[コマンドプロンプト] netコマンドの使い方 – ネットワーク設定の確認・設定
net
コマンドは、Windowsのコマンドプロンプトでネットワーク関連の設定や操作を行うためのコマンドです。
主な用途には、ネットワーク共有、ユーザーアカウント管理、サービスの開始・停止などがあります。
例えば、net view
でネットワーク上の共有リソースを確認でき、net user
でユーザーアカウントの管理が可能です。
また、net start
やnet stop
でサービスの開始・停止を行うことができます。
- netコマンドの基本的な使い方
- ユーザーアカウントの管理方法
- ネットワーク共有の設定手順
- サービスの管理方法
- リモートPCの管理に関する知識
netコマンドとは
net
コマンドは、Windowsのコマンドプロンプトで使用される非常に強力なツールで、ネットワーク関連の設定や管理を行うためのコマンド群を提供します。
このコマンドを使用することで、ユーザーアカウントの管理、ネットワーク共有の設定、サービスの管理、ドメインやワークグループの操作など、さまざまなネットワーク関連のタスクを効率的に実行できます。
net
コマンドは、特にシステム管理者やネットワーク管理者にとって重要なツールであり、スクリプトやバッチファイルを通じて自動化することも可能です。
これにより、日常的な管理作業を簡素化し、時間を節約することができます。
コマンドの使い方は多岐にわたるため、各機能を理解し、適切に活用することが求められます。
ネットワーク共有の確認と設定
net viewコマンドの使い方
net view
コマンドは、ネットワーク上の共有リソースを確認するために使用されます。
このコマンドを実行することで、同じネットワーク内にあるコンピュータやその共有フォルダの一覧を表示できます。
net view
共有名 説明
--------------------------------
\\COMPUTER1 コンピュータ1の共有
\\COMPUTER2 コンピュータ2の共有
このコマンドを使うことで、ネットワーク上のリソースを簡単に把握することができます。
net shareコマンドで共有フォルダを作成・管理する
net share
コマンドは、フォルダを共有するためのコマンドです。
このコマンドを使用して、新しい共有フォルダを作成したり、既存の共有フォルダの設定を変更したりできます。
共有フォルダの作成
以下のコマンドで、指定したフォルダを共有フォルダとして設定できます。
net share 共有名=フォルダパス
net share MySharedFolder=C:\Users\Public\Documents
共有 "MySharedFolder" が作成されました。
共有フォルダの削除方法
既存の共有フォルダを削除するには、net share
コマンドを使用します。
以下のコマンドで、指定した共有名のフォルダを削除できます。
net share 共有名 /delete
net share MySharedFolder /delete
共有 "MySharedFolder" が削除されました。
共有フォルダのアクセス権限設定
共有フォルダのアクセス権限を設定するには、net share
コマンドにオプションを追加します。
以下のコマンドで、特定のユーザーに対してアクセス権限を設定できます。
net share 共有名=フォルダパス /grant:ユーザー名,権限
net share MySharedFolder=C:\Users\Public\Documents /grant:User1,FULL
共有 "MySharedFolder" に対して User1 にフルアクセス権が付与されました。
このように、net share
コマンドを使用することで、共有フォルダの作成、削除、アクセス権限の設定を簡単に行うことができます。
ユーザーアカウントの管理
net userコマンドの基本
net user
コマンドは、Windowsのユーザーアカウントを管理するための基本的なコマンドです。
このコマンドを使用することで、ユーザーアカウントの情報を表示したり、新しいアカウントを作成したり、既存のアカウントを変更したりできます。
net user
ユーザー名 フルネーム コメント
------------------------------------------------
User1 ユーザー1
User2 ユーザー2
このコマンドを実行することで、システムに登録されているユーザーアカウントの一覧を確認できます。
ユーザーアカウントの作成
新しいユーザーアカウントを作成するには、net user
コマンドにユーザー名とパスワードを指定します。
以下のコマンドで新しいアカウントを作成できます。
net user ユーザー名 パスワード /add
net user NewUser P@ssw0rd /add
コマンドは正常に完了しました。
このコマンドを実行することで、新しいユーザーアカウントが作成されます。
