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python-pptxライブラリの使い方 – PowerPointを操作する

python-pptxは、PythonでPowerPointファイル(.pptx)を作成・編集するためのライブラリです。

新しいスライドの追加、テキストや画像の挿入、表やグラフの作成などが可能です。

基本的な使い方として、Presentationクラスを用いてプレゼンテーションを作成し、slides.add_slide()でスライドを追加します。

スライド内の要素(プレースホルダーやシェイプ)にアクセスして内容を編集します。

既存のPowerPointファイルを読み込んで編集することもできます。

python-pptxとは

python-pptxは、Pythonプログラミング言語を使用してPowerPointプレゼンテーションを作成、編集、操作するためのライブラリです。

このライブラリを使用することで、プログラムから直接スライドを生成したり、既存のプレゼンテーションを変更したりすることができます。

以下は、python-pptxの主な特徴です。

特徴説明
スライドの作成新しいスライドをプログラムで追加できます。
テキストの編集スライド内のテキストを簡単に変更できます。
画像の挿入画像ファイルをスライドに追加できます。
表やグラフの作成データを視覚化するための表やグラフを作成できます。
スライドデザインの変更テンプレートを使用してデザインを変更できます。

このライブラリは、特に自動化されたレポート作成やプレゼンテーションの生成に役立ちます。

Pythonの知識があれば、簡単に使い始めることができるため、データ分析やビジネスプレゼンテーションの分野で広く利用されています。

python-pptxの基本操作

python-pptxを使用するためには、まずライブラリをインストールする必要があります。

以下のコマンドを使用してインストールできます。

pip install python-pptx

プレゼンテーションの作成

新しいプレゼンテーションを作成するには、Presentationクラスを使用します。

以下は、基本的なプレゼンテーションを作成するサンプルコードです。

from pptx import Presentation
# 新しいプレゼンテーションを作成
presentation = Presentation()
# プレゼンテーションを保存
presentation.save('sample_presentation.pptx')

このコードを実行すると、sample_presentation.pptxという名前の新しいPowerPointファイルが作成されます。

スライドの追加

プレゼンテーションにスライドを追加するには、Slidesコレクションを使用します。

以下のコードでは、タイトルスライドを追加します。

from pptx import Presentation
from pptx.util import Inches
# 新しいプレゼンテーションを作成
presentation = Presentation()
# タイトルスライドを追加
slide_layout = presentation.slide_layouts[0]  # タイトルスライドのレイアウト
slide = presentation.slides.add_slide(slide_layout)
# タイトルとサブタイトルを設定
title = slide.shapes.title
subtitle = slide.placeholders[1]
title.text = "私のプレゼンテーション"
subtitle.text = "これはサンプルのサブタイトルです"
# プレゼンテーションを保存
presentation.save('sample_presentation.pptx')

このコードを実行すると、タイトルスライドが追加されたPowerPointファイルが作成されます。

プレゼンテーションの読み込み

既存のプレゼンテーションを読み込むには、Presentationクラスにファイル名を渡します。

以下のコードは、既存のプレゼンテーションを読み込む例です。

from pptx import Presentation
# 既存のプレゼンテーションを読み込む
presentation = Presentation('sample_presentation.pptx')
# スライドの数を表示
print(f"スライドの数: {len(presentation.slides)}")

このコードを実行すると、指定したプレゼンテーション内のスライドの数が表示されます。

これらの基本操作を理解することで、python-pptxを使ったプレゼンテーションの作成や編集が可能になります。

スライドの内容を編集する

python-pptxを使用すると、スライド内のテキストや画像などの内容を簡単に編集できます。

ここでは、スライドのテキストを変更する方法と、画像を追加する方法について説明します。

テキストの編集

スライド内のテキストを編集するには、スライドのshapesコレクションを使用して、特定のテキストボックスを取得し、そのtext属性を変更します。

以下のコードは、既存のスライドのテキストを編集する例です。

from pptx import Presentation
# 既存のプレゼンテーションを読み込む
presentation = Presentation('sample_presentation.pptx')
# 最初のスライドを取得
slide = presentation.slides[0]
# タイトルとサブタイトルを編集
title = slide.shapes.title
subtitle = slide.placeholders[1]
title.text = "新しいタイトル"
subtitle.text = "新しいサブタイトル"
# プレゼンテーションを保存
presentation.save('edited_presentation.pptx')

