PHPのエラー表示をブラウザで確認する方法について解説

2025-02-19更新日: 2025-02-19

PHPのエラー表示をブラウザ上で確認する方法を解説します。

開発中にエラー内容をすぐに把握できるよう、php.iniの設定変更やスクリプト内でのエラーレポート有効化方法を紹介します。

公開環境と開発環境での使い分けにも注意が必要です。

目次から探す

PHPエラー表示設定の基本
- php.iniでの設定変更
- スクリプト内でのエラー表示設定
ブラウザでのエラー表示確認方法
- HTML出力時の注意点
環境に合わせたエラー表示の使い分け
- 開発環境と公開環境の違い
設定変更後のトラブルシューティング
- 反映確認とテスト手順
まとめ

PHPエラー表示設定の基本

PHPのエラー表示設定は、開発時のデバッグに役立つ機能です。

設定方法にはphp.iniでの調整と、スクリプト内での設定変更があります。

必要に応じて使い分けることで、環境に合わせたエラー管理が可能です。

php.iniでの設定変更

PHPのグローバル設定ファイルであるphp.iniを編集する方法です。

こちらで設定変更を行うと、全体に影響が及びます。

display_errorsの有効化

エラー表示を有効にするには、php.ini内のdisplay_errorsの値を変更します。

ローカル環境や開発環境では、エラー内容をブラウザで確認するために有効化することが推奨されます。

以下は設定例です。

; php.ini の設定例
display_errors = On  // エラー表示を有効にする

この設定を行ったあと、Webサーバーを再起動する必要があります。

error_reportingのレベル設定

エラー報告のレベルを設定するために、error_reportingディレクティブを利用します。

開発環境では全てのエラーを表示するために、以下のような設定が一般的です。

; php.ini の設定例
error_reporting = E_ALL  // 全てのエラー、警告、通知を報告する

エラー報告レベルは、必要に応じてカスタマイズすることも可能です。

環境や用途に合わせ、適切なレベルを選択してください。

スクリプト内でのエラー表示設定

PHPスクリプト内で、エラー表示を一時的に変更することもできます。

これにより、特定のページや処理でのみエラー表示を行うことが可能です。

ini_setによる設定変更

ini_set関数を使って設定を変更する方法です。

以下のサンプルコードは、エラー表示を有効にし、全てのエラー報告を行う例です。

<?php
// エラー表示を有効にする
ini_set('display_errors', '1');
// 全てのエラーを報告する
error_reporting(E_ALL);
// サンプルの処理
echo "PHPエラー表示設定サンプルです。";

PHPエラー表示設定サンプルです。

ローカル環境での一時的な有効化

ローカル環境のみにエラー表示を限定したい場合、IPアドレスで条件分岐する方法が使えます。

以下のサンプルコードは、ローカル環境(例：127.0.0.1)でのみエラー表示を有効にする方法です。

<?php
// ユーザーのIPアドレスを取得
$clientIP = $_SERVER['REMOTE_ADDR'];
// ローカル環境の場合にエラー表示を有効にする
if ($clientIP === '127.0.0.1') {
    ini_set('display_errors', '1');
    error_reporting(E_ALL);
}
echo "環境に応じたエラー表示が適用されています。";

