HTMLの<i>
タグは、テキストをイタリック体(斜体)にするためのタグです。
このタグを使うことで、特定の部分を強調したり、アイコンフォントを表示したりすることができます。
本記事では、<i>
タグの基本的な使い方から具体的な使用例、スタイリング方法、ベストプラクティスまでを詳しく解説します。
初心者の方でも理解しやすいように、サンプルコードとその実行結果を交えながら説明していきますので、ぜひ参考にしてください。
iタグとは
定義と役割
<i>
タグは、HTMLでテキストをイタリック体(斜体)にするためのタグです。
もともとは italic
の略で、文中の特定の部分を強調するために使用されます。
しかし、現在では単にスタイルを変えるだけでなく、特定の意味を持つテキストを示すためにも使われることがあります。
例えば、技術用語、外国語の単語、またはアイコンフォントの表示などです。
iタグの基本的な使い方
シンタックス(構文)
<i>
タグの基本的な構文は非常にシンプルです。
以下のように使用します。
<i>イタリック体にしたいテキスト</i>
基本的な例
以下に、<i>
タグを使った基本的な例を示します。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>iタグの基本例</title>
</head>
<body>
<p>これは通常のテキストです。</p>
<p>これは<i>イタリック体</i>のテキストです。</p>
</body>
</html>
このコードをブラウザで表示すると、2つ目の段落の「イタリック体」の部分が斜体で表示されます。
iタグの属性
<i>
タグには、他のHTMLタグと同様にいくつかの属性を追加することができます。
以下に代表的な属性を紹介します。
class: CSSクラス
を指定します。id
: 一意の識別子を指定します。style
: インラインスタイルを指定します。
例えば、以下のように使用します。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>iタグの属性例</title>
<style>
.custom-style {
color: red;
font-size: 20px;
}
</style>
</head>
<body>
<p>これは通常のテキストです。</p>
<p>これは<i class="custom-style" id="italic-text">カスタムスタイルのイタリック体</i>のテキストです。</p>
</body>
</html>
このコードをブラウザで表示すると、「カスタムスタイルのイタリック体」の部分が赤色でフォントサイズが20pxの斜体で表示されます。
以上が、<i>
タグの基本的な使い方とその属性です。
次のセクションでは、<i>
タグの具体的な使用例について詳しく見ていきます。
iタグの具体的な使用例
テキストの強調
イタリック体の使用
iタグは、テキストをイタリック体(斜体)にするために使用されます。
以下は、iタグを使ってテキストをイタリック体にする基本的な例です。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>iタグの例</title>
</head>
<body>
<p>この文章の中で<i>重要な部分</i>をイタリック体にしています。</p>
</body>
</html>
上記のコードをブラウザで表示すると、「重要な部分」がイタリック体になります。
強調とiタグの違い
iタグは単にテキストをイタリック体にするためのタグですが、emタグはテキストを強調するためのタグです。
emタグは、意味的な強調を示すために使用され、スクリーンリーダーなどの支援技術でも認識されます。
以下は、iタグとemタグの違いを示す例です。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>iタグとemタグの違い</title>
</head>
<body>
<p>この文章の中で<i>イタリック体</i>を使用しています。</p>
<p>この文章の中で<em>強調</em>を使用しています。</p>
</body>
</html>
上記のコードをブラウザで表示すると、どちらも見た目はイタリック体になりますが、emタグは意味的な強調を示します。
アイコンフォントの使用
Font Awesomeとの連携
iタグは、アイコンフォントを表示するためにもよく使用されます。
特に、Font Awesomeというアイコンフォントライブラリと組み合わせて使うことが一般的です。
まず、Font Awesomeを使用するために、以下のようにHTMLのheadセクションにFont AwesomeのCDNリンクを追加します。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>Font Awesomeの例</title>
<link rel="stylesheet" href="https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/font-awesome/6.0.0-beta3/css/all.min.css">
</head>
<body>
<p>Font Awesomeのアイコンを使用します:<i class="fas fa-coffee"></i></p>
</body>
</html>
上記のコードをブラウザで表示すると、コーヒーカップのアイコンが表示されます。
他のアイコンフォントとの連携
Font Awesome以外にも、さまざまなアイコンフォントライブラリがあります。
例えば、Material IconsやIoniconsなどです。
これらのライブラリも同様にiタグを使用してアイコンを表示することができます。
