[C#] SharpZipLibを使ったファイルの圧縮解凍

Q: 圧縮速度を向上させる方法はありますか？

圧縮速度を向上させるためには、いくつかの方法があります。 まず、ZipOutputStreamのSetLevelメソッドで圧縮レベルを低く設定することが考えられます。 圧縮レベルを低くすることで、圧縮処理にかかる時間を短縮できますが、その分圧縮率は低下します。 また、圧縮対象のファイルサイズを小さくする、またはファイル数を減らすことも速度向上に寄与します。 さらに、マルチスレッドを活用して並列処理を行うことで、全体の処理時間を短縮することも可能です。

2024-09-09

SharpZipLibは、C#でファイルの圧縮と解凍を行うためのオープンソースライブラリです。

ZIP、GZIP、TAR、BZIP2などの形式をサポートしています。

ファイルの圧縮にはZipOutputStreamクラスを使用し、解凍にはZipInputStreamクラスを使用します。

圧縮時には、ファイルをストリームに書き込み、解凍時にはストリームからファイルを読み取ります。

SharpZipLibは、.NET環境で簡単に圧縮機能を実装できるため、ファイルのバックアップや転送に便利です。

この記事でわかること

SharpZipLibの基本的なインストール方法とプロジェクトへの追加手順
ファイルの圧縮と解凍の具体的な実装方法
パスワード付きZIPファイルの作成や圧縮率の設定方法
ストリームを用いた圧縮と解凍の応用例
圧縮・解凍処理における注意点と最適化のポイント

目次から探す

SharpZipLibとは

SharpZipLibは、C#で開発されたオープンソースの圧縮・解凍ライブラリです。

このライブラリは、ZIP、GZIP、TAR、BZIP2などの形式をサポートしており、ファイルやデータの圧縮・解凍を簡単に行うことができます。

特に、.NET環境での使用に適しており、NuGetパッケージとして簡単にプロジェクトに追加することが可能です。

SharpZipLibは、商用利用も可能なライセンスで提供されており、幅広い用途で利用されています。

圧縮や解凍の処理を効率的に行いたい場合に非常に便利なライブラリです。

SharpZipLibのインストール

SharpZipLibを使用するためには、まずプロジェクトにライブラリをインストールする必要があります。

ここでは、NuGetパッケージを利用したインストール方法と、プロジェクトへの追加手順について説明します。

NuGetパッケージのインストール方法

Visual Studioを開く

プロジェクトを開き、ソリューションエクスプローラーを表示します。

NuGetパッケージマネージャーを開く

メニューバーから「ツール」→「NuGet パッケージマネージャー」→「ソリューションのNuGetパッケージの管理」を選択します。

SharpZipLibを検索

「参照」タブで SharpZipLib と入力し、検索します。

パッケージをインストール

検索結果から SharpZipLib を選択し、「インストール」ボタンをクリックします。

インストールが完了すると、プロジェクトにSharpZipLibが追加されます。

プロジェクトへの追加手順

プロジェクトの参照を確認

ソリューションエクスプローラーで「参照」フォルダを展開し、SharpZipLibが追加されていることを確認します。

usingディレクティブの追加

SharpZipLibを使用するクラスファイルに、以下のusingディレクティブを追加します。

   using ICSharpCode.SharpZipLib.Zip; // ZIP形式を扱うための名前空間
   using ICSharpCode.SharpZipLib.Core; // コア機能を使用するための名前空間

プロジェクトのビルド

プロジェクトをビルドして、SharpZipLibが正しくインストールされていることを確認します。

これで、SharpZipLibを使用する準備が整いました。

次のステップでは、実際にファイルの圧縮や解凍を行う方法について学びます。

ファイルの圧縮

SharpZipLibを使用してファイルを圧縮する方法について説明します。

ここでは、ZipOutputStreamクラスを用いてファイルをZIP形式に圧縮する手順を紹介します。

ZipOutputStreamの使い方

ZipOutputStreamは、ファイルをZIP形式で圧縮するためのクラスです。

このクラスを使用することで、複数のファイルを一つのZIPアーカイブにまとめることができます。

以下に基本的な使い方を示します。

using System.IO; // ファイル操作のための名前空間
using ICSharpCode.SharpZipLib.Zip; // ZIP形式を扱うための名前空間
public class ZipExample
{
    public void CreateZip(string outputPath, string[] filesToZip)
    {
        using (FileStream fs = File.Create(outputPath))
        using (ZipOutputStream zipStream = new ZipOutputStream(fs))
        {
            foreach (string file in filesToZip)
            {
                FileInfo fi = new FileInfo(file);
                ZipEntry entry = new ZipEntry(fi.Name);
                zipStream.PutNextEntry(entry);
                using (FileStream inputStream = File.OpenRead(file))
                {
                    inputStream.CopyTo(zipStream);
                }
                zipStream.CloseEntry();
            }
        }
    }
}

