文字列

PHPのexplode関数で複数区切り文字を扱う方法を解説

PHPのexplode関数を使うと、文字列を指定した区切り文字で分割して配列に変換できます。

通常は単一の区切り文字で分割する方法が一般的ですが、状況によっては複数の区切り文字を用いる必要もあります。

本記事では、複数の区切り文字を扱う方法や工夫について具体例を交えて解説します。

基本的な使用方法

explode関数の概要

関数の引数と戻り値

explode関数は、指定した区切り文字で文字列を分割し、配列として返すPHPの組み込み関数です。

主な引数は以下の通りです。

  • delimiter

分割に使用する文字列を指定します。

  • string

分割対象の文字列を指定します。

  • limit(任意)

分割後の要素数を制限できます。

正の値の場合は最大その数の要素、負の値の場合は末尾から指定数分の要素が取り除かれます。

戻り値は、分割された各要素を含む配列となります。

たとえば以下のように利用されます。

基本的な単一区切りの使い方

まずは、単一の区切り文字で分割する基本的な例を見ていきます。

以下のサンプルコードは、カンマで区切られた文字列を分割する例です。

<?php
// カンマを区切り文字とする分割例
$delimiter = ",";
$string    = "apple,banana,cherry";
$result    = explode($delimiter, $string);
print_r($result); // 結果を表示
Array
(
    [0] => apple
    [1] => banana
    [2] => cherry
)

複数の区切り文字を扱う方法

preg_split関数との比較

explode関数は単一の区切り文字しか扱えないため、複数の区切り文字で分割する場合にはpreg_split関数の利用が有効です。

正規表現を利用した分割

preg_split関数は、正規表現を利用して文字列を分割するため、複数の異なる区切り文字に対応できます。

たとえば、カンマ、セミコロン、コロンで区切られた文字列を一度に分割する場合、以下のような実装が考えられます。

<?php
// 複数の区切り文字(カンマ、セミコロン、コロン)を正規表現で指定
$pattern = "/[,;:]/";
$string  = "apple,banana;cherry:date";
$result  = preg_split($pattern, $string);
print_r($result); // 分割結果の確認
Array
(
    [0] => apple
    [1] => banana
    [2] => cherry
    [3] => date
)

複数区切り文字のパターン作成

正規表現パターンでは、区切り文字を「|」で繋いで表現する方法もありますが、文字クラスを用いるとよりシンプルに記述できます。

たとえば、上記の例では[,;:]という文字クラスを使用しています。

また、区切り文字が特殊文字の場合はエスケープが必要となります。

たとえばピリオドを扱う場合は\.と記述します。

代替手法の実装例

preg_split以外のアプローチとして、文字列置換を併用する方法や自作関数による分割処理があります。

文字列置換を併用する方法

この方法では、複数の区切り文字を一旦統一された区切り文字に置換してから、explode関数で分割します。

たとえば、カンマとセミコロンを同じ区切り文字に変換する例を以下に示します。

<?php
// 置換により複数の区切り文字を統一する例
$string          = "apple,banana;cherry";
$unifiedString   = str_replace(array(",", ";"), "|", $string); // カンマとセミコロンを統一
$result          = explode("|", $unifiedString);
print_r($result); // 結果を表示
Array
(
    [0] => apple
    [1] => banana
    [2] => cherry
)

自作関数による分割処理

また、自作関数を用いることで、柔軟に複数の区切り文字に対応する分割処理を実装することも可能です。

以下のサンプルコードは、指定した複数の区切り文字に従って文字列を分割する関数の一例です。

<?php
/**

 * 複数の区切り文字で文字列を分割する関数

 *

 * @param string $string  分割対象の文字列
 * @param array  $delims  区切り文字の配列
 * @return array 分割結果の配列

 */
function multiExplode($string, array $delims) {
    // 各区切り文字を統一された区切り文字に置換
    $search  = $delims;
    $replace = array_fill(0, count($delims), '|');
    $unified = str_replace($search, $replace, $string);
    // 統一した区切り文字でexplode関数を利用
    return explode('|', $unified);
}
$string = "apple,banana;cherry:date";
$delims = array(",", ";", ":");
$result = multiExplode($string, $delims);
print_r($result); // 結果を表示
Array
(
    [0] => apple
    [1] => banana
    [2] => cherry
    [3] => date
)

応用実装例

配列操作との連携

分割後の配列データに対して、さらなる処理を連携するケースもあります。

ここでは、配列操作と連携する例を紹介します。

変換後の配列操作例

例えば、分割した配列から重複する要素を取り除くためにarray_unique関数を利用する例です。

<?php
// カンマとセミコロンで区切られた文字列を対象に重複除去
$string = "apple,banana;apple,cherry";
$unifiedString = str_replace(array(",", ";"), "|", $string);
$array   = explode("|", $unifiedString);
// 重複を排除
$uniqueArray = array_unique($array);
print_r($uniqueArray); // 結果の配列を表示
Array
(
    [0] => apple
    [1] => banana
    [3] => cherry
)

データの整形方法

また、分割後の配列に対して、不要な空白のトリムや、必要な形式への変換を行うことも多いです。

以下のサンプルは、各要素の前後の空白を削除する例です。

<?php
// 空白のトリムを含む整形処理
$string = "  apple , banana ; cherry  ";
$unifiedString = str_replace(array(",", ";"), "|", $string);
$array   = explode("|", $unifiedString);
// 各要素の両側の空白をtrim関数で削除
$trimmedArray = array_map('trim', $array);
print_r($trimmedArray); // 整形後の結果を表示
Array
(
    [0] => apple
    [1] => banana
    [2] => cherry
)

実務での活用例

実際の開発現場では、複雑な文字列の分割が求められることがあります。

ここでは、その一例としてサンプルコードを紹介し、注意点を列挙します。

サンプルコードの紹介

以下のサンプルコードは、複数の区切り文字で構成されたデータを読み込んで整形し、配列として出力する例です。

<?php
// 複数の区切り文字を含むデータの整形処理例
$dataString = "John,Doe;30:New York";
// まず、複数の区切り文字を統一する
$unifiedData = str_replace(array(",", ";", ":"), "|", $dataString);
// 統一された区切り文字でexplode関数を利用
$dataArray = explode("|", $unifiedData);
// 個々のデータをtrim関数で整形
$formattedData = array_map('trim', $dataArray);
print_r($formattedData); // 整形後配列を表示
Array
(
    [0] => John
    [1] => Doe
    [2] => 30
    [3] => New York
)

注意点と考慮事項

このような実装においては、以下の点に注意してください。

  • 区切り文字として指定する文字がデータ内に含まれていないか確認する
  • 正規表現を利用する場合、特殊文字のエスケープに気を付ける
  • 入力データに不正な値が含まれる可能性への対策としてエラーチェックを実施する
  • 分割後の配列の空要素や余分なスペースの除去を忘れずに行う

上記の方法を参考に、実務のニーズに合わせた文字列分割の実装を取り入れていただければと考えています。

まとめ

この記事では、PHPのexplode関数やpreg_split関数、文字列置換、自作関数を利用して、単一および複数の区切り文字を扱う方法や配列操作との連携、実務での活用例をサンプルコードと共に詳しく解説しましたでした。

各手法の特徴と注意点を具体例を交えながら整理しており、分割処理の全体像が把握できる内容となっています。

ぜひ、実際にサンプルコードを動かして、ご自身のプロジェクトに応用してみてください。

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