ユーザーアカウントの削除
既存のユーザーアカウントを削除するには、net user
コマンドを使用します。
以下のコマンドで指定したユーザーアカウントを削除できます。
net user ユーザー名 /delete
net user NewUser /delete
コマンドは正常に完了しました。
このコマンドを実行することで、指定したユーザーアカウントが削除されます。
ユーザーアカウントのパスワード変更
ユーザーアカウントのパスワードを変更するには、net user
コマンドを使用します。
以下のコマンドで指定したユーザーのパスワードを変更できます。
net user ユーザー名 新しいパスワード
net user User1 NewP@ssw0rd
コマンドは正常に完了しました。
このコマンドを実行することで、指定したユーザーのパスワードが変更されます。
ユーザーアカウントの有効化・無効化
ユーザーアカウントを有効化または無効化するには、net user
コマンドを使用します。
以下のコマンドで、指定したユーザーアカウントを無効化できます。
net user ユーザー名 /active:no
有効化する場合は、/active:yes
を使用します。
net user User1 /active:no
net user User1 /active:yes
このように、net user
コマンドを使用することで、ユーザーアカウントの作成、削除、パスワード変更、有効化・無効化を簡単に行うことができます。
グループ管理
net localgroupコマンドの使い方
net localgroup
コマンドは、ローカルグループを管理するためのコマンドです。
このコマンドを使用することで、グループの作成、削除、メンバーの追加や削除などを行うことができます。
ローカルグループは、特定のコンピュータ内でユーザーアカウントをまとめて管理するために使用されます。
net localgroup
グループ名
--------------------------------
Administrators
Users
Guests
このコマンドを実行することで、システムに存在するローカルグループの一覧を確認できます。
グループの作成と削除
新しいローカルグループを作成するには、net localgroup
コマンドを使用します。
以下のコマンドで新しいグループを作成できます。
net localgroup グループ名 /add
net localgroup MyGroup /add
コマンドは正常に完了しました。
既存のグループを削除するには、以下のコマンドを使用します。
net localgroup グループ名 /delete
net localgroup MyGroup /delete
コマンドは正常に完了しました。
ユーザーをグループに追加・削除する方法
ユーザーをローカルグループに追加するには、net localgroup
コマンドを使用します。
以下のコマンドで指定したユーザーをグループに追加できます。
net localgroup グループ名 ユーザー名 /add
net localgroup MyGroup User1 /add
コマンドは正常に完了しました。
ユーザーをグループから削除するには、以下のコマンドを使用します。
net localgroup グループ名 ユーザー名 /delete
net localgroup MyGroup User1 /delete
コマンドは正常に完了しました。
グループのメンバー一覧を確認する
特定のローカルグループのメンバーを確認するには、net localgroup
コマンドを使用します。
以下のコマンドで指定したグループのメンバー一覧を表示できます。
net localgroup グループ名
net localgroup MyGroup
グループ名 MyGroup
メンバー
--------------------------------
User1
User2
このコマンドを実行することで、指定したグループに属するユーザーの一覧を確認できます。
これにより、グループ管理が効率的に行えるようになります。
サービスの管理
net startコマンドでサービスを開始する
net start
コマンドは、指定したサービスを開始するために使用されます。
このコマンドを実行することで、停止しているサービスを再起動することができます。
net start サービス名
net start "Windows Update"
サービス "Windows Update" が開始されました。
このコマンドを使用することで、必要なサービスを迅速に開始できます。
net stopコマンドでサービスを停止する
net stop
コマンドは、指定したサービスを停止するために使用されます。
このコマンドを実行することで、実行中のサービスを安全に停止できます。
net stop サービス名
net stop "Windows Update"
サービス "Windows Update" が停止されました。
