MacでのPHPインストール方法を解説
MacにPHPをインストールする手順を解説します。
Homebrewを使った方法や公式サイトからのダウンロードなど、いくつかの手法を紹介します。
各手順に沿って環境構築を行えば、開発作業が円滑に進むようになります。
インストール前の確認事項
システム環境と既存PHPの状況確認
Macのバージョンやハードウェア情報を確認することで、PHPの動作環境を把握できます。
ターミナルで以下のコマンドを実行して、OSバージョンや既存のPHPバージョンを確認してください。
# OSバージョンの確認
sw_vers
# システムにインストールされているPHPのバージョン確認
php -v
ProductName: macOS
ProductVersion: 12.6.1
BuildVersion: 21G115
PHP 7.3.11 (cli) (built: Oct 7 2020 13:32:00) ( NTS )
Copyright (c) 1997-2018 The PHP Group
...
これにより、現在のシステム環境とPHPの状況を把握することが可能です。
また、必要に応じてその他の環境情報を取得すると良いでしょう。
Homebrewのインストール状態チェック
PHPのインストールにHomebrewを利用する場合、Homebrewの状態を確認する必要があります。
ターミナルで以下のコマンドを使用して、Homebrewが正しく導入されているか確認してください。
# Homebrewのバージョン確認
brew --version
Homebrew 3.3.5
Homebrew/homebrew-core (git revision 123; last commit 2023-09-01)
...
Homebrewがインストールされていない場合は、公式サイトからインストール手順に沿って導入してください。
Homebrewを利用したPHPインストール
Homebrewの更新と準備
brew updateの実施
Homebrewのパッケージ情報を最新の状態に更新するため、以下のコマンドを利用してください。
# Homebrewの更新
brew update
Updated 2 taps (homebrew/core and homebrew/cask).
...
brew upgradeの確認
インストール済みのパッケージが最新バージョンかどうかを確認するために、以下のコマンドでアップグレードを実施してください。
# インストール済みパッケージのアップグレード
brew upgrade
==> Upgrading 3 outdated packages:
php 7.4.21 -> 8.0.13, ...
==> Upgrading php
==> Reinstalling php with dependencies...
...
PHPインストールコマンドの実行
brew install phpの利用
Homebrewを利用してPHPをインストールする手順です。
ターミナルで以下のコマンドを実行すると、最新のPHPが導入されます。
# PHPのインストール
brew install php
==> Downloading https://homebrew.bintray.com/bottles/php-8.0.13_1.sierra.bottle.tar.gz
######################################################################## 0%
==> Pouring php-8.0.13_1.sierra.bottle.tar.gz
/usr/local/Cellar/php/8.0.13_1: 3,101 files, 55.3MB
インストールオプションの設定
インストール時に特定のオプションを設定する場合、必要なフラグを追加してコマンドを実施します。
例えば、特定のモジュールを有効にする場合は次のように記述します。
# PHPインストール時にオプションを指定する例
brew install php --with-mcrypt
==> Installing php with option: mcrypt
...
インストール結果の動作確認
php -vによるバージョン確認
PHPインストール完了後、ターミナルで以下のコマンドを実行し、バージョンを確認してください。
# PHPバージョンの確認
php -v
PHP 8.0.13 (cli) (built: Oct 5 2023 14:22:00) ( NTS )
Copyright (c) 1997-2023 The PHP Group
...
PATH設定の確認
php
コマンドが正しいパスから実行されるように、環境変数PATH
を確認してください。
以下のコマンドで確認可能です。
# PATHの確認
echo $PATH
/usr/local/bin:/usr/bin:/bin:/usr/sbin:/sbin
必要に応じて、/usr/local/bin
が優先されるようにシェルの設定ファイルを調整してください。
公式パッケージ経由のPHPインストール
公式サイトからのダウンロード手順
パッケージファイルの取得
公式PHPサイトにアクセスし、Mac用のパッケージファイルをダウンロードします。
Webブラウザ上で、対応するPHPバージョンを選択し、パッケージファイル(例: php-8.0.13.pkg
)を入手します。
インストーラ実行と展開
ダウンロードしたパッケージファイルを実行することで、インストーラが起動します。
画面の指示に従い、インストールを進めます。
インストール後、PHPの関連ファイルは指定のディレクトリに展開されます。
php.iniの設定変更
設定ファイルの場所確認
PHPの動作に関する設定ファイルphp.ini
の場所を確認するため、以下のようなコマンドやスクリプトを利用できます。
# php.iniの場所を確認するコマンド
php --ini
Configuration File (php.ini) Path: /usr/local/etc/php/8.0
Loaded Configuration File: /usr/local/etc/php/8.0/php.ini
Scan for additional .ini files in: /usr/local/etc/php/8.0/conf.d
Additional .ini files parsed: ...
主要設定項目の調整
php.ini
上で、メモリ制限やエラー表示などの重要な項目を調整します。
たとえば、メモリ制限を増やす場合は次のように変更できます。
; php.iniの一部
memory_limit = 256M ; PHP実行時の最大メモリ使用量設定
display_errors = On ; エラーを画面に表示するかどうかの設定
error_reporting = E_ALL ; 全てのPHPエラーを報告する設定
インストール後の検証とトラブルシューティング
PHP動作チェックの実施
コマンドラインでの挙動確認
PHPの動作をコマンドライン上で確認するため、簡単なスクリプトを実行します。
以下は「Hello, World!」を表示するサンプルです。
# シンプルなPHPコードの実行
php -r "echo 'Hello, World!';"
Hello, World!
ウェブサーバ連携の確認
ウェブサーバ(ApacheやNginx)と連携したPHPの動作確認には、公開ディレクトリ内にinfo.php
ファイルを作成し、ブラウザからアクセスします。
<?php
// info.php
// PHP設定情報を表示するためのサンプルコード
phpinfo();
?>
このファイルにブラウザからアクセスすると、PHPの詳細な設定情報が表示されるので、連携が正常に行われているか確認できます。
エラー対処と調整方法
エラーログの確認
PHPのエラーが発生した場合、エラーログを確認して原因を調査します。
ログファイルのパスはphp.ini
に記載されているため、以下のコマンドでログの一部を表示できます。
# 最新のエラーログを確認する
tail -n 20 /var/log/php_errors.log
[15-Oct-2023 10:15:32] PHP Warning: Undefined variable $example in /path/to/file.php on line 25
[15-Oct-2023 10:16:45] PHP Notice: Undefined index: key in /path/to/file.php on line 42
...
各種対処手順の実施
エラー内容に応じて、設定ファイルの修正やモジュールの追加、パーミッションの調整などを行います。
エラーログに記録された内容を基に、公式ドキュメントなどを参考にして対処方法を講じてください。
必要に応じ、手順を試しながら問題解決に取り組むことをお勧めします。
まとめ
この記事ではMacでPHPのインストールをシステム環境の確認、Homebrewと公式パッケージの利用、php.iniの設定変更を含む多角的な方法で実施しました。
これにより、各手順ごとの確認と調整の仕方、環境検証およびトラブルシューティングの基本が理解できます。
ぜひ新しいPHP環境の構築に挑戦して、開発環境をより便利にしてみてください。