コンパイラエラー

C言語のコンパイラエラー C2720の原因と対処方法について解説

C言語およびC++の開発時に、コンパイラ エラー C2720が起こる場合があります。

これは、クラスのメンバー定義で不要なストレージクラス指定子(例えばstaticなど)を使った際に発生します。

不要な指定子を削除することでエラーを解消する方法について説明します。

エラーの発生原因

クラスメンバー定義での誤用

不要な「static」指定子の使用

クラス内部で静的メンバーを宣言する際に、定義部分で不要なstatic指定子を用いると、コンパイラはエラー C2720を出力します。

例えば、次のようなコードはエラーが発生する原因となります。

  • クラス(または構造体)内で既にstaticが宣言されているメンバーに対して、定義時に再度static指定子を書いてしまうと、C++の記述ルールに反するためです。

宣言と定義の位置に起因するミス

クラスメンバーの宣言と定義の位置に注意が必要です。

  • クラス内での宣言は、そのクラスのスコープ内に含まれますが、定義部分で別のスコープ(グローバルスコープなど)に出す際に不要な指定子を追加すると、エラーが発生します。
  • 宣言と定義は適切に分離する必要があり、定義側ではすでにクラス内で指定されている属性を繰り返す必要がありません。

記述ルールの誤解による影響

C++の記述ルールに対する誤解が原因で、不要な指定子を用いるケースがあります。

  • 多くの場合、静的メンバーを定義する際、クラス内での宣言で既にstaticが記述されているため、改めて定義部分でstaticを記述するとエラーとなります。
  • この誤解は、C言語とC++の違いによるものや、コンパイラ固有のルールへの理解不足から生じるため、公式ドキュメントや学習資料を参考に正しい記述方法を確認することが大切です。

エラー解消のための対処方法

正しいストレージクラス指定子の取り扱い

クラス宣言と定義の適切な分離方法

静的メンバーの宣言と定義を正しく分離するためには、以下のポイントに注意してください。

  • クラス内では、静的メンバーをstaticとして宣言します。
  • クラス外でそのメンバーを定義する際には、static指定子は不要です。
  • 定義部分では、クラス名のスコープ解決演算子::を用いて正しくアクセスする必要があります。

コード修正例の具体的手順

エラーを修正する手順は以下の通りです。

  1. クラスまたは構造体内での静的メンバーの宣言を確認する。
  2. クラス外で定義する際に、static指定子が付いていないか確認する。
  3. コンパイルエラーが解消されることを確認する。

たとえば、以下の手順で誤った指定子を削除することができます。

  • エラー発生箇所として、クラス外での定義にstaticが残っている場合は削除する。
  • 定義部分に記述ミスがないか再度確認する。

不要な指定子の削除手順

修正前後のコード比較

次のように、エラーが発生するコードと、修正後のコードを比較することで、どの指定子が不要であったのかを明確にできます。

  • 修正前のコード例(エラー発生)

クラス内部でstaticが宣言されているメンバーを、クラス外で再びstaticで定義するとエラーになります。

  • 修正後のコード例(エラー解消)

クラス外での定義からstatic指定子を削除することで、正しくコンパイルできるようになります。

コード例を用いたエラー修正

修正前のコード例における問題点

エラー発生箇所の明示

以下は、エラー C2720 が発生するサンプルコードです。

  • コメントを含むコード内で、クラス外の定義にstaticが残っている点が問題です。
#include <iostream>
using namespace std;
// 構造体 S の定義
struct S {
    static int counter;  // 静的メンバーとして宣言
};
// 以下の定義で、不要な 'static' 指定子が原因でエラー C2720 が発生します。
static int S::counter = 0;  // エラー発生箇所: 'static'は不要
int main() {
    // メンバーの値を表示する
    cout << "Counter: " << S::counter << endl;
    return 0;
}
Counter: 0

修正後のコード例と検証ポイント

変更箇所の詳細解説

次のコード例は、修正後の正しい記述方法です。

  • クラス外での定義からstatic指定子を削除し、クラス内で宣言した属性だけを定義する形に変更しています。
#include <iostream>
using namespace std;
// 構造体 S の定義
struct S {
    static int counter;  // 静的メンバーとして宣言
};
// クラス外での定義において、'static'指定子は不要です。
int S::counter = 0;  // 正しい定義
int main() {
    // メンバーの値を表示する
    cout << "Counter: " << S::counter << endl;
    return 0;
}
Counter: 0
  • 上記の修正後コードでは、不要なstatic指定子が削除され、正しくコンパイルが通ることが確認できます。

コンパイル検証の方法

エラーメッセージ確認の手順

  • コンパイル時のエラーメッセージを注意深く確認してください。
  • エラーメッセージには、問題となっている箇所と用いられている指定子が明記されているため、参考資料や公式ドキュメントで確認することが重要です。
  • 使用している統合開発環境(IDE)やコマンドラインで出力されるメッセージに従い、具体的な修正箇所を特定します。

修正後のコンパイルと動作確認

  • 修正後は、再度コンパイラでソースコードをビルドしてください。
  • ビルドが成功し、実行時に期待通りの動作となるか確認してください。
  • 特に、静的メンバーが初期化され、プログラム内で正しく利用されているかの検証が有効です。
  • コンパイルエラーが解除され、cout等で表示した場合に正しい値が出力されることを確認してください。

まとめ

この記事では、C++における静的メンバーの定義で起こるコンパイラエラー C2720の原因と、正しい対処方法が理解できる内容となっています。

クラス内での宣言とクラス外での定義時に不要なstatic指定子が使われることがエラーの主な原因であり、正しいストレージクラス指定子の取り扱いを解説しています。

具体的なコード例を通じて、エラー発生箇所の明示と修正手順が説明され、コンパイル検証の方法も紹介されているため、問題の原因究明と解消に役立つ知識が得られます。

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