このコマンドを使用することで、不要なサービスを停止し、システムのリソースを節約できます。
サービスの状態を確認する方法
サービスの状態を確認するには、sc query
コマンドを使用します。
このコマンドを実行することで、指定したサービスの現在の状態を確認できます。
sc query サービス名
sc query "Windows Update"
SERVICE_NAME: wuauserv
TYPE : 20 WIN32_SHARE_PROCESS
STATE : 4 RUNNING
(STOPPABLE, PAUSABLE, ACCEPTS_SHUTDOWN)
このコマンドを使用することで、サービスが実行中か停止中かを確認できます。
自動起動サービスの設定
サービスを自動起動に設定するには、sc config
コマンドを使用します。
このコマンドを実行することで、指定したサービスの起動タイプを変更できます。
sc config サービス名 start= auto
sc config "Windows Update" start= auto
[SC] ChangeServiceConfig SUCCESS
このコマンドを使用することで、システム起動時に自動的にサービスが開始されるように設定できます。
これにより、必要なサービスが常に利用可能な状態を保つことができます。
セッションと接続の管理
net sessionコマンドでセッションを確認する
net session
コマンドは、現在のセッションを確認するために使用されます。
このコマンドを実行することで、ネットワーク上のコンピュータが接続しているセッションの情報を表示できます。
net session
コンピュータ名 ユーザー名 接続時間
------------------------------------------------
COMPUTER1 User1 2023/10/01 10:00
COMPUTER2 User2 2023/10/01 10:05
このコマンドを使用することで、どのコンピュータが接続しているか、接続時間などの詳細を確認できます。
セッションの切断方法
特定のセッションを切断するには、net session
コマンドに続いて、切断したいセッションのコンピュータ名を指定します。
以下のコマンドでセッションを切断できます。
net session コンピュータ名 /delete
net session COMPUTER1 /delete
セッションが正常に切断されました。
このコマンドを実行することで、指定したコンピュータとの接続を切断できます。
net useコマンドでネットワークドライブを接続する
net use
コマンドは、ネットワークドライブを接続するために使用されます。
このコマンドを使用することで、リモートの共有フォルダをローカルドライブとしてマウントできます。
net use ドライブレター: \\サーバー名\共有名
net use Z: \\COMPUTER1\SharedFolder
コマンドは正常に完了しました。
このコマンドを実行することで、指定したネットワーク共有がローカルドライブとして利用可能になります。
ネットワークドライブの切断方法
接続したネットワークドライブを切断するには、net use
コマンドを使用します。
以下のコマンドで指定したドライブを切断できます。
net use ドライブレター: /delete
net use Z: /delete
コマンドは正常に完了しました。
このコマンドを実行することで、指定したネットワークドライブの接続を解除できます。
これにより、リソースの管理が効率的に行えるようになります。
ドメインとワークグループの管理
net groupコマンドの使い方
net group
コマンドは、ドメイン内のグループを管理するためのコマンドです。
このコマンドを使用することで、グループの作成、削除、メンバーの追加や削除などを行うことができます。
ドメイン環境でのユーザー管理において非常に重要な役割を果たします。
net group
グループ名
--------------------------------
Domain Admins
Domain Users
このコマンドを実行することで、ドメイン内に存在するグループの一覧を確認できます。
ドメインユーザーの管理
ドメインユーザーを管理するには、net user
コマンドを使用します。
以下のコマンドでドメイン内のユーザーアカウントを表示できます。
net user /domain
ユーザー名 フルネーム コメント
------------------------------------------------
User1 ユーザー1
User2 ユーザー2
新しいドメインユーザーを作成するには、以下のコマンドを使用します。
net user ユーザー名 パスワード /add /domain
net user NewUser P@ssw0rd /add /domain
