Linux – dfコマンドの使い方 – ディスク容量の表示(使用中/空き容量)
dfコマンドは、Linuxでファイルシステムのディスク使用状況を確認するためのコマンドです。
デフォルトでは、各ファイルシステムの総容量、使用中容量、空き容量、使用率、マウントポイントを表示します。
-h
オプションを付けると、容量が人間に読みやすい形式(KB、MB、GBなど)で表示されます。
特定のディレクトリやデバイスを指定することで、その対象のディスク使用状況を確認することも可能です。
dfコマンドとは
df
コマンドは、LinuxやUnix系のオペレーティングシステムで使用されるコマンドの一つで、ディスクの使用状況を表示するために利用されます。
このコマンドを使うことで、ファイルシステムの総容量、使用中の容量、空き容量、マウントポイントなどの情報を簡単に確認することができます。
特に、サーバーやシステムの管理を行う際に、ディスクの空き容量を把握することは非常に重要です。
主な機能
- ディスクの使用状況を確認
- 各ファイルシステムのマウントポイントを表示
- 空き容量や使用中の容量を把握
以下のコマンドを実行することで、システム内のすべてのファイルシステムのディスク使用状況を確認できます。
df
このコマンドを実行すると、次のような出力が得られます。
Filesystem 1K-blocks Used Available Use% Mounted on
/dev/sda1 10240000 5120000 5120000 50% /
tmpfs 2048000 0 2048000 0% /dev/shm
この出力から、各ファイルシステムの容量や使用状況を確認することができます。
dfコマンドの基本的な使い方
df
コマンドは、特定のオプションを指定しなくても基本的な使用が可能です。
基本的な使い方を理解することで、ディスクの使用状況を迅速に確認できます。
以下に、基本的なコマンドの使い方を示します。
基本コマンド
df
このコマンドを実行すると、システム内のすべてのファイルシステムのディスク使用状況が表示されます。
出力には、ファイルシステム名、総容量、使用中の容量、空き容量、使用率、マウントポイントが含まれます。
出力結果の解説
出力結果は以下のような形式になります。
Filesystem 1K-blocks Used Available Use% Mounted on
/dev/sda1 10240000 5120000 5120000 50% /
tmpfs 2048000 0 2048000 0% /dev/shm
- Filesystem: ディスクのファイルシステム名
- 1K-blocks: 総容量(1Kバイト単位)
- Used: 使用中の容量(1Kバイト単位)
- Available: 空き容量(1Kバイト単位)
- Use%: 使用率(パーセンテージ)
- Mounted on: マウントポイント(ディレクトリ)
特定のファイルシステムを指定する
特定のファイルシステムの情報を確認したい場合は、ファイルシステム名を指定することもできます。
df /dev/sda1
このコマンドを実行すると、指定したファイルシステムの使用状況のみが表示されます。
オプションを活用した詳細な表示
df
コマンドには、出力をカスタマイズするためのさまざまなオプションがあります。
これらのオプションを活用することで、必要な情報をより詳細に表示することができます。
以下に、よく使用されるオプションを紹介します。
主なオプション一覧
オプション | 説明 |
---|---|
-h | 人間に読みやすい形式で表示(KB, MB, GBなど) |
-T | ファイルシステムのタイプを表示 |
-a | 使用されていないファイルシステムも表示 |
-i | inodeの使用状況を表示 |
人間に読みやすい形式で表示する
-h
オプションを使用すると、ディスク容量が人間にとって理解しやすい形式で表示されます。
例えば、次のように実行します。
df -h
出力結果は以下のようになります。
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on
/dev/sda1 10G 5G 5G 50% /
tmpfs 2G 0G 2G 0% /dev/shm
ファイルシステムのタイプを表示する
-T
オプションを使用すると、各ファイルシステムのタイプも表示されます。
次のように実行します。
df -T
出力結果は以下のようになります。
Filesystem Type 1K-blocks Used Available Use% Mounted on
/dev/sda1 ext4 10240000 5120000 5120000 50% /
tmpfs tmpfs 2048000 0 2048000 0% /dev/shm
使用されていないファイルシステムも表示する
-a
オプションを使用すると、使用されていないファイルシステムも含めて表示されます。
次のように実行します。
df -a
このコマンドを実行すると、すべてのファイルシステムが表示され、使用されていないものも確認できます。
inodeの使用状況を表示する
-i
オプションを使用すると、inodeの使用状況を表示できます。
次のように実行します。
df -i
出力結果は以下のようになります。
Filesystem Inodes IUsed IFree IUse% Mounted on
/dev/sda1 6553600 512000 6041600 8% /
tmpfs 512000 0 512000 0% /dev/shm
これにより、ファイル数の制限に関する情報を確認することができます。
実用的な使用例
df
コマンドは、ディスクの使用状況を把握するために非常に便利です。
ここでは、実際のシナリオに基づいたいくつかの使用例を紹介します。
これらの例を参考にすることで、日常的な管理作業に役立てることができます。
1. ディスク使用状況の確認
サーバーのディスク使用状況を確認する際、基本的なdf
コマンドを使用します。
df
このコマンドを実行することで、すべてのファイルシステムの使用状況を一目で確認できます。
2. 人間に読みやすい形式での表示
ディスクの使用状況をより理解しやすくするために、-h
オプションを使用します。
df -h
このコマンドを実行すると、容量がGBやMB単位で表示され、視覚的に把握しやすくなります。
3. 特定のファイルシステムの確認
特定のファイルシステムの使用状況を確認したい場合、ファイルシステム名を指定します。
