Py2exeでは、Pythonプログラムを簡単にexeファイルに変換・ビルドすることができます。ですが、そのためには明示的に2つ目以降のファイルを指定しなければならない場合があります。
この記事では、Py2exeで明示的に2つ目以降のソースファイル・モジュールを指定してビルドする方法を解説します。
複数のソースファイルでビルドする方法
Pythonのプログラムを実行可能な実行ファイルに変換するためには、通常はPy2exeというツールを使用します。
Py2exeを使って複数のソースファイルを含むプログラムをビルドする方法について解説します。
ソースファイルの追加
まず、ビルドに含めたい複数のソースファイルを用意します。
これらのソースファイルは、Pythonのスクリプトファイルである必要があります。
例えば、sample.py
とhelper.py
という2つのソースファイルをビルドに含める場合を考えましょう。
setup.pyファイルの修正
次に、ビルドの設定を行うためにsetup.py
ファイルを修正します。
setup.py
ファイルは、ビルドに関する情報を記述するためのスクリプトファイルです。
以下は、setup.py
ファイルの例です。
from distutils.core import setup
import py2exe
setup(
console=['sample.py'],
options={
'py2exe': {
'includes': ['helper'], # 2つ目以降はモジュール扱い
}
}
)
この例では、console
パラメータにsample.py
を指定しています。
これにより、ビルドされた実行ファイルがコンソールアプリケーションとして実行されるようになります。
また、options
パラメータ内のpy2exe
セクションでは、includes
パラメータにhelper
を指定しています。
これにより、helper.py
ファイルもビルドに含めることができます。
ビルドの実行
準備が整ったら、コマンドプロンプトやターミナルで以下のコマンドを実行してビルドを行います。
python setup.py py2exe
ビルドが成功すると、dist
ディレクトリ内に実行ファイルが生成されます。
この実行ファイルを実行することで、複数のソースファイルからなるプログラムが実行されます。
Py2exeでは、デフォルト設定だと同梱されるモジュールがlibrary.zipに圧縮されますが、その中にhelperモジュールが含まれていることも確認できます。

3つ以上のソースファイルでビルドする場合も同様です。'includes':['helper', 'sub']
のように、リスト形式で指定してください。
以上が、複数のソースファイルでビルドする方法の概要です。
Py2exeはPyInstallerよりも高速なので、開発時に何度もビルドする人にはおすすめのexe化ツールでしょう。