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[Python] gifファイルの再生速度を変更する方法

2025-01-18更新日: 2025-01-18

PythonでGIFファイルの再生速度を変更するには、PIL(Pillow)ライブラリを使用してGIFの各フレームの表示時間を調整します。

GIFは複数のフレームで構成されており、各フレームには duration (表示時間)という属性があります。

この値を変更することで再生速度を調整できます。

PillowのImageSequenceモジュールを使ってフレームを取得し、saveメソッドで新しいdurationを指定して保存することで、再生速度を変更したGIFを作成できます。

目次から探す

GIFファイルの基本構造
Pillowライブラリのインストールと基本操作
GIFの再生速度を変更する手順
実際のコード例
応用例
まとめ

GIFファイルの基本構造

GIFファイルとは？

GIF(Graphics Interchange Format)は、画像を圧縮して保存するためのフォーマットで、特にアニメーションをサポートしています。

GIFは256色までのパレットを使用し、透明度を持つことができるため、ウェブ上での使用に適しています。

GIFは、短いアニメーションやループ再生に広く利用されており、SNSやウェブサイトでよく見かける形式です。

GIFのフレームと再生速度の関係

GIFファイルは、複数の静止画(フレーム)を連続して表示することでアニメーションを作成します。

各フレームには表示時間が設定されており、この時間が再生速度に影響を与えます。

フレームの表示時間が短いほど、アニメーションは速くなり、逆に長いほど遅くなります。

再生速度は、フレームの duration 属性によって制御されます。

GIFの duration 属性について

duration は、各フレームが表示される時間をミリ秒単位で指定する属性です。

例えば、durationが100ミリ秒の場合、そのフレームは0.1秒間表示されます。

GIF全体の再生速度を変更するには、各フレームのdurationを調整する必要があります。

これにより、アニメーションのスピードを速くしたり遅くしたりすることが可能です。

PythonでGIFを操作するためのライブラリ

Pythonでは、GIFファイルを操作するためにいくつかのライブラリが利用できます。

以下は、主に使用されるライブラリの一覧です。

ライブラリ名	概要
Pillow	画像処理ライブラリで、GIFの読み込みや保存が可能
imageio	画像や動画の入出力を簡単に行えるライブラリ
moviepy	動画編集ライブラリで、GIFの生成や編集が可能

これらのライブラリを使用することで、PythonでGIFファイルの再生速度を変更したり、さまざまな操作を行ったりすることができます。

Pillowライブラリのインストールと基本操作

Pillowとは？

Pillowは、Pythonで画像処理を行うための強力なライブラリです。

PIL(Python Imaging Library)の後継として開発され、画像の読み込み、表示、編集、保存など、さまざまな機能を提供します。

特に、GIFファイルの操作においても非常に便利で、アニメーションのフレームを簡単に扱うことができます。

Pillowを使用することで、画像処理の作業を効率的に行うことが可能です。

Pillowのインストール方法

Pillowは、Pythonのパッケージ管理ツールであるpipを使用して簡単にインストールできます。

以下のコマンドをターミナルまたはコマンドプロンプトで実行してください。

pip install Pillow

このコマンドを実行することで、Pillowライブラリがインストールされ、画像処理に必要な機能が利用できるようになります。

PillowでGIFファイルを読み込む方法

Pillowを使用してGIFファイルを読み込むには、Imageモジュールをインポートし、openメソッドを使用します。

以下は、GIFファイルを読み込むサンプルコードです。

from PIL import Image
# GIFファイルを読み込む
gif_file = Image.open('example.gif')
# GIFのフレーム数を表示
print(f'フレーム数: {gif_file.n_frames}')

このコードを実行すると、指定したGIFファイルのフレーム数が表示されます。

フレーム数: 10

PillowでGIFファイルを保存する方法

GIFファイルを編集した後、Pillowを使用して新しいGIFファイルとして保存することができます。

以下は、GIFファイルを保存するサンプルコードです。

from PIL import Image
# GIFファイルを読み込む
gif_file = Image.open('example.gif')
# GIFファイルを新しい名前で保存
gif_file.save('new_example.gif', save_all=True)

このコードを実行すると、元のGIFファイルが新しい名前で保存されます。

save_all=Trueを指定することで、すべてのフレームを含むGIFとして保存されます。

GIFの再生速度を変更する手順

GIFのフレームを取得する方法

Pillowを使用してGIFファイルのフレームを取得するには、Imageオブジェクトのseekメソッドを利用します。

以下のサンプルコードでは、GIFファイルの各フレームをリストに格納します。

from PIL import Image
# GIFファイルを読み込む
gif_file = Image.open('example.gif')
# フレームを格納するリスト
frames = []
# 各フレームを取得
for frame_index in range(gif_file.n_frames):
    gif_file.seek(frame_index)
    frames.append(gif_file.copy())  # フレームをコピーしてリストに追加
# フレーム数を表示
print(f'取得したフレーム数: {len(frames)}')

