[C#] コンソール入力チェックの方法と実践
C#でコンソール入力をチェックする方法は、ユーザーからの入力を受け取り、その入力が期待される形式や範囲に合致しているかを確認することです。
一般的な手法として、Console.ReadLine()
で入力を取得し、int.TryParse()
やdouble.TryParse()
などのメソッドを使用して数値に変換できるかを確認します。
これにより、入力が数値であるかどうかをチェックできます。
また、if
文を用いて入力の範囲や条件を確認し、不正な入力に対してはエラーメッセージを表示し、再入力を促すことができます。
正しい入力が得られるまでループを使用することも一般的です。
これにより、プログラムの堅牢性を高め、ユーザーにとって使いやすいインターフェースを提供できます。
コンソール入力の基本
C#におけるコンソール入力は、ユーザーからのデータをプログラムに取り込むための基本的な方法です。
コンソールアプリケーションでは、Console.ReadLine()メソッド
を使用して、ユーザーが入力した文字列を取得します。
この入力されたデータは、通常、文字列として扱われますが、数値や特定の形式に変換する必要がある場合もあります。
入力されたデータが期待通りの形式であるかを確認することは、プログラムの信頼性を高めるために重要です。
入力チェックを行うことで、ユーザーの誤入力を防ぎ、プログラムの誤動作を回避することができます。
この記事では、C#でのコンソール入力の基本的な方法と、入力チェックの実践的なテクニックについて詳しく解説します。
数値入力のチェック
コンソールアプリケーションでユーザーから数値を入力してもらう際には、入力されたデータが正しい数値であるかを確認する必要があります。
C#では、int.TryParse()
やdouble.TryParse()
といったメソッドを活用することで、文字列を数値に変換しつつ、変換が成功したかどうかを確認することができます。
また、数値が特定の範囲内にあるかどうかをチェックすることも重要です。
以下では、これらの方法について詳しく説明します。
int.TryParse()の活用
int.TryParse()メソッド
は、文字列を整数に変換する際に便利です。
このメソッドは、変換が成功したかどうかを示すブール値を返します。
成功した場合は、変換された整数値を出力パラメータに格納します。
using System;
class Program
{
static void Main()
{
Console.WriteLine("整数を入力してください:");
string input = Console.ReadLine(); // ユーザーからの入力を取得
if (int.TryParse(input, out int result))
{
Console.WriteLine($"入力された整数は: {result}");
}
else
{
Console.WriteLine("無効な整数が入力されました。");
}
}
}
整数を入力してください:
123
入力された整数は: 123
この例では、ユーザーが入力した文字列が整数に変換可能かどうかを確認し、変換できた場合はその整数を表示します。
変換に失敗した場合は、エラーメッセージを表示します。
double.TryParse()の活用
double.TryParse()メソッド
は、文字列を浮動小数点数に変換する際に使用します。
このメソッドも、変換が成功したかどうかを示すブール値を返し、成功した場合は変換された値を出力パラメータに格納します。
using System;
class Program
{
static void Main()
{
Console.WriteLine("小数を入力してください:");
string input = Console.ReadLine(); // ユーザーからの入力を取得
if (double.TryParse(input, out double result))
{
Console.WriteLine($"入力された小数は: {result}");
}
else
{
Console.WriteLine("無効な小数が入力されました。");
}
}
}
小数を入力してください:
12.34
入力された小数は: 12.34
この例では、ユーザーが入力した文字列が浮動小数点数に変換可能かどうかを確認し、変換できた場合はその数値を表示します。
変換に失敗した場合は、エラーメッセージを表示します。
範囲チェックの実装方法
数値が特定の範囲内にあるかどうかを確認することも重要です。
以下の例では、ユーザーが入力した整数が1から100の範囲内にあるかどうかをチェックします。
using System;
class Program
{
static void Main()
{
Console.WriteLine("1から100の範囲で整数を入力してください:");
string input = Console.ReadLine(); // ユーザーからの入力を取得
if (int.TryParse(input, out int result))
{
if (result >= 1 && result <= 100)
{
Console.WriteLine($"入力された整数は範囲内です: {result}");
}
else
{
Console.WriteLine("入力された整数は範囲外です。");
}
}
else
{
Console.WriteLine("無効な整数が入力されました。");
}
}
}
