コマンドプロンプトのコマンド一覧を解説
コマンドプロンプトは、Windowsの操作やシステム管理に利用できるツールです。
この記事では、基本的なファイル操作やネットワーク設定などで役立つ主要コマンドを一覧にまとめ、各コマンドの使い方とポイントを分かりやすく解説します。
初心者にも理解しやすい内容となっています。
ファイル・ディレクトリ操作コマンドの解説
ファイルやディレクトリの操作は、コマンドプロンプトの基本的な機能です。
ここではディレクトリの移動と一覧表示、ファイル操作に関する代表的なコマンドをわかりやすく説明します。
ディレクトリ移動と一覧表示
cdコマンドの使い方
cdコマンドは、作業ディレクトリを変更するために使います。
ディレクトリ名を指定することで、移動先のパスに変更してファイルやサブディレクトリにアクセスできるようになります。
例として、C:\Program Filesに移動する場合は、以下のように入力します。
cd C:\Program Filesこのコマンドを実行すると、カレントディレクトリが指定したパスに更新され、以降のコマンドはそのディレクトリ内で実行されます。
dirコマンドの特徴
dirコマンドは、指定したディレクトリ内のファイルとフォルダの一覧を表示します。
オプションを付けることで、詳細情報や隠しファイルも確認することができます。
基本的な使い方は以下の通りです。
dirVolume in drive C has no label.
Volume Serial Number is XXXX-XXXX
Directory of C:\Program Files
01/01/2020 10:00 AM <DIR> .
01/01/2020 10:00 AM <DIR> ..
01/01/2020 10:00 AM 1,234 Example.exe
1 File(s) 1,234 bytes
2 Dir(s) 50,000,000,000 bytes freeこのように実行することで、フォルダ内のファイルサイズや更新日時などを確認できる点が特徴です。
ファイル操作コマンド
copyコマンドの動作
copyコマンドは、ファイルを別の場所に複製する際に利用します。
コピー元とコピー先のパスを指定することで、必要なファイルを複製できます。
たとえば、source.txtをdestination.txtという名前でコピーする場合は、以下のようにします。
copy "source.txt" "destination.txt"1 file(s) copied.この結果、コピー元のファイルが無事に複製されていることが確認できます。
delコマンドの操作方法
delコマンドは、不要なファイルを削除するために使用します。
削除するファイルの名前を正確に指定する必要がありますので、誤削除に注意してください。
実際に、oldfile.txtというファイルを削除する場合は以下のように入力します。
del "oldfile.txt"oldfile.txtなお、削除は取り消しができないため、操作前に内容の確認を行うことが推奨されます。
moveコマンドの利用例
moveコマンドは、ファイルを指定した場所へ移動させるためのコマンドです。
ファイル名と移動先ディレクトリを入力するだけで、ファイルの場所を変更できます。
例えば、log.txtというファイルをbackupフォルダに移動する場合は、以下のように入力します。
move "log.txt" "backup\"1 file(s) moved.ファイルが正しく移動されたことが、上記の出力結果で確認できます。
ネットワーク関連コマンドの解説
ネットワークの状態確認や接続の状況を把握するためのコマンドもコマンドプロンプトでは豊富に用意されています。
ここでは、接続確認とルート確認のコマンドについて説明します。
接続確認コマンド
ipconfigコマンドの基本
ipconfigコマンドは、ネットワークインターフェイスの設定状況を表示する基本的なコマンドです。
現在のIPアドレスやサブネットマスク、デフォルトゲートウェイなどが確認できます。
実行するには、以下のように入力します。
ipconfigWindows IP Configuration
Ethernet adapter Local Area Connection:
Connection-specific DNS Suffix . :
IPv4 Address. . . . . . . . . . . : 192.168.1.100
Subnet Mask . . . . . . . . . . . : 255.255.255.0
Default Gateway . . . . . . . . . : 192.168.1.1この出力により、ネットワークの設定概要が確認可能です。
pingコマンドの使い方
pingコマンドは、指定したホストへの接続が可能かどうかをチェックするために使用されます。
ホスト名またはIPアドレスを指定して、パケットの送受信が正常に行われるかどうかを確認できます。
以下は、ホストwww.example.comに対してpingを実行する例です。
ping www.example.comPinging www.example.com [93.184.216.34] with 32 bytes of data:
Reply from 93.184.216.34: bytes=32 time=15ms TTL=57
Reply from 93.184.216.34: bytes=32 time=16ms TTL=57
Reply from 93.184.216.34: bytes=32 time=15ms TTL=57
Reply from 93.184.216.34: bytes=32 time=16ms TTL=57
Ping statistics for 93.184.216.34:
Packets: Sent = 4, Received = 4, Lost = 0 (0% loss),