取得したフレーム数: 10

各フレームの duration を変更する方法

各フレームの表示時間(duration)を変更するには、Imageオブジェクトのinfo属性を利用します。

以下のサンプルコードでは、すべてのフレームのdurationを変更します。

from PIL import Image
# GIFファイルを読み込む
gif_file = Image.open('example.gif')
# 新しいdurationを設定
new_duration = 200  # 200ミリ秒
# 各フレームのdurationを変更
durations = [new_duration] * gif_file.n_frames
# durationを表示
print(f'新しいduration: {durations}')

新しいduration: [200, 200, 200, 200, 200, 200, 200, 200, 200, 200]

変更したフレームを新しいGIFとして保存する方法

変更したフレームを新しいGIFファイルとして保存するには、saveメソッドを使用します。

以下のサンプルコードでは、変更したフレームを新しいGIFとして保存します。

from PIL import Image
# GIFファイルを読み込む
gif_file = Image.open('example.gif')
# フレームを格納するリスト
frames = []
for frame_index in range(gif_file.n_frames):
    gif_file.seek(frame_index)
    frames.append(gif_file.copy())
# 新しいGIFとして保存
frames[0].save('modified_example.gif', save_all=True, append_images=frames[1:], duration=200)

このコードを実行すると、すべてのフレームが新しいdurationで保存されたGIFファイルが作成されます。

再生速度を速くする方法

再生速度を速くするには、各フレームのdurationを短く設定します。

例えば、元のdurationが100ミリ秒の場合、50ミリ秒に変更することで再生速度を2倍にすることができます。

以下のサンプルコードでは、再生速度を速くする方法を示します。

from PIL import Image
# GIFファイルを読み込む
gif_file = Image.open('example.gif')
# 各フレームのdurationを50ミリ秒に設定
fast_durations = [50] * gif_file.n_frames
# 新しいGIFとして保存
frames = []
for frame_index in range(gif_file.n_frames):
    gif_file.seek(frame_index)
    frames.append(gif_file.copy())
frames[0].save('fast_example.gif', save_all=True, append_images=frames[1:], duration=fast_durations)

再生速度を遅くする方法

再生速度を遅くするには、各フレームのdurationを長く設定します。

例えば、元のdurationが100ミリ秒の場合、200ミリ秒に変更することで再生速度を半分にすることができます。

以下のサンプルコードでは、再生速度を遅くする方法を示します。

from PIL import Image
# GIFファイルを読み込む
gif_file = Image.open('example.gif')
# 各フレームのdurationを200ミリ秒に設定
slow_durations = [200] * gif_file.n_frames
# 新しいGIFとして保存
frames = []
for frame_index in range(gif_file.n_frames):
    gif_file.seek(frame_index)
    frames.append(gif_file.copy())
frames[0].save('slow_example.gif', save_all=True, append_images=frames[1:], duration=slow_durations)

このコードを実行すると、再生速度が遅くなった新しいGIFファイルが作成されます。

実際のコード例

GIFの再生速度を2倍にするコード例

以下のコードは、GIFファイルの再生速度を2倍にする方法を示しています。

元のdurationが100ミリ秒の場合、50ミリ秒に変更することで再生速度を速くします。

from PIL import Image
# GIFファイルを読み込む
gif_file = Image.open('example.gif')
# 各フレームのdurationを50ミリ秒に設定(2倍速)
fast_durations = [50] * gif_file.n_frames
# フレームを格納するリスト
frames = []
for frame_index in range(gif_file.n_frames):
    gif_file.seek(frame_index)
    frames.append(gif_file.copy())
# 新しいGIFとして保存
frames[0].save('fast_example.gif', save_all=True, append_images=frames[1:], duration=fast_durations)
print("再生速度を2倍にしたGIFを保存しました。")

再生速度を2倍にしたGIFを保存しました。

GIFの再生速度を半分にするコード例

以下のコードは、GIFファイルの再生速度を半分にする方法を示しています。

元のdurationが100ミリ秒の場合、200ミリ秒に変更することで再生速度を遅くします。

from PIL import Image
# GIFファイルを読み込む
gif_file = Image.open('example.gif')
# 各フレームのdurationを200ミリ秒に設定(半分速)
slow_durations = [200] * gif_file.n_frames
# フレームを格納するリスト
frames = []
for frame_index in range(gif_file.n_frames):
    gif_file.seek(frame_index)
    frames.append(gif_file.copy())
# 新しいGIFとして保存
frames[0].save('slow_example.gif', save_all=True, append_images=frames[1:], duration=slow_durations)
print("再生速度を半分にしたGIFを保存しました。")

