[Python] Midoモジュールの使い方 – MIDIの読み込み・作成・再生
MidoはPythonでMIDIデータを操作するためのモジュールです。
MIDIファイルの読み込み、作成、編集、再生が可能です。
MIDIファイルを読み込むにはMidiFile
クラスを使用し、トラックやメッセージを操作できます。
新しいMIDIファイルを作成する際は、トラックを追加し、Message
オブジェクトでノートやコントロールチェンジを記述します。
再生にはmido.playback
モジュールや外部ライブラリを利用します。
Midoモジュールとは
Midoは、PythonでMIDIファイルを扱うためのライブラリです。
このモジュールを使用することで、MIDIファイルの読み込み、作成、再生が簡単に行えます。
MIDI(Musical Instrument Digital Interface)は、音楽データをデジタル形式で表現するためのプロトコルであり、音楽制作や演奏に広く利用されています。
Midoを使うことで、プログラミングを通じて音楽を操作することが可能になります。
Midoの主な機能
機能 | 説明 |
---|---|
MIDIファイルの読み込み | 既存のMIDIファイルをプログラムで読み込むことができる。 |
MIDIファイルの作成 | 新しいMIDIファイルをプログラムで生成することができる。 |
MIDIメッセージの操作 | MIDIメッセージを生成、変更、削除することができる。 |
MIDIの再生 | MIDIファイルを再生するための機能を提供している。 |
Midoは、シンプルで直感的なAPIを提供しており、音楽プログラミングの初心者から上級者まで幅広く利用されています。
Midoモジュールのインストール方法
Midoモジュールは、Pythonのパッケージ管理ツールであるpipを使用して簡単にインストールできます。
以下の手順に従って、Midoをインストールしてください。
インストール手順
- ターミナルまたはコマンドプロンプトを開く
お使いのOSに応じて、ターミナル(macOS/Linux)またはコマンドプロンプト(Windows)を開きます。
- pipを使用してMidoをインストール
次のコマンドを入力して、Midoをインストールします。
pip install mido
- インストールの確認
インストールが成功したか確認するために、Pythonのインタラクティブシェルを開き、以下のコードを実行します。
import mido
print(mido.__version__)
これにより、インストールされたMidoのバージョンが表示されます。
注意事項
- Pythonがインストールされていることを確認してください。
- pipが正しく設定されていることを確認してください。
これでMidoモジュールのインストールは完了です。
次のステップでは、MIDIファイルの読み込みについて学びましょう。
MIDIファイルの読み込み
Midoモジュールを使用すると、既存のMIDIファイルを簡単に読み込むことができます。
MIDIファイルを読み込むことで、音楽データをプログラムで操作したり、分析したりすることが可能になります。
以下に、MIDIファイルの読み込み方法を説明します。
MIDIファイルの読み込み手順
- Midoモジュールのインポート
まず、Midoモジュールをインポートします。
- MIDIファイルの読み込み
mido.MidiFile
クラスを使用して、MIDIファイルを読み込みます。
- トラックの表示
読み込んだMIDIファイルのトラック情報を表示します。
以下は、MIDIファイルを読み込んでトラック情報を表示するサンプルコードです。
import mido
# MIDIファイルのパスを指定
midi_file_path = 'example.mid'
# MIDIファイルを読み込む
midi_file = mido.MidiFile(midi_file_path)
# トラック情報を表示
for track in midi_file.tracks:
print(f'Track: {track.name}')
for msg in track:
print(msg)
上記のコードを実行すると、以下のような出力が得られます(実際の内容はMIDIファイルによって異なります)。
Track: Piano
message(type='note_on', channel=0, note=60, velocity=64, time=0)
message(type='note_off', channel=0, note=60, velocity=64, time=480)
Track: Drums
message(type='note_on', channel=9, note=36, velocity=100, time=0)
message(type='note_off', channel=9, note=36, velocity=100, time=240)
このようにして、MIDIファイルを読み込むことができ、各トラックやメッセージの情報を取得することができます。
次は、MIDIファイルの作成について学びましょう。
MIDIファイルの作成
Midoモジュールを使用すると、新しいMIDIファイルをプログラムで作成することができます。
これにより、音楽データを自由に生成し、保存することが可能になります。
以下に、MIDIファイルの作成手順を説明します。
MIDIファイルの作成手順
- Midoモジュールのインポート
Midoモジュールをインポートします。
- 新しいMIDIファイルの作成
mido.MidiFile
クラスを使用して新しいMIDIファイルを作成します。
- トラックの追加
mido.Track
クラスを使用してトラックを作成し、MIDIファイルに追加します。
