[Python] Google Driveに任意のファイルをアップロードする方法
PythonでGoogle Driveにファイルをアップロードするには、Google Drive APIを使用します。
まず、Google Cloud Consoleでプロジェクトを作成し、Drive APIを有効化し、OAuth 2.0認証情報を取得します。
次に、google-auth
やgoogle-api-python-client
などのライブラリをインストールし、認証を行います。
認証後、drive_service.files().create()メソッド
を使ってファイルをアップロードします。
ファイルのメタデータやMIMEタイプを指定することも可能です。
- Google Drive APIの準備手順
- Pythonライブラリのインストール方法
- ファイルのアップロード手順
- フォルダへのファイルアップロード方法
- アップロードしたファイルの共有設定方法
Google Drive APIを活用して、さまざまなファイル操作を行うことが可能。
次のステップとして、実際にコードを実行してみることをお勧め。
Google Drive APIの準備
Google Driveにファイルをアップロードするためには、まずGoogle Drive APIを利用するための準備が必要です。
以下の手順に従って、APIの設定を行います。
Google Cloud Consoleでのプロジェクト作成
- Google Cloud Consoleにアクセスします。
- Googleアカウントでログインします。
- 左上の「プロジェクトを選択」をクリックし、「新しいプロジェクト」を選択します。
- プロジェクト名を入力し、「作成」をクリックします。
Google Drive APIの有効化
- 作成したプロジェクトが選択されていることを確認します。
- 左側のメニューから「APIとサービス」→「ライブラリ」を選択します。
- 検索バーに
Google Drive API
と入力し、表示された結果からGoogle Drive API
を選択します。 - 「有効にする」ボタンをクリックしてAPIを有効化します。
OAuth 2.0認証情報の取得
- 左側のメニューから「APIとサービス」→「認証情報」を選択します。
- 「認証情報を作成」ボタンをクリックし、「OAuth クライアント ID」を選択します。
- 「同意画面の設定」を求められた場合は、必要な情報を入力し、保存します。
- アプリケーションの種類として「デスクトップアプリ」を選択し、名前を入力して「作成」をクリックします。
- 作成されたクライアントIDとクライアントシークレットが表示されます。
これらは後で使用します。
認証情報のダウンロード
- 認証情報のページに戻り、作成したOAuth 2.0クライアントIDの右側にあるダウンロードアイコンをクリックします。
credentials.json
というファイルがダウンロードされます。
このファイルは、後でPythonプログラムで使用します。
これでGoogle Drive APIを使用するための準備が整いました。
次のステップでは、必要なPythonライブラリのインストールを行います。
必要なPythonライブラリのインストール
Google Drive APIを利用するためには、いくつかのPythonライブラリをインストールする必要があります。
以下の手順に従って、必要なライブラリをインストールします。
google-authライブラリのインストール
google-auth
ライブラリは、Googleの認証を行うためのライブラリです。
以下のコマンドを実行してインストールします。
pip install google-auth
google-api-python-clientライブラリのインストール
google-api-python-client
ライブラリは、Google APIを操作するためのクライアントライブラリです。
以下のコマンドを実行してインストールします。
pip install google-api-python-client
google-auth-oauthlibライブラリのインストール
google-auth-oauthlib
ライブラリは、OAuth 2.0の認証フローを簡単に実装するためのライブラリです。
以下のコマンドを実行してインストールします。
pip install google-auth-oauthlib
これで、Google Drive APIを利用するために必要なPythonライブラリのインストールが完了しました。
次のステップでは、認証の実装について説明します。
認証の実装
Google Drive APIを利用するためには、OAuth 2.0を使用してユーザーの認証を行う必要があります。
以下に、認証フローの概要と具体的な実装方法を説明します。
認証フローの概要
- ユーザーがアプリケーションにアクセスすると、認証用のURLが生成されます。
- ユーザーはそのURLにアクセスし、Googleアカウントでログインしてアプリケーションにアクセスを許可します。
- 認証が成功すると、リダイレクトURLに認証コードが付与されて戻されます。
- アプリケーションはこの認証コードを使用して、アクセストークンを取得します。
- アクセストークンを使用して、Google Drive APIにアクセスします。
認証トークンの取得
以下のサンプルコードでは、認証トークンを取得する方法を示します。
credentials.json
ファイルを使用して認証を行います。
import os
import google.auth
from google.auth.transport.requests import Request
from google_auth_oauthlib.flow import InstalledAppFlow
# スコープの設定
SCOPES = ['https://www.googleapis.com/auth/drive.file']
def get_credentials():
creds = None
# トークンファイルが存在する場合は、そこから認証情報を取得
if os.path.exists('token.json'):
creds = google.auth.load_credentials_from_file('token.json')[0]
# 認証情報が無い場合は新たに取得
if not creds or not creds.valid:
if creds and creds.expired and creds.refresh_token:
creds.refresh(Request())
else:
flow = InstalledAppFlow.from_client_secrets_file('credentials.json', SCOPES)
creds = flow.run_local_server(port=0)
# 認証情報をファイルに保存
with open('token.json', 'w') as token:
token.write(creds.to_json())
return creds
# 認証情報を取得
credentials = get_credentials()
このコードを実行すると、ブラウザが開き、Googleアカウントでの認証が求められます。
認証が成功すると、token.json
ファイルにアクセストークンが保存されます。
認証トークンの保存と再利用
取得した認証トークンは、token.json
ファイルに保存されます。
このファイルを使用することで、次回以降の認証をスムーズに行うことができます。
具体的には、以下のようにトークンを再利用します。
- トークンが有効であれば、そのまま使用。
- トークンが期限切れの場合は、自動的にリフレッシュして再取得。
この仕組みにより、ユーザーは毎回認証を行う必要がなくなります。
次のステップでは、Google Driveにファイルをアップロードする方法について説明します。
Google Driveにファイルをアップロードする方法
Google Drive APIを使用してファイルをアップロードするためには、いくつかの手順を踏む必要があります。
以下に、ファイルのメタデータ設定からアップロードの進行状況の確認までの流れを説明します。
ファイルのメタデータの設定
ファイルをアップロードする際には、ファイルのメタデータを設定する必要があります。
メタデータには、ファイル名や親フォルダのIDなどが含まれます。
以下のサンプルコードでは、メタデータを設定する方法を示します。
from googleapiclient.discovery import build
# Google Drive APIのサービスを作成
drive_service = build('drive', 'v3', credentials=credentials)
# アップロードするファイルのメタデータを設定
file_metadata = {
'name': 'example.txt', # アップロードするファイル名
'mimeType': 'text/plain' # MIMEタイプ
}
ファイルのMIMEタイプの指定
ファイルのMIMEタイプは、アップロードするファイルの種類を示します。
例えば、テキストファイルの場合はtext/plain
、画像ファイルの場合はimage/jpeg
など、適切なMIMEタイプを指定する必要があります。
以下は、MIMEタイプを指定する例です。
# 例: 画像ファイルのMIMEタイプを指定
file_metadata = {
'name': 'image.jpg',
'mimeType': 'image/jpeg'
}
drive_service.files().create()メソッドの使用
ファイルをアップロードするためには、drive_service.files().create()メソッド
を使用します。
このメソッドにメタデータとファイルの内容を渡すことで、ファイルをGoogle Driveにアップロードできます。
以下のサンプルコードでは、テキストファイルをアップロードする方法を示します。
from googleapiclient.http import MediaFileUpload
# アップロードするファイルのパス
file_path = 'path/to/your/example.txt'
# ファイルの内容を指定
media = MediaFileUpload(file_path, mimetype='text/plain')
# ファイルをアップロード
file = drive_service.files().create(body=file_metadata, media_body=media, fields='id').execute()
print('ファイルがアップロードされました。ファイルID:', file.get('id'))
アップロードの進行状況の確認
ファイルのアップロード中に進行状況を確認することも可能です。
MediaFileUploadクラス
には、進行状況を表示するためのコールバック関数を指定できます。
以下のサンプルコードでは、進行状況を表示する方法を示します。
def progress_callback(current, total):
print(f'アップロード中: {current / total * 100:.2f}%')
# ファイルをアップロード(進行状況を表示)
media = MediaFileUpload(file_path, mimetype='text/plain', chunksize=1024*1024, resumable=True)
request = drive_service.files().create(body=file_metadata, media_body=media, fields='id')
# アップロードの進行状況を確認
response = None
while response is None:
status, response = request.next_chunk()
if status:
print(f'アップロード中: {int(status.progress() * 100)}%')
print('ファイルがアップロードされました。ファイルID:', response.get('id'))
このコードを実行すると、ファイルのアップロード進行状況が表示されます。
これで、Google Driveにファイルをアップロードする方法が完了しました。
次のステップでは、フォルダへのファイルアップロードについて説明します。
フォルダへのファイルアップロード
Google Driveでは、特定のフォルダにファイルをアップロードすることができます。
フォルダにファイルをアップロードするためには、フォルダIDを取得し、メタデータにそのIDを設定する必要があります。
以下にその手順を説明します。
フォルダIDの取得方法