1から100の範囲で整数を入力してください:
50
入力された整数は範囲内です: 50
この例では、ユーザーが入力した整数が指定された範囲内にあるかどうかを確認し、範囲内であればその整数を表示します。
範囲外の場合や無効な入力の場合は、適切なメッセージを表示します。
文字列入力のチェック
コンソールアプリケーションでユーザーから文字列を入力してもらう際には、入力されたデータが期待通りの形式であるかを確認することが重要です。
特に、空文字やNullの確認、特定の文字列パターンの検証、正規表現を用いた入力チェックは、入力データの妥当性を確保するために役立ちます。
以下では、これらの方法について詳しく説明します。
空文字やNullの確認
ユーザーが何も入力しなかった場合や、入力がNullである場合を確認することは、プログラムの安定性を保つために重要です。
以下の例では、入力が空文字やNullでないかをチェックします。
using System;
class Program
{
static void Main()
{
Console.WriteLine("文字列を入力してください:");
string input = Console.ReadLine(); // ユーザーからの入力を取得
if (string.IsNullOrEmpty(input))
{
Console.WriteLine("入力が空です。");
}
else
{
Console.WriteLine($"入力された文字列は: {input}");
}
}
}
文字列を入力してください:
入力が空です。
この例では、ユーザーが何も入力しなかった場合に「入力が空です。」と表示し、入力があった場合はその文字列を表示します。
特定の文字列パターンの検証
特定の文字列パターンを検証することで、入力が期待される形式であるかを確認できます。
以下の例では、ユーザーが入力した文字列が Hello
で始まるかどうかをチェックします。
using System;
class Program
{
static void Main()
{
Console.WriteLine("文字列を入力してください (例: Hello World):");
string input = Console.ReadLine(); // ユーザーからの入力を取得
if (input.StartsWith("Hello"))
{
Console.WriteLine("入力は 'Hello' で始まります。");
}
else
{
Console.WriteLine("入力は 'Hello' で始まりません。");
}
}
}
文字列を入力してください (例: Hello World):
Hello C#
入力は 'Hello' で始まります。
この例では、入力された文字列が Hello
で始まる場合にメッセージを表示します。
正規表現を用いた入力チェック
正規表現を使用することで、より複雑なパターンの入力チェックが可能です。
以下の例では、ユーザーが入力した文字列がメールアドレスの形式であるかを確認します。
using System;
using System.Text.RegularExpressions;
class Program
{
static void Main()
{
Console.WriteLine("メールアドレスを入力してください:");
string input = Console.ReadLine(); // ユーザーからの入力を取得
string pattern = @"^[^@\s]+@[^@\s]+\.[^@\s]+$"; // メールアドレスの正規表現パターン
if (Regex.IsMatch(input, pattern))
{
Console.WriteLine("有効なメールアドレスです。");
}
else
{
Console.WriteLine("無効なメールアドレスです。");
}
}
}
メールアドレスを入力してください:
example@example.com
有効なメールアドレスです。
この例では、正規表現を用いて入力された文字列がメールアドレスの形式に合致するかを確認し、合致する場合は「有効なメールアドレスです。」と表示します。
正規表現を使用することで、複雑なパターンの検証が簡単に行えます。
入力チェックの実践例
入力チェックは、ユーザーからのデータを安全かつ正確に処理するために不可欠です。
ここでは、入力チェックを実装した具体的なプログラム例を紹介します。
これらの例を通じて、入力チェックの重要性とその実装方法を理解することができます。
簡単な電卓プログラム
電卓プログラムでは、ユーザーが入力した数値と演算子を用いて計算を行います。
入力チェックを行うことで、無効な数値や演算子の入力を防ぎます。
using System;
class Calculator
{
static void Main()
{
Console.WriteLine("最初の数を入力してください:");
string firstInput = Console.ReadLine();
Console.WriteLine("次の数を入力してください:");
string secondInput = Console.ReadLine();
Console.WriteLine("演算子を入力してください (+, -, *, /):");
string operatorInput = Console.ReadLine();
if (double.TryParse(firstInput, out double firstNumber) &&