このコードを実行すると、最初のスライドのタイトルとサブタイトルが新しいテキストに変更され、edited_presentation.pptxとして保存されます。

画像の追加

スライドに画像を追加するには、shapes.add_pictureメソッドを使用します。

以下のコードは、スライドに画像を追加する例です。

from pptx import Presentation
from pptx.util import Inches
# 既存のプレゼンテーションを読み込む
presentation = Presentation('sample_presentation.pptx')
# 最初のスライドを取得
slide = presentation.slides[0]
# 画像を追加(画像ファイルのパスを指定)
img_path = 'path_to_image.jpg'  # 画像ファイルのパス
left = Inches(1)  # 左からの位置
top = Inches(2)   # 上からの位置
slide.shapes.add_picture(img_path, left, top)
# プレゼンテーションを保存
presentation.save('presentation_with_image.pptx')

このコードを実行すると、指定した位置に画像が追加され、presentation_with_image.pptxとして保存されます。

スライドの削除

スライドを削除することも可能です。

以下のコードは、特定のスライドを削除する例です。

from pptx import Presentation
# 既存のプレゼンテーションを読み込む
presentation = Presentation('sample_presentation.pptx')
# 最初のスライドを削除
xml_slides = presentation.slides._sldIdLst  
slides = list(xml_slides)
xml_slides.remove(slides[0])  # 最初のスライドを削除
# プレゼンテーションを保存
presentation.save('presentation_without_first_slide.pptx')

このコードを実行すると、最初のスライドが削除され、presentation_without_first_slide.pptxとして保存されます。

これらの操作を通じて、スライドの内容を柔軟に編集することができます。

表やグラフの操作

python-pptxを使用すると、スライドに表やグラフを追加してデータを視覚化することができます。

ここでは、表の作成とグラフの作成について説明します。

表の作成

スライドに表を追加するには、shapes.add_tableメソッドを使用します。

以下のコードは、スライドに表を追加する例です。

from pptx import Presentation
from pptx.util import Inches
# 新しいプレゼンテーションを作成
presentation = Presentation()
# スライドを追加
slide_layout = presentation.slide_layouts[5]  # 空白のスライド
slide = presentation.slides.add_slide(slide_layout)
# 表の行数と列数を指定
rows, cols = 3, 2
left = Inches(2)  # 左からの位置
top = Inches(2)   # 上からの位置
width = Inches(4)  # 幅
height = Inches(2) # 高さ
# 表を追加
table = slide.shapes.add_table(rows, cols, left, top, width, height).table
# 表のデータを設定
data = [
    ["項目", "値"],
    ["A", 10],
    ["B", 20],
]
for row in range(rows):
    for col in range(cols):
        table.cell(row, col).text = str(data[row][col])
# プレゼンテーションを保存
presentation.save('presentation_with_table.pptx')

このコードを実行すると、指定したデータを持つ表が追加されたPowerPointファイルが作成されます。

グラフの作成

python-pptxでは、グラフを作成するためにchartモジュールを使用します。

以下のコードは、スライドに棒グラフを追加する例です。

from pptx import Presentation
from pptx.chart.data import CategoryChartData
from pptx.enum.chart import XL_CHART_TYPE
from pptx.util import Inches
# 新しいプレゼンテーションを作成
presentation = Presentation()
# スライドを追加
slide_layout = presentation.slide_layouts[5]  # 空白のスライド
slide = presentation.slides.add_slide(slide_layout)
# グラフデータを設定
chart_data = CategoryChartData()
chart_data.categories = ['A', 'B', 'C']
chart_data.add_series('シリーズ1', (19.2, 21.4, 16.7))
# グラフを追加
x, y, cx, cy = Inches(2), Inches(2), Inches(4), Inches(3)
slide.shapes.add_chart(XL_CHART_TYPE.COLUMN_CLUSTERED, x, y, cx, cy, chart_data)
# プレゼンテーションを保存
presentation.save('presentation_with_chart.pptx')

