[Java] 2次元配列の宣言方法から使い方を解説【入門者向け】

Javaで2次元配列を宣言するには、データ型[][] 配列名 = new データ型[行数][列数];の形式を使用します。

例えば、int[][] array = new int[3][4];は3行4列の整数型2次元配列を作成します。

要素にアクセスするには、配列名[行番号][列番号]を使います。

例えば、array[0][1]は1行目の2列目の要素にアクセスします。

初期化時に値を指定する場合は、int[][] array = {{1, 2}, {3, 4}};のように記述します。

この記事でわかること
  • 2次元配列の基本的な使い方
  • 配列の宣言と初期化方法
  • 要素へのアクセスと変更方法
  • 2次元配列の活用例
  • 注意点とエラー処理の重要性

目次から探す

2次元配列とは?基本を理解しよう

1次元配列との違い

1次元配列は、データを1列に並べたものですが、2次元配列は行と列の2つの次元を持つデータ構造です。

1次元配列が単一のリストであるのに対し、2次元配列は表形式でデータを格納します。

例えば、1次元配列は次のように表現されます。

  • 1次元配列: [1, 2, 3, 4]
  • 2次元配列: [[1, 2], [3, 4]]

行と列の概念

2次元配列は、行と列の組み合わせで構成されます。

行は横のデータの集まり、列は縦のデータの集まりです。

例えば、次のような2次元配列を考えます。

1  2  3
4  5  6
7  8  9

この場合、3行3列の配列であり、各要素は行と列のインデックスでアクセスできます。

メモリ上の配置

2次元配列は、メモリ上では連続した領域に格納されます。

Javaでは、2次元配列は配列の配列として実装されており、各行は独立した1次元配列として扱われます。

これにより、異なる行のサイズを持つことも可能です。

2次元配列の用途

2次元配列は、さまざまな場面で利用されます。

以下はその一部です。

スクロールできます
用途説明
行列の計算数学的な行列演算に使用される。
表形式データの管理データベースやスプレッドシートのようなデータを管理。
画像データの処理ピクセル情報を格納するために使用される。
ゲームのマップデータ管理ゲームのフィールドやマップを表現するために使用。

これらの用途により、2次元配列はプログラミングにおいて非常に重要なデータ構造となっています。

2次元配列の宣言方法

配列の宣言と初期化

Javaにおける2次元配列の宣言は、次のように行います。

まず、配列の型を指定し、次に配列名を記述します。

初期化は、newキーワードを使って行います。

// 2次元配列の宣言と初期化
int[][] array = new int[3][4]; // 3行4列の整数型2次元配列

このコードでは、3行4列の整数型の2次元配列を宣言し、初期化しています。

行数・列数を指定した宣言

行数と列数を指定して2次元配列を宣言することができます。

以下の例では、2行3列の配列を宣言しています。

// 行数・列数を指定した2次元配列の宣言
int[][] array = new int[2][3]; // 2行3列の整数型2次元配列

この場合、arrayは2行3列の配列としてメモリに確保されます。

値を直接指定して初期化する方法

2次元配列は、宣言と同時に値を直接指定して初期化することも可能です。

以下のように記述します。

// 値を直接指定して初期化
int[][] array = {
    {1, 2, 3},
    {4, 5, 6}
}; // 2行3列の整数型2次元配列

このコードでは、2行3列の配列に初期値を設定しています。

配列のサイズを後から変更できるか?

Javaの配列は固定サイズであり、一度宣言した後にサイズを変更することはできません。

つまり、配列の行数や列数を後から変更することはできません。

ただし、新しいサイズの配列を作成し、既存の配列の要素をコピーすることは可能です。

// 新しいサイズの配列を作成する例
int[][] oldArray = {
    {1, 2},
    {3, 4}
};
// 新しいサイズの配列を作成
int[][] newArray = new int[3][2]; // 3行2列の新しい配列
// 既存の配列の要素をコピー
for (int i = 0; i < oldArray.length; i++) {
    for (int j = 0; j < oldArray[i].length; j++) {
        newArray[i][j] = oldArray[i][j];
    }
}

このように、新しい配列を作成して要素をコピーすることで、実質的にサイズを変更することができます。

2次元配列の基本操作

要素へのアクセス方法

2次元配列の要素には、行と列のインデックスを使ってアクセスします。

インデックスは0から始まるため、最初の行と列はそれぞれ0になります。

以下の例では、特定の要素にアクセスする方法を示します。

// 2次元配列の宣言と初期化
int[][] array = {
    {1, 2, 3},
    {4, 5, 6}
};
// 要素へのアクセス
int element = array[1][2]; // 2行目3列目の要素にアクセス
System.out.println(element); //  6

