制御構文・演算子

PHPのswitch文とcase構文の使い方を解説

2025-02-19更新日: 2025-02-19

PHPのswitch文は、複数の条件に応じた処理を簡潔に記述できる構文です。

変数の値に応じて実行する処理を直感的に整理でき、if文と比べてコードが見やすくなります。

この記事では、switch文の基本的な書き方や利用方法を具体例を交えて解説します。

目次から探す

基本構文と記述方法
複数ケースの扱い方
- 複数caseで同一処理を行う手法
エラー事例と注意点
- よくある記述ミス
実践コード例
- サンプルコードの提示
- 実行結果の確認方法
まとめ

基本構文と記述方法

Switch文の基本構造

PHPのswitch文は、与えられた値に対して複数の候補値を比較し、一致する処理を実行するための構文です。

シンプルな条件分岐を実装する際に便利です。

switch文は以下のような基本構文で記述します。

<?php
$condition = 'value'; // 条件に該当する値を設定する
switch ($condition) {
    case 'option1': // option1に一致した場合の処理
        echo "オプション1が選択されました。";
        break;
    case 'option2': // option2に一致した場合の処理
        echo "オプション2が選択されました。";
        break;
    default: // どのcaseにも一致しなかった場合の処理
        echo "該当するオプションがありません。";
        break;
}

caseとdefaultの役割

switch文内では、caseキーワードを使って条件となる各値を指定します。

指定された値と一致したとき、そのブロック内の処理が実行されます。

また、defaultキーワードは、どのcaseにも一致しなかった場合に実行される処理を定義するために使います。

たとえば、利用者が用意する入力が想定外の場合に、デフォルトのメッセージを表示する場合に利用します。

break文の動作と注意点

各caseの処理が終わった後、break文を使ってswitch文から抜ける必要があります。

break文がない場合、次のcaseへ自動的に処理が流れ込む「フォールスルー」が発生します。

この挙動により、意図しない処理が行われる可能性があるので注意が必要です。

<?php
$value = 1;
switch ($value) {
    case 1:
        echo "1が選択されました。";
        // breakを忘れると、下のcaseも実行される可能性がある
    case 2:
        echo "2も実行されます。";
        break;
    default:
        echo "defaultの処理です。";
        break;
}

上記の例では、$valueが1の場合、case 1の処理の後にbreak文がないため、case 2の処理も実行されます。

意図せぬ動作を防ぐため、必ず必要な箇所でbreak文を記述するようにしましょう。

値の比較と型の扱い

switch文は比較演算子として緩やかな比較(==)を用います。

そのため、異なる型間でも比較が成立しやすいという特徴があります。

実際の値や型の扱いに関して、注意すべき点がいくつか存在します。

自動型変換の動き

PHPのswitch文は、比較時に自動型変換が行われることにより、意図しないマッチングが発生する場合があります。

例えば、文字列と数値を比較する場合、型が変換される場合があります。

下記の例では、数値と文字列の自動型変換がどのように働くかを示しています。

<?php
$input = "123"; // 文字列としての"123"
switch ($input) {
    case 123: // 数値123との比較 ※自動型変換により一致する
        echo "文字列\"123\"と数値123は一致します。";
        break;
    default:
        echo "一致しません。";
        break;
}

このように、文字列が数値に変換される場合があるため、意図した動作になるかを確認する必要があります。

厳密な比較への対応

厳密な型の比較を行いたい場合、switch文は直接サポートしていません。

そのため、型を明示的に変換してからswitch文の条件に渡すか、if文と厳密比較演算子===を用いる方法があります。

switch文を使いつつ厳密な比較を行う場合は、値の前処理として型キャストや正規化を行い、誤った比較結果が出ないように工夫しましょう。

複数ケースの扱い方

複数caseで同一処理を行う手法

switch文では、複数のcaseを連続して記述し、同じ処理を割り当てることが可能です。

異なる条件であっても、共通の結果を返したい場合に有効です。

ケース連結の記述方法

複数のcaseを連結する際は、各caseの後に同じ処理のブロックを記述し、最後にbreakを記述します。

以下に具体的な例を示します。

<?php
$grade = 'B';
switch ($grade) {
    case 'A':
    case 'B': // 'A'と'B'の両方で同じ処理を実行する
        echo "合格です。";
        break;
    case 'C':
    case 'D':
        echo "再試験が必要です。";
        break;
    default:
        echo "無効な評価です。";
        break;
}

この例では、gradeがAまたはBの場合、同じ処理が実行されるように記述しています。

エラー事例と注意点

よくある記述ミス

switch文を利用する際に頻繁に発生するミスには、break文の記述漏れや評価式の誤設定があります。

これらのミスは、意図しない処理が実行される原因となるため、注意してコードを記述する必要があります。

break不足による影響

break文を書き忘れると、次のcaseに処理が流れてしまい、本来実行すべきでないコードが実行されることがあります。

以下の例は、break文の不足が原因で起こる問題を示しています。

<?php
$number = 2;
switch ($number) {
    case 1:
        echo "1が入力されました。";
        // breakがないため、次のcaseも実行される
    case 2:
        echo "2が入力されました。";
        break;
    default:
        echo "予期しない値です。";
        break;
}

この場合、$numberが2であっても、最初のcase 1の後にcase 2の処理が実行される可能性があるため、各caseの終わりに必ずbreak文を記述することが大切です。

評価式の誤設定による動作の変化

switch文では、評価式に使用する変数や値が意図したものと異なる場合、正しく比較されずに誤った処理が実行されることがあります。

たとえば、変数の型が予想と異なるか、値の前処理が不足している場合です。

正しい結果を得るためには、評価式に渡す値を事前に検証したり、必要であれば型キャストを行う方法が考えられます。

実践コード例

サンプルコードの提示

以下のサンプルコードは、switch文の基本構造から複数ケースの連結、エラー防止対策までを踏まえた例です。

各部分に簡単な説明のコメントを入れているので、参考にしてください。

<?php
// サンプル変数を設定する。コメントや表示メッセージは日本語で記述する
$inputValue = 'B';
// 入力値に応じた処理をswitch文で振り分ける
switch ($inputValue) {
    case 'A':
    case 'B':
        // AまたはBの場合は合格の処理を実行する
        echo "合格です。";
        break;
    case 'C':
    case 'D':
        // CまたはDの場合は再試験の処理を実行する
        echo "再試験が必要です。";
        break;
    default:
        // その他の場合は無効な入力として扱う
        echo "無効な評価です。";
        break;
}