double.TryParse(secondInput, out double secondNumber))
{
double result = 0;
bool validOperation = true;
switch (operatorInput)
{
case "+":
result = firstNumber + secondNumber;
break;
case "-":
result = firstNumber - secondNumber;
break;
case "*":
result = firstNumber * secondNumber;
break;
case "/":
if (secondNumber != 0)
{
result = firstNumber / secondNumber;
}
else
{
Console.WriteLine("ゼロで割ることはできません。");
validOperation = false;
}
break;
default:
Console.WriteLine("無効な演算子です。");
validOperation = false;
break;
}
if (validOperation)
{
Console.WriteLine($"計算結果: {result}");
}
}
else
{
Console.WriteLine("無効な数値が入力されました。");
}
}
}
最初の数を入力してください:
10
次の数を入力してください:
5
演算子を入力してください (+, -, *, /):
+
計算結果: 15
このプログラムでは、数値の入力チェックと演算子の妥当性を確認し、無効な入力に対して適切なメッセージを表示します。
ユーザー登録フォームの実装
ユーザー登録フォームでは、名前やメールアドレスなどの情報を入力してもらいます。
入力チェックを行うことで、必須項目の未入力や無効なメールアドレスの入力を防ぎます。
using System;
using System.Text.RegularExpressions;
class UserRegistration
{
static void Main()
{
Console.WriteLine("名前を入力してください:");
string name = Console.ReadLine();
Console.WriteLine("メールアドレスを入力してください:");
string email = Console.ReadLine();
if (string.IsNullOrEmpty(name))
{
Console.WriteLine("名前は必須です。");
}
else if (!Regex.IsMatch(email, @"^[^@\s]+@[^@\s]+\.[^@\s]+$"))
{
Console.WriteLine("無効なメールアドレスです。");
}
else
{
Console.WriteLine("登録が完了しました。");
}
}
}
名前を入力してください:
山田太郎
メールアドレスを入力してください:
yamada@example.com
登録が完了しました。
このプログラムでは、名前が入力されているか、メールアドレスが正しい形式であるかを確認し、無効な入力に対して適切なメッセージを表示します。
メニュー選択システムの構築
メニュー選択システムでは、ユーザーが選択したメニュー項目に基づいて処理を行います。
入力チェックを行うことで、無効なメニュー選択を防ぎます。
using System;
class MenuSelection
{
static void Main()
{
Console.WriteLine("メニューを選択してください:");
Console.WriteLine("1. 新規作成");
Console.WriteLine("2. 編集");
Console.WriteLine("3. 削除");
Console.WriteLine("4. 終了");
string input = Console.ReadLine();
if (int.TryParse(input, out int choice) && choice >= 1 && choice <= 4)
{
switch (choice)
{
case 1:
Console.WriteLine("新規作成を選択しました。");
break;
case 2:
Console.WriteLine("編集を選択しました。");
break;
case 3:
Console.WriteLine("削除を選択しました。");
break;
case 4:
Console.WriteLine("終了します。");
break;
}
}
else
{
Console.WriteLine("無効な選択です。");
}
}
}
メニューを選択してください:
1. 新規作成
2. 編集
3. 削除
4. 終了
2
編集を選択しました。
このプログラムでは、ユーザーが選択したメニュー項目が有効な範囲内であるかを確認し、無効な選択に対して適切なメッセージを表示します。
応用例
入力チェックの基本を理解したら、さらに応用的な手法を用いてプログラムの品質を向上させることができます。
ここでは、入力チェックをクラス化する方法、カスタム例外を用いたエラーハンドリング、そしてユニットテストによる入力チェックの検証について説明します。
入力チェックをクラス化する
入力チェックをクラス化することで、再利用性を高め、コードの可読性を向上させることができます。
以下の例では、入力チェックを行うためのクラスを作成します。