- MIDIメッセージの追加
トラックにMIDIメッセージ(ノートオン、ノートオフなど)を追加します。
- MIDIファイルの保存
作成したMIDIファイルを指定したパスに保存します。
以下は、新しいMIDIファイルを作成し、簡単なメロディを追加するサンプルコードです。
import mido
# 新しいMIDIファイルを作成
midi_file = mido.MidiFile()
track = mido.Track()
midi_file.tracks.append(track)
# メロディを追加(ノートオンとノートオフ)
notes = [60, 62, 64, 65, 67, 69, 71, 72] # C4からC5までの音
for note in notes:
track.append(mido.Message('note_on', note=note, velocity=64, time=0))
track.append(mido.Message('note_off', note=note, velocity=64, time=480))
# MIDIファイルを保存
midi_file.save('new_song.mid')
上記のコードを実行すると、new_song.mid
という名前の新しいMIDIファイルが作成されます。
このファイルには、C4からC5までの音が順番に演奏されるメロディが含まれています。
このようにして、Midoを使って新しいMIDIファイルを作成し、音楽データを生成することができます。
次は、MIDIファイルの再生について学びましょう。
MIDIファイルの再生
Midoモジュールを使用すると、作成したMIDIファイルを再生することができます。
Mido自体にはMIDIの再生機能は含まれていませんが、mido
とpython-rtmidi
を組み合わせることで、MIDIメッセージをリアルタイムで出力し、音を再生することが可能です。
以下に、MIDIファイルの再生手順を説明します。
MIDIファイルの再生手順
- 必要なモジュールのインポート
Midoとpython-rtmidiをインポートします。
- MIDIファイルの読み込み
再生したいMIDIファイルを読み込みます。
- MIDIポートの設定
MIDI出力ポートを設定します。
- MIDIメッセージの送信
読み込んだMIDIファイルのメッセージを順番に送信します。
以下は、MIDIファイルを再生するためのサンプルコードです。
import mido
from mido import MidiFile
import rtmidi
# MIDI出力ポートを作成
midi_out = rtmidi.MidiOut()
available_ports = midi_out.get_ports()
# 利用可能なポートを表示
if available_ports:
midi_out.open_port(0) # 最初のポートを開く
else:
midi_out.open_virtual_port("My virtual output") # 仮想ポートを開く
# MIDIファイルのパスを指定
midi_file_path = 'new_song.mid'
# MIDIファイルを読み込む
midi_file = MidiFile(midi_file_path)
# MIDIメッセージを送信
for msg in midi_file.play():
midi_out.send_message(msg.bytes())
# MIDI出力ポートを閉じる
midi_out.close_port()
注意事項
python-rtmidi
モジュールが必要です。
以下のコマンドでインストールできます。
pip install python-rtmidi
- MIDIデバイスが接続されていることを確認してください。
このコードを実行すると、指定したMIDIファイルが再生されます。
Midoとpython-rtmidiを組み合わせることで、MIDIファイルの再生が簡単に行えるようになります。
次は、Midoモジュールの応用的な使い方について学びましょう。
応用的な使い方
Midoモジュールは、MIDIファイルの基本的な操作だけでなく、さまざまな応用的な使い方が可能です。
ここでは、Midoを使ったいくつかの応用例を紹介します。
MIDIメッセージのフィルタリング
特定のMIDIメッセージをフィルタリングして、必要な情報だけを抽出することができます。
例えば、ノートオンメッセージだけを取得する方法です。
import mido
# MIDIファイルのパスを指定
midi_file_path = 'example.mid'
# MIDIファイルを読み込む
midi_file = mido.MidiFile(midi_file_path)
# ノートオンメッセージをフィルタリング
for track in midi_file.tracks:
for msg in track:
if msg.type == 'note_on':
print(msg)
MIDIメッセージの変更
既存のMIDIメッセージを変更することも可能です。
例えば、すべてのノートのベロシティを変更する方法です。
import mido
# MIDIファイルのパスを指定
midi_file_path = 'example.mid'
midi_file = mido.MidiFile(midi_file_path)
# ベロシティを変更
for track in midi_file.tracks:
for msg in track:
if msg.type == 'note_on':
msg.velocity = 100 # ベロシティを100に変更
# 変更したMIDIファイルを保存
midi_file.save('modified_example.mid')
複数トラックの作成