ワークグループの設定と確認
ワークグループの設定を確認するには、net config workstation
コマンドを使用します。
このコマンドを実行することで、現在のワークグループ名やコンピュータ名を確認できます。
net config workstation
コンピュータ名 コンピュータ名
ワークグループ名 WORKGROUP
ワークグループを変更するには、システムのプロパティから手動で設定する必要があります。
コマンドプロンプトから直接変更することはできませんが、設定後に再起動が必要です。
ドメイン参加と離脱の方法
コンピュータをドメインに参加させるには、netdom
コマンドを使用します。
以下のコマンドでドメインに参加できます。
netdom join コンピュータ名 /domain:ドメイン名 /userd:ユーザー名 /passwordd:パスワード
netdom join %COMPUTERNAME% /domain:example.com /userd:Admin /passwordd:Password123
ドメインから離脱するには、以下のコマンドを使用します。
netdom remove コンピュータ名 /domain:ドメイン名 /userd:ユーザー名 /passwordd:パスワード
netdom remove %COMPUTERNAME% /domain:example.com /userd:Admin /passwordd:Password123
このように、netdom
コマンドを使用することで、ドメインへの参加や離脱を簡単に行うことができます。
これにより、ネットワーク環境の管理が効率的に行えるようになります。
応用例
バッチファイルでnetコマンドを自動化する
バッチファイルを使用することで、net
コマンドを自動化し、複数のコマンドを一度に実行することができます。
以下は、ユーザーアカウントを作成し、グループに追加するバッチファイルの例です。
@echo off
net user NewUser P@ssw0rd /add
net localgroup MyGroup NewUser /add
echo ユーザー NewUser が作成され、MyGroup に追加されました。
このバッチファイルを実行することで、指定したユーザーが自動的に作成され、指定したグループに追加されます。
スクリプトで複数のnetコマンドを連続実行する
スクリプトを使用して、複数のnet
コマンドを連続して実行することも可能です。
以下は、ネットワークドライブを接続し、その後切断するスクリプトの例です。
@echo off
net use Z: \\COMPUTER1\SharedFolder
echo ネットワークドライブ Z: が接続されました。
pause
net use Z: /delete
echo ネットワークドライブ Z: が切断されました。
このスクリプトを実行すると、指定したネットワークドライブが接続され、その後に切断されます。
netコマンドを使ったトラブルシューティング
net
コマンドは、ネットワークのトラブルシューティングにも役立ちます。
例えば、net view
コマンドを使用して、ネットワーク上の共有リソースを確認し、接続の問題を特定することができます。
net view
共有名 説明
--------------------------------
\\COMPUTER1 コンピュータ1の共有
\\COMPUTER2 コンピュータ2の共有
また、net session
コマンドを使用して、現在のセッションを確認し、不要な接続を切断することもできます。
net session
リモートPCの管理にnetコマンドを活用する
net
コマンドは、リモートPCの管理にも利用できます。
例えば、リモートPCのサービスを管理するために、sc
コマンドを使用することができます。
リモートPCのサービスを開始する例:
sc \\リモートPC名 start サービス名
sc \\COMPUTER1 start "Windows Update"
リモートPCのユーザーアカウントを管理する場合は、net
コマンドを使用して、リモートPCのユーザーを追加することも可能です。
net user ユーザー名 パスワード /add /domain:リモートPC名
net user NewUser P@ssw0rd /add /domain:COMPUTER1
このように、net
コマンドを活用することで、リモートPCの管理が効率的に行えるようになります。
よくある質問
まとめ
この記事では、Windowsのコマンドプロンプトにおけるnet
コマンドの使い方や応用例について詳しく解説しました。
ネットワークの設定や管理、ユーザーアカウントの管理、サービスの操作など、さまざまな機能を活用することで、システム管理がより効率的に行えるようになります。
これを機に、実際にコマンドを試してみて、日常の管理作業を自動化したり、トラブルシューティングに役立てたりしてみてください。