Linux – bashでのif-then-else-fiの使い方をマスターする

if-then-else-fiは、Bashスクリプトで条件分岐を実現する構文です。

if [ 条件 ]; thenで条件を評価し、真の場合に実行する処理を記述します。

elseを使うと条件が偽の場合の処理を指定できます。

最後にfiで終了します。

条件式には[ 条件 ]や[[ 条件 ]]を使用し、数値比較(例：-eq)、文字列比較(例：==)、ファイルチェック(例：-e)などが可能です。

Bashスクリプトにおける条件分岐の基本

Bashスクリプトでは、条件分岐を使用してプログラムの流れを制御することができます。

条件分岐は、特定の条件が真であるかどうかに基づいて異なる処理を実行するための重要な機能です。

最も一般的な構文はif-then-else-fiです。

以下にその基本的な構造を示します。

基本構文

if [ 条件 ]; then
    # 条件が真の場合に実行されるコマンド
else
    # 条件が偽の場合に実行されるコマンド
fi

この構文では、ifの後に条件を指定し、thenの後に条件が真の場合に実行するコマンドを記述します。

elseの後には条件が偽の場合に実行するコマンドを記述し、最後にfiで条件分岐を終了します。

条件の種類

Bashで使用できる条件には、以下のようなものがあります。

これらの条件を組み合わせることで、より複雑な条件分岐を実現することができます。

次のセクションでは、具体的な例を通じて条件分岐の使い方を詳しく見ていきます。

if-then-else-fi構文の基本構造

if-then-else-fi構文は、Bashスクリプトにおける条件分岐の基本的な構造です。

この構文を使用することで、特定の条件に基づいて異なる処理を実行することができます。

以下に、構文の詳細を説明します。

基本的な構文

if [ 条件 ]; then
    # 条件が真の場合に実行されるコマンド
else
    # 条件が偽の場合に実行されるコマンド
fi

各部分の説明

• if: 条件分岐の開始を示します。
• [ 条件 ]: 条件を指定します。

条件は、ファイルの存在確認や文字列の比較など、さまざまな形式で記述できます。

• then: 条件が真である場合に実行されるコマンドの前に置きます。
• else: 条件が偽である場合に実行されるコマンドの前に置きます。

この部分は省略可能です。

• fi: if文の終了を示します。

ifの逆順で書かれていることに注意してください。

以下は、if-then-else-fi構文を使用した簡単な例です。

#!/bin/bash
数値=10
if [ $数値 -gt 5 ]; then
    echo "数値は5より大きいです。"
else
    echo "数値は5以下です。"
fi

このスクリプトでは、変数数値が5より大きいかどうかを確認し、結果に応じて異なるメッセージを表示します。

数値は5より大きいです。

このように、if-then-else-fi構文を使うことで、条件に応じた処理を簡単に実装することができます。

次のセクションでは、条件式の詳細と使い方について説明します。

条件式の詳細と使い方

Bashスクリプトにおける条件式は、特定の条件が真か偽かを判断するための重要な要素です。

条件式を正しく使用することで、スクリプトの動作を柔軟に制御できます。

ここでは、一般的な条件式の種類とその使い方について詳しく説明します。

数値の比較

数値を比較するための演算子は以下の通りです。

#!/bin/bash
数値1=10
数値2=20
if [ $数値1 -lt $数値2 ]; then
    echo "$数値1 は $数値2 より小さいです。"
else
    echo "$数値1 は $数値2 以上です。"
fi

10 は 20 より小さいです。

文字列の比較

文字列を比較するための演算子は以下の通りです。

#!/bin/bash
文字列1="こんにちは"
文字列2="さようなら"
if [ "$文字列1" = "$文字列2" ]; then
    echo "文字列は同じです。"
else
    echo "文字列は異なります。"
fi

文字列は異なります。

ファイルの存在確認

ファイルやディレクトリの存在を確認するための演算子は以下の通りです。

#!/bin/bash
ファイル名="test.txt"
if [ -e "$ファイル名" ]; then
    echo "$ファイル名 は存在します。"
else
    echo "$ファイル名 は存在しません。"
fi

test.txt は存在しません。

複数条件の組み合わせ

複数の条件を組み合わせる場合は、&&(論理AND)や||(論理OR)を使用します。

#!/bin/bash
数値=15
if [ $数値 -gt 10 ] && [ $数値 -lt 20 ]; then
    echo "$数値 は10より大きく、20より小さいです。"
else
    echo "$数値 は条件を満たしません。"
fi