複数のトラックを持つMIDIファイルを作成することもできます。
異なる楽器のトラックを追加することで、より複雑な音楽を作成できます。
import mido
# 新しいMIDIファイルを作成
midi_file = mido.MidiFile()
# トラック1(ピアノ)を作成
track1 = mido.Track()
midi_file.tracks.append(track1)
track1.append(mido.Message('note_on', note=60, velocity=64, time=0))
track1.append(mido.Message('note_off', note=60, velocity=64, time=480))
# トラック2(ドラム)を作成
track2 = mido.Track()
midi_file.tracks.append(track2)
track2.append(mido.Message('note_on', note=36, velocity=100, time=0))
track2.append(mido.Message('note_off', note=36, velocity=100, time=240))
# MIDIファイルを保存
midi_file.save('multi_track_song.mid')
MIDIファイルの分析
MIDIファイルの内容を分析し、特定の情報を抽出することもできます。
例えば、トラックごとのノート数をカウントする方法です。
import mido
# MIDIファイルのパスを指定
midi_file_path = 'example.mid'
midi_file = mido.MidiFile(midi_file_path)
# トラックごとのノート数をカウント
for track in midi_file.tracks:
note_count = sum(1 for msg in track if msg.type == 'note_on')
print(f'Track: {track.name}, Note Count: {note_count}')
これらの応用的な使い方を通じて、Midoモジュールの機能を最大限に活用し、より高度なMIDI操作を行うことができます。
次は、Midoモジュールを使用する際のトラブルシューティングについて学びましょう。
トラブルシューティング
Midoモジュールを使用する際に発生する可能性のある一般的な問題とその解決策を以下に示します。
これにより、MIDIファイルの操作がスムーズに行えるようになります。
Midoモジュールがインポートできない
問題: ModuleNotFoundError: No module named 'mido'
というエラーが表示される。
解決策: Midoモジュールがインストールされていない可能性があります。
以下のコマンドを実行して、Midoをインストールしてください。
pip install mido
python-rtmidiがインストールされていない
問題: MIDIの再生時にImportError: No module named 'rtmidi'
というエラーが表示される。
解決策: python-rtmidi
モジュールがインストールされていない場合、以下のコマンドでインストールしてください。
pip install python-rtmidi
MIDIデバイスが認識されない
問題: MIDIファイルを再生しようとしたときに、MIDIデバイスが見つからない。
解決策: MIDIデバイスが正しく接続されているか確認してください。
また、MIDIポートの設定を見直し、利用可能なポートがあるか確認します。
以下のコードで利用可能なポートを表示できます。
import rtmidi
midi_out = rtmidi.MidiOut()
available_ports = midi_out.get_ports()
print(available_ports)
MIDIファイルが正しく再生されない
問題: 再生したMIDIファイルが音が出ない、または意図した通りに再生されない。
解決策: MIDIファイルが正しく作成されているか確認します。
特に、ノートオンとノートオフのメッセージが正しく設定されているか、ベロシティが適切かを確認してください。
また、MIDIデバイスの音量設定や音源設定も確認してください。
MIDIメッセージが表示されない
問題: MIDIファイルを読み込んだ際に、メッセージが表示されない。
解決策: トラックが正しく読み込まれているか確認します。
トラックが空でないか、またはメッセージが正しくフィルタリングされているかを確認してください。
以下のコードでトラックのメッセージを確認できます。
import mido
midi_file_path = 'example.mid'
midi_file = mido.MidiFile(midi_file_path)
for track in midi_file.tracks:
print(f'Track: {track.name}')
for msg in track:
print(msg)
これらのトラブルシューティングの手順を試すことで、Midoモジュールを使用する際の一般的な問題を解決できるはずです。
問題が解決しない場合は、Midoの公式ドキュメントやコミュニティフォーラムを参照することをお勧めします。
まとめ
この記事では、Midoモジュールを使用してMIDIファイルの読み込み、作成、再生、さらには応用的な使い方やトラブルシューティングについて詳しく解説しました。
Midoを活用することで、音楽データをプログラムで操作する楽しさを体験できるでしょう。
ぜひ、実際にMidoを使って自分だけのMIDIファイルを作成し、音楽制作の世界に足を踏み入れてみてください。