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ヒープソートの概要
ヒープソートとは
ヒープソートは、効率的なソートアルゴリズムの一つです。
データを二分木の形で表現することで、データの整列を行います。
ヒープソートは、平均・最悪時間計算量ともにO(n log n)であり、安定なソートアルゴリズムとして知られています。
ヒープソートの特徴
ヒープソートの特徴は以下の通りです。
- ソート対象のデータを二分木の形で表現するため、データの整列に際して追加のメモリ領域を必要としません。
- ヒープソートは比較に基づくソートアルゴリズムであり、データの交換が頻繁に行われるため、データの移動回数が多いです。
ヒープソートの実装方法
ヒープの構築
ヒープソートを行うためには、まずヒープを構築する必要があります。
ヒープの構築は以下の手順で行います。
- ソート対象のデータを配列に格納します。
- 配列をヒープとして扱うために、配列の要素を二分木の形に整理します。
- ヒープを構築するために、配列の要素を順番に見ていき、親ノードと子ノードの大小関係を確認します。
- 親ノードと子ノードの大小関係が逆転している場合は、要素を交換します。
- 全ての要素について大小関係の確認と交換を行い、ヒープを構築します。
ヒープソートの実装例
以下に、ヒープソートの実装例を示します。
#include <stdio.h>
// 配列の要素を交換する関数
void swap(int* a, int* b) {
int temp = *a;
*a = *b;
*b = temp;
}
// ヒープを構築する関数
void buildHeap(int arr[], int n, int i) {
int largest = i; // 親ノード
int left = 2 * i + 1; // 左の子ノード
int right = 2 * i + 2; // 右の子ノード
// 左の子ノードが親ノードより大きい場合
if (left < n && arr[left] > arr[largest]) {
largest = left;
}
// 右の子ノードが親ノードまたは左の子ノードより大きい場合
if (right < n && arr[right] > arr[largest]) {
largest = right;
}
// 親ノードと子ノードの大小関係が逆転している場合
if (largest != i) {
swap(&arr[i], &arr[largest]);
buildHeap(arr, n, largest);
}
}
// ヒープソートを行う関数
void heapSort(int arr[], int n) {
// ヒープを構築する
for (int i = n / 2 - 1; i >= 0; i--) {
buildHeap(arr, n, i);
}
// ヒープから要素を取り出し、ソートする
for (int i = n - 1; i >= 0; i--) {
swap(&arr[0], &arr[i]);
buildHeap(arr, i, 0);
}
}
int main() {
int arr[] = { 12, 11, 13, 5, 6, 7 };
int n = sizeof(arr) / sizeof(arr[0]);
heapSort(arr, n);
printf("ソート結果:");
for (int i = 0; i < n; i++) {
printf("%d ", arr[i]);
}
return 0;
}
上記の実装例では、配列をヒープソートするために、buildHeap関数
でヒープを構築し、heapSort関数
でヒープソートを行っています。
最後に、ソート結果を表示しています。
ヒープソートの利点と欠点
ヒープソートの利点
- ヒープソートは、データの整列に際して追加のメモリ領域を必要としないため、メモリ使用量が少ないです。
- 平均・最悪時間計算量がO(n log n)であり、効率的なソートアルゴリズムです。
ヒープソートの欠点
- ヒープソートは比較に基づくソートアルゴリズムであり、データの交換が頻繁に行われるため、データの移動回数が多いです。
- ヒープソートは安定なソートアルゴリズムではありません。
同じ値を持つ要素の順序が保持されない場合があります。
また、ヒープソートは比較に基づくソートアルゴリズムであるため、ソート対象のデータが大きい場合でも効率的にソートすることができます。
ただし、ヒープソートは安定なソートアルゴリズムではないため、同じ値を持つ要素の順序が保持されない場合があります。