環境に応じたエラー表示が適用されています。

ブラウザでのエラー表示確認方法

エラー表示が正しく行われたかをブラウザで確認するためには、HTML出力に注意が必要です。

環境設定やキャッシュの影響が出ることがあるため、正確な確認手順を把握することが重要です。

HTML出力時の注意点

PHPのエラーがHTML出力に混在する場合、表示が崩れることがあります。

エラー内容が正しく表示されるように、設定内容を確認することが大切です。

開発時は、エラーが意図せずHTMLタグとして扱われないよう注意してください。

キャッシュクリアの対応

サーバーやブラウザのキャッシュが影響し、設定変更後のエラー表示が反映されない場合があります。

その際は、キャッシュのクリアを行ってください。

特にブラウザキャッシュは、以下の方法で対処可能です。

・ブラウザの「再読み込み(Shift+再読み込みアイコン)」

・ブラウザの設定からキャッシュの削除を実施する

これにより、最新のエラー表示状況を確認することができます。

エラーメッセージの見方

表示されたエラーメッセージには、エラーの種類、発生ファイル、行番号などが記載されます。

以下の例を参考に、エラー内容を把握してください。

・Warning: 未定義変数が使用された場合

・Notice: 軽微な警告が発生した場合

エラー内容を参考に、該当箇所を確認し、必要な修正を行ってください。

環境に合わせたエラー表示の使い分け

環境に応じたエラー表示の設定は、セキュリティと利便性の両面から検討する必要があります。

開発環境では詳細なエラー表示が有用ですが、公開環境ではセキュリティ上の懸念があるため、エラー表示を抑制することが推奨されます。

開発環境と公開環境の違い

開発環境では、エラー情報が詳細に表示されることで原因の特定が容易になります。

一方、公開環境ではエラー内容がユーザーに漏洩しないように管理する必要があります。

そのため、環境毎に設定を使い分けることが重要です。

セキュリティ対策のポイント

公開環境でエラー表示を有効にすると、攻撃者にサーバーの内部情報が伝わる恐れがあります。

以下の点に注意してください。

・エラー情報をブラウザに表示しない

・ログに記録されたエラー情報は適切に管理する

環境変数やサーバー設定を用いて、公開環境ではエラー表示を無効にする設定を行うとよいでしょう。

ログ管理とのバランス

エラー表示を無効にした場合でも、エラー情報はログに記録することが大切です。

ログファイルは定期的に確認し、問題がないか点検してください。

ログ管理とエラー表示の使い分けにより、セキュリティとデバッグ効率の両立が図れます。

設定変更後のトラブルシューティング

設定変更後にエラーが正しく表示されない場合、原因を特定するための確認手順を実施してください。

以下の方法を参考に、トラブルシューティングを進めてください。

反映確認とテスト手順

設定を変更したら、必ず設定が反映されているかテストする必要があります。

PHPスクリプト内でエラー表示の設定を変更した場合、対象ページに意図的なエラーを発生させるテストコードを挿入するとよいでしょう。

<?php
// 故意にエラーを発生させるサンプル
nonExistentFunction();  // 存在しない関数を呼び出し、エラーを発生させる
echo "この行はエラー発生により実行されません。";

Warning: nonExistentFunction() is not defined in /path/to/script.php on line X

テストが成功することで、設定内容が正しく反映されていることを確認できます。

PHPバージョン別の注意点

PHPのバージョンによって、エラー処理の挙動や設定項目が異なる場合があります。

たとえば、PHP 7系とPHP 8系ではエラー報告のレベルが異なることがあります。

設定変更の前に、現在利用中のPHPバージョンのドキュメントを確認してください。

・PHP 7系ではE_ALLが全てのエラーを含むが、

・PHP 8系では新たな警告が追加されている場合がある

環境ごとに確認を行い、適切な設定を選択してください。

よくある不具合の対処法

設定変更後に発生しがちな不具合と対策を以下に示します。

・設定が反映されない場合：

php.iniの編集後にWebサーバーを再起動する。

・一部のエラーが表示されない場合：

エラー報告レベルが適切に設定されているか、ini_setの使用位置を確認する。

・キャッシュが影響している場合：

ブラウザのキャッシュクリアや、サーバーキャッシュの無効化を試みる。

これらの対策を順次実施することで、問題解決が期待できます。

まとめ

この記事では、PHPエラー表示の基本設定と、php.iniやスクリプト内での設定変更、ブラウザでのエラー表示確認、環境ごとの使い分け、及び設定変更後のトラブルシューティング手順を解説する内容でした。

設定内容や各手法の要点が整理され、エラー管理の基本が理解できる内容です。

ぜひ、この情報をもとに現行環境の設定見直しと最適なデバッグ環境の構築を実施してください。