フォルダIDは、Google Drive内の特定のフォルダを識別するためのユニークな識別子です。
フォルダIDを取得する方法は以下の通りです。
- Google Driveにアクセスし、アップロードしたいフォルダを開きます。
- ブラウザのアドレスバーに表示されているURLを確認します。
URLは次のような形式になっています。
https://drive.google.com/drive/folders/フォルダID
フォルダID
の部分をコピーします。
これが、フォルダにファイルをアップロードする際に必要なIDです。
フォルダにファイルをアップロードする際のメタデータ設定
フォルダにファイルをアップロードする場合、メタデータに親フォルダのIDを指定する必要があります。
以下のサンプルコードでは、特定のフォルダにファイルをアップロードする方法を示します。
# アップロードするファイルのメタデータを設定
folder_id = 'YOUR_FOLDER_ID' # 取得したフォルダIDをここに入力
file_metadata = {
'name': 'example_in_folder.txt', # アップロードするファイル名
'parents': [folder_id], # 親フォルダのIDを指定
'mimeType': 'text/plain' # MIMEタイプ
}
# アップロードするファイルのパス
file_path = 'path/to/your/example_in_folder.txt'
# ファイルの内容を指定
media = MediaFileUpload(file_path, mimetype='text/plain')
# フォルダにファイルをアップロード
file = drive_service.files().create(body=file_metadata, media_body=media, fields='id').execute()
print('フォルダにファイルがアップロードされました。ファイルID:', file.get('id'))
このコードを実行すると、指定したフォルダにファイルがアップロードされます。
parents
フィールドにフォルダIDを指定することで、ファイルがそのフォルダ内に保存されることになります。
次のステップでは、アップロードしたファイルの共有設定について説明します。
アップロードしたファイルの共有設定
Google Driveにアップロードしたファイルは、他のユーザーと共有することができます。
共有設定を行うことで、ファイルへのアクセスを制御することができます。
以下に、ファイルの共有リンクの取得方法やアクセス権限の設定方法について説明します。
ファイルの共有リンクの取得
アップロードしたファイルの共有リンクを取得するには、permissions
リソースを使用して、ファイルの共有設定を行います。
以下のサンプルコードでは、ファイルの共有リンクを取得する方法を示します。
# アップロードしたファイルのID
file_id = 'YOUR_FILE_ID' # アップロードしたファイルのIDをここに入力
# 共有リンクを取得するための権限を設定
permission = {
'type': 'anyone', # 誰でもアクセス可能
'role': 'reader' # 読み取り専用
}
# 権限を追加
drive_service.permissions().create(fileId=file_id, body=permission).execute()
# 共有リンクの生成
shared_link = f'https://drive.google.com/file/d/{file_id}/view?usp=sharing'
print('共有リンク:', shared_link)
このコードを実行すると、ファイルが誰でもアクセス可能な状態になり、共有リンクが生成されます。
ファイルのアクセス権限の設定
ファイルのアクセス権限は、ユーザーがファイルに対してどのような操作を行えるかを制御します。
以下のように、権限の種類を設定することができます。
権限の種類 | 説明 |
---|---|
reader | 読み取り専用 |
writer | 編集可能 |
commenter | コメント可能 |
owner | 所有者(完全な権限) |
以下のサンプルコードでは、特定のユーザーに対して編集権限を付与する方法を示します。
# 特定のユーザーのメールアドレス
user_email = 'user@example.com' # 共有したいユーザーのメールアドレスをここに入力
# ユーザーに編集権限を付与
permission = {
'type': 'user',
'role': 'writer',
'emailAddress': user_email
}
# 権限を追加
drive_service.permissions().create(fileId=file_id, body=permission).execute()
print(f'{user_email}に編集権限を付与しました。')
特定のユーザーに共有する方法
特定のユーザーにファイルを共有する場合、上記のようにそのユーザーのメールアドレスを指定して権限を設定します。
これにより、指定したユーザーだけがファイルにアクセスできるようになります。
以下のサンプルコードでは、特定のユーザーに読み取り専用の権限を付与する方法を示します。
# 特定のユーザーのメールアドレス
user_email = 'user@example.com' # 共有したいユーザーのメールアドレスをここに入力
# ユーザーに読み取り専用権限を付与
permission = {
'type': 'user',
'role': 'reader',
'emailAddress': user_email
}
# 権限を追加
drive_service.permissions().create(fileId=file_id, body=permission).execute()
print(f'{user_email}に読み取り専用権限を付与しました。')
このようにして、特定のユーザーに対してファイルを共有することができます。
次のステップでは、応用例について説明します。
応用例
Google Drive APIを使用することで、さまざまな操作が可能です。
ここでは、複数ファイルの一括アップロードやファイルの更新、特定のフォルダ内のファイルの一覧取得、ファイルの削除、アップロードしたファイルのダウンロード方法について説明します。
複数ファイルを一括でアップロードする方法