このコードを実行すると、指定したデータを持つ棒グラフが追加されたPowerPointファイルが作成されます。

表やグラフのスタイルの変更

表やグラフのスタイルを変更することも可能です。

例えば、表のセルのフォントや色を変更することができます。

以下は、表のセルのスタイルを変更する例です。

from pptx.dml.color import RGBColor
# 既存のプレゼンテーションを読み込む
presentation = Presentation('presentation_with_table.pptx')
slide = presentation.slides[0]
table = slide.shapes[0].table  # 最初のシェイプが表であると仮定
# 表のセルのスタイルを変更
for row in range(len(table.rows)):
    for col in range(len(table.columns)):
        cell = table.cell(row, col)
        cell.fill.solid()  # 背景色を設定
        cell.fill.fore_color.rgb = RGBColor(255, 255, 204)  # 薄い黄色
        cell.text_frame.text = cell.text_frame.text  # テキストを再設定
# プレゼンテーションを保存
presentation.save('styled_presentation_with_table.pptx')

このコードを実行すると、表のセルの背景色が変更されたPowerPointファイルが作成されます。

これらの操作を通じて、スライドに表やグラフを追加し、データを効果的に視覚化することができます。

スライドデザインのカスタマイズ

python-pptxを使用すると、スライドのデザインをカスタマイズして、プレゼンテーションの見栄えを向上させることができます。

ここでは、スライドの背景色の変更、フォントのスタイルの設定、テーマの適用について説明します。

スライドの背景色の変更

スライドの背景色を変更するには、fillプロパティを使用します。

以下のコードは、スライドの背景色を変更する例です。

from pptx import Presentation
from pptx.dml.color import RGBColor
# 新しいプレゼンテーションを作成
presentation = Presentation()
# スライドを追加
slide_layout = presentation.slide_layouts[5]  # 空白のスライド
slide = presentation.slides.add_slide(slide_layout)
# スライドの背景色を設定
background = slide.background
fill = background.fill
fill.solid()  # 塗りつぶしを設定
fill.fore_color.rgb = RGBColor(173, 216, 230)  # 薄い青色
# プレゼンテーションを保存
presentation.save('presentation_with_background_color.pptx')

このコードを実行すると、薄い青色の背景を持つスライドが作成されたPowerPointファイルが生成されます。

フォントのスタイルの設定

スライド内のテキストのフォントスタイルを変更するには、text_frameを使用して、フォントのプロパティを設定します。

以下のコードは、スライド内のテキストのフォントスタイルを変更する例です。

from pptx import Presentation
from pptx.util import Inches, Pt
from pptx.dml.color import RGBColor
# 新しいプレゼンテーションを作成
presentation = Presentation()
# スライドを追加
slide_layout = presentation.slide_layouts[5]  # 空白のスライド
slide = presentation.slides.add_slide(slide_layout)
# テキストボックスを追加
left = Inches(1)
top = Inches(1)
width = Inches(5)
height = Inches(1)
textbox = slide.shapes.add_textbox(left, top, width, height)
text_frame = textbox.text_frame
# テキストを追加
p = text_frame.add_paragraph()
p.text = "カスタマイズされたフォントスタイル"
p.font.bold = True  # 太字
p.font.size = Pt(24)  # フォントサイズ
p.font.color.rgb = RGBColor(255, 0, 0)  # 赤色
# プレゼンテーションを保存
presentation.save('presentation_with_custom_font.pptx')

このコードを実行すると、赤色の太字でフォントサイズが24のテキストが追加されたスライドが作成されます。

テーマの適用

python-pptxでは、スライドにテーマを適用することもできます。

テーマは、スライド全体の色、フォント、効果を統一するためのスタイルセットです。

以下のコードは、テーマを適用する例です。

from pptx import Presentation
# 新しいプレゼンテーションを作成
presentation = Presentation()
# テーマを適用
presentation.slide_master = presentation.slide_masters[0]  # デフォルトのスライドマスターを使用
# スライドを追加
slide_layout = presentation.slide_layouts[0]  # タイトルスライド
slide = presentation.slides.add_slide(slide_layout)
# タイトルとサブタイトルを設定
title = slide.shapes.title
subtitle = slide.placeholders[1]
title.text = "テーマ適用の例"
subtitle.text = "これはテーマが適用されたスライドです"
# プレゼンテーションを保存
presentation.save('presentation_with_theme.pptx')