Approximate round trip times in milli-seconds:
Minimum = 15ms, Maximum = 16ms, Average = 15msこのように、ターゲットへの応答時間やパケット損失率を把握することができます。
ルート確認コマンド
tracertコマンドの動作
tracertコマンドは、指定したホストへの経路情報を表示します。
パケットがどのノードを経由して目的地に到達するかを確認できるため、ネットワークのトラブルシューティングに役立ちます。
例えば、www.example.comまでのルートを確認する場合は、以下のように入力します。
tracert www.example.comTracing route to example.com [93.184.216.34] over a maximum of 30 hops:
1 2 ms 1 ms 1 ms 192.168.1.1
2 15 ms 14 ms 14 ms 10.0.0.1
3 20 ms 19 ms 19 ms 172.16.0.1
4 30 ms 29 ms 29 ms 93.184.216.34
Trace complete.出力結果により、各ホップの遅延時間や経由先IPが確認でき、ネットワークの経路状況が把握できます。
システム管理・プロセス操作コマンドの解説
コマンドプロンプトを利用すれば、システム全体の情報確認やプロセスの管理が容易に行えます。
以下では、システム情報確認とプロセス管理に関連するコマンドについて説明します。
システム情報確認
systeminfoコマンドの利用
systeminfoコマンドは、システム全体の様々な情報を一覧表示するためのコマンドです。
OSのバージョン、システム製造元、インストール日時など、幅広い情報を確認できます。
実行例は以下になります。
systeminfoHost Name: SAMPLE-PC
OS Name: Microsoft Windows 10 Pro
OS Version: 10.0.19042 N/A Build 19042
System Manufacturer: Example Corp.
System Model: ExampleModel
System Type: x64-based PC
Total Physical Memory: 8,192 MBこの出力結果により、システムの基本情報を容易に確認できます。
プロセス管理
tasklistコマンドの使い方
tasklistコマンドは、現在実行中のプロセス一覧を表示するために用います。
各プロセスのイメージ名、PID、メモリ使用量などが確認できます。
以下のコマンドを入力します。
tasklistImage Name PID Session Name Session# Mem Usage
========================= ======== ================ =========== ============
chrome.exe 1234 Console 1 150,000 K
explorer.exe 5678 Console 1 50,000 K
cmd.exe 9101 Console 1 10,000 Kこれにより、どのプロセスが動作しているかを把握でき、必要に応じた管理が行えます。
taskkillコマンドの操作
taskkillコマンドは、指定したプロセスを終了させるために利用できます。
PID(プロセスID)やイメージ名を指定して、対象のプロセスを強制終了することができます。
プロセスIDを指定して終了させる場合は、以下のように入力します。
taskkill /PID 1234SUCCESS: Sent termination signal to process "1234".このように、不要なプロセスを選択的に終了することが可能です。
その他便利なコマンドの解説
コマンドプロンプトには、操作履歴の確認やヘルプ機能など、作業を便利にする機能が組み込まれています。
以下では、その代表的なコマンドについて紹介します。
コマンド履歴とヘルプ機能
doskeyコマンドの利用法
doskeyコマンドは、過去に実行したコマンドの履歴を確認したり、エイリアスを設定したりするために使用します。
実行中のコマンドプロンプトで直前の入力内容を参照することができます。
例えば、コマンド履歴を表示するには、以下のように入力します。
doskey /historycd C:\Program Files
dir /a
copy "source.txt" "destination.txt"この出力により、今まで実行したコマンドの一覧が確認でき、再入力の手間が省ける点が便利です。
helpコマンドの概要
helpコマンドは、コマンドプロンプトで利用可能な各コマンドの概要を表示します。
コマンドの使い方の参考として利用できるため、初学者にも役立ちます。
実際の使い方は以下の通りです。
helpASSOC Displays or modifies file extension associations.
ATTRIB Displays or changes file attributes.
CD Displays the name of or changes the current directory.
...このリストから、必要なコマンドの詳細情報を調べる際の出発点として活用することが可能です。
まとめ
この記事ではコマンドプロンプトの主要なコマンド(ファイル・ディレクトリ操作、ネットワーク確認、システム管理・プロセス操作、及びその他の便利な機能)について、具体的なサンプルと出力例を交えて詳しく解説しました。
各コマンドの基本的な動作や使用例を示すことで、全体の操作イメージが把握できる内容になっています。
ぜひ実際にコマンドを試しながら、作業効率向上に役立ててください。