ファイルの圧縮手順

出力ファイルストリームの作成

圧縮したZIPファイルを保存するためのFileStreamを作成します。

ZipOutputStreamの初期化

ZipOutputStreamをFileStreamにラップして初期化します。

ファイルの追加

圧縮したい各ファイルに対して、ZipEntryを作成し、PutNextEntryメソッドでエントリを追加します。

ファイルの書き込み

各ファイルをFileStreamからZipOutputStreamにコピーします。

エントリのクローズ

CloseEntryメソッドを呼び出して、現在のエントリを閉じます。

ストリームのクローズ

ZipOutputStreamとFileStreamをクローズして、圧縮処理を完了します。

圧縮時の注意点

ファイル名の重複

ZIPアーカイブ内でファイル名が重複しないように注意してください。

重複すると、後から追加されたファイルが上書きされます。

圧縮レベルの設定

ZipOutputStreamのSetLevelメソッドを使用して、圧縮レベルを設定できます。

圧縮レベルは0(無圧縮)から9(最大圧縮)までの範囲で指定します。

例外処理

ファイルの読み書き中に例外が発生する可能性があるため、適切な例外処理を行うことが重要です。

このようにして、SharpZipLibを使用してファイルを効率的に圧縮することができます。

ファイルの解凍

SharpZipLibを使用してZIPファイルを解凍する方法について説明します。

ここでは、ZipInputStreamクラスを用いてZIPファイルを解凍する手順を紹介します。

ZipInputStreamの使い方

ZipInputStreamは、ZIP形式のファイルを解凍するためのクラスです。

このクラスを使用することで、ZIPアーカイブ内のファイルを個別に読み出すことができます。

以下に基本的な使い方を示します。

using System.IO; // ファイル操作のための名前空間
using ICSharpCode.SharpZipLib.Zip; // ZIP形式を扱うための名前空間
public class UnzipExample
{
    public void ExtractZip(string zipFilePath, string outputDirectory)
    {
        using (FileStream fs = File.OpenRead(zipFilePath))
        using (ZipInputStream zipStream = new ZipInputStream(fs))
        {
            ZipEntry entry;
            while ((entry = zipStream.GetNextEntry()) != null)
            {
                string outputPath = Path.Combine(outputDirectory, entry.Name);
                using (FileStream outputStream = File.Create(outputPath))
                {
                    zipStream.CopyTo(outputStream);
                }
            }
        }
    }
}

