります。

また、パスワードを保存する場合は、セキュリティリスクが増加するため、注意が必要です。

特に共有のコンピュータや公共の場では、パスワードの取り扱いに十分注意しましょう。

/savecredオプションのリスク

/savecredオプションを使用すると、指定したユーザーの資格情報が保存され、次回以降の実行時にパスワードの入力を省略できます。

しかし、このオプションを使用することで、他のユーザーがその資格情報を利用できるリスクが生じます。

特に、共有のコンピュータでは、他のユーザーがあなたの資格情報を使って不正に操作を行う可能性があるため、慎重に使用する必要があります。

実行できない場合の対処法

runasコマンドを実行しても、アクセスが拒否されたり、エラーが表示されることがあります。

この場合、以下の点を確認してください。

• 指定したユーザー名が正しいか
• パスワードが正しいか
• 実行しようとしているコマンドが、そのユーザーに対して適切な権限を持っているか
• UAC(ユーザーアカウント制御)の設定が影響していないか

これらを確認することで、問題を解決できる場合があります。

UAC(ユーザーアカウント制御)との関係

UACは、Windowsのセキュリティ機能であり、アプリケーションが管理者権限で実行される際に確認を求めるものです。

runasコマンドを使用して管理者権限でアプリケーションを実行する場合、UACのプロンプトが表示されることがあります。

このプロンプトに対して「はい」を選択しないと、アプリケーションは実行されません。

UACの設定によっては、runasコマンドが正常に動作しない場合もあるため、UACの設定を確認することが重要です。

runasコマンドのトラブルシューティング

runasコマンドを使用する際に発生する可能性のあるトラブルとその対処法について説明します。

これらの情報を参考にして、問題を解決しましょう。

「アクセスが拒否されました」と表示される場合

runasコマンドを実行した際に「アクセスが拒否されました」と表示される場合、以下の点を確認してください。

• ユーザー権限: 指定したユーザーがそのコマンドを実行する権限を持っているか確認します。

特に、管理者権限が必要なコマンドを通常のユーザーで実行しようとすると、アクセスが拒否されることがあります。

• ユーザー名の確認: 指定したユーザー名が正しいか、またはドメイン名が必要な場合は正しく指定されているか確認します。
• グループポリシー: 組織のグループポリシーによって、特定のユーザーが特定の操作を実行できないように制限されている場合があります。

システム管理者に確認することが必要です。

パスワードが正しいのに実行できない場合

パスワードが正しいにもかかわらずコマンドが実行できない場合、以下の点を確認してください。

• Caps LockやNum Lock: パスワード入力時にCaps LockやNum Lockがオンになっていないか確認します。

これにより、意図しない文字が入力されることがあります。

• アカウントのロック: 指定したユーザーアカウントがロックされている場合、ログインできません。

システム管理者に確認して、アカウントの状態を確認してもらいましょう。

• アカウントの有効性: 指定したユーザーアカウントが無効になっている場合も、実行できません。

これもシステム管理者に確認する必要があります。

UACの影響で実行できない場合

UAC(ユーザーアカウント制御)の設定によって、runasコマンドが正常に動作しないことがあります。

以下の点を確認してください。

• UACの設定: UACの設定が高い場合、管理者権限での実行時に確認プロンプトが表示されます。

このプロンプトに対して「はい」を選択しないと、アプリケーションは実行されません。

UACの設定を確認し、必要に応じて変更します。

• 管理者として実行: コマンドプロンプト自体を「管理者として実行」してからrunasコマンドを実行することで、UACの影響を軽減できる場合があります。
• グループポリシー: 組織のグループポリシーによってUACの動作が変更されている場合があります。

この場合も、システム管理者に確認することが必要です。

よくある質問

まとめ

この記事では、runasコマンドの基本的な使い方やオプション、応用例、注意点、トラブルシューティングについて詳しく解説しました。

これにより、特定のユーザー権限でアプリケーションを実行する方法や、発生しうる問題への対処法を理解することができるでしょう。

今後は、runasコマンドを活用して、より効率的にWindows環境での作業を行ってみてください。