コマンドプロンプトでフォルダごとコピーする方法について解説

この記事では、コマンドプロンプトでフォルダごとコピーする方法を解説します。

単なるファイルコピーではなく、サブフォルダや隠しファイルも含む完全なコピーを実現するため、xcopyやrobocopyなどのコマンドを利用します。

基本的な使い方とオプションについて分かりやすく説明し、初心者でも実践しやすい内容になっています。

コマンドプロンプト基本操作の確認

起動方法と権限のチェック

コマンドプロンプトは、スタートメニューや検索バーから起動できます。

通常のユーザーとしての起動でも十分な場合が多いですが、コピー元やコピー先のフォルダによっては管理者権限が必要になることもあります。

環境構築済みの場合、既に各ツールのインストールとパスの通しが完了していることを前提としていますので、基本的な操作はすぐにご利用いただけます。

環境構築済み前提の操作確認

• Windows環境でのコマンドプロンプト起動に関しては、例えば「cmd」と検索して起動する方法や、「Windowsキー + R」で「cmd」と入力して起動する方法があります。
• 管理者権限が必要な場合は、右クリックから「管理者として実行」を選択して起動してください。
• 環境構築済みの場合、必要なツール(xcopy、robocopyなど)が既に利用可能となっていることを確認してください。

xcopyコマンドによるフォルダコピー

基本構文とパラメータ

xcopy コマンドは、フォルダやその内容全体を一度にコピーするために利用されるコマンドです。

シンプルな構文で、コピー元とコピー先を指定することができます。

標準のコピー方法に加えて、サブディレクトリや隠しファイルも含めてコピーするオプションを加えることができます。

コピー元・先の指定方法

コピー元とコピー先は、ダブルクォートで囲ってパスを指定することが推奨されます。

例えば、以下のような構文になります。

xcopy "C:\SourceFolder" "D:\DestinationFolder"

C:\SourceFolder のファイルを D:\DestinationFolder にコピー中...

サブディレクトリ・隠しファイルの処理オプション

フォルダ内の全てのサブディレクトリや隠しファイルもコピーする場合、主に以下のオプションを利用します。

• /e : 空のディレクトリも含む全てのサブディレクトリをコピー
• /h : 隠しファイルやシステムファイルもコピー

例えば、次のようにオプションを追加して実行します。

xcopy "C:\SourceFolder" "D:\DestinationFolder" /e /h

ディレクトリが存在しなかったため、D:\DestinationFolder を新規作成しました。
C:\SourceFolder のファイルを D:\DestinationFolder にコピー中...

実行例とオプション設定

主なオプションの詳細説明

以下は、xcopy コマンドでよく利用するオプションについての詳細です。

• /c : エラー発生時にコピーを続行
• /q : コピー中のファイル名の表示を抑制
• /y : 確認メッセージなしで上書きコピー
• /d[:date] : 指定した日付以降に変更があったファイルのみコピー

これらのオプションを組み合わせることで、ユーザーのニーズに合わせたコピーを実行できます。

たとえば、エラー無視と上書きを同時に行う場合は以下のようになります。

xcopy "C:\SourceFolder" "D:\DestinationFolder" /e /h /c /y

C:\SourceFolder のファイルを D:\DestinationFolder にコピー中...
コピー完了。いくつかのエラーが発生しましたが、処理は継続されました。

robocopyコマンドによるフォルダコピー

基本構文とパラメータ

robocopy は、より高機能なフォルダコピーを行うためのコマンドです。

大容量のデータや、複雑なディレクトリ構造のコピーに適しています。

基本構文は以下の通りです。

robocopy "C:\SourceFolder" "D:\DestinationFolder"

-------------------------------------------------------------------------------
   ROBOCOPY     ::     Robust File Copy for Windows
-------------------------------------------------------------------------------
開始時刻: 10:00:00
...

