[Python Tkinter] タブ(Notebook)の色を変更する方法
PythonのTkinterライブラリでタブを作成する際、ttk.Notebook
ウィジェットを使用しますが、標準ではタブごとに異なる色を設定することはできません。
ttk.Style
を使ってNotebook全体のタブの色を変更することは可能ですが、個別のタブごとに異なる色を設定する機能は提供されていません。
タブごとに異なる色を実現するには、カスタムウィジェットや他のライブラリを使用する必要があります。
Notebookのタブの色を変更する方法
PythonのTkinterライブラリを使用して、GUIアプリケーションを作成する際に、Notebookウィジェットのタブの色を変更することができます。
ここでは、ttk.Style
を使ったスタイルのカスタマイズ方法について詳しく解説します。
ttk.Styleを使ったスタイルのカスタマイズ
ttk.Style
は、Tkinterのウィジェットの外観を変更するためのクラスです。
これを使用することで、Notebookのタブの色を簡単にカスタマイズできます。
以下のサンプルコードでは、Notebookのタブの色を変更する方法を示します。
import tkinter as tk
from tkinter import ttk
# メインウィンドウの作成
root = tk.Tk()
root.title("Notebookタブの色変更")
# スタイルの設定
style = ttk.Style()
style.configure("TNotebook.Tab", background="lightblue", foreground="black")
# Notebookの作成
notebook = ttk.Notebook(root)
notebook.pack(expand=True, fill='both')
# タブの追加
frame1 = ttk.Frame(notebook)
frame2 = ttk.Frame(notebook)
notebook.add(frame1, text="タブ1")
notebook.add(frame2, text="タブ2")
# メインループの開始
root.mainloop()
このコードを実行すると、Notebookのタブが水色に設定されます。
Notebook全体のタブの色を変更する手順
Notebook全体のタブの色を変更するには、ttk.Style
を使用して、TNotebook.Tab
スタイルを設定します。
以下の手順で行います。
ttk.Style
のインスタンスを作成する。configureメソッド
を使用して、TNotebook.Tab
スタイルの前景色を設定する。- Notebookを作成し、タブを追加する。
タブの前景色の設定方法
タブの前景色は、style.configureメソッド
を使用して設定します。
以下のサンプルコードでは、、前景色を赤色に変更しています。
import tkinter as tk
from tkinter import ttk
# メインウィンドウの作成
root = tk.Tk()
root.title("タブの色変更")
# スタイルの設定
style = ttk.Style()
style.configure("TNotebook.Tab", foreground="red")
# Notebookの作成
notebook = ttk.Notebook(root)
notebook.pack(expand=True, fill='both')
# タブの追加
frame1 = ttk.Frame(notebook)
frame2 = ttk.Frame(notebook)
notebook.add(frame1, text="タブ1")
notebook.add(frame2, text="タブ2")
# メインループの開始
root.mainloop()
このコードを実行すると、タブの前景色を赤色に設定されます。
タブごとに色を変更できない理由
Tkinterのttk.Notebook
ウィジェットでは、タブごとに異なる色を設定することができません。
この制約にはいくつかの理由があります。
以下にその詳細を解説します。
Tkinterの制約と限界
Tkinterは、Pythonに標準で付属しているGUIライブラリですが、いくつかの制約があります。
特に、ttk
モジュールを使用したウィジェットのスタイル設定には限界があります。
具体的には、以下のような点が挙げられます。
- スタイルの一貫性: Tkinterは、ウィジェットのスタイルを一貫して保つことを重視しており、タブの色を個別に設定することはできません。
- プラットフォーム依存: Tkinterは、異なるプラットフォーム(Windows、macOS、Linux)で動作するため、各プラットフォームでの見た目を統一するために、タブの色を個別に変更することが制限されています。
ttk.Notebookの仕様について
ttk.Notebook
は、タブ付きのインターフェースを提供するためのウィジェットですが、その設計上、タブのスタイルは全体に適用されます。
具体的な仕様は以下の通りです。
- タブのスタイル:
ttk.Notebook
では、タブのスタイルはTNotebook.Tab
という一つのスタイルで管理されており、個別のタブに異なるスタイルを適用することはできません。 - 選択状態の管理: タブの選択状態に応じて色を変更することは可能ですが、タブごとに異なる色を設定することはできません。
タブごとに色を変更するための代替案
タブごとに異なる色を設定することができない場合でも、いくつかの代替案があります。
以下にその方法を示します。
- カスタムウィジェットの作成:
ttk.Frame
を使用して、タブの代わりにカスタムウィジェットを作成し、それぞれのウィジェットに異なる色を設定することができます。 - Canvasを使用する:
Canvas
ウィジェットを使用して、タブのようなインターフェースを自作し、各タブに異なる色を設定することができます。 - 他のGUIライブラリの利用: PyQtやKivyなど、他のGUIライブラリを使用することで、タブごとに異なる色を設定することが可能です。
これらのライブラリは、より柔軟なスタイル設定を提供しています。
これらの代替案を利用することで、タブごとに異なる色を実現することができますが、実装の手間が増えることに注意が必要です。
タブごとに色を変更するための代替手法
ttk.Notebook
ではタブごとに色を変更することができませんが、代替手法を用いることで、タブのようなインターフェースを実現することができます。
