Bash

Linux – bashでdo-whileループを行う方法

bashでは、標準的なdo-whileループは存在しませんが、whileループを使って同様の動作を実現できます。

まず、ループの本体を実行し、その後条件をチェックするためにwhileループを使用します。

これにより、少なくとも1回はループが実行される「擬似的なdo-whileループ」を作成できます。

具体的には、untilループやbreakを使って制御する方法もあります。

bashのループ構文の基本

bashでは、プログラムの流れを制御するためにループ構文を使用します。

ループを使うことで、特定の処理を繰り返し実行することが可能です。

主に使用されるループ構文には以下のものがあります。

ループの種類説明
for指定した回数だけ繰り返すループ
while条件が真である限り繰り返すループ
until条件が偽である限り繰り返すループ

これらのループ構文を使うことで、さまざまな処理を効率的に行うことができます。

特に、whileuntilは条件に基づいて繰り返しを行うため、動的な処理に適しています。

次に、do-whileループの概念について説明します。

bashには直接的なdo-whileループは存在しませんが、他のループ構文を使って擬似的に実現することができます。

do-whileループとは

do-whileループは、少なくとも一度は処理を実行し、その後に条件を評価して繰り返すかどうかを決定するループ構文です。

この特性により、条件が偽であっても、最初の処理は必ず実行されます。

一般的な構文は以下のようになります。

do
    # 実行する処理
done while [ 条件 ]

特徴

  • 必ず1回実行: 条件が偽であっても、最初の処理は必ず実行されます。
  • 条件評価のタイミング: 処理の後に条件が評価されるため、ループの実行が保証されます。

例えば、ユーザーからの入力を受け取り、その入力が特定の条件を満たすまで繰り返す処理を考えてみましょう。

do-whileループを使うことで、ユーザーに少なくとも一度は入力を促すことができます。

bashには直接的なdo-whileループは存在しませんが、whileループを使って同様の動作を実現することができます。

次のセクションでは、bashでのdo-whileループの実現方法について詳しく説明します。

bashでdo-whileループを実現する方法

bashには直接的なdo-whileループの構文は存在しませんが、whileループを使用して擬似的にdo-whileループを実現することができます。

以下にその方法を示します。

擬似do-whileループの構文

while true; do
    # 実行する処理
    # 条件を満たす場合はbreakでループを終了
    if [ 条件 ]; then
        break
    fi
done

以下は、ユーザーからの入力を受け取り、特定の条件(例えば、”exit”と入力されるまで)を満たすまで繰り返す例です。

while true; do
    echo "何か入力してください('exit'で終了):"
    read userInput
    echo "あなたの入力: $userInput"
    
    if [ "$userInput" = "exit" ]; then
        echo "ループを終了します。"
        break
    fi
done

このスクリプトでは、ユーザーに入力を促し、”exit”と入力されるまでループが続きます。

最初の処理が必ず実行されるため、ユーザーは少なくとも一度は入力を行うことになります。

何か入力してください('exit'で終了): hello
あなたの入力: hello
何か入力してください('exit'で終了): exit
あなたの入力: exit
ループを終了します。

このように、whileループを使うことで、do-whileループの動作を模倣することができます。

次のセクションでは、whileループを使った他の擬似do-whileループの例について説明します。

whileループを使った擬似do-whileループの例

whileループを使用して擬似的にdo-whileループを実現する方法は、特定の条件が満たされるまで処理を繰り返す際に非常に便利です。

以下に具体的な例を示します。

例1: 数の合計を計算する

この例では、ユーザーから数値を入力させ、その合計を計算します。

ユーザーが”0″を入力するまで、入力を受け付け続けます。

sum=0
while true; do
    echo "数値を入力してください('0'で終了):"
    read number
    
    if [ "$number" -eq 0 ]; then
        break
    fi
    
    sum=$((sum + number))
done
echo "合計: $sum"
数値を入力してください('0'で終了): 5
数値を入力してください('0'で終了): 10
数値を入力してください('0'で終了): 0
合計: 15

このスクリプトでは、ユーザーが数値を入力するたびにその値が合計に加算され、”0″が入力されるとループが終了します。

例2: 繰り返しメッセージを表示する

次の例では、ユーザーにメッセージを表示し、”yes”と入力されるまで繰り返します。

while true; do
    echo "続けますか?('yes'で続行、'no'で終了):"
    read response
    
    if [ "$response" = "yes" ]; then
        echo "続行します。"
    elif [ "$response" = "no" ]; then
        echo "終了します。"
        break
    else
        echo "無効な入力です。再度入力してください。"
    fi
done
続けますか?('yes'で続行、'no'で終了): yes
続行します。
続けますか?('yes'で続行、'no'で終了): no
終了します。

このスクリプトでは、ユーザーが”yes”と入力する限り、メッセージが表示され続けます。

ユーザーが”no”と入力すると、ループが終了します。

このように、whileループを使って擬似的にdo-whileループの動作を実現することができます。

次のセクションでは、untilループを使った擬似do-whileループの例について説明します。

untilループを使った擬似do-whileループの例

untilループは、条件が偽である限り処理を繰り返す構文です。

これを利用して、擬似的にdo-whileループの動作を実現することができます。

以下に具体的な例を示します。

例1: ユーザーの入力を確認する

この例では、ユーザーに”exit”と入力されるまでメッセージを表示し続けます。

untilループを使うことで、条件が満たされるまで処理を繰り返します。

userInput=""
until [ "$userInput" = "exit" ]; do
    echo "何か入力してください('exit'で終了):"
    read userInput
    echo "あなたの入力: $userInput"
done
echo "ループを終了します。"
何か入力してください('exit'で終了): hello
あなたの入力: hello
何か入力してください('exit'で終了): exit
あなたの入力: exit
ループを終了します。