ファイルの解凍手順

入力ファイルストリームの作成

解凍するZIPファイルを読み込むためのFileStreamを作成します。

ZipInputStreamの初期化

ZipInputStreamをFileStreamにラップして初期化します。

エントリの取得

GetNextEntryメソッドを使用して、ZIPアーカイブ内の次のエントリを取得します。

ファイルの書き込み

各エントリに対して、出力先のファイルを作成し、ZipInputStreamからFileStreamにデータをコピーします。

ストリームのクローズ

ZipInputStreamとFileStreamをクローズして、解凍処理を完了します。

解凍時の注意点

ディレクトリの作成

ZIPアーカイブ内にディレクトリが含まれている場合、解凍先にディレクトリを作成する必要があります。

Directory.CreateDirectoryメソッドを使用して、必要なディレクトリを作成してください。

ファイルの上書き

解凍先に同名のファイルが存在する場合、上書きされることに注意してください。

必要に応じて、上書き確認の処理を追加することができます。

例外処理

ファイルの読み書き中に例外が発生する可能性があるため、適切な例外処理を行うことが重要です。

このようにして、SharpZipLibを使用してZIPファイルを効率的に解凍することができます。

圧縮・解凍の実装例

SharpZipLibを使用して、具体的な圧縮と解凍の実装例を紹介します。

ここでは、単一ファイル、複数ファイル、ディレクトリの圧縮と解凍について説明します。

単一ファイルの圧縮と解凍

圧縮

単一ファイルを圧縮する場合、ZipOutputStreamを使用してファイルをZIP形式に変換します。

using System.IO;
using ICSharpCode.SharpZipLib.Zip;
public class SingleFileZip
{
    public void CompressFile(string filePath, string zipFilePath)
    {
        using (FileStream fs = File.Create(zipFilePath))
        using (ZipOutputStream zipStream = new ZipOutputStream(fs))
        {
            FileInfo fi = new FileInfo(filePath);
            ZipEntry entry = new ZipEntry(fi.Name);
            zipStream.PutNextEntry(entry);
            using (FileStream inputStream = File.OpenRead(filePath))
            {
                inputStream.CopyTo(zipStream);
            }
            zipStream.CloseEntry();
        }
    }
}

解凍

単一ファイルを解凍する場合、ZipInputStreamを使用してZIPファイルから元のファイルを取り出します。

using System.IO;
using ICSharpCode.SharpZipLib.Zip;
public class SingleFileUnzip
{
    public void DecompressFile(string zipFilePath, string outputFilePath)
    {
        using (FileStream fs = File.OpenRead(zipFilePath))
        using (ZipInputStream zipStream = new ZipInputStream(fs))
        {
            ZipEntry entry = zipStream.GetNextEntry();
            using (FileStream outputStream = File.Create(outputFilePath))
            {
                zipStream.CopyTo(outputStream);
            }
        }
    }
}

複数ファイルの圧縮と解凍

圧縮

複数ファイルを圧縮する場合、各ファイルに対してZipEntryを作成し、ZipOutputStreamに追加します。

using System.IO;
using ICSharpCode.SharpZipLib.Zip;
public class MultipleFilesZip
{
    public void CompressFiles(string[] files, string zipFilePath)
    {
        using (FileStream fs = File.Create(zipFilePath))
        using (ZipOutputStream zipStream = new ZipOutputStream(fs))
        {
            foreach (string file in files)
            {
                FileInfo fi = new FileInfo(file);
                ZipEntry entry = new ZipEntry(fi.Name);
                zipStream.PutNextEntry(entry);
                using (FileStream inputStream = File.OpenRead(file))
                {
                    inputStream.CopyTo(zipStream);
                }
                zipStream.CloseEntry();
            }
        }
    }
}

解凍

複数ファイルを解凍する場合、GetNextEntryメソッドを使用して各エントリを順に処理します。

using System.IO;
using ICSharpCode.SharpZipLib.Zip;
public class MultipleFilesUnzip
{
    public void DecompressFiles(string zipFilePath, string outputDirectory)
    {
        using (FileStream fs = File.OpenRead(zipFilePath))
        using (ZipInputStream zipStream = new ZipInputStream(fs))
        {
            ZipEntry entry;
            while ((entry = zipStream.GetNextEntry()) != null)
            {
                string outputPath = Path.Combine(outputDirectory, entry.Name);
                using (FileStream outputStream = File.Create(outputPath))
                {
                    zipStream.CopyTo(outputStream);
                }
            }
        }
    }
}

ディレクトリの圧縮と解凍

圧縮

ディレクトリを圧縮する場合、ディレクトリ内のすべてのファイルを再帰的に処理し、ZipOutputStreamに追加します。

using System.IO;
using ICSharpCode.SharpZipLib.Zip;
public class DirectoryZip
{
    public void CompressDirectory(string directoryPath, string zipFilePath)
    {
        using (FileStream fs = File.Create(zipFilePath))
        using (ZipOutputStream zipStream = new ZipOutputStream(fs))
        {
            CompressDirectoryRecursive(directoryPath, zipStream, directoryPath);
        }
    }
    private void CompressDirectoryRecursive(string directoryPath, ZipOutputStream zipStream, string baseDirectory)
    {
        foreach (string file in Directory.GetFiles(directoryPath))
        {
            string entryName = file.Substring(baseDirectory.Length + 1);
            ZipEntry entry = new ZipEntry(entryName);
            zipStream.PutNextEntry(entry);
            using (FileStream inputStream = File.OpenRead(file))
            {
                inputStream.CopyTo(zipStream);
            }
            zipStream.CloseEntry();
        }
        foreach (string dir in Directory.GetDirectories(directoryPath))
        {
            CompressDirectoryRecursive(dir, zipStream, baseDirectory);
        }
    }
}