df /dev/sda1
このコマンドを実行することで、指定したファイルシステムの詳細な情報が得られます。
4. inodeの使用状況の確認
ファイル数が多いシステムでは、inodeの使用状況を確認することが重要です。
以下のコマンドを使用します。
df -i
このコマンドを実行することで、inodeの使用状況を確認し、ファイル数の制限に達していないかをチェックできます。
5. ファイルシステムのタイプを確認
ファイルシステムのタイプを確認することで、特定の操作や設定が必要かどうかを判断できます。
df -T
このコマンドを実行すると、各ファイルシステムのタイプが表示され、管理作業に役立ちます。
6. 使用されていないファイルシステムの確認
システム内のすべてのファイルシステムを確認したい場合、-a
オプションを使用します。
df -a
このコマンドを実行することで、使用されていないファイルシステムも含めて表示され、システムの全体像を把握できます。
これらの実用的な使用例を参考にすることで、df
コマンドを効果的に活用し、ディスクの管理をよりスムーズに行うことができます。
dfコマンドの注意点と制限
df
コマンドは非常に便利なツールですが、使用する際にはいくつかの注意点や制限があります。
これらを理解しておくことで、より正確な情報を得ることができます。
以下に主な注意点と制限を示します。
1. マウントされていないファイルシステムの表示
df
コマンドは、マウントされているファイルシステムの情報のみを表示します。
したがって、マウントされていないファイルシステムの使用状況は確認できません。
これにより、特定のディスクやパーティションの状態を把握することが難しくなる場合があります。
2. 特権ユーザーの必要性
一部のシステムでは、特権ユーザー(root)でないと特定のファイルシステムの情報にアクセスできないことがあります。
この場合、一般ユーザーとして実行すると、必要な情報が表示されないことがあります。
3. 出力の解釈
df
コマンドの出力は、特に初心者にとっては解釈が難しい場合があります。
出力結果には、1Kブロック単位の情報や使用率が含まれており、これを正しく理解するためには、ある程度の知識が必要です。
4. ファイルシステムの種類による違い
異なるファイルシステム(例:ext4、xfs、btrfsなど)によって、df
コマンドの出力や動作が異なる場合があります。
特に、特定のファイルシステムでは、df
コマンドが正確な情報を提供しないことがあります。
5. ディスクの空き容量の計算
df
コマンドは、空き容量を計算する際に、ファイルシステムのメタデータや予約領域を考慮しないことがあります。
そのため、実際にユーザーが利用できる空き容量は、表示される値よりも少ない場合があります。
6. シンボリックリンクの扱い
df
コマンドは、シンボリックリンクを解決して表示するため、リンク先のファイルシステムの情報が表示されることがあります。
これにより、実際のファイルシステムの使用状況を誤解する可能性があります。
これらの注意点と制限を理解しておくことで、df
コマンドをより効果的に活用し、正確なディスク使用状況を把握することができます。
dfコマンドと他のコマンドの組み合わせ
df
コマンドは、単独で使用することもできますが、他のコマンドと組み合わせることで、より強力なツールとして活用できます。
ここでは、df
コマンドとよく組み合わせて使用されるコマンドをいくつか紹介します。
1. grepコマンドとの組み合わせ
特定のファイルシステムや条件に合致する情報を抽出するために、grep
コマンドと組み合わせることができます。
例えば、特定のマウントポイントを持つファイルシステムを表示する場合、次のように実行します。
df -h | grep '/mnt'
このコマンドは、/mnt
にマウントされているファイルシステムの情報のみを表示します。
2. awkコマンドとの組み合わせ
awk
コマンドを使用することで、出力結果から特定の列を抽出したり、計算を行ったりすることができます。
例えば、使用中の容量を表示する場合、次のように実行します。
df -h | awk '{print $3}'
このコマンドは、使用中の容量の列を抽出して表示します。
3. sortコマンドとの組み合わせ
ディスク使用状況を使用率でソートして表示することも可能です。
次のように実行します。
df -h | sort -k 5 -h
このコマンドは、使用率の列(5列目)でソートし、最も使用率の高いファイルシステムから表示します。
4. findコマンドとの組み合わせ
特定のディレクトリ内のファイルを検索し、そのサイズを確認するために、find
コマンドと組み合わせることができます。
例えば、特定のサイズ以上のファイルを検索する場合、次のように実行します。
find /path/to/directory -type f -size +100M -exec ls -lh {} \;
このコマンドは、指定したディレクトリ内で100MB以上のファイルを検索し、その詳細を表示します。
5. duコマンドとの組み合わせ
du
コマンドを使用して、特定のディレクトリのディスク使用量を確認し、df
コマンドで全体の使用状況を把握することができます。
例えば、特定のディレクトリの使用量を確認する場合、次のように実行します。
du -sh /path/to/directory
このコマンドは、指定したディレクトリの合計サイズを表示します。
6. スクリプトでの自動化
df
コマンドを他のコマンドと組み合わせてスクリプトを作成することで、定期的なディスク使用状況の監視やレポート作成を自動化できます。
例えば、以下のようなシンプルなスクリプトを作成できます。
#!/bin/bash
echo "ディスク使用状況レポート"
df -h | grep '^/dev/' | sort -k 5 -h
このスクリプトは、マウントされているファイルシステムの使用状況を表示し、使用率でソートします。
これらの組み合わせを活用することで、df
コマンドの機能を拡張し、より効率的にディスクの管理を行うことができます。
まとめ
この記事では、df
コマンドの基本的な使い方やオプション、実用的な使用例、注意点、他のコマンドとの組み合わせについて詳しく解説しました。
これにより、ディスクの使用状況を効率的に把握し、管理するための手法を身につけることができるでしょう。
ぜひ、実際のシステム管理や日常的な作業にdf
コマンドを活用し、ディスクの状態を常に把握する習慣をつけてみてください。