List

Java – オブジェクト型を持つListをソートする方法

Javaでオブジェクト型を持つListをソートするには、java.util.CollectionsクラスのsortメソッドやListインターフェースのsortメソッドを使用します。

オブジェクトの比較にはComparableインターフェースを実装するか、Comparatorを利用します。

ComparableではcompareToメソッドをオーバーライドし、Comparatorではラムダ式や匿名クラスで比較ロジックを定義します。

目次から探す

Comparableインターフェースを使用したソート
- Comparableインターフェースの実装
Comparatorインターフェースを使用したソート
- Comparatorインターフェースの実装
Collections.sortメソッドを使ったソート
- Collections.sort()メソッドの基本的な使い方
List.sortメソッドを使ったソート
- List.sort()メソッドの基本的な使い方
実践例：複数のフィールドを持つオブジェクトのソート
- 複数のフィールドでのソートの実装
ソート時の注意点
まとめ

Comparableインターフェースを使用したソート

Javaでは、オブジェクトを自然順序でソートするために、Comparableインターフェースを実装することができます。

このインターフェースを実装することで、オブジェクトの比較方法を定義し、Collections.sort()メソッドやList.sort()メソッドを使用して簡単にソートが可能になります。

Comparableインターフェースの実装

Comparableインターフェースには、compareToメソッドが含まれています。

このメソッドをオーバーライドすることで、オブジェクトの比較基準を設定します。

以下は、Personクラスを例にした実装です。

import java.util.ArrayList;
import java.util.Collections;
import java.util.List;
class Person implements Comparable<Person> {
    String name;
    int age;
    Person(String name, int age) {
        this.name = name;
        this.age = age;
    }
    // compareToメソッドをオーバーライド
    @Override
    public int compareTo(Person other) {
        return this.age - other.age; // 年齢で比較
    }
    @Override
    public String toString() {
        return name + " (" + age + "歳)";
    }
}
public class App {
    public static void main(String[] args) {
        List<Person> people = new ArrayList<>();
        people.add(new Person("山田", 25));
        people.add(new Person("佐藤", 30));
        people.add(new Person("鈴木", 20));
        // ソート
        Collections.sort(people);
        // 結果を表示
        for (Person person : people) {
            System.out.println(person);
        }
    }
}

鈴木 (20歳)
山田 (25歳)
佐藤 (30歳)

上記のコードでは、PersonクラスがComparableインターフェースを実装しています。

compareToメソッドでは、年齢を基準にして他のPersonオブジェクトと比較しています。

Collections.sort()メソッドを使用することで、List内のPersonオブジェクトが年齢順にソートされ、結果が表示されます。

Comparatorインターフェースを使用したソート

Comparatorインターフェースは、オブジェクトの比較方法を外部から定義するためのインターフェースです。

これを使用することで、複数の異なるソート基準を持つことができ、特定の条件に基づいてオブジェクトをソートすることが可能になります。

Comparatorを使ったソートは、特に異なるフィールドでのソートが必要な場合に便利です。

Comparatorインターフェースの実装

Comparatorインターフェースを実装するには、compareメソッドをオーバーライドします。

以下は、Personクラスを例に、名前と年齢でソートする方法を示します。

import java.util.ArrayList;
import java.util.Collections;
import java.util.Comparator;
import java.util.List;
class Person {
    String name;
    int age;
    Person(String name, int age) {
        this.name = name;
        this.age = age;
    }
    @Override
    public String toString() {
        return name + " (" + age + "歳)";
    }
}
public class App {
    public static void main(String[] args) {
        List<Person> people = new ArrayList<>();
        people.add(new Person("山田", 25));
        people.add(new Person("佐藤", 30));
        people.add(new Person("鈴木", 20));
        people.add(new Person("田中", 25));
        // 年齢でソート
        Collections.sort(people, new Comparator<Person>() {
            @Override
            public int compare(Person p1, Person p2) {
                return p1.age - p2.age; // 年齢で比較
            }
        });
        // 結果を表示
        System.out.println("年齢でソート:");
        for (Person person : people) {
            System.out.println(person);
        }
        // 名前でソート
        Collections.sort(people, new Comparator<Person>() {
            @Override
            public int compare(Person p1, Person p2) {
                return p1.name.compareTo(p2.name); // 名前で比較
            }
        });
        // 結果を表示
        System.out.println("\n名前でソート:");
        for (Person person : people) {
            System.out.println(person);
        }
    }
}

年齢でソート:
鈴木 (20歳)
山田 (25歳)
田中 (25歳)
佐藤 (30歳)
名前でソート:
佐藤 (30歳)
鈴木 (20歳)
田中 (25歳)
山田 (25歳)

このコードでは、Personクラスのリストを年齢と名前の2つの基準でソートしています。

最初に年齢でソートし、その後に名前でソートしています。

Comparatorを使用することで、異なる基準でのソートが簡単に実現でき、柔軟性が向上します。

Collections.sortメソッドを使ったソート

Collections.sort()メソッドは、Javaのコレクションフレームワークにおいて、リストをソートするための便利なメソッドです。

このメソッドは、Comparableインターフェースを実装したオブジェクトのリストを自然順序でソートすることができます。

また、Comparatorを指定することで、カスタムのソート順序を定義することも可能です。

Collections.sort()メソッドの基本的な使い方

以下の例では、PersonクラスのリストをCollections.sort()メソッドを使用して年齢順にソートします。

import java.util.ArrayList;
import java.util.Collections;
import java.util.List;
class Person implements Comparable<Person> {
    String name;
    int age;
    Person(String name, int age) {
        this.name = name;
        this.age = age;
    }
    // compareToメソッドをオーバーライド
    @Override
    public int compareTo(Person other) {
        return this.age - other.age; // 年齢で比較
    }
    @Override
    public String toString() {
        return name + " (" + age + "歳)";
    }
}
public class App {
    public static void main(String[] args) {
        List<Person> people = new ArrayList<>();
        people.add(new Person("山田", 25));
        people.add(new Person("佐藤", 30));
        people.add(new Person("鈴木", 20));
        people.add(new Person("田中", 25));
        // ソート
        Collections.sort(people); // 自然順序でソート
        // 結果を表示
        System.out.println("年齢でソート:");
        for (Person person : people) {
            System.out.println(person);
        }
    }
}