15 は10より大きく、20より小さいです。

このように、条件式を使いこなすことで、Bashスクリプトの柔軟性と機能性を高めることができます。

次のセクションでは、実践的な例を通じて条件分岐の使い方をさらに深めていきます。

実践的な例

ここでは、if-then-else-fi構文を使用した実践的なBashスクリプトの例をいくつか紹介します。

これらの例を通じて、条件分岐の使い方を具体的に理解できるでしょう。

例1: ユーザーの入力に基づくメッセージ表示

このスクリプトでは、ユーザーからの入力に基づいて異なるメッセージを表示します。

#!/bin/bash
echo "好きな色を入力してください:"
read 色
if [ "$色" = "青" ]; then
    echo "あなたは冷静な人ですね。"
elif [ "$色" = "赤" ]; then
    echo "あなたは情熱的な人ですね。"
else
    echo "あなたの色の選択はユニークですね。"
fi

好きな色を入力してください:
青
あなたは冷静な人ですね。

例2: ファイルの存在確認と処理

このスクリプトでは、指定したファイルが存在するかどうかを確認し、存在する場合はその内容を表示します。

#!/bin/bash
ファイル名="sample.txt"
if [ -e "$ファイル名" ]; then
    echo "$ファイル名 の内容:"
    cat "$ファイル名"
else
    echo "$ファイル名 は存在しません。新しいファイルを作成します。"
    touch "$ファイル名"
    echo "新しいファイル $ファイル名 を作成しました。"
fi

sample.txt は存在しません。新しいファイルを作成します。
新しいファイル sample.txt を作成しました。

例3: 数値の範囲チェック

このスクリプトでは、ユーザーから数値を入力させ、その数値が特定の範囲内にあるかどうかを確認します。

#!/bin/bash
echo "数値を入力してください:"
read 数値
if [ $数値 -ge 1 ] && [ $数値 -le 100 ]; then
    echo "$数値 は1から100の範囲内です。"
else
    echo "$数値 は範囲外です。"
fi

数値を入力してください:
50
50 は1から100の範囲内です。

例4: 複数条件の評価

このスクリプトでは、複数の条件を評価し、異なるメッセージを表示します。

#!/bin/bash
echo "年齢を入力してください:"
read 年齢
if [ $年齢 -lt 13 ]; then
    echo "あなたは子供です。"
elif [ $年齢 -lt 20 ]; then
    echo "あなたはティーンエイジャーです。"
else
    echo "あなたは大人です。"
fi

年齢を入力してください:
15
あなたはティーンエイジャーです。

これらの実践的な例を通じて、if-then-else-fi構文の使い方や条件分岐の実装方法を理解できたと思います。

次のセクションでは、エラーを防ぐための注意点について説明します。

エラーを防ぐための注意点

Bashスクリプトでif-then-else-fi構文を使用する際には、いくつかの注意点があります。

これらの注意点を守ることで、エラーを防ぎ、スクリプトの信頼性を高めることができます。

以下に、主な注意点をまとめました。

1. スペースの重要性

条件式の中で、[ と条件の間、条件と ] の間には必ずスペースを入れる必要があります。

スペースがないと、構文エラーが発生します。

正しい例

if [ $数値 -gt 10 ]; then
    echo "数値は10より大きいです。"
fi

誤った例

if [$数値 -gt 10]; then  # スペースがないためエラー
    echo "数値は10より大きいです。"
fi

2. 変数の引用

変数を使用する際は、特に文字列の場合、ダブルクォーテーションで囲むことを推奨します。

これにより、空白や特殊文字が含まれている場合でも正しく処理されます。

正しい例

if [ "$文字列" = "テスト" ]; then
    echo "文字列はテストです。"
fi

誤った例

if [ $文字列 = "テスト" ]; then  # 空白の場合にエラーになる可能性がある
    echo "文字列はテストです。"
fi

3. 条件式の評価順序

複数の条件を組み合わせる場合、&&(AND)や||(OR)を使用する際は、評価の順序に注意が必要です。

必要に応じて、括弧を使って明示的に評価順序を指定しましょう。

if [ $数値 -gt 10 ] && [ $数値 -lt 20 ]; then
    echo "数値は10より大きく、20より小さいです。"
fi

4. エラーハンドリング

スクリプトの実行中にエラーが発生する可能性があるため、エラーハンドリングを行うことが重要です。

set -eを使用すると、エラーが発生した時点でスクリプトの実行を停止できます。

#!/bin/bash
set -e  # エラーが発生したらスクリプトを終了
if [ ! -e "重要なファイル.txt" ]; then
    echo "重要なファイルが見つかりません。"
    exit 1
fi