以下は、Material Iconsを使用する例です。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>Material Iconsの例</title>
<link href="https://fonts.googleapis.com/icon?family=Material+Icons" rel="stylesheet">
</head>
<body>
<p>Material Iconsのアイコンを使用します:<i class="material-icons">face</i></p>
</body>
</html>
上記のコードをブラウザで表示すると、顔のアイコンが表示されます。
このように、iタグはテキストの強調やアイコンフォントの表示に非常に便利なタグです。
適切に使用することで、ウェブページの視覚的な魅力を高めることができます。
iタグのスタイリング
iタグはそのままでも十分に使えますが、CSSやJavaScriptを使ってスタイリングや動的な変更を加えることで、より魅力的なデザインやインタラクティブな機能を実現できます。
このセクションでは、iタグのスタイリング方法について詳しく解説します。
CSSを使ったスタイリング
CSSを使うことで、iタグの見た目を自由にカスタマイズできます。
以下に、フォントスタイルの変更とカラーの変更について説明します。
フォントスタイルの変更
iタグのフォントスタイルを変更するには、CSSのfont-style
プロパティを使用します。
デフォルトではitalic
が設定されていますが、他のスタイルに変更することも可能です。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
<title>iタグのフォントスタイル変更</title>
<style>
.normal {
font-style: normal;
}
.oblique {
font-style: oblique;
}
</style>
</head>
<body>
<p><i>デフォルトのイタリック体</i></p>
<p><i class="normal">ノーマルなフォントスタイル</i></p>
<p><i class="oblique">斜体のフォントスタイル</i></p>
</body>
</html>
上記の例では、デフォルトのイタリック体に加えて、normalクラス
とobliqueクラス
を使ってフォントスタイルを変更しています。
カラーの変更
iタグのテキストカラーを変更するには、CSSのcolor
プロパティを使用します。
以下にその例を示します。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
<title>iタグのカラー変更</title>
<style>
.red {
color: red;
}
.blue {
color: blue;
}
</style>
</head>
<body>
<p><i class="red">赤色のテキスト</i></p>
<p><i class="blue">青色のテキスト</i></p>
</body>
</html>
この例では、redクラス
とblueクラス
を使ってテキストの色を変更しています。
JavaScriptとの連携
JavaScriptを使うことで、iタグのスタイルを動的に変更したり、イベントリスナーを追加してインタラクティブな機能を実現することができます。
動的なスタイル変更
JavaScriptを使ってiタグのスタイルを動的に変更する方法を以下に示します。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
<title>iタグの動的なスタイル変更</title>
<style>
.dynamic {
font-style: italic;
color: black;
}
</style>
</head>
<body>
<p><i class="dynamic" id="dynamicText">動的にスタイルが変更されるテキスト</i></p>
<button onclick="changeStyle()">スタイルを変更</button>
<script>
function changeStyle() {
var element = document.getElementById('dynamicText');
element.style.fontStyle = 'normal';
element.style.color = 'green';
}
</script>
</body>
</html>
この例では、ボタンをクリックすると、iタグのフォントスタイルがnormal
に、テキストカラーがgreen
に変更されます。
イベントリスナーの追加
JavaScriptを使ってiタグにイベントリスナーを追加する方法を以下に示します。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
<title>iタグのイベントリスナー追加</title>
<style>
.hoverEffect {
color: black;
}
</style>
</head>
<body>
<p><i class="hoverEffect" id="hoverText">ホバーで色が変わるテキスト</i></p>
<script>
var element = document.getElementById('hoverText');
element.addEventListener('mouseover', function() {
element.style.color = 'red';
});
element.addEventListener('mouseout', function() {
element.style.color = 'black';
});
</script>
</body>
</html>