以下にいくつかの方法を紹介します。
カスタムウィジェットを使った実装
カスタムウィジェットを作成することで、タブごとに異なる色を設定することができます。
以下のサンプルコードでは、ttk.Frame
を使用してカスタムタブを作成し、それぞれのタブに異なる色を設定しています。
import tkinter as tk
class CustomTab:
def __init__(self, parent, text, color):
self.frame = tk.Frame(parent, bg=color)
self.label = tk.Label(self.frame, text=text, bg=color, fg="white")
self.label.pack(padx=10, pady=5)
def pack(self, **kwargs):
self.frame.pack(**kwargs)
# メインウィンドウの作成
root = tk.Tk()
root.title("カスタムタブの実装")
# タブの作成
tab1 = CustomTab(root, "タブ1", "lightblue")
tab2 = CustomTab(root, "タブ2", "lightgreen")
tab1.pack(side=tk.LEFT, fill=tk.X)
tab2.pack(side=tk.LEFT, fill=tk.X)
# メインループの開始
root.mainloop()

このコードを実行すると、2つのカスタムタブが異なる色で表示されます。
Canvasを使ってタブを自作する方法
Canvas
ウィジェットを使用して、タブのようなインターフェースを自作することも可能です。
以下のサンプルコードでは、Canvas
を使ってタブを描画し、クリック時に色を変更する方法を示します。
import tkinter as tk
class CustomNotebook:
def __init__(self, parent):
self.canvas = tk.Canvas(parent, height=50, bg="white")
self.canvas.pack(fill=tk.X)
self.tabs = {}
self.current_tab = None
def add_tab(self, text, color):
tab_id = self.canvas.create_rectangle(0, 0, 100, 50, fill=color, outline="")
self.canvas.create_text(50, 25, text=text, fill="white")
self.tabs[tab_id] = color
self.canvas.tag_bind(tab_id, "<Button-1>", self.on_tab_click)
def on_tab_click(self, event):
if self.current_tab:
self.canvas.itemconfig(self.current_tab, fill=self.tabs[self.current_tab])
self.current_tab = self.canvas.find_closest(event.x, event.y)[0]
self.canvas.itemconfig(self.current_tab, fill="red")
# メインウィンドウの作成
root = tk.Tk()
root.title("Canvasを使ったタブの自作")
# カスタムノートブックの作成
notebook = CustomNotebook(root)
notebook.add_tab("タブ1", "lightblue")
notebook.add_tab("タブ2", "lightgreen")
# メインループの開始
root.mainloop()

このコードを実行すると、クリックしたタブの色が赤に変わります。
他のGUIライブラリ(PyQtやKivy)を使う方法
Tkinter以外のGUIライブラリを使用することで、タブごとに異なる色を設定することができます。
例えば、PyQtやKivyは、より柔軟なスタイル設定を提供しています。
- PyQt: PyQtでは、QTabWidgetを使用してタブを作成し、各タブに異なるスタイルシートを適用することができます。
- Kivy: Kivyでは、タブの色を個別に設定するためのカスタムウィジェットを簡単に作成できます。
これらのライブラリを使用することで、より高度なカスタマイズが可能になります。
外部ライブラリを利用したカスタマイズ
Tkinterの機能を拡張するための外部ライブラリも存在します。
例えば、ttkthemes
やtkinter.ttk
の拡張ライブラリを使用することで、より多様なスタイルを適用することができます。
- ttkthemes: Tkinterのテーマを簡単に変更できるライブラリで、タブのスタイルをカスタマイズすることができます。
- tkinter-custom-widgets: Tkinterのウィジェットを拡張するためのライブラリで、カスタムタブを作成するための便利なウィジェットが提供されています。
これらの外部ライブラリを利用することで、タブの色を変更するための柔軟な手段を得ることができます。
応用例:Notebookのデザインをさらにカスタマイズする
Tkinterのttk.Notebook
を使用することで、タブ付きのインターフェースを簡単に作成できますが、さらにデザインをカスタマイズすることも可能です。
以下に、Notebookのデザインをカスタマイズするための応用例を紹介します。
タブのフォントやサイズを変更する方法
タブのフォントやサイズを変更するには、ttk.Style
を使用してスタイルを設定します。
以下のサンプルコードでは、タブのフォントを変更しています。
import tkinter as tk
from tkinter import ttk
# メインウィンドウの作成
root = tk.Tk()
root.title("タブのフォント変更")
# スタイルの設定
style = ttk.Style()
style.configure("TNotebook.Tab", font=("Arial", 12))
# Notebookの作成
notebook = ttk.Notebook(root)
notebook.pack(expand=True, fill='both')
# タブの追加
frame1 = ttk.Frame(notebook)
frame2 = ttk.Frame(notebook)