このコードでは、array[1][2]を使って2行目3列目の要素にアクセスしています。

要素の変更方法

2次元配列の要素は、インデックスを指定して変更することができます。

以下の例では、特定の要素を新しい値に変更しています。

// 要素の変更
array[0][1] = 10; // 1行目2列目の要素を10に変更
System.out.println(array[0][1]); //  10

このコードでは、1行目2列目の要素を10に変更しています。

配列の長さを取得する方法

2次元配列の長さは、lengthプロパティを使って取得できます。

lengthは行数を返しますが、各行の列数は別途取得する必要があります。

// 配列の長さを取得
int rowCount = array.length; // 行数を取得
int columnCount = array[0].length; // 1行目の列数を取得
System.out.println("行数: " + rowCount); //  行数: 2
System.out.println("列数: " + columnCount); //  列数: 3

このコードでは、行数と1行目の列数を取得しています。

ループを使った全要素の操作

2次元配列の全要素を操作するには、ネストしたループを使用します。

以下の例では、全要素を出力しています。

// ループを使った全要素の操作
for (int i = 0; i < array.length; i++) { // 行をループ
    for (int j = 0; j < array[i].length; j++) { // 列をループ
        System.out.print(array[i][j] + " "); // 要素を出力
    }
    System.out.println(); // 行の終わりで改行
}

このコードでは、全要素を行ごとに出力しています。

配列のコピー方法

2次元配列をコピーするには、手動で要素をコピーする方法が一般的です。

以下の例では、既存の配列を新しい配列にコピーしています。

// 配列のコピー方法
int[][] copiedArray = new int[array.length][];
for (int i = 0; i < array.length; i++) {
    copiedArray[i] = new int[array[i].length]; // 各行の配列を初期化
    for (int j = 0; j < array[i].length; j++) {
        copiedArray[i][j] = array[i][j]; // 要素をコピー
    }
}

このコードでは、copiedArrayarrayの要素をコピーしています。

これにより、元の配列とは独立した新しい配列が作成されます。

2次元配列の活用例

行列の計算

2次元配列は、数学的な行列の計算に非常に便利です。

行列の加算や乗算を行う際に、2次元配列を使用してデータを格納し、計算を行います。

以下は、2つの行列を加算する例です。

// 行列の加算
int[][] matrixA = {
    {1, 2},
    {3, 4}
};
int[][] matrixB = {
    {5, 6},
    {7, 8}
};
int[][] result = new int[2][2]; // 結果を格納する行列
for (int i = 0; i < matrixA.length; i++) {
    for (int j = 0; j < matrixA[i].length; j++) {
        result[i][j] = matrixA[i][j] + matrixB[i][j]; // 要素ごとに加算
    }
}
// 結果の出力
for (int i = 0; i < result.length; i++) {
    for (int j = 0; j < result[i].length; j++) {
        System.out.print(result[i][j] + " ");
    }
    System.out.println();
}

このコードでは、行列Aと行列Bを加算し、結果を出力しています。

表形式データの管理

2次元配列は、表形式のデータを管理するのに適しています。

例えば、学生の成績を格納する場合、行を学生、列を科目として表現できます。

// 学生の成績を管理する2次元配列
String[][] grades = {
    {"学生A", "80", "90", "85"},
    {"学生B", "70", "75", "80"},
    {"学生C", "90", "95", "100"}
};
// 成績の出力
for (int i = 0; i < grades.length; i++) {
    for (int j = 0; j < grades[i].length; j++) {
        System.out.print(grades[i][j] + " ");
    }
    System.out.println();
}

このコードでは、学生の名前と成績を2次元配列に格納し、出力しています。

画像データの処理

画像データは、ピクセル情報を2次元配列として表現できます。

各要素は、特定のピクセルの色を表す値を持ちます。

以下は、簡単な画像データの例です。

// 画像データを表す2次元配列
int[][] image = {
    {255, 0, 0},   // 赤
    {0, 255, 0},   // 緑
    {0, 0, 255}    // 青
};
// 画像データの出力
for (int i = 0; i < image.length; i++) {
    for (int j = 0; j < image[i].length; j++) {
        System.out.print(image[i][j] + " ");
    }
    System.out.println();
}

このコードでは、RGB値を持つピクセル情報を2次元配列に格納し、出力しています。

ゲームのマップデータ管理

ゲームでは、マップデータを2次元配列で管理することが一般的です。

各要素は、マップ上の特定の位置にあるオブジェクトや地形を表します。

以下は、簡単なゲームマップの例です。

// ゲームのマップデータ
char[][] gameMap = {
    {'#', '#', '#', '#', '#'},
    {'#', ' ', ' ', ' ', '#'},
    {'#', ' ', '#', ' ', '#'},
    {'#', ' ', ' ', ' ', '#'},
    {'#', '#', '#', '#', '#'}
};
// マップの出力
for (int i = 0; i < gameMap.length; i++) {
    for (int j = 0; j < gameMap[i].length; j++) {
        System.out.print(gameMap[i][j] + " ");
    }
    System.out.println();
}

