Java – 複数ファイルまとめて1つのzipに圧縮する方法

Javaで複数のファイルを1つのZIPファイルに圧縮するには、標準ライブラリのjava.util.zipパッケージを使用します。

具体的には、ZipOutputStreamクラスを利用してZIPファイルを作成し、FileInputStreamで各ファイルを読み込みながらZipEntryを追加します。

各ファイルをループ処理で順次圧縮し、最後にストリームを閉じることでZIPファイルが完成します。

目次から探す

必要な準備
複数ファイルをZIPに圧縮する手順
応用: ディレクトリごと圧縮する方法
注意点とベストプラクティス
まとめ

必要な準備

Javaで複数ファイルをZIPに圧縮するためには、以下の準備が必要です。

項目	説明
JDKのインストール	Java Development Kit (JDK)をインストールします。
IDEの準備	EclipseやIntelliJ IDEAなどのIDEを用意します。
外部ライブラリの導入	`java.util.zip`パッケージを使用します。特別なライブラリは不要です。

これらの準備が整ったら、実際にJavaコードを記述していきます。

複数ファイルをZIPに圧縮する手順

Javaを使用して複数のファイルをZIP形式に圧縮するには、java.util.zipパッケージを利用します。

以下に、具体的なサンプルコードを示します。

import java.io.FileInputStream; // ファイル入力ストリーム
import java.io.FileOutputStream; // ファイル出力ストリーム
import java.io.IOException; // 入出力例外
import java.util.zip.ZipEntry; // ZIPエントリ
import java.util.zip.ZipOutputStream; // ZIP出力ストリーム
public class App {
    public static void main(String[] args) {
        // 圧縮するファイルのパスを指定
        String[] filesToZip = {"file1.txt", "file2.txt", "file3.txt"};
        String zipFileName = "compressed.zip"; // 出力するZIPファイル名
        try {
            // ZIP出力ストリームを作成
            FileOutputStream fos = new FileOutputStream(zipFileName);
            ZipOutputStream zos = new ZipOutputStream(fos);
            // 各ファイルをZIPに追加
            for (String file : filesToZip) {
                // ZIPエントリを作成
                ZipEntry zipEntry = new ZipEntry(file);
                zos.putNextEntry(zipEntry);
                // ファイルを読み込み、ZIPに書き込む
                FileInputStream fis = new FileInputStream(file);
                byte[] buffer = new byte[1024]; // バッファを用意
                int length;
                while ((length = fis.read(buffer)) >= 0) {
                    zos.write(buffer, 0, length); // バッファからZIPに書き込む
                }
                fis.close(); // ファイル入力ストリームを閉じる
                zos.closeEntry(); // ZIPエントリを閉じる
            }
            zos.close(); // ZIP出力ストリームを閉じる
            System.out.println("ファイルが正常に圧縮されました: " + zipFileName);
        } catch (IOException e) {
            e.printStackTrace(); // 例外を出力
        }
    }
}

このコードでは、file1.txt、file2.txt、file3.txtという3つのファイルをcompressed.zipというZIPファイルに圧縮しています。

ファイルが正常に圧縮されました: compressed.zip

この手順を実行することで、指定したファイルがZIP形式で圧縮されます。

必要に応じて、圧縮するファイルのリストを変更してください。

応用: ディレクトリごと圧縮する方法

ディレクトリ内のすべてのファイルをZIP形式に圧縮するには、再帰的にファイルを探索し、各ファイルをZIPに追加する必要があります。

以下に、ディレクトリを圧縮するためのサンプルコードを示します。

import java.io.File; // ファイルクラス
import java.io.FileInputStream; // ファイル入力ストリーム
import java.io.FileOutputStream; // ファイル出力ストリーム
import java.io.IOException; // 入出力例外
import java.util.zip.ZipEntry; // ZIPエントリ
import java.util.zip.ZipOutputStream; // ZIP出力ストリーム
public class App {
    public static void main(String[] args) {
        // 圧縮するディレクトリのパスを指定
        String directoryToZip = "myDirectory"; // 圧縮するディレクトリ名
        String zipFileName = "directoryCompressed.zip"; // 出力するZIPファイル名
        try {
            // ZIP出力ストリームを作成
            FileOutputStream fos = new FileOutputStream(zipFileName);
            ZipOutputStream zos = new ZipOutputStream(fos);
            // ディレクトリをZIPに追加
            zipDirectory(directoryToZip, directoryToZip, zos);
            zos.close(); // ZIP出力ストリームを閉じる
            System.out.println("ディレクトリが正常に圧縮されました: " + zipFileName);
        } catch (IOException e) {
            e.printStackTrace(); // 例外を出力
        }
    }
    // ディレクトリをZIPに追加するメソッド
    private static void zipDirectory(String sourceDir, String baseDir, ZipOutputStream zos) throws IOException {
        File dir = new File(sourceDir);
        File[] files = dir.listFiles(); // ディレクトリ内のファイルを取得
        if (files != null) {
            for (File file : files) {
                if (file.isDirectory()) {
                    // サブディレクトリの場合、再帰的に呼び出す
                    zipDirectory(file.getAbsolutePath(), baseDir, zos);
                } else {
                    // ZIPエントリを作成
                    ZipEntry zipEntry = new ZipEntry(file.getAbsolutePath().substring(baseDir.length() + 1));
                    zos.putNextEntry(zipEntry);
                    // ファイルを読み込み、ZIPに書き込む
                    FileInputStream fis = new FileInputStream(file);
                    byte[] buffer = new byte[1024]; // バッファを用意
                    int length;
                    while ((length = fis.read(buffer)) >= 0) {
                        zos.write(buffer, 0, length); // バッファからZIPに書き込む
                    }
                    fis.close(); // ファイル入力ストリームを閉じる
                    zos.closeEntry(); // ZIPエントリを閉じる
                }
            }
        }
    }
}

このコードでは、myDirectoryというディレクトリ内のすべてのファイルとサブディレクトリをdirectoryCompressed.zipというZIPファイルに圧縮します。

ディレクトリが正常に圧縮されました: directoryCompressed.zip

この方法を使用することで、ディレクトリ全体を簡単にZIP形式で圧縮することができます。

圧縮したいディレクトリのパスを変更することで、他のディレクトリも圧縮可能です。

注意点とベストプラクティス

JavaでファイルやディレクトリをZIP形式に圧縮する際には、いくつかの注意点とベストプラクティスがあります。

以下にまとめました。

注意点・ベストプラクティス	説明
例外処理を適切に行う	入出力操作では例外が発生する可能性があるため、`try-catch`ブロックを使用して適切に処理することが重要です。
ストリームのクローズ	使用したストリーム`FileInputStream`や`ZipOutputStream`は、必ず`close()`メソッドを呼び出して閉じるようにしましょう。これにより、リソースのリークを防ぎます。
バッファサイズの調整	バッファサイズは1024バイトに設定していますが、ファイルサイズやシステムによって最適なサイズは異なる場合があります。必要に応じて調整してください。
大きなファイルの圧縮	大きなファイルを圧縮する場合、メモリ使用量に注意が必要です。ストリームを使用して逐次的に読み書きすることで、メモリの使用を抑えることができます。
圧縮率の選択	ZIP形式では圧縮率を選択することができます。デフォルトの圧縮率で十分な場合もありますが、必要に応じて圧縮率を調整することを検討してください。
ファイル名の管理	ZIPファイル内のファイル名は、元のパスを基にして作成されます。必要に応じて、ファイル名を変更するロジックを追加することを検討してください。