C言語のコンパイラエラー C2706の原因と対処方法について解説
コンパイラエラー C2706 は、__try ブロックを正しく閉じる中かっこが不足している場合に発生します。
これにより、続く __except ブロックが意図した通りに動作せず、構文上のエラーとなります。
コード内の中かっこの対応を確認してください。
エラーの概要
C2706エラーの背景と発生状況
C2706エラーは、主にC言語およびC++で例外処理のために使用される構文である__try/__except
ブロックにおいて、閉じ中かっこの不足などの構文ミスが原因で発生します。
エラーが発生すると、コンパイラは__try
ブロックの右中かっこが見つからないと判断し、エラーメッセージを出力します。
特に、例外処理に関するコードが複雑になっている場合や、複数のネストされたブロックが混在する場合に注意が必要です。
エラーメッセージの内容と確認ポイント
エラーメッセージには、基本的に以下のような情報が含まれます。
__tryに一致する閉じ中かっこが見つかりませんでした
という内容。- 問題個所の近辺に、記述漏れや誤ったブロック終了が存在する可能性があることの示唆。
確認すべきポイントは以下の通りです。
- 各
__try
ブロックに対応する正しい右中かっこの存在。 - 構文エラー以外に、予期せぬ位置でのブロック開始や終了がないかの確認。
原因の詳細
__tryブロックの構文ミス
C2706エラーが発生する主な原因は、__try
ブロックの構文上のミスにあります。
特に、右中かっこの不足が最も一般的な問題となります。
プログラム全体の構造を確認することで、対応する中かっこの欠落がないか丁寧に確認することが必要です。
中かっこの不足による影響
中かっこの不足は、プログラムの論理的なブロック分けに混乱をきたすため、意図した例外処理が正しく実行されず、予期しない動作や後続のエラーの原因となります。
例えば、以下のようなコードでは__try
ブロックが正しく終了していないため、コンパイラがエラーを出力します。
コード例による問題箇所の確認
以下は、中かっこの不足によって発生するエラーのサンプルコードです。
// エラーの原因となるサンプルコード
#include <windows.h>
#include <stdio.h>
int main(void) {
__try {
// サンプル関数の宣言
void sampleFunction();
// ここで右中かっこが抜けているためエラーが発生する
__except(GetExceptionCode() == 0x0) {
printf("例外が発生しました。\n");
}
return 0;
}
※このコードはコンパイルエラー C2706 を発生させます。
__exceptブロックとの関連性
__except
ブロックは__try
ブロックに対して必ず一対となる必要があります。
__except
ブロック自体には問題がなくとも、対応する__try
ブロック内で中かっこの不足がある場合、全体としてエラーが発生します。
したがって、両者の整合性を確認することが重要です。
対処方法
正しい構文の記述方法
C2706エラーを解消するためには、まず構文ミス、特に右中かっこが抜けていないかを確認する必要があります。
プログラム全体のブロックの開始と終了が正しく対応しているか、エディタの構文ハイライトや自動整形機能を利用してチェックすることが推奨されます。
__try/__except構文の修正例
以下は、正しい構文で記述した__try/__except
構文のサンプルコードです。
// 正しい構文のサンプルコード
#include <windows.h>
#include <stdio.h>
// サンプル関数(例外処理の一部として使用)
void sampleFunction() {
// サンプルの処理(例: 数学的計算)
int num = 10;
int result = num * num; // 正常な処理
printf("計算結果: %d\n", result);
}
int main(void) {
__try {
// 正しいブロックの開始と終了が確認できるコード
sampleFunction();
} __except(GetExceptionCode() == 0x0) {
printf("例外が発生しました。\n");
}
return 0;
}
計算結果: 100
コード内の中かっこの確認と調整ポイント
コード全体を見直す際は、以下のポイントに注意してください。
- 各
__try
ブロックに対して必ず対応する右中かっこが存在するかを確認する。 - ネストされたブロックでは、開始と終了が混同しないよう、インデントやコメントを活用して構造を明確にする。
- エディタの自動補完機能を活用し、意図しない中かっこの不足を早期に検出する。
開発環境での検証手順
コンパイル環境での確認方法
まず、開発環境が正しく設定され、使用しているコンパイラが__try/__except
構文に対応していることを確認します。
以下の手順で検証してください。
- コンパイラのバージョンが最新であるか確認する。
- サンプルコードを含むプロジェクトを作成し、コンパイルエラーが発生するかチェックする。
- エラーメッセージが表示された場合、その行番号やコンパイラの指摘内容を元に問題個所を特定する。
エラー修正後の再コンパイル手順
エラーが見つかり修正した後は、以下の手順で再度コンパイルして正常に動作するかを確認します。
- 変更部分に対し、保存後に一旦プロジェクト全体をクリーンビルドする。
- 正常にコンパイルが終了し、実行ファイルが生成されるか確認する。
- 実行時にサンプルコードが期待通りの出力結果を表示することをチェックする。
これらの手順に従うことで、C2706エラーによる問題を解消し、プログラムが意図した通りに動作するようになります。
まとめ
本記事では、C2706エラーの発生背景、エラーメッセージの確認ポイント、中かっこの不足による構文ミスとその影響、正しい構文による対処方法、さらには開発環境でのコード検証手順について解説しました。
記事を読むことで、例外処理における「__try/__except」構文の正しい記述と、エラー発生箇所の特定・修正方法が理解できる内容となっています。