年齢でソート:
鈴木 (20歳)
山田 (25歳)
田中 (25歳)
佐藤 (30歳)

このコードでは、PersonクラスがComparableインターフェースを実装しており、compareToメソッドで年齢を基準に比較しています。

Collections.sort()メソッドを呼び出すことで、List内のPersonオブジェクトが年齢順にソートされ、結果が表示されます。

Comparableを実装することで、自然順序でのソートが簡単に行えることがわかります。

List.sortメソッドを使ったソート

List.sort()メソッドは、JavaのListインターフェースに直接定義されているソートメソッドで、Comparatorを使用してリストをソートすることができます。

このメソッドは、Collections.sort()メソッドと同様の機能を持ちますが、リスト自身のメソッドとして呼び出すことができるため、より直感的に使用できます。

List.sort()メソッドの基本的な使い方

以下の例では、PersonクラスのリストをList.sort()メソッドを使用して年齢順にソートします。

import java.util.ArrayList;
import java.util.Comparator;
import java.util.List;
class Person {
    String name;
    int age;
    Person(String name, int age) {
        this.name = name;
        this.age = age;
    }
    @Override
    public String toString() {
        return name + " (" + age + "歳)";
    }
}
public class App {
    public static void main(String[] args) {
        List<Person> people = new ArrayList<>();
        people.add(new Person("山田", 25));
        people.add(new Person("佐藤", 30));
        people.add(new Person("鈴木", 20));
        people.add(new Person("田中", 25));
        // 年齢でソート
        people.sort(new Comparator<Person>() {
            @Override
            public int compare(Person p1, Person p2) {
                return p1.age - p2.age; // 年齢で比較
            }
        });
        // 結果を表示
        System.out.println("年齢でソート:");
        for (Person person : people) {
            System.out.println(person);
        }
    }
}

年齢でソート:
鈴木 (20歳)
山田 (25歳)
田中 (25歳)
佐藤 (30歳)

このコードでは、PersonクラスのリストをList.sort()メソッドを使用して年齢順にソートしています。

Comparatorを匿名クラスとして定義し、compareメソッドで年齢を基準に比較しています。

List.sort()メソッドを使用することで、リストのソートが簡潔に行え、可読性が向上します。

List.sort()は、Java 8以降で利用可能なメソッドであり、ラムダ式を使用することでさらに簡潔に記述することも可能です。

実践例：複数のフィールドを持つオブジェクトのソート

複数のフィールドを持つオブジェクトをソートする場合、Comparatorを使用して複数の基準で比較することができます。

例えば、Personクラスに名前と年齢の2つのフィールドがある場合、まず年齢でソートし、年齢が同じ場合には名前でソートするという方法が考えられます。

複数のフィールドでのソートの実装

以下の例では、Personクラスを使用して、年齢と名前の両方でソートを行います。

import java.util.ArrayList;
import java.util.Comparator;
import java.util.List;
class Person {
    String name;
    int age;
    Person(String name, int age) {
        this.name = name;
        this.age = age;
    }
    @Override
    public String toString() {
        return name + " (" + age + "歳)";
    }
}
public class App {
    public static void main(String[] args) {
        List<Person> people = new ArrayList<>();
        people.add(new Person("山田", 25));
        people.add(new Person("佐藤", 30));
        people.add(new Person("鈴木", 20));
        people.add(new Person("田中", 25));
        people.add(new Person("佐藤", 20)); // 同じ名前の異なる年齢
        // 年齢でソートし、年齢が同じ場合は名前でソート
        people.sort(Comparator.comparingInt((Person p) -> p.age)
                               .thenComparing(p -> p.name)); // 複数の基準で比較
        // 結果を表示
        System.out.println("年齢と名前でソート:");
        for (Person person : people) {
            System.out.println(person);
        }
    }
}

鈴木 (20歳)
佐藤 (20歳)
山田 (25歳)
田中 (25歳)
佐藤 (30歳)

このコードでは、Personクラスのリストを年齢でソートし、年齢が同じ場合には名前でソートしています。

Comparator.comparingInt()メソッドを使用して年齢での比較を行い、thenComparing()メソッドを使用して名前での比較を追加しています。

このようにすることで、複数のフィールドに基づいてオブジェクトを柔軟にソートすることができます。

ラムダ式を使用することで、コードが簡潔で読みやすくなっています。

ソート時の注意点

Javaでオブジェクトをソートする際には、いくつかの注意点があります。

これらを理解しておくことで、意図した通りにソートを行うことができ、バグを防ぐことができます。

以下に、ソート時の主な注意点をまとめます。

ComparableとComparatorの使い分け

使用目的	インターフェース	説明
自然順序でのソート	Comparable	オブジェクト自身が比較方法を定義する。
カスタム順序でのソート	Comparator	外部から比較方法を定義する。複数の基準でのソートが可能。