コマンドプロンプト – choiceコマンドの使い方 – ユーザーに選択させる

choiceコマンドは、コマンドプロンプトでユーザーに選択肢を提示し、その選択に応じて異なる処理を実行するために使用されます。

基本的な構文はchoice /C [選択肢] /M [メッセージ]です。

/Cオプションで選択肢を指定し、/Mオプションで表示するメッセージを設定します。

ユーザーが選択肢を入力すると、その選択に応じたエラーレベル(1から順に割り当てられる)を返します。

エラーレベルを使って条件分岐を行うことが可能です。

choiceコマンドとは

choiceコマンドは、Windowsのコマンドプロンプトで使用されるコマンドの一つで、ユーザーに選択肢を提示し、その選択に基づいて処理を進めることができる機能を提供します。

このコマンドを使用することで、スクリプトやバッチファイル内でインタラクティブな操作を実現できます。

主な特徴は以下の通りです。

このコマンドは、特にバッチファイルやスクリプトの中で、条件分岐を行う際に非常に便利です。

ユーザーが選択した内容に応じて、異なる処理を実行することが可能です。

choiceコマンドの基本構文

choiceコマンドの基本構文は非常にシンプルで、以下のように記述します。

choice /C <選択肢> /N /M "<メッセージ>"

各オプションの説明

以下は、choiceコマンドを使用してユーザーに A または B を選択させる例です。

choice /C AB /M "AまたはBを選択してください:"

このコマンドを実行すると、次のようなプロンプトが表示されます。

AまたはBを選択してください: [A, B]?

ユーザーが A または B を選択すると、その選択に基づいて次の処理を行うことができます。

choiceコマンドの実践例

choiceコマンドを使った実践的な例をいくつか紹介します。

これにより、コマンドの使い方や応用方法を理解しやすくなります。

例1: 簡単な選択肢の提示

以下のコードは、ユーザーに「続行する」か「終了する」かを選択させる例です。

@echo off
choice /C YN /M "続行しますか？ (Y/N)"
if errorlevel 1 (
    echo 続行します。
) else (
    echo 終了します。
)

このスクリプトを実行すると、次のようなプロンプトが表示されます。

続行しますか？ (Y/N)? [Y, N]?

ユーザーが Y を選択すると「続行します。」と表示され、 N を選択すると「終了します。」と表示されます。

例2: 複数の選択肢を持つメニュー

次の例では、ユーザーに複数の選択肢を提示し、選択に応じて異なる処理を行います。

@echo off
echo メニュー:
echo 1. オプション1
echo 2. オプション2
echo 3. オプション3
choice /C 123 /M "オプションを選択してください:"
if errorlevel 3 (
    echo オプション3が選択されました。
) else if errorlevel 2 (
    echo オプション2が選択されました。
) else (
    echo オプション1が選択されました。
)

このスクリプトを実行すると、次のようなメニューが表示されます。

メニュー:
1. オプション1
2. オプション2
3. オプション3
オプションを選択してください: [1, 2, 3]?

ユーザーが選択したオプションに応じて、対応するメッセージが表示されます。

これにより、インタラクティブなメニューを簡単に作成できます。

エラーレベルの活用

choiceコマンドを使用すると、ユーザーの選択に基づいてエラーレベルを設定することができます。

エラーレベルは、コマンドプロンプトやバッチファイル内で条件分岐を行う際に非常に重要な役割を果たします。

エラーレベルは、0から255の範囲で設定され、選択されたオプションに応じて異なる値を返します。

エラーレベルの基本

• errorlevelは、直前に実行されたコマンドの結果を示す特別な変数です。
• choiceコマンドでは、選択肢の順番に応じてエラーレベルが設定されます。

最初の選択肢は1、次は2、というように続きます。

例: エラーレベルを使った条件分岐

以下のコードは、ユーザーに選択肢を提示し、選択に応じて異なる処理を行う例です。

@echo off
choice /C ABC /M "A, B, Cのいずれかを選択してください:"
if errorlevel 3 (
    echo Cが選択されました。
) else if errorlevel 2 (
    echo Bが選択されました。
) else (
    echo Aが選択されました。
)

このスクリプトを実行すると、次のようなプロンプトが表示されます。

A, B, Cのいずれかを選択してください: [A, B, C]?

ユーザーが A を選択した場合、エラーレベルは1になり、「Aが選択されました。」と表示されます。

B を選択するとエラーレベルは2、 C を選択するとエラーレベルは3になります。

エラーレベルの活用ポイント

• 条件分岐の簡素化: エラーレベルを使用することで、複雑な条件分岐を簡潔に記述できます。
• エラーハンドリング: ユーザーの選択に基づいてエラーハンドリングを行うことができ、スクリプトの柔軟性が向上します。
• デバッグ: エラーレベルを利用して、スクリプトの実行結果を確認しやすくなります。