notebook.add(frame1, text="タブ1")
notebook.add(frame2, text="タブ2")
# メインループの開始
root.mainloop()
このコードを実行すると、タブのフォントがArialの12ポイントに変更されます。
タブのアイコンを追加する方法
タブにアイコンを追加するには、image
オプションを使用します。
以下のサンプルコードでは、タブにアイコンを追加しています。
import tkinter as tk
from tkinter import ttk
from PIL import Image, ImageTk
# メインウィンドウの作成
root = tk.Tk()
root.title("タブにアイコンを追加")
# Notebookの作成
notebook = ttk.Notebook(root)
notebook.pack(expand=True, fill='both')
# アイコンの読み込み
icon1 = ImageTk.PhotoImage(Image.open("icon1.png"))
icon2 = ImageTk.PhotoImage(Image.open("icon2.png"))
# タブの追加
frame1 = ttk.Frame(notebook)
frame2 = ttk.Frame(notebook)
notebook.add(frame1, text="タブ1", image=icon1, compound="left")
notebook.add(frame2, text="タブ2", image=icon2, compound="left")
# メインループの開始
root.mainloop()
このコードを実行すると、タブに指定したアイコンが表示されます。
compound
オプションを使用することで、テキストとアイコンの配置を調整できます。
タブの配置を変更する方法(上下左右)
タブの配置を変更するには、tabposition
オプションを使用します。
以下のサンプルコードでは、タブを上部から左側に配置しています。
import tkinter as tk
from tkinter import ttk
# メインウィンドウの作成
root = tk.Tk()
root.title("タブの配置変更")
# Notebookの作成
notebook = ttk.Notebook(root, height=200, width=300)
notebook.pack(expand=True, fill='both')
# タブの追加
frame1 = ttk.Frame(notebook)
frame2 = ttk.Frame(notebook)
notebook.add(frame1, text="タブ1")
notebook.add(frame2, text="タブ2")
# タブの配置を左側に変更
notebook.tabposition = 'w' # 'n' (上), 's' (下), 'e' (右), 'w' (左)
# メインループの開始
root.mainloop()
このコードを実行すると、タブが左側に配置されます。
タブの非表示や無効化の方法
タブを非表示にしたり無効化するには、state
オプションを使用します。
以下のサンプルコードでは、タブを無効化しています。
import tkinter as tk
from tkinter import ttk
# メインウィンドウの作成
root = tk.Tk()
root.title("タブの無効化")
# Notebookの作成
notebook = ttk.Notebook(root)
notebook.pack(expand=True, fill='both')
# タブの追加
frame1 = ttk.Frame(notebook)
frame2 = ttk.Frame(notebook)
notebook.add(frame1, text="タブ1")
notebook.add(frame2, text="タブ2", state="disabled") # タブ2を無効化
# メインループの開始
root.mainloop()
このコードを実行すると、タブ2が無効化され、選択できなくなります。
タブの動的な追加・削除の方法
タブを動的に追加したり削除したりするには、addメソッド
とforgetメソッド
を使用します。
以下のサンプルコードでは、ボタンをクリックすることでタブを追加・削除しています。
import tkinter as tk
from tkinter import ttk
# メインウィンドウの作成
root = tk.Tk()
root.title("タブの動的追加・削除")
# Notebookの作成
notebook = ttk.Notebook(root)
notebook.pack(expand=True, fill='both')
# タブの追加
def add_tab():
frame = ttk.Frame(notebook)
notebook.add(frame, text=f"タブ{notebook.index('end') + 1}")
# タブの削除
def remove_tab():
if notebook.index('end') > 0:
notebook.forget(notebook.index('end') - 1)
# ボタンの作成
add_button = tk.Button(root, text="タブを追加", command=add_tab)
remove_button = tk.Button(root, text="タブを削除", command=remove_tab)
add_button.pack(side=tk.LEFT)
remove_button.pack(side=tk.LEFT)
# メインループの開始
root.mainloop()
このコードを実行すると、「タブを追加」ボタンをクリックすることで新しいタブが追加され、「タブを削除」ボタンをクリックすることで最後のタブが削除されます。
まとめ
この記事では、PythonのTkinterを使用してNotebookウィジェットのタブの色を変更する方法や、タブのデザインをカスタマイズするためのさまざまな手法について解説しました。
特に、タブのフォントやサイズの変更、アイコンの追加、タブの配置の変更、動的な追加・削除など、実用的な応用例を紹介しました。
これらの情報を活用することで、より魅力的で使いやすいGUIアプリケーションを作成することができるでしょう。
ぜひ、実際にコードを試してみて、自分のプロジェクトに役立ててください。