[C#] WAVファイルの再生方法と実装例

2025-04-15更新日: 2025-04-15

C#でWAVファイルを再生するには、System.Media.SoundPlayerクラスを使用するのが一般的です。

このクラスは、WAVファイルの再生を簡単に行うためのメソッドを提供しています。

基本的な実装例としては、まずSoundPlayerオブジェクトを作成し、再生したいWAVファイルのパスを指定します。

その後、Playメソッドを呼び出すことで再生が開始されます。

以下は簡単な実装例です。

using System.Media;
SoundPlayer player = new SoundPlayer(@"C:\path\to\your\file.wav");
player.Play();
Console.ReadLine(); // キー入力で再生終了

このコードは、指定したパスのWAVファイルを非同期で再生します。

再生を同期的に行いたい場合は、PlaySyncメソッドを使用します。

また、Stopメソッドで再生を停止することも可能です。

SoundPlayerはWAVファイル専用であり、他の音声形式を再生する場合は別のライブラリが必要です。

目次から探す

WAVファイルの再生方法

SoundPlayerクラスの概要

SoundPlayerクラスは、C#でWAVファイルを簡単に再生するためのクラスです。

このクラスは、.NET FrameworkのSystem.Media名前空間に含まれており、WAV形式の音声ファイルを手軽に扱うことができます。

以下に、SoundPlayerクラスの主な特徴を示します。

特徴	説明
簡単な再生	WAVファイルを簡単に再生できる
同期・非同期再生	同期再生と非同期再生の両方に対応
リソース管理	リソースの解放が容易

SoundPlayerの基本的な使い方

SoundPlayerクラスを使用してWAVファイルを再生する基本的な手順は以下の通りです。

SoundPlayerオブジェクトを作成する。
再生するWAVファイルのパスを指定する。
Playメソッドを呼び出して再生を開始する。

以下に、基本的なサンプルコードを示します。

using System;
using System.Media;
class Program
{
    static void Main()
    {
        // SoundPlayerオブジェクトを作成
        SoundPlayer player = new SoundPlayer();
        // 再生するWAVファイルのパスを指定
        player.SoundLocation = @"C:\path\to\your\file.wav";
        // 再生を開始
        player.Play();
    }
}

このコードを実行すると、指定したWAVファイルが再生されます。

SoundLocationプロパティにファイルパスを設定し、Playメソッドを呼び出すことで再生が開始されます。

非同期再生と同期再生の違い

SoundPlayerクラスでは、同期再生と非同期再生の2つの再生方法を選択できます。

同期再生: PlaySyncメソッドを使用します。

このメソッドは、再生が完了するまでプログラムの実行をブロックします。

非同期再生: Playメソッドを使用します。

このメソッドは、再生をバックグラウンドで行い、プログラムの実行をブロックしません。

以下に、同期再生と非同期再生のサンプルコードを示します。

using System;
using System.Media;
class Program
{
    static void Main()
    {
        SoundPlayer player = new SoundPlayer(@"C:\path\to\your\file.wav");
        // 非同期再生
        player.Play();
        Console.WriteLine("非同期再生中...");
        // 同期再生
        player.PlaySync();
        Console.WriteLine("同期再生完了");
    }
}

このコードを実行すると、最初に非同期で再生が始まり、その後に同期再生が行われます。

非同期再生中は、”非同期再生中…”というメッセージがすぐに表示されますが、同期再生中は再生が完了するまで次のメッセージが表示されません。

再生の停止とリソースの解放

SoundPlayerクラスでは、再生を停止するためのStopメソッドと、リソースを解放するためのDisposeメソッドが用意されています。

再生の停止: Stopメソッドを呼び出すことで、現在再生中の音声を停止できます。
リソースの解放: Disposeメソッドを呼び出すことで、SoundPlayerオブジェクトが使用しているリソースを解放します。

以下に、再生の停止とリソースの解放のサンプルコードを示します。

using System;
using System.Media;
class Program
{
    static void Main()
    {
        SoundPlayer player = new SoundPlayer(@"C:\path\to\your\file.wav");
        // 再生を開始
        player.Play();
        Console.WriteLine("再生中...");
        // 再生を停止
        player.Stop();
        Console.WriteLine("再生停止");
        // リソースを解放
        player.Dispose();
        Console.WriteLine("リソース解放");
    }
}

このコードを実行すると、再生が開始され、すぐに停止されます。

その後、SoundPlayerオブジェクトが使用していたリソースが解放されます。

Disposeメソッドは、usingステートメントを使用することで自動的に呼び出すこともできます。

実装例

簡単な再生プログラムの作成

WAVファイルを再生するための簡単なプログラムを作成してみましょう。

このプログラムでは、SoundPlayerクラスを使用して指定したWAVファイルを再生します。

using System;
using System.Media;
class SimplePlayer
{
    static void Main()
    {
        // SoundPlayerオブジェクトを作成
        SoundPlayer player = new SoundPlayer(@"C:\path\to\your\file.wav");
        // 再生を開始
        player.PlaySync();
        Console.WriteLine("再生が完了しました。");
    }
}

このプログラムを実行すると、指定したWAVファイルが再生され、再生が完了するとコンソールに「再生が完了しました。」と表示されます。

ファイルパスの指定方法

WAVファイルのパスを指定する方法は、絶対パスと相対パスの2種類があります。

以下にそれぞれの指定方法を示します。

絶対パス: ファイルの完全なパスを指定します。
例：@"C:\path\to\your\file.wav"
相対パス: プログラムの実行ディレクトリからの相対的なパスを指定します。
例：@"..\..\file.wav"