コピー対象と出力先の指定方法

コピー対象と出力先のディレクトリは、それぞれダブルクォートで囲んで指定します。

基本的には、robocopy は指定されたフォルダ内の全てのファイルとサブディレクトリをデフォルトでコピーします。

サブディレクトリとエラー対策用オプション

robocopy では、サブディレクトリ全体をコピーするために /e オプションを使います。

また、ネットワーク経由のコピーなどで予期せぬエラーが発生する場合、以下のオプションで対策が可能です。

• /r:n : エラー発生時の再試行回数を指定(例： /r:3 なら3回再試行)
• /w:n : 再試行時の待機時間を秒単位で指定(例： /w:5 なら5秒待機)

例えば、エラー再試行を3回、待機時間を5秒とした場合の実行例は以下の通りです。

robocopy "C:\SourceFolder" "D:\DestinationFolder" /e /r:3 /w:5

-------------------------------------------------------------------------------
   ROBOCOPY     ::     Robust File Copy for Windows
-------------------------------------------------------------------------------
開始時刻: 10:05:00
...
コピー完了。エラーが発生した場合は再試行が試みられました。

動作確認とログチェック

コマンド実行例と出力ログの確認方法

robocopy は、デフォルトで詳細なログを出力するため、コピー操作後に出力された内容を確認することで、コピーが正しく実行されたかどうかを判断できます。

以下は、ログの確認方法の一例です。

robocopy "C:\SourceFolder" "D:\DestinationFolder" /e /l

-------------------------------------------------------------------------------
   ROBOCOPY     ::     Robust File Copy for Windows
-------------------------------------------------------------------------------
モード: コピーするファイルの一覧を表示(実際のコピーは行わない)
...
ソースディレクトリ: C:\SourceFolder
宛先ディレクトリ: D:\DestinationFolder
...

• /l オプションを使用すると、実際にコピーせずに実行内容を表示できるため、事前確認が可能です。
• 出力ログは、どのファイルがコピー対象となっているかを確認するのに役立ちます。

コピー作業実行時の注意点

コピー前のフォルダ内容確認

ファイル構造と権限設定のチェック

コピー作業を開始する前に、対象フォルダの内容やディレクトリ構造、ファイルの種類、隠しファイル、システムファイルの有無を把握しておくとよいでしょう。

また、コピー元およびコピー先のフォルダに対するアクセス権限を確認することも大切です。

権限が不十分な場合、コピー処理が途中で停止する可能性があるため、事前に以下の点をチェックしてください。

• コピー元フォルダのファイルやサブディレクトリの一覧確認(例： dir /a コマンド)
• コピー先フォルダの書き込み権限の確認

コピー後の整合性確認

エラーチェックとディレクトリ比較方法

コピー作業が完了した後は、全てのファイルが正しく転送されたかどうかを確認することが重要です。

以下の方法で整合性確認を行ってください。

• コマンド実行時に出力されるログを確認して、エラーや再試行が発生していないかをチェック
• サードパーティのツールや、Windows標準の fc(ファイル比較) コマンドを使って、元と先のファイル内容を比較する
• robocopy の場合は、終了コード(エラーコード)も確認して、問題がなかったかをチェックする

例えば、簡単なファイル比較を行うサンプルコードは以下の通りです。

fc "C:\SourceFolder\sample.txt" "D:\DestinationFolder\sample.txt"

比較結果: 両方のファイルは同じ内容です。

これらの確認作業を行うことで、コピー作業後のトラブルシューティングを容易にし、データの完全性を保つことができます。

まとめ

この記事では、コマンドプロンプト基本操作から、xcopyおよびrobocopyコマンドを使ったフォルダコピーの具体的な手法と、コピー前後の注意事項について詳しく解説しました。

全体を通して、適切なオプション選択やログ確認によって、安全かつ効率的にコピー作業が実施できることを把握できました。

実際にコマンドを実行して、操作の最適化に努めてみてください。