5. デバッグの活用

スクリプトの動作を確認するために、set -xを使用してデバッグモードを有効にすることができます。

これにより、実行されるコマンドが表示され、問題の特定が容易になります。

#!/bin/bash
set -x  # デバッグモードを有効にする
if [ "$数値" -gt 10 ]; then
    echo "数値は10より大きいです。"
fi

これらの注意点を守ることで、Bashスクリプトのエラーを防ぎ、より安定した動作を実現できます。

次のセクションでは、より高度な条件分岐のテクニックについて説明します。

より高度な条件分岐のテクニック

Bashスクリプトにおける条件分岐は、基本的なif-then-else-fi構文だけでなく、より複雑な条件を扱うためのテクニックも存在します。

ここでは、いくつかの高度な条件分岐のテクニックを紹介します。

1. ネストされた条件分岐

条件分岐の中にさらにif文を入れることで、より複雑な条件を評価することができます。

これをネストされた条件分岐と呼びます。

#!/bin/bash
数値=15
if [ $数値 -gt 10 ]; then
    echo "$数値 は10より大きいです。"
    if [ $数値 -lt 20 ]; then
        echo "$数値 は20より小さいです。"
    else
        echo "$数値 は20以上です。"
    fi
else
    echo "$数値 は10以下です。"
fi

15 は10より大きいです。
15 は20より小さいです。

2. 複数の条件を一度に評価する

case文を使用することで、複数の条件を一度に評価し、異なる処理を実行することができます。

これは、特定の値に基づいて異なる処理を行う場合に便利です。

#!/bin/bash
echo "曜日を入力してください:"
read 曜日
case $曜日 in
    月曜日)
        echo "今週の始まりです。"
        ;;
    水曜日)
        echo "週の真ん中です。"
        ;;
    金曜日)
        echo "週末が近づいています。"
        ;;
    *)
        echo "普通の日です。"
        ;;
esac

曜日を入力してください:
金曜日
週末が近づいています。

3. 複数の条件をグループ化する

if文の中で、複数の条件をグループ化することで、より簡潔に条件を評価できます。

-o(OR)や-a(AND)を使用して条件を組み合わせることができますが、[[を使うことでより柔軟な条件評価が可能です。

#!/bin/bash
数値=25
if [[ $数値 -lt 10 || $数値 -gt 20 ]]; then
    echo "$数値 は10未満または20より大きいです。"
else
    echo "$数値 は10以上20以下です。"
fi

25 は10未満または20より大きいです。

4. 条件式の短絡評価

Bashでは、条件式の短絡評価を利用することができます。

これは、最初の条件が真であれば、次の条件を評価しないという特性です。

これにより、無駄な評価を避けることができます。

#!/bin/bash
数値=5
if [ $数値 -lt 10 ] && [ $数値 -gt 0 ]; then
    echo "$数値 は0より大きく、10より小さいです。"
fi

5 は0より大きく、10より小さいです。

5. 関数を使った条件分岐の整理

条件分岐が複雑になる場合、関数を使って処理を整理することができます。

これにより、スクリプトの可読性が向上し、メンテナンスが容易になります。

#!/bin/bash
check_number() {
    if [ $1 -gt 10 ]; then
        echo "$1 は10より大きいです。"
    else
        echo "$1 は10以下です。"
    fi
}
数値=8
check_number $数値

8 は10以下です。

これらの高度な条件分岐のテクニックを活用することで、Bashスクリプトの柔軟性と機能性をさらに高めることができます。

これにより、より複雑なロジックを簡潔に表現できるようになります。

まとめ

この記事では、Bashスクリプトにおけるif-then-else-fi構文の基本から、条件式の詳細、実践的な例、エラーを防ぐための注意点、さらには高度な条件分岐のテクニックまで幅広く解説しました。

これにより、条件分岐を効果的に活用するための具体的な方法が明らかになりました。

今後は、実際のスクリプト作成において、これらの知識を活かしてより複雑なロジックを組み込んでみてください。