C言語でキューを実装する方法をわかりやすく詳しく解説

この記事では、キューというデータ構造について詳しく解説します。

キューの概要や特徴、そして配列やリンクリストを使った実装方法について学ぶことができます。

さらに、キューの応用例や利点、注意点についても紹介します。

キューの基本的な使い方や活用方法を初心者にもわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

目次から探す

キューとは

キューは、データを一時的に保管するためのデータ構造です。

データは先入れ先出し(FIFO: First-In-First-Out)の順序で処理されます。

つまり、最初に追加されたデータが最初に取り出される仕組みです。

キューの概要

キューは、一列に並んだデータを表現するためのデータ構造です。

データは一方向に流れるように追加され、取り出されます。

キューには、先頭(フロント)と末尾(リア)の2つのポインタがあります。

データは末尾に追加され、先頭から取り出されます。

キューの特徴

キューの特徴は以下の通りです。

  1. 先入れ先出し(FIFO)の順序でデータが処理される。
  2. データの追加は末尾に行われ、データの取り出しは先頭から行われる。
  3. キューは固定サイズの配列やリンクリストで実装されることが一般的である。

キューは、データの順序を保持する必要がある場合や、データの処理を順番に行う必要がある場合に使用されます。

例えば、プリンタのキューでは、印刷ジョブが順番に処理されるため、キューが使用されます。

以上が、キューの概要と特徴についての説明です。

次に、キューの実装方法について説明します。

キューの実装方法

キューは、データを一時的に保持するためのデータ構造です。

先入れ先出し(FIFO)の原則に基づいており、最初に追加されたデータが最初に取り出されます。

キューの実装方法には、主に配列を使った実装とリンクリストを使った実装の2つがあります。

それぞれの実装方法について詳しく見ていきましょう。

配列を使った実装

配列を使った実装では、キューの要素を配列に格納します。

キューの先頭と末尾の位置を示すポインタを用意し、要素の追加や削除を行います。

以下に、配列を使ったキューの実装の例を示します。


#include <stdio.h>
#define MAX_SIZE 100
int queue[MAX_SIZE];
int front = -1; // キューの先頭の位置
int rear = -1; // キューの末尾の位置
// キューに要素を追加する関数
void enqueue(int data) {
    if (rear == MAX_SIZE - 1) {
        printf("キューが満杯です\n");
        return;
    }
    if (front == -1) {
        front = 0;
    }
    rear++;
    queue[rear] = data;
}
// キューから要素を取り出す関数
int dequeue() {
    if (front == -1 || front > rear) {
        printf("キューが空です\n");
        return -1;
    }
    int data = queue[front];
    front++;
    return data;
}
// キューの中身を表示する関数
void display() {
    if (front == -1 || front > rear) {
        printf("キューが空です\n");
        return;
    }
    printf("キューの中身: ");
    for (int i = front; i <= rear; i++) {
        printf("%d ", queue[i]);
    }
    printf("\n");
}
int main() {
    enqueue(1);
    enqueue(2);
    enqueue(3);
    display(); // キューの中身: 1 2 3
    printf("取り出した要素: %d\n", dequeue()); // 取り出した要素: 1
    display(); // キューの中身: 2 3
    return 0;
}

上記の例では、enqueue関数でキューに要素を追加し、dequeue関数でキューから要素を取り出しています。

また、display関数ではキューの中身を表示しています。

キューが満杯の場合や空の場合には、適切なメッセージを表示するようにしています。

リンクリストを使った実装

リンクリストを使った実装では、キューの要素をノードとして表現し、ノード同士をリンクでつなげます。

キューの先頭と末尾を示すポインタを用意し、要素の追加や削除を行います。

以下に、リンクリストを使ったキューの実装の例を示します。


#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
typedef struct Node {
    int data;
    struct Node* next;
} Node;
Node* front = NULL; // キューの先頭のノード
Node* rear = NULL; // キューの末尾のノード
// キューに要素を追加する関数
void enqueue(int data) {
    Node* newNode = (Node*)malloc(sizeof(Node));
    newNode->data = data;
    newNode->next = NULL;
    if (rear == NULL) {
        front = newNode;
        rear = newNode;
    } else {
        rear->next = newNode;
        rear = newNode;
    }
}
// キューから要素を取り出す関数
int dequeue() {
    if (front == NULL) {
        printf("キューが空です\n");
        return -1;
    }
    int data = front->data;
    Node* temp = front;
    front = front->next;
    free(temp);
    if (front == NULL) {
        rear = NULL;
    }
    return data;
}
// キューの中身を表示する関数
void display() {
    if (front == NULL) {
        printf("キューが空です\n");
        return;
    }
    printf("キューの中身: ");
    Node* current = front;
    while (current != NULL) {
        printf("%d ", current->data);
        current = current->next;
    }
    printf("\n");
}
int main() {
    enqueue(1);
    enqueue(2);
    enqueue(3);
    display(); // キューの中身: 1 2 3
    printf("取り出した要素: %d\n", dequeue()); // 取り出した要素: 1
    display(); // キューの中身: 2 3
    return 0;
}

上記の例では、enqueue関数でキューに要素を追加し、dequeue関数でキューから要素を取り出しています。

また、display関数ではキューの中身を表示しています。

キューが空の場合には、適切なメッセージを表示するようにしています。

以上が、キューの実装方法についての説明です。

配列を使った実装とリンクリストを使った実装のどちらを選ぶかは、具体的な要件や制約によって異なる場合があります。

適切な実装方法を選び、プログラムの要件に合わせてキューを実装してください。

1 2 3
目次から探す