このように、choiceコマンドのエラーレベルを活用することで、よりインタラクティブで柔軟なバッチファイルを作成することが可能です。

choiceコマンドの応用

choiceコマンドは、基本的な選択肢の提示だけでなく、さまざまなシナリオで応用することができます。

以下にいくつかの応用例を紹介します。

例1: 繰り返しメニューの作成

ユーザーが選択を終えるまで、メニューを繰り返し表示するスクリプトを作成できます。

@echo off
:menu
echo メニュー:
echo 1. オプション1
echo 2. オプション2
echo 3. 終了
choice /C 123 /M "オプションを選択してください:"
if errorlevel 3 (
    echo 終了します。
    exit /B
) else if errorlevel 2 (
    echo オプション2が選択されました。
) else (
    echo オプション1が選択されました。
)
goto menu

このスクリプトを実行すると、ユーザーが 3 を選択するまでメニューが繰り返し表示されます。

例2: タイムアウト機能の追加

choiceコマンドには、タイムアウト機能を追加することも可能です。

指定した時間内に選択が行われない場合、デフォルトの選択肢を自動的に選ぶことができます。

@echo off
choice /C YN /T 5 /D N /M "続行しますか？ (Y/N) [5秒後にNが選択されます]"
if errorlevel 2 (
    echo 続行します。
) else (
    echo 終了します。
)

このスクリプトでは、5秒以内に選択が行われない場合、自動的に N が選択されます。

例3: 複数のコマンドを実行

選択肢に応じて異なるコマンドを実行することもできます。

以下の例では、ユーザーの選択に基づいて異なるプログラムを起動します。

@echo off
echo メニュー:
echo 1. メモ帳を開く
echo 2. 電卓を開く
echo 3. ウィンドウを閉じる
choice /C 123 /M "オプションを選択してください:"
if errorlevel 3 (
    exit /B
) else if errorlevel 2 (
    start calc.exe
) else (
    start notepad.exe
)

このスクリプトを実行すると、ユーザーが選択したオプションに応じて、メモ帳または電卓が起動します。

選択肢 3 を選ぶと、スクリプトが終了します。

例4: 環境設定の選択

ユーザーに環境設定を選ばせるスクリプトも作成できます。

例えば、デフォルトの言語設定を選択する場合です。

@echo off
echo 言語設定:
echo 1. 日本語
echo 2. 英語
echo 3. フランス語
choice /C 123 /M "言語を選択してください:"
if errorlevel 3 (
    echo フランス語が選択されました。
) else if errorlevel 2 (
    echo 英語が選択されました。
) else (
    echo 日本語が選択されました。
)

このように、choiceコマンドは多様なシナリオで活用でき、ユーザーインターフェースを向上させるための強力なツールとなります。

choiceコマンドの注意点

choiceコマンドを使用する際には、いくつかの注意点があります。

これらを理解しておくことで、スクリプトの動作をより確実にし、予期しないエラーを防ぐことができます。

1. 選択肢の指定

• 選択肢の重複: /Cオプションで指定する選択肢は、重複しないように注意が必要です。

同じ文字を複数回指定すると、意図しない動作を引き起こす可能性があります。

• 特殊文字の扱い: 一部の特殊文字(例: &, |, >など)は、コマンドプロンプトで特別な意味を持つため、選択肢として使用する際には注意が必要です。

これらの文字を選択肢に含める場合は、エスケープする必要があります。

2. エラーレベルの確認

• エラーレベルの範囲: choiceコマンドは、選択肢の数に応じてエラーレベルを設定しますが、エラーレベルの値は1から始まります。

選択肢が3つの場合、エラーレベルは1、2、3のいずれかになります。

これを考慮して条件分岐を行う必要があります。

• エラーレベルの確認方法: if errorlevelを使用する際は、条件の順序に注意が必要です。

高いエラーレベルから順にチェックすることで、正しい処理を行うことができます。

3. タイムアウトの設定

• タイムアウトの使用: /Tオプションを使用してタイムアウトを設定する場合、指定した時間内に選択が行われないとデフォルトの選択肢が選ばれます。

これにより、ユーザーが意図しない選択をする可能性があるため、タイムアウトの設定は慎重に行う必要があります。

• デフォルト選択肢の確認: /Dオプションでデフォルトの選択肢を指定する際は、選択肢の中にその文字が含まれていることを確認してください。

含まれていない場合、意図しない動作を引き起こすことがあります。

4. スクリプトのテスト

• 十分なテスト: choiceコマンドを使用したスクリプトは、実際の環境で動作させる前に十分にテストすることが重要です。

特に、ユーザーの選択に基づいて異なる処理を行う場合、すべての選択肢に対してテストを行い、期待通りの動作を確認してください。

• エラーハンドリング: ユーザーが予期しない入力を行った場合のエラーハンドリングを考慮することも重要です。

choiceコマンドは、指定された選択肢以外の入力を受け付けないため、スクリプトが正常に動作しない場合があります。

これらの注意点を考慮することで、choiceコマンドを効果的に活用し、より安定したスクリプトを作成することができます。

まとめ

この記事では、Windowsのコマンドプロンプトにおけるchoiceコマンドの基本的な使い方から応用例、注意点まで幅広く解説しました。

特に、ユーザーに選択肢を提示し、その選択に基づいて処理を進める方法や、エラーレベルを活用した条件分岐の実装について詳しく説明しました。

これを機に、実際のスクリプト作成にchoiceコマンドを取り入れて、よりインタラクティブなバッチファイルを作成してみてください。