インストール・環境構築

WindowsでPHPをインストールする方法について解説

PHPはサーバーサイドのプログラミング言語として、動的なウェブサイト構築に広く利用されています。

この記事では、Windows環境にPHPをインストールする手順を、初心者にもわかりやすく解説します。

公式サイトからのダウンロード方法やパス設定、環境変数の追加まで、基本的な設定ポイントを紹介します。

ダウンロードと準備

PHP配布パッケージの選定

公式サイトからのファイル入手方法

PHP公式サイトのダウンロードページにアクセスし、Windows用の配布パッケージを選択します。

表示されるオプションから、ZIP形式の配布パッケージを選ぶと、手軽にファイルを取得できるため便利です。

以下は、手順の例です。

  1. ブラウザで公式サイト(https://www.php.net/)を開く
  2. 「Downloads」セクションを探す
  3. Windows用のZIPパッケージを選択し、希望するバージョンのファイルをダウンロード

バージョン選定のポイント

バージョン選定の際は、以下の点に注意してください。

  • 使用しているフレームワークやライブラリが対応しているバージョンであること
  • セキュリティアップデートやバグ修正が最新のものかを確認する
  • 安定版かどうかの情報をサイト上で確認する

これらのポイントを元に、自身の開発環境に最適なPHPバージョンを選びます。

ファイル展開と配置

ZIPファイルの展開手順

ダウンロードしたZIPファイルは、Windowsの標準機能やサードパーティの解凍ソフトを使って展開します。

展開の手順は以下の通りです。

  1. ダウンロードフォルダ内のZIPファイルを右クリック
  2. 「すべて展開」を選び、ウィザードの指示に従う
  3. 展開先のフォルダを確認する

インストールディレクトリの設定

展開したファイルは、後々の設定を容易にするため、あらかじめ決めたディレクトリに配置するのが望ましいです。

例として、C:\php というフォルダに配置すると分かりやすくなります。

また、以下の点を注意してください。

  • フォルダ名にスペースが含まれないようにする
  • 管理者権限が不要な場所を選ぶと、将来の設定変更がスムーズとなる

インストールと基本設定

PHP.iniの初期設定

必須エクステンションの有効化

PHPには多くのエクステンションが同梱されていますが、必要なエクステンションはPHP.iniで有効にする必要があります。

有効化方法は、PHP.ini内で対象となるエクステンションの行頭に記述されているセミコロン;を削除することです。

たとえば、mysqli エクステンションの場合は以下のように記述します。

;extension=mysqli

上記の行を

extension=mysqli

に書き換え、保存してください。

基本パラメータの調整

PHP.iniには多くの設定項目が存在しますが、動作確認や開発環境向けに以下のパラメータを調整するとよいです。

  • date.timezone:開発に合わせたタイムゾーン(例: Asia/Tokyo)
  • memory_limit:開発中のメモリ使用量に合わせて設定
  • error_reporting:エラー表示レベルを明示的に設定することで、バグ発見が容易になる

設定変更後は、保存を忘れずに行ってください。

環境変数の設定

PATHへの追加手順

PHPの実行ファイルにどの場所からでもアクセスできるよう、システムの環境変数PATHにPHPのインストールディレクトリを追加する必要があります。

設定方法は以下の通りです。

  1. 「システムのプロパティ」を表示し、「システムの詳細設定」を開く
  2. 「環境変数」をクリック
  3. 「システム環境変数」の中から「Path」を選択し、編集ボタンを押す
  4. PHPのインストールディレクトリ(例:C:\php)を追加し、保存する

設定反映の確認方法

環境変数の設定を反映させるため、コマンドプロンプトを再起動する必要があります。

反映後は、以下の手順で確認できます。

  • コマンドプロンプトを開く
  • echo %PATH% と入力し、PHPディレクトリがリスト内に含まれているか確認する
  • さらに、php -v を実行してPHPのバージョン情報が表示されるかをチェックする

以下は、php -v コマンドのサンプルです。

php -v
PHP 7.4.16 (cli) (built: Mar  4 2021 20:57:38) ( ZTS Visual C++ 2017 x64 )
Copyright (c) The PHP Group
Zend Engine v3.4.0, Copyright (c) Zend Technologies

動作確認とサーバー連携

コマンドラインでの確認

php -vの実行確認

環境変数設定が正しく行われたかを確認するために、コマンドプロンプトで php -v を実行します。

このコマンドは、PHPのバージョンやコンパイルオプション等の情報を表示します。

表示された情報を元に、正常にインストールされているかを判断してください。

以下は、実行例のサンプルコードです。

php -v  # PHPバージョン情報を表示するコマンド
PHP 7.4.16 (cli) (built: Mar  4 2021 20:57:38) ( ZTS Visual C++ 2017 x64 )
Copyright (c) The PHP Group
Zend Engine v3.4.0, Copyright (c) Zend Technologies

エラーメッセージのチェック

もし php -v の実行時にエラーが表示された場合は、以下の点を確認してください。

  • 環境変数 PATH に正しいPHPディレクトリが含まれているか
  • PHP.ini の設定が正しく反映されているか
  • ファイルの展開や配置に問題がなかったか

表示されるエラーメッセージや警告文は、設定ミスを特定するためのヒントとなります。

Webサーバーとの連携設定

Apacheとの連携設定方法

Apacheとの連携を行う場合は、Apacheの設定ファイルでPHPのモジュールやハンドラを設定する必要があります。

以下はApache用のサンプル構成例です。

# LoadModule でPHP用モジュールを読み込む

LoadModule php7_module "C:/php/php7apache2_4.dll"

# PHP.ini のディレクトリを指定する

PHPIniDir "C:/php"

# .php ファイルをPHPとして扱う設定

AddHandler application/x-httpd-php .php

上記の設定をApacheの設定ファイル(例:httpd.conf)に追加し、Apacheを再起動することでPHPが連携されます。

Nginxとの連携設定方法

Nginxとの連携は、PHP-FPMを利用して行うのが一般的です。

Nginxの設定ファイルに以下のような記述を追加し、PHP-FPMへのリクエストの流れを作成します。

server {
    listen       80;
    server_name  localhost;
    root   "C:/path/to/your/webroot";
    index  index.php index.html index.htm;
    location ~ \.php$ {
        fastcgi_pass   127.0.0.1:9000;  # PHP-FPM のリッスンアドレスを指定
        fastcgi_index  index.php;
        fastcgi_param  SCRIPT_FILENAME  $document_root$fastcgi_script_name;
        include        fastcgi_params;
    }
}

この設定例では、NginxがPHPファイルのリクエストをPHP-FPMに渡すようになっています。

PHP-FPMの動作確認ができたら、Nginxを再起動して連携が有効になっているか確認してください。

まとめ

この記事では、Windows環境でのPHPインストール方法、公式サイトからの配布パッケージ取得、ファイル展開、基本設定、動作確認、サーバー連携までの手順を詳細に説明しました。

各工程を通して、適切なバージョン選定、PHP.iniや環境変数の正確な設定が重要であることを実感できました。

ぜひご自身の環境で手順を実践し、新たな開発環境の構築に挑戦してください。

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