このコードでは、#が壁、(スペース)が通路を表す簡単なゲームマップを出力しています。

2次元配列を使用することで、マップの構造を簡単に管理できます。

2次元配列の応用

不規則な2次元配列(ジャグ配列)の作成

不規則な2次元配列、またはジャグ配列は、各行が異なる列数を持つ配列です。

Javaでは、2次元配列を配列の配列として実装することで、ジャグ配列を作成できます。

以下は、ジャグ配列の例です。

// ジャグ配列の作成
int[][] jaggedArray = new int[3][]; // 3行のジャグ配列
jaggedArray[0] = new int[2]; // 1行目は2列
jaggedArray[1] = new int[3]; // 2行目は3列
jaggedArray[2] = new int[1]; // 3行目は1列
// 値の設定
jaggedArray[0][0] = 1;
jaggedArray[0][1] = 2;
jaggedArray[1][0] = 3;
jaggedArray[1][1] = 4;
jaggedArray[1][2] = 5;
jaggedArray[2][0] = 6;
// ジャグ配列の出力
for (int i = 0; i < jaggedArray.length; i++) {
    for (int j = 0; j < jaggedArray[i].length; j++) {
        System.out.print(jaggedArray[i][j] + " ");
    }
    System.out.println();
}

このコードでは、各行の列数が異なるジャグ配列を作成し、出力しています。

2次元配列のソート方法

2次元配列をソートするには、特定の列を基準にして行を並べ替えることができます。

以下は、2次元配列の特定の列を基準にソートする例です。

import java.util.Arrays;
import java.util.Comparator;
// 2次元配列のソート
public class App {
    public static void main(String[] args) {
        int[][] array = {
            {3, 2},
            {1, 4},
            {5, 0}
        };
        // 1列目を基準にソート
        Arrays.sort(array, new Comparator<int[]>() {
            public int compare(int[] a, int[] b) {
                return Integer.compare(a[0], b[0]); // 1列目で比較
            }
        });
        // ソート結果の出力
        for (int i = 0; i < array.length; i++) {
            for (int j = 0; j < array[i].length; j++) {
                System.out.print(array[i][j] + " ");
            }
            System.out.println();
        }
    }
}

このコードでは、1列目を基準にして2次元配列をソートし、結果を出力しています。

2次元配列を引数に取るメソッドの作成

2次元配列を引数に取るメソッドを作成することで、配列を操作する処理を分離できます。

以下は、2次元配列の全要素を出力するメソッドの例です。

// 2次元配列を引数に取るメソッド
public static void print2DArray(int[][] array) {
    for (int i = 0; i < array.length; i++) {
        for (int j = 0; j < array[i].length; j++) {
            System.out.print(array[i][j] + " ");
        }
        System.out.println();
    }
}
// メインメソッド
public static void main(String[] args) {
    int[][] array = {
        {1, 2, 3},
        {4, 5, 6}
    };
    // メソッドを呼び出して出力
    print2DArray(array);
}

このコードでは、print2DArrayメソッドを作成し、2次元配列を引数として受け取り、全要素を出力しています。

2次元配列を返すメソッドの作成

2次元配列を返すメソッドを作成することで、計算結果を配列として返すことができます。

以下は、2次元配列を生成して返すメソッドの例です。

// 2次元配列を返すメソッド
public static int[][] create2DArray(int rows, int columns) {
    int[][] array = new int[rows][columns];
    for (int i = 0; i < rows; i++) {
        for (int j = 0; j < columns; j++) {
            array[i][j] = i + j; // 簡単な計算で初期化
        }
    }
    return array; // 生成した2次元配列を返す
}
// メインメソッド
public static void main(String[] args) {
    int[][] array = create2DArray(3, 4); // 3行4列の配列を生成
    // 生成した配列の出力
    print2DArray(array);
}

このコードでは、create2DArrayメソッドを作成し、指定した行数と列数の2次元配列を生成して返しています。

生成した配列は、先ほど作成したprint2DArrayメソッドを使って出力しています。

2次元配列の注意点

配列の範囲外アクセスエラー

2次元配列において、範囲外のインデックスを指定すると、ArrayIndexOutOfBoundsExceptionが発生します。

これは、指定した行または列が配列のサイズを超えている場合に起こります。

以下の例では、範囲外アクセスのエラーを示しています。

int[][] array = {
    {1, 2, 3},
    {4, 5, 6}
};
// 範囲外アクセスの例
int invalidElement = array[2][0]; // 3行目は存在しないためエラーが発生