このコードを実行すると、デフォルトのテーマが適用されたスライドが作成されます。

これらのカスタマイズを通じて、プレゼンテーションのデザインをより魅力的にし、視覚的なインパクトを与えることができます。

実践例:簡単なプレゼンテーションの作成

ここでは、python-pptxを使用して、簡単なプレゼンテーションを作成する実践例を示します。

この例では、タイトルスライド、内容スライド、表、グラフを含むプレゼンテーションを作成します。

プレゼンテーションの全体構成

  1. タイトルスライド
  2. 内容スライド(テキストと画像)
  3. 表のスライド
  4. グラフのスライド

コード例

以下のコードは、上記の構成に基づいてプレゼンテーションを作成する例です。

from pptx import Presentation
from pptx.util import Inches
from pptx.chart.data import CategoryChartData
from pptx.enum.chart import XL_CHART_TYPE
from pptx.dml.color import RGBColor
# 新しいプレゼンテーションを作成
presentation = Presentation()
# タイトルスライドを追加
slide_layout = presentation.slide_layouts[0]  # タイトルスライド
slide = presentation.slides.add_slide(slide_layout)
title = slide.shapes.title
subtitle = slide.placeholders[1]
title.text = "簡単なプレゼンテーション"
subtitle.text = "python-pptxを使用した例"
# 内容スライドを追加
slide_layout = presentation.slide_layouts[1]  # 内容スライド
slide = presentation.slides.add_slide(slide_layout)
title = slide.shapes.title
content = slide.placeholders[1]
title.text = "内容スライド"
content.text = "これは内容スライドの例です。"
img_path = 'path_to_image.jpg'  # 画像ファイルのパス
slide.shapes.add_picture(img_path, Inches(1), Inches(2), width=Inches(4))
# 表のスライドを追加
slide_layout = presentation.slide_layouts[5]  # 空白のスライド
slide = presentation.slides.add_slide(slide_layout)
rows, cols = 3, 2
left = Inches(1)
top = Inches(1.5)
width = Inches(8)
height = Inches(2)
table = slide.shapes.add_table(rows, cols, left, top, width, height).table
data = [["項目", "値"], ["A", 10], ["B", 20]]
for row in range(rows):
    for col in range(cols):
        table.cell(row, col).text = str(data[row][col])
# グラフのスライドを追加
slide_layout = presentation.slide_layouts[5]  # 空白のスライド
slide = presentation.slides.add_slide(slide_layout)
chart_data = CategoryChartData()
chart_data.categories = ['A', 'B', 'C']
chart_data.add_series('シリーズ1', (19.2, 21.4, 16.7))
x, y, cx, cy = Inches(1), Inches(1), Inches(8), Inches(4)
slide.shapes.add_chart(XL_CHART_TYPE.COLUMN_CLUSTERED, x, y, cx, cy, chart_data)
# プレゼンテーションを保存
presentation.save('simple_presentation.pptx')
  1. タイトルスライド: プレゼンテーションのタイトルとサブタイトルを設定します。
  2. 内容スライド: テキストと画像を追加します。

画像のパスは適宜変更してください。

  1. 表のスライド: 3行2列の表を作成し、データを設定します。
  2. グラフのスライド: 棒グラフを作成し、データを設定します。

このコードを実行すると、simple_presentation.pptxという名前のPowerPointファイルが作成され、簡単なプレゼンテーションが完成します。

これにより、python-pptxを使用したプレゼンテーション作成の基本的な流れを理解することができます。

まとめ

この記事では、python-pptxライブラリを使用してPowerPointプレゼンテーションを作成、編集、カスタマイズする方法について詳しく解説しました。

スライドの内容を編集する技術や、表やグラフを追加する方法、さらにはスライドデザインのカスタマイズに至るまで、実践的な例を通じて具体的な操作を紹介しました。

これを機に、実際にpython-pptxを使って自分自身のプレゼンテーションを作成してみることをお勧めします。

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