複数のファイルを一括でアップロードするには、ループを使用して各ファイルをアップロードします。
以下のサンプルコードでは、指定したフォルダ内のすべてのテキストファイルを一括でアップロードする方法を示します。
import os
# アップロードするフォルダのパス
folder_path = 'path/to/your/folder'
folder_id = 'YOUR_FOLDER_ID' # アップロード先のフォルダID
# フォルダ内のすべてのテキストファイルをアップロード
for filename in os.listdir(folder_path):
if filename.endswith('.txt'):
file_metadata = {
'name': filename,
'parents': [folder_id],
'mimeType': 'text/plain'
}
file_path = os.path.join(folder_path, filename)
media = MediaFileUpload(file_path, mimetype='text/plain')
file = drive_service.files().create(body=file_metadata, media_body=media, fields='id').execute()
print(f'ファイル {filename} がアップロードされました。ファイルID: {file.get("id")}')
ファイルの更新(上書き)方法
既存のファイルを更新するには、files.update()メソッド
を使用します。
以下のサンプルコードでは、特定のファイルを新しい内容で上書きする方法を示します。
# 更新するファイルのID
file_id = 'YOUR_FILE_ID' # 更新したいファイルのIDをここに入力
new_file_path = 'path/to/your/new_example.txt' # 新しいファイルのパス
# 新しいファイルのメタデータを設定
file_metadata = {
'name': 'updated_example.txt', # 新しいファイル名
}
# 新しいファイルの内容を指定
media = MediaFileUpload(new_file_path, mimetype='text/plain')
# ファイルを更新
file = drive_service.files().update(fileId=file_id, body=file_metadata, media_body=media).execute()
print('ファイルが更新されました。ファイルID:', file.get('id'))
特定のフォルダ内のファイルを一覧取得する方法
特定のフォルダ内にあるファイルを一覧取得するには、files.list()メソッド
を使用します。
以下のサンプルコードでは、指定したフォルダ内のファイルを取得する方法を示します。
# フォルダ内のファイルを一覧取得
query = f"'{folder_id}' in parents"
results = drive_service.files().list(q=query, fields="files(id, name)").execute()
items = results.get('files', [])
if not items:
print('フォルダ内にファイルはありません。')
else:
print('フォルダ内のファイル:')
for item in items:
print(f'ファイル名: {item["name"]}, ファイルID: {item["id"]}')
ファイルの削除方法
ファイルを削除するには、files.delete()メソッド
を使用します。
以下のサンプルコードでは、特定のファイルを削除する方法を示します。
# 削除するファイルのID
file_id = 'YOUR_FILE_ID' # 削除したいファイルのIDをここに入力
# ファイルを削除
drive_service.files().delete(fileId=file_id).execute()
print('ファイルが削除されました。')
アップロードしたファイルのダウンロード方法
アップロードしたファイルをダウンロードするには、files.get()メソッド
を使用します。
以下のサンプルコードでは、特定のファイルをダウンロードする方法を示します。
import io
from googleapiclient.http import MediaIoBaseDownload
# ダウンロードするファイルのID
file_id = 'YOUR_FILE_ID' # ダウンロードしたいファイルのIDをここに入力
# ファイルの情報を取得
request = drive_service.files().get_media(fileId=file_id)
fh = io.BytesIO()
# ファイルをダウンロード
downloader = MediaIoBaseDownload(fh, request)
done = False
while done is False:
status, done = downloader.next_chunk()
print(f'ダウンロード中: {int(status.progress() * 100)}%')
# ダウンロードしたファイルを保存
with open('downloaded_file.txt', 'wb') as f:
f.write(fh.getbuffer())
print('ファイルがダウンロードされました。')
これで、Google Drive APIを使用したさまざまな応用例についての説明が完了しました。
次のステップでは、よくある質問について説明します。
よくある質問
まとめ
この記事では、Pythonを使用してGoogle Driveにファイルをアップロードする方法について詳しく解説しました。
具体的には、Google Drive APIの準備から始まり、認証の実装、ファイルのアップロード、フォルダへのアップロード、共有設定、さらには応用例として複数ファイルの一括アップロードやファイルの更新、削除、ダウンロード方法までを取り上げました。
これらの手順を通じて、Google Drive APIを活用するための基本的な操作を習得することができるでしょう。
今後は、実際にこれらの手法を試してみて、あなたのプロジェクトに役立ててみてください。