このコードを実行すると、ArrayIndexOutOfBoundsExceptionが発生します。

配列のサイズを確認し、適切なインデックスを使用することが重要です。

nullの扱い

2次元配列の各行は、独立した1次元配列として扱われるため、特定の行がnullである場合があります。

これは、行が初期化されていない場合に発生します。

以下の例では、nullの扱いを示しています。

int[][] array = new int[3][]; // 3行の配列を宣言
// 2行目を初期化しない
array[0] = new int[2]; // 1行目を初期化
array[1] = new int[3]; // 2行目を初期化
// nullの行にアクセスするとエラーが発生
int element = array[2][0]; // 3行目はnullのためエラーが発生

この場合、array[2]nullであり、アクセスするとエラーが発生します。

行を使用する前に、nullチェックを行うことが推奨されます。

メモリ効率の考慮

2次元配列は、メモリを効率的に使用するために注意が必要です。

特に、ジャグ配列のように各行のサイズが異なる場合、メモリの断片化が発生する可能性があります。

メモリ効率を考慮するためには、以下の点に注意してください。

  • 配列のサイズを適切に設定する。
  • 不要な配列を作成しない。
  • 使用しなくなった配列は、nullに設定してガベージコレクションを促す。

多次元配列との違い

2次元配列は、行と列の2つの次元を持つ配列ですが、多次元配列はそれ以上の次元を持つ配列です。

Javaでは、3次元以上の配列も作成できますが、扱いが複雑になります。

以下は、2次元配列と3次元配列の違いを示す例です。

// 2次元配列の例
int[][] twoDArray = {
    {1, 2, 3},
    {4, 5, 6}
};
// 3次元配列の例
int[][][] threeDArray = {
    {
        {1, 2},
        {3, 4}
    },
    {
        {5, 6},
        {7, 8}
    }
};

2次元配列は行と列で構成されますが、3次元配列はさらに深さの次元を持ちます。

多次元配列を使用する際は、インデックスの指定やメモリ管理に注意が必要です。

よくある質問

2次元配列のサイズを動的に変更できますか?

Javaの配列は固定サイズであり、一度宣言した後にサイズを変更することはできません。

ただし、新しいサイズの配列を作成し、既存の配列の要素をコピーすることで、実質的にサイズを変更することができます。

例えば、次のように新しい配列を作成し、要素をコピーすることができます。

int[][] oldArray = {
    {1, 2},
    {3, 4}
};
// 新しいサイズの配列を作成
int[][] newArray = new int[3][2]; // 3行2列の新しい配列
// 既存の配列の要素をコピー
for (int i = 0; i < oldArray.length; i++) {
    for (int j = 0; j < oldArray[i].length; j++) {
        newArray[i][j] = oldArray[i][j];
    }
}

2次元配列の一部だけをコピーする方法は?

2次元配列の一部をコピーするには、特定の範囲を指定して新しい配列に要素をコピーする必要があります。

以下の例では、元の配列の一部を新しい配列にコピーしています。

int[][] originalArray = {
    {1, 2, 3},
    {4, 5, 6},
    {7, 8, 9}
};
// 新しい配列を作成
int[][] partialArray = new int[2][2]; // 2行2列の新しい配列
// 一部をコピー
for (int i = 0; i < 2; i++) {
    for (int j = 0; j < 2; j++) {
        partialArray[i][j] = originalArray[i][j]; // 元の配列の一部をコピー
    }
}

このコードでは、元の配列の左上の2×2の部分を新しい配列にコピーしています。

2次元配列を文字列として出力するには?

2次元配列を文字列として出力するには、ネストしたループを使用して各要素を文字列に変換し、整形して出力することができます。

以下は、2次元配列を文字列として出力する例です。

int[][] array = {
    {1, 2, 3},
    {4, 5, 6}
};
// 2次元配列を文字列として出力
StringBuilder sb = new StringBuilder();
for (int i = 0; i < array.length; i++) {
    for (int j = 0; j < array[i].length; j++) {
        sb.append(array[i][j]).append(" "); // 各要素を追加
    }
    sb.append("\n"); // 行の終わりで改行
}
String result = sb.toString();
System.out.println(result); // 出力

このコードでは、StringBuilderを使用して2次元配列の各要素を文字列として整形し、最終的に出力しています。

まとめ

この記事では、Javaにおける2次元配列の基本的な概念から、宣言方法、基本操作、活用例、応用、注意点まで幅広く解説しました。

特に、2次元配列の特性や使い方を理解することで、プログラミングにおけるデータ管理の効率を向上させることができます。

今後は、実際のプロジェクトや課題において2次元配列を積極的に活用し、より複雑なデータ構造の理解を深めていくことをお勧めします。

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