このスクリプトでは、ユーザーが”exit”と入力するまで、入力を促し続けます。

untilループを使用することで、条件が満たされるまで処理が繰り返されます。

例2: カウントダウンを行う

次の例では、カウントダウンを行い、0になるまで繰り返します。

カウントダウンが終了すると、メッセージを表示します。

count=5
until [ $count -le 0 ]; do
    echo "カウントダウン: $count"
    count=$((count - 1))
done
echo "カウントダウンが終了しました。"
カウントダウン: 5
カウントダウン: 4
カウントダウン: 3
カウントダウン: 2
カウントダウン: 1
カウントダウンが終了しました。

このスクリプトでは、5から0までカウントダウンし、0になった時点でループが終了します。

untilループを使用することで、条件が偽である限り処理を繰り返すことができます。

このように、untilループを使って擬似的にdo-whileループの動作を実現することができます。

次のセクションでは、breakを使った擬似do-whileループの例について説明します。

breakを使った擬似do-whileループの例

breakコマンドは、ループを強制的に終了させるために使用されます。

これを利用して、whileループやuntilループの中で特定の条件が満たされたときにループを終了する擬似的なdo-whileループを実現することができます。

以下に具体的な例を示します。

例1: ユーザーの確認を行う

この例では、ユーザーに対して「続けますか?」と尋ね、”no”と入力されるまで処理を繰り返します。

breakを使ってループを終了します。

while true; do
    echo "続けますか?('yes'で続行、'no'で終了):"
    read response
    
    if [ "$response" = "no" ]; then
        echo "ループを終了します。"
        break
    elif [ "$response" = "yes" ]; then
        echo "続行します。"
    else
        echo "無効な入力です。再度入力してください。"
    fi
done
続けますか?('yes'で続行、'no'で終了): yes
続行します。
続けますか?('yes'で続行、'no'で終了): no
ループを終了します。

このスクリプトでは、ユーザーが”no”と入力するまで、ループが続きます。

breakを使うことで、特定の条件が満たされたときにループを終了することができます。

例2: 数値の入力を受け付ける

次の例では、ユーザーから数値を入力させ、負の数が入力された場合にループを終了します。

while true; do
    echo "数値を入力してください(負の数で終了):"
    read number
    
    if [ "$number" -lt 0 ]; then
        echo "負の数が入力されたため、ループを終了します。"
        break
    fi
    
    echo "あなたの入力: $number"
done
数値を入力してください(負の数で終了): 10
あなたの入力: 10
数値を入力してください(負の数で終了): 5
あなたの入力: 5
数値を入力してください(負の数で終了): -1
負の数が入力されたため、ループを終了します。

このスクリプトでは、ユーザーが負の数を入力するまで、数値を受け付け続けます。

breakを使用することで、条件に基づいてループを終了することができます。

このように、breakを使って擬似的にdo-whileループの動作を実現することができます。

次のセクションでは、関数を使ったdo-whileループの実装例について説明します。

関数を使ったdo-whileループの実装例

bashでは、関数を使用してdo-whileループの動作を模倣することも可能です。

関数を定義し、その中でループを実行することで、より整理されたコードを書くことができます。

以下に具体的な実装例を示します。

例: ユーザーからの入力を受け取る関数

この例では、ユーザーからの入力を受け取り、”exit”と入力されるまで繰り返す関数を定義します。

関数を使うことで、コードの再利用性が向上します。

function getUserInput() {
    local userInput=""
    
    while true; do
        echo "何か入力してください('exit'で終了):"
        read userInput
        echo "あなたの入力: $userInput"
        
        if [ "$userInput" = "exit" ]; then
            echo "ループを終了します。"
            break
        fi
    done
}
# 関数を呼び出す
getUserInput
何か入力してください('exit'で終了): hello
あなたの入力: hello
何か入力してください('exit'で終了): exit
あなたの入力: exit
ループを終了します。

このスクリプトでは、getUserInputという関数を定義し、その中でwhileループを使用してユーザーからの入力を受け付けます。

ユーザーが”exit”と入力するまで、関数は繰り返し実行されます。

例: カウントダウンを行う関数

次の例では、カウントダウンを行う関数を定義し、指定した回数から0までカウントダウンします。

function countdown() {
    local count=$1  # 引数としてカウントダウンの開始値を受け取る
    while true; do
        echo "カウントダウン: $count"
        
        if [ $count -le 0 ]; then
            echo "カウントダウンが終了しました。"
            break
        fi
        
        count=$((count - 1))
        sleep 1  # 1秒待機
    done
}
# 関数を呼び出す(5からカウントダウン)
countdown 5
カウントダウン: 5
カウントダウン: 4
カウントダウン: 3
カウントダウン: 2
カウントダウン: 1
カウントダウン: 0
カウントダウンが終了しました。

このスクリプトでは、countdownという関数を定義し、引数としてカウントダウンの開始値を受け取ります。

カウントダウンが0になるまで、ループが続きます。

このように、関数を使ってdo-whileループの動作を実装することで、コードの可読性や再利用性を向上させることができます。

次のセクションでは、よくある質問について説明します。

まとめ

この記事では、bashにおけるdo-whileループの概念と、その擬似的な実現方法について詳しく解説しました。

特に、whileループやuntilループを使用して、条件に基づいて処理を繰り返す方法や、breakを使ったループの終了方法について具体的な例を通じて説明しました。

これらの知識を活用して、より効率的なスクリプトを作成することができるでしょう。

ぜひ、実際に自分のプロジェクトでこれらのテクニックを試してみてください。

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