【Python】文頭に書くUTF-8などのおまじないの1行とは?

Pythonでプログラムを書くとき、特に日本語などの文字を扱う場合に「UTF-8のおまじない」といって-- coding: utf-8 --の記述が必要になることがあります。

このおまじないが何なのか、なぜ必要なのか、そしてどのように書けばいいのかを初心者向けにわかりやすく解説します。

この記事を読むことで、Pythonの文字コードの扱い方や、エラーを防ぐための基本的な知識を身につけることができます。

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Pythonにおける文字コードの扱い

Pythonは、文字列を扱う際に文字コードを意識する必要があります。

特に日本語などのマルチバイト文字を扱う場合、文字コードの指定が重要です。

ここでは、Pythonにおける文字コードの扱いについて詳しく解説します。

Pythonのデフォルト文字コード

Pythonにはバージョンによってデフォルトの文字コードが異なります。

Python 2.xではデフォルトの文字コードがASCIIであり、Python 3.xではUTF-8がデフォルトとなっています。

Python 2.xのデフォルト文字コード

Python 2.xでは、文字列リテラルはデフォルトでASCIIとして扱われます。

これは、英語圏のユーザーには問題ありませんが、日本語などのマルチバイト文字を含む場合にはエラーが発生する可能性があります。

# Python 2.xの例
print "こんにちは"  # これはエラーになります

上記のコードを実行すると、以下のようなエラーが発生します。

SyntaxError: Non-ASCII character '\xe3' in file test.py on line 1, but no encoding declared; see http://python.org/dev/peps/pep-0263/ for details

Python 3.xのデフォルト文字コード

一方、Python 3.xではデフォルトの文字コードがUTF-8に変更されました。

これにより、特に設定をしなくても日本語などのマルチバイト文字を扱うことができます。

# Python 3.xの例
print("こんにちは")  # これは正常に動作します

上記のコードはエラーなく実行され、以下のように表示されます。

こんにちは

文字コードの指定が必要な理由

文字コードの指定が必要な理由は、主に以下の2つです。

  1. 互換性の確保: 異なる環境や異なるバージョンのPythonでコードを実行する際に、文字コードの違いによるエラーを防ぐためです。

特にPython 2.xと3.xの間ではデフォルトの文字コードが異なるため、明示的に指定することで互換性を確保できます。

  1. 可読性の向上: コードを読む他の開発者に対して、どの文字コードを使用しているかを明示することで、誤解を防ぎます。

特に国際化対応が必要なプロジェクトでは、文字コードの指定は重要です。

以下に、Python 2.xで文字コードを指定する例を示します。

# -*- coding: utf-8 -*-
print "こんにちは"  # これは正常に動作します

このように、ファイルの先頭に文字コードを指定することで、Python 2.xでも日本語を含む文字列を正常に扱うことができます。

以上のように、Pythonにおける文字コードの扱いは、特に国際化対応や異なるバージョン間の互換性を考慮する際に重要です。

次のセクションでは、具体的に「UTF-8のおまじない」について詳しく解説します。

UTF-8のおまじないとは?

Pythonのスクリプトを書く際に、ファイルの冒頭に特定のコメント行を追加することがあります。

これが「UTF-8のおまじない」と呼ばれるものです。

このおまじないは、スクリプトがどの文字コードを使用しているかを明示的に指定するためのものです。

特に、非ASCII文字(日本語など)を含むスクリプトを書く場合に重要です。

おまじないの正体

「UTF-8のおまじない」とは、Pythonスクリプトの冒頭に書かれる特定の形式のコメント行のことです。

このコメント行は、エディタやPythonインタプリタに対して、スクリプトがUTF-8エンコーディングを使用していることを示します。

これにより、スクリプト内の文字列が正しく解釈され、エンコーディングの問題を回避することができます。

おまじないの書き方

Pythonスクリプトの冒頭に書くおまじないにはいくつかの形式があります。

以下に代表的なものを紹介します。

# –– coding: utf-8 –

最も一般的なおまじないの形式は以下の通りです。

# -*- coding: utf-8 -*-

この形式は、エディタやPythonインタプリタに対して、スクリプトがUTF-8エンコーディングを使用していることを明示的に示します。

# coding=utf-8

もう一つの形式として、以下のように書くこともできます。

# coding=utf-8

この形式も同様に、スクリプトがUTF-8エンコーディングを使用していることを示します。

どちらの形式を使用しても問題ありませんが、一般的には最初の形式がよく使われます。

#!/usr/bin/env python3

この形式は、シェバン(shebang)と呼ばれるもので、スクリプトがどのインタプリタで実行されるべきかを指定します。

以下のように書きます。

#!/usr/bin/env python3

このシェバン行は、スクリプトがPython 3で実行されることを示します。

シェバン行はエンコーディングの指定とは異なりますが、スクリプトの冒頭に書かれることが多いため、ここで紹介しておきます。

おまじないが必要なケース

Pythonのスクリプトを書く際に、特に文字コードに関する「おまじない」が必要なケースについて説明します。

Python 2.xとPython 3.xでは文字コードの扱いが異なるため、それぞれのバージョンでの必要性について詳しく見ていきましょう。

Python 2.xの場合

Python 2.xでは、デフォルトの文字コードがASCIIとなっています。

これは、ASCII文字以外の文字(例えば日本語など)を扱う際に問題が発生する可能性があることを意味します。

特に、ソースコード内に非ASCII文字を含める場合には、文字コードを明示的に指定する必要があります。

以下は、Python 2.xで文字コードを指定する例です。

# -*- coding: utf-8 -*-
print "こんにちは、世界!"

このように、スクリプトの最初の行に # -*- coding: utf-8 -*- と書くことで、Pythonに対してこのスクリプトがUTF-8エンコーディングで書かれていることを伝えます。

これにより、非ASCII文字を含む文字列を正しく扱うことができます。

Python 3.xの場合

Python 3.xでは、デフォルトの文字コードがUTF-8に変更されました。

これにより、非ASCII文字を含む文字列を扱う際の問題が大幅に減少しました。

そのため、Python 3.xでは基本的に文字コードを指定する「おまじない」は不要です。

しかし、特定の環境やエディタの設定によっては、明示的に文字コードを指定することが推奨される場合もあります。

以下は、Python 3.xで文字コードを指定する例です。

# -*- coding: utf-8 -*-
print("こんにちは、世界!")

このように、Python 3.xでも # -*- coding: utf-8 -*- と書くことで、スクリプトがUTF-8エンコーディングで書かれていることを明示的に示すことができます。

特に、他の開発者とコードを共有する場合や、異なる環境でスクリプトを実行する場合には、明示的に指定しておくと安心です。

まとめ

Pythonのスクリプトを書く際に、文字コードを明示的に指定する「おまじない」は、特にPython 2.xで重要です。

Python 3.xではデフォルトでUTF-8が使用されるため、基本的には不要ですが、特定の状況では指定することが推奨されます。

これにより、非ASCII文字を含む文字列を正しく扱うことができ、コードの可読性や互換性が向上します。

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