using System;
using System.Text.RegularExpressions;
class InputValidator
{
public bool IsValidEmail(string email)
{
return Regex.IsMatch(email, @"^[^@\s]+@[^@\s]+\.[^@\s]+$");
}
public bool IsNotEmpty(string input)
{
return !string.IsNullOrEmpty(input);
}
}
class Program
{
static void Main()
{
InputValidator validator = new InputValidator();
Console.WriteLine("メールアドレスを入力してください:");
string email = Console.ReadLine();
if (validator.IsValidEmail(email))
{
Console.WriteLine("有効なメールアドレスです。");
}
else
{
Console.WriteLine("無効なメールアドレスです。");
}
}
}
この例では、InputValidatorクラス
を作成し、メールアドレスの形式チェックや空文字の確認を行うメソッドを定義しています。
これにより、入力チェックのロジックを一箇所にまとめることができ、コードの再利用性が向上します。
カスタム例外を用いたエラーハンドリング
カスタム例外を用いることで、特定のエラー状況に対してより詳細なエラーメッセージを提供することができます。
以下の例では、カスタム例外を定義し、入力チェックに使用します。
using System;
class InvalidEmailException : Exception
{
public InvalidEmailException(string message) : base(message) { }
}
class InputValidator
{
public void ValidateEmail(string email)
{
if (!Regex.IsMatch(email, @"^[^@\s]+@[^@\s]+\.[^@\s]+$"))
{
throw new InvalidEmailException("無効なメールアドレスです。");
}
}
}
class Program
{
static void Main()
{
InputValidator validator = new InputValidator();
Console.WriteLine("メールアドレスを入力してください:");
string email = Console.ReadLine();
try
{
validator.ValidateEmail(email);
Console.WriteLine("有効なメールアドレスです。");
}
catch (InvalidEmailException ex)
{
Console.WriteLine(ex.Message);
}
}
}
この例では、InvalidEmailException
というカスタム例外を定義し、メールアドレスの検証に失敗した場合にこの例外をスローします。
これにより、特定のエラーに対して詳細なメッセージを提供できます。
ユニットテストによる入力チェックの検証
ユニットテストを用いることで、入力チェックのロジックが正しく動作することを確認できます。
以下の例では、InputValidatorクラス
のメソッドをテストします。
using System;
using NUnit.Framework;
[TestFixture]
class InputValidatorTests
{
private InputValidator validator;
[SetUp]
public void Setup()
{
validator = new InputValidator();
}
[Test]
public void TestValidEmail()
{
Assert.IsTrue(validator.IsValidEmail("test@example.com"));
}
[Test]
public void TestInvalidEmail()
{
Assert.IsFalse(validator.IsValidEmail("invalid-email"));
}
[Test]
public void TestNotEmpty()
{
Assert.IsTrue(validator.IsNotEmpty("not empty"));
}
[Test]
public void TestEmpty()
{
Assert.IsFalse(validator.IsNotEmpty(""));
}
}
この例では、NUnitを使用してInputValidatorクラス
のメソッドをテストしています。
ユニットテストを行うことで、入力チェックのロジックが期待通りに動作することを確認し、バグを早期に発見することができます。
まとめ
この記事では、C#におけるコンソール入力の基本から、数値や文字列の入力チェック、さらに応用的な手法までを詳しく解説しました。
入力チェックの重要性を理解し、実践的なプログラム例を通じて具体的な実装方法を学ぶことで、プログラムの信頼性と安全性を高めることができます。
これを機に、実際のプロジェクトで入力チェックを積極的に取り入れ、より堅牢なアプリケーションを開発してみてください。