この例では、iタグにマウスをホバーするとテキストの色が赤に変わり、マウスを離すと元の黒色に戻ります。
以上のように、CSSやJavaScriptを使うことで、iタグのスタイリングや動的な変更を簡単に実現できます。
これらの技術を駆使して、より魅力的なWebページを作成しましょう。
iタグのベストプラクティス
適切な使用シナリオ
iタグは、特定のテキストをイタリック体にするために使用されますが、単に見た目を変えるだけでなく、意味を持たせることが重要です。
以下は、iタグを適切に使用するシナリオの例です。
- 外国語の単語やフレーズ:
外国語の単語やフレーズを強調するために使用します。
<p>彼は <i>carpe diem</i> という言葉をよく使います。</p>
- 技術用語や専門用語:
特定の技術用語や専門用語を強調するために使用します。
<p>このプロセスは <i>quenching</i> と呼ばれます。</p>
- 思考や内心の声:
キャラクターの内心の声や思考を表現するために使用します。
<p>彼は心の中で <i>どうしてこんなことに...</i> と呟いた。</p>
避けるべき使用方法
iタグは、単にテキストをイタリック体にするためだけに使用するべきではありません。
以下は、iタグの不適切な使用例です。
- 装飾目的のみ:
見た目を変えるためだけにiタグを使用するのは避けるべきです。
代わりにCSSを使用します。
<!-- 不適切な例 -->
<p>このテキストは <i>イタリック体</i> です。</p>
<!-- 適切な例 -->
<p>このテキストは <span class="italic">イタリック体</span> です。</p>
<style>
.italic {
font-style: italic;
}
</style>
- 強調のために使用:
強調のためにはemタグを使用するのが適切です。
<!-- 不適切な例 -->
<p>この部分は <i>重要</i> です。</p>
<!-- 適切な例 -->
<p>この部分は <em>重要</em> です。</p>
他のタグとの組み合わせ
iタグは他のHTMLタグと組み合わせて使用することができます。
以下は、iタグと他のタグを組み合わせた例です。
- iタグとemタグ:
iタグとemタグを組み合わせて、特定のテキストを強調しつつイタリック体にすることができます。
<p>彼は <i><em>非常に重要な</em></i> メッセージを伝えました。</p>
- iタグとstrongタグ:
iタグとstrongタグを組み合わせて、強調しつつイタリック体にすることができます。
<p>この部分は <i><strong>特に重要</strong></i> です。</p>
- iタグとspanタグ:
iタグとspanタグを組み合わせて、特定のスタイルを適用することができます。
<p>このテキストは <i><span class="custom-style">カスタムスタイル</span></i> です。</p>
<style>
.custom-style {
color: red;
font-weight: bold;
}
</style>
これらのベストプラクティスを守ることで、iタグを効果的かつ適切に使用することができます。
iタグは単なる装飾ではなく、意味を持たせるために使用することが重要です。
よくある質問(FAQ)
iタグとemタグの違いは?
iタグとemタグはどちらもテキストを強調するために使用されますが、その意味合いと使用目的には違いがあります。
- iタグ: iタグは「イタリック体」を意味し、視覚的なスタイルを変更するために使用されます。
例えば、外国語の単語や技術用語、引用などをイタリック体で表示したい場合に使います。
<p>この文章には<i>イタリック体</i>のテキストが含まれています。</p>
- emタグ: emタグは「強調」を意味し、文脈的に重要な部分を強調するために使用されます。
ブラウザは通常、emタグで囲まれたテキストをイタリック体で表示しますが、CSSでスタイルを変更することも可能です。
<p>この文章には<em>強調された</em>テキストが含まれています。</p>
iタグはSEOに影響する?
iタグ自体はSEOに直接的な影響を与えることは少ないです。
iタグは視覚的なスタイルを変更するためのものであり、検索エンジンはその内容を特別に評価することはありません。
しかし、適切なタグを使用することは、ユーザーエクスペリエンスの向上やアクセシビリティの向上に寄与し、結果的にSEOに良い影響を与える可能性があります。
一方、emタグやstrongタグなどの意味論的なタグは、検索エンジンに対してテキストの重要性を示すため、SEOに若干の影響を与えることがあります。
iタグの代替タグはある?
iタグの代替として使用できるタグはいくつかあります。
以下に代表的なものを紹介します。
- emタグ: 先述の通り、emタグは文脈的に重要な部分を強調するために使用されます。
iタグの代わりに使用することで、意味論的な強調を示すことができます。
<p>この文章には<em>強調された</em>テキストが含まれています。</p>
- strongタグ: strongタグは、特に重要なテキストを強調するために使用されます。
ブラウザは通常、strongタグで囲まれたテキストを太字で表示します。
<p>この文章には<strong>非常に重要な</strong>テキストが含まれています。</p>
- spanタグ: spanタグは特定のスタイルを適用するための汎用的なインライン要素です。
CSSを使用して、iタグと同様のスタイルを適用することができます。
<p>この文章には<span style="font-style: italic;">イタリック体</span>のテキストが含まれています。</p>
これらのタグを適切に使い分けることで、HTML文書
の意味論的な構造を保ちながら、視覚的なスタイルを調整することができます。