解凍

ディレクトリを解凍する場合、ZIPアーカイブ内のエントリを順に処理し、必要に応じてディレクトリを作成します。

using System.IO;
using ICSharpCode.SharpZipLib.Zip;
public class DirectoryUnzip
{
    public void DecompressDirectory(string zipFilePath, string outputDirectory)
    {
        using (FileStream fs = File.OpenRead(zipFilePath))
        using (ZipInputStream zipStream = new ZipInputStream(fs))
        {
            ZipEntry entry;
            while ((entry = zipStream.GetNextEntry()) != null)
            {
                string outputPath = Path.Combine(outputDirectory, entry.Name);
                string directoryPath = Path.GetDirectoryName(outputPath);
                if (!Directory.Exists(directoryPath))
                {
                    Directory.CreateDirectory(directoryPath);
                }
                using (FileStream outputStream = File.Create(outputPath))
                {
                    zipStream.CopyTo(outputStream);
                }
            }
        }
    }
}

これらの実装例を参考にすることで、SharpZipLibを用いたファイルやディレクトリの圧縮・解凍を効率的に行うことができます。

応用例

SharpZipLibを使用した圧縮・解凍の応用例を紹介します。

ここでは、パスワード付きZIPファイルの作成、圧縮率の設定方法、ストリームを使った圧縮と解凍について説明します。

パスワード付きZIPファイルの作成

SharpZipLibを使用すると、ZIPファイルにパスワードを設定することができます。

以下の例では、ZipOutputStreamのPasswordプロパティを使用してパスワードを設定します。

using System.IO;
using ICSharpCode.SharpZipLib.Zip;
public class PasswordProtectedZip
{
    public void CreatePasswordProtectedZip(string filePath, string zipFilePath, string password)
    {
        using (FileStream fs = File.Create(zipFilePath))
        using (ZipOutputStream zipStream = new ZipOutputStream(fs))
        {
            zipStream.Password = password; // パスワードを設定
            FileInfo fi = new FileInfo(filePath);
            ZipEntry entry = new ZipEntry(fi.Name);
            zipStream.PutNextEntry(entry);
            using (FileStream inputStream = File.OpenRead(filePath))
            {
                inputStream.CopyTo(zipStream);
            }
            zipStream.CloseEntry();
        }
    }
}

圧縮率の設定方法

ZipOutputStreamのSetLevelメソッドを使用して、圧縮率を設定することができます。

圧縮レベルは0(無圧縮)から9(最大圧縮)までの範囲で指定します。

using System.IO;
using ICSharpCode.SharpZipLib.Zip;
public class CompressionLevelExample
{
    public void CompressWithLevel(string filePath, string zipFilePath, int compressionLevel)
    {
        using (FileStream fs = File.Create(zipFilePath))
        using (ZipOutputStream zipStream = new ZipOutputStream(fs))
        {
            zipStream.SetLevel(compressionLevel); // 圧縮レベルを設定
            FileInfo fi = new FileInfo(filePath);
            ZipEntry entry = new ZipEntry(fi.Name);
            zipStream.PutNextEntry(entry);
            using (FileStream inputStream = File.OpenRead(filePath))
            {
                inputStream.CopyTo(zipStream);
            }
            zipStream.CloseEntry();
        }
    }
}

ストリームを使った圧縮と解凍

ストリームを使用することで、メモリ上でデータを圧縮・解凍することができます。

以下の例では、MemoryStreamを使用してデータを圧縮し、再度解凍しています。

using System.IO;
using ICSharpCode.SharpZipLib.Zip;
public class StreamCompressionExample
{
    public byte[] CompressData(byte[] data)
    {
        using (MemoryStream outputStream = new MemoryStream())
        using (ZipOutputStream zipStream = new ZipOutputStream(outputStream))
        {
            ZipEntry entry = new ZipEntry("data");
            zipStream.PutNextEntry(entry);
            using (MemoryStream inputStream = new MemoryStream(data))
            {
                inputStream.CopyTo(zipStream);
            }
            zipStream.CloseEntry();
            return outputStream.ToArray();
        }
    }
    public byte[] DecompressData(byte[] compressedData)
    {
        using (MemoryStream inputStream = new MemoryStream(compressedData))
        using (ZipInputStream zipStream = new ZipInputStream(inputStream))
        {
            zipStream.GetNextEntry();
            using (MemoryStream outputStream = new MemoryStream())
            {
                zipStream.CopyTo(outputStream);
                return outputStream.ToArray();
            }
        }
    }
}

これらの応用例を活用することで、SharpZipLibを用いたより高度な圧縮・解凍処理を実現することができます。