C#のコンパイルエラーCS1519の原因と対処法について解説
CS1519は、C#で発生するコンパイルエラーの一つです。
クラス、構造体、インターフェイスのメンバー宣言中に無効なトークンが含まれている場合に表示されます。
不正な修飾子や記号の誤用が原因となるため、コードを見直して正しい記述に修正する必要があります。
エラーの原因
C#では、コンパイル時に無効なトークンが検出されるとエラーCS1519が発生します。
トークンとは、キーワード、識別子、文字列、数値リテラル、演算子、区切り記号などの要素のことで、プログラムの構文を構成します。
これらのトークンが想定外の場所に現れると、コンパイラは正しい構文として認識できず、エラーを出力します。
無効なトークンの意味と役割
トークンは、ソースコード内に存在する最小単位です。
たとえば、class
や void
などのキーワード、Test
や number
といった識別子、42
などの数値リテラル、=
や ;
といった演算子や区切り記号が該当します。
これらが正しく配置されていない場合、C#コンパイラは意図しない解釈をしてしまい、エラーCS1519が発生します。
無効なトークンがどこに出現しているかは、コンパイラのエラーメッセージで指摘されるため、必要に応じて該当箇所を確認し、正しい配置に修正することが求められます。
不適切な修飾子の使用例
C#では、クラス、構造体、インターフェイスなどのメンバー宣言にあたって、使用できる修飾子が決まっています。
無効な修飾子やトークンが型やメンバー宣言の前に記述されるとエラーCS1519が発生します。
例えば、メソッドの宣言位置において無効な修飾子を使用した場合、コンパイラはそれを予期しないトークンとして扱います。
クラス、構造体、インターフェイスの制約
クラスや構造体、インターフェイスでは、アクセス修飾子(public
、private
など)やその他の修飾子(static
、abstract
など)が正しい位置に記述される必要があります。
これらの要素の前に不正なトークンを配置すると、CS1519エラーが発生してしまいます。
たとえば、以下のようなコードはクラス宣言に誤ったトークンが含まれており、エラーとなります。
// エラー例: 不正なトークン '42' がクラス名に含まれている
class Test 42
{
// クラスの本文
static void Main(string[] args)
{
System.Console.WriteLine("エラー発生");
}
}
// コンパイルエラー CS1519: クラス、構造体またはインターフェイスのメンバー宣言でトークン '42' が無効です
エラー発生の具体例
CS1519エラーは、さまざまなケースで発生する可能性があります。
以下では、よくある具体例について説明します。
クラス名に数字が含まれるケース
クラス名は、数字だけでなく、数字が先頭に来る場合も正しい書式では認識されません。
たとえば、クラス名の後に数字が空白で区切られて記述された場合、コンパイラはこれを不正なトークンと判断します。
// エラー例: クラス名の後ろに不正な数字トークンが記述されている
class Sample 123
{
static void Main(string[] args)
{
System.Console.WriteLine("エラー発生");
}
}
// コンパイルエラー CS1519: クラス、構造体またはインターフェイスのメンバー宣言でトークン '123' が無効です
メンバー宣言でのトークン誤配置
クラス内部において、メンバーを定義する際にトークンの位置や区切りが誤っていると、複数の箇所でエラーが発生する可能性があります。
識別子間の区切り不足の事例
識別子同士の間に適切な区切り(例えばコンマやセミコロン)が存在しない場合に、コンパイラは次の識別子を無効なトークンと判断します。
// エラー例: 変数宣言で識別子 'i' と 'j' の間にセミコロンがないためエラーが発生する
class TokenIssueExample
{
int i j; // 不正な宣言
static void Main(string[] args)
{
System.Console.WriteLine("エラー発生");
}
}
// コンパイルエラー CS1519: クラス、構造体またはインターフェイスのメンバー宣言でトークン 'j' が無効です
メソッド宣言時の不正な記述例
メソッド宣言内で、パラメータや修飾子に誤った記述がある場合もエラーが発生します。
たとえば、パラメータリスト内で余計なトークンが含まれると、コンパイラはそれを無効なトークンとみなします。
// エラー例: パラメータ内に不要なトークン 'num' が記述されている
class MethodIssueExample
{
void SampleMethod(int a num) // 不正なパラメータ宣言
{
System.Console.WriteLine("エラー発生");
}
static void Main(string[] args)
{
MethodIssueExample example = new MethodIssueExample();
example.SampleMethod(5);
}
}
// コンパイルエラー CS1519: クラス、構造体またはインターフェイスのメンバー宣言でトークン 'num' が無効です
クラス内にnamespaceを記述するケース
クラスや構造体の内部に namespace
宣言を書くと、その位置は無効なトークンと認識され、エラーとなります。
namespace宣言は通常、ファイルの最上位で行う必要があります。
// エラー例: クラス内に namespace 宣言を記述している
class NamespaceIssueExample
{
namespace InvalidNamespace // 不正な位置での namespace 宣言
{
// namespace の内容
}
static void Main(string[] args)
{
System.Console.WriteLine("エラー発生");
}
}
// コンパイルエラー CS1519: クラス、構造体またはインターフェイスのメンバー宣言でトークン 'namespace' が無効です
エラー修正の方法
CS1519エラーに対処するには、エラーメッセージで指摘された無効なトークンや修飾子を正確に把握することが重要です。
エラーメッセージを基に、ソースコード内の誤った箇所を修正していきます。
無効なトークンと修飾子の識別方法
無効なトークンや誤った修飾子は、コンパイラのエラーメッセージに具体的なトークンが示されるため、それをチェックすることで問題箇所を特定できます。
エラーメッセージには、エラーが発生している場所と問題の原因となるトークンが表示されるので、該当部分を確認し、構文に従った正しい記述内容に変更する必要があります。
記述の修正アプローチ
修正アプローチとしては、以下の点に注意することが有効です。
・無効なトークンが記述されている箇所を明確に特定する
・正しい構文と修飾子の順序を意識して、コードを再度記述する
・サンプルコードや公式ドキュメントの例と照らし合わせて、文法ミスがないか確認する
正しいトークン配置の実例と注意点
以下は、正しいトークン配置を意識したサンプルコードです。
このコードは、各要素が正しく配置され、CS1519エラーが発生しないように記述されています。
// 正常なサンプルコード
using System;
class CorrectExample
{
// フィールド宣言
int number;
// メソッド宣言
void DisplayMessage(string message)
{
Console.WriteLine(message); // メッセージを出力
}
// Mainメソッドは実行可能なエントリーポイント
static void Main(string[] args)
{
CorrectExample example = new CorrectExample(); // インスタンス生成
example.number = 10;
example.DisplayMessage("正しいトークン配置の例です");
Console.WriteLine($"number の値は: {example.number}");
}
}
正しいトークン配置の例です
number の値は: 10
この例では、クラス宣言、フィールド、メソッド、およびMain
メソッドがそれぞれ正しい構文で記述されており、無効なトークンや位置の誤りがない状態です。
各修飾子やキーワードが、C#の言語仕様に合致した位置に記述されることによって、エラーCS1519を避けることができます。
まとめ
本記事を読むと、C#のCS1519エラーが無効なトークンや不適切な修飾子の配置により発生する仕組みが理解できます。
具体例を通じて、クラス名に数字を含めるケースや識別子間の区切り不足、クラス内のnamespace宣言など、エラーが起こりやすいポイントを把握できます。
さらに、正しいトークン配置の実例を参考にすることで、ソースコードの修正方法が明確になります。