再生速度を半分にしたGIFを保存しました。

フレームごとに異なる再生速度を設定する方法

以下のコードは、GIFファイルの各フレームに異なるdurationを設定する方法を示しています。

これにより、フレームごとに異なる再生速度を持つGIFを作成できます。

from PIL import Image
# GIFファイルを読み込む
gif_file = Image.open('example.gif')
# 各フレームのdurationを異なる値に設定
durations = [100, 200, 150, 300, 100]  # フレームごとのduration(例)
# フレームを格納するリスト
frames = []
for frame_index in range(gif_file.n_frames):
    gif_file.seek(frame_index)
    frames.append(gif_file.copy())
# 新しいGIFとして保存
frames[0].save('variable_speed_example.gif', save_all=True, append_images=frames[1:], duration=durations)
print("フレームごとに異なる再生速度を設定したGIFを保存しました。")

フレームごとに異なる再生速度を設定したGIFを保存しました。

これらのコードを実行することで、GIFファイルの再生速度を変更したり、フレームごとに異なる速度を設定したりすることができます。

応用例

GIFの一部のフレームだけ再生速度を変更する方法

特定のフレームだけ再生速度を変更するには、対象のフレームのdurationを個別に設定します。

以下のコードでは、最初の3フレームの再生速度を速くし、残りのフレームは元の速度を維持します。

from PIL import Image
# GIFファイルを読み込む
gif_file = Image.open('example.gif')
# 各フレームのdurationを設定
original_duration = 100  # 元のduration
fast_duration = 50       # 速くするduration
durations = [fast_duration] * 3 + [original_duration] * (gif_file.n_frames - 3)
# フレームを格納するリスト
frames = []
for frame_index in range(gif_file.n_frames):
    gif_file.seek(frame_index)
    frames.append(gif_file.copy())
# 新しいGIFとして保存
frames[0].save('partial_speed_change_example.gif', save_all=True, append_images=frames[1:], duration=durations)
print("一部のフレームだけ再生速度を変更したGIFを保存しました。")

一部のフレームだけ再生速度を変更したGIFを保存しました。

GIFの再生速度をランダムに変更する方法

GIFの各フレームの再生速度をランダムに変更するには、randomモジュールを使用してdurationをランダムに生成します。

以下のコードでは、各フレームのdurationを100ミリ秒から300ミリ秒の範囲でランダムに設定します。

from PIL import Image
import random
# GIFファイルを読み込む
gif_file = Image.open('example.gif')
# 各フレームのdurationをランダムに設定
durations = [random.randint(100, 300) for _ in range(gif_file.n_frames)]
# フレームを格納するリスト
frames = []
for frame_index in range(gif_file.n_frames):
    gif_file.seek(frame_index)
    frames.append(gif_file.copy())
# 新しいGIFとして保存
frames[0].save('random_speed_change_example.gif', save_all=True, append_images=frames[1:], duration=durations)
print("再生速度をランダムに変更したGIFを保存しました。")

再生速度をランダムに変更したGIFを保存しました。

GIFの再生速度をユーザー入力で動的に変更する方法

ユーザーからの入力を受けて、GIFの再生速度を変更することも可能です。

以下のコードでは、ユーザーに新しいdurationを入力してもらい、その値でGIFを保存します。

from PIL import Image
# GIFファイルを読み込む
gif_file = Image.open('example.gif')
# ユーザーから新しいdurationを入力
new_duration = int(input("新しいduration(ミリ秒)を入力してください: "))
# 各フレームのdurationを設定
durations = [new_duration] * gif_file.n_frames
# フレームを格納するリスト
frames = []
for frame_index in range(gif_file.n_frames):
    gif_file.seek(frame_index)
    frames.append(gif_file.copy())
# 新しいGIFとして保存
frames[0].save('user_input_speed_change_example.gif', save_all=True, append_images=frames[1:], duration=durations)
print(f"ユーザー入力に基づいて再生速度を変更したGIFを保存しました。duration: {new_duration}ミリ秒")

新しいduration(ミリ秒)を入力してください: 150
ユーザー入力に基づいて再生速度を変更したGIFを保存しました。duration: 150ミリ秒

これらの応用例を通じて、GIFファイルの再生速度を柔軟に変更する方法を学ぶことができます。

まとめ

この記事では、PythonのPillowライブラリを使用してGIFファイルの再生速度を変更する方法について詳しく解説しました。

具体的には、GIFの基本構造やフレームの取得方法、durationの変更、さらには再生速度を速くしたり遅くしたりする手法を紹介しました。

これらの知識を活用して、さまざまなGIFアニメーションを作成し、編集することが可能です。

ぜひ、実際にコードを試してみて、自分だけのオリジナルGIFを作成してみてください。