以下に、相対パスを使用したサンプルコードを示します。

using System;
using System.Media;
class RelativePathPlayer
{
    static void Main()
    {
        // 相対パスでSoundPlayerオブジェクトを作成
        SoundPlayer player = new SoundPlayer(@"..\..\file.wav");
        // 再生を開始
        player.PlaySync();
        Console.WriteLine("相対パスでの再生が完了しました。");
    }
}

このコードを実行すると、相対パスで指定したWAVファイルが再生されます。

エラーハンドリングの実装

WAVファイルの再生中にエラーが発生する可能性があります。

例えば、ファイルが存在しない場合や、ファイル形式が不正な場合です。

これらのエラーを適切に処理するために、try-catchブロックを使用します。

using System;
using System.Media;
class ErrorHandlingPlayer
{
    static void Main()
    {
        try
        {
            // SoundPlayerオブジェクトを作成
            SoundPlayer player = new SoundPlayer(@"C:\path\to\your\file.wav");
            // 再生を開始
            player.PlaySync();
            Console.WriteLine("再生が完了しました。");
        }
        catch (Exception ex)
        {
            // エラーが発生した場合の処理
            Console.WriteLine("エラーが発生しました: " + ex.Message);
        }
    }
}

このコードを実行すると、エラーが発生した場合に「エラーが発生しました: [エラーメッセージ]」と表示されます。

ユーザーインターフェースとの連携

WAVファイルの再生をユーザーインターフェース(UI)と連携させることで、よりインタラクティブなアプリケーションを作成できます。

ここでは、Windows Formsを使用してボタンをクリックするとWAVファイルを再生する例を示します。

using System;
using System.Media;
using System.Windows.Forms;
public class SoundPlayerForm : Form
{
    private Button playButton;
    private SoundPlayer player;
    public SoundPlayerForm()
    {
        // ボタンを作成
        playButton = new Button();
        playButton.Text = "再生";
        playButton.Click += new EventHandler(PlayButton_Click);
        Controls.Add(playButton);
        // SoundPlayerオブジェクトを作成
        player = new SoundPlayer(@"C:\path\to\your\file.wav");
    }
    private void PlayButton_Click(object sender, EventArgs e)
    {
        // ボタンがクリックされたときに再生を開始
        player.Play();
    }
    [STAThread]
    static void Main()
    {
        Application.EnableVisualStyles();
        Application.Run(new SoundPlayerForm());
    }
}

このコードを実行すると、Windows Formsアプリケーションが起動し、「再生」ボタンをクリックすると指定したWAVファイルが再生されます。

ユーザーインターフェースを使用することで、ユーザーの操作に応じた音声再生が可能になります。

応用例

再生位置の制御

SoundPlayerクラス自体には再生位置を制御する機能はありませんが、NAudioライブラリを使用することで、再生位置を制御することが可能です。

以下に、NAudioを使用して再生位置を制御するサンプルコードを示します。

using System;
using NAudio.Wave;
class PlaybackControl
{
    static void Main()
    {
        using (var audioFile = new AudioFileReader(@"C:\path\to\your\file.wav"))
        using (var outputDevice = new WaveOutEvent())
        {
            outputDevice.Init(audioFile);
            outputDevice.Play();
            // 再生位置を5秒後に設定
            audioFile.CurrentTime = TimeSpan.FromSeconds(5);
            Console.WriteLine("再生位置を5秒後に設定しました。");
            // 再生が完了するまで待機
            while (outputDevice.PlaybackState == PlaybackState.Playing)
            {
                System.Threading.Thread.Sleep(1000);
            }
        }
    }
}

このコードを実行すると、WAVファイルの再生が開始され、再生位置が5秒後に設定されます。

音量調整の実装

NAudioライブラリを使用することで、音量の調整も可能です。

以下に、音量を調整するサンプルコードを示します。

using System;
using NAudio.Wave;
class VolumeControl
{
    static void Main()
    {
        using (var audioFile = new AudioFileReader(@"C:\path\to\your\file.wav"))
        using (var outputDevice = new WaveOutEvent())
        {
            outputDevice.Init(audioFile);
            // 音量を50%に設定
            audioFile.Volume = 0.5f;
            Console.WriteLine("音量を50%に設定しました。");
            outputDevice.Play();
            // 再生が完了するまで待機
            while (outputDevice.PlaybackState == PlaybackState.Playing)
            {
                System.Threading.Thread.Sleep(1000);
            }
        }
    }
}

このコードを実行すると、WAVファイルが50%の音量で再生されます。

複数ファイルの連続再生

複数のWAVファイルを連続して再生するには、NAudioライブラリを使用して、ファイルを順番に再生するロジックを実装します。

using System;
using NAudio.Wave;
class SequentialPlayback
{
    static void Main()
    {
        string[] files = { @"C:\path\to\file1.wav", @"C:\path\to\file2.wav" };
        foreach (var file in files)
        {
            using (var audioFile = new AudioFileReader(file))
            using (var outputDevice = new WaveOutEvent())
            {
                outputDevice.Init(audioFile);
                outputDevice.Play();
                // 再生が完了するまで待機
                while (outputDevice.PlaybackState == PlaybackState.Playing)
                {
                    System.Threading.Thread.Sleep(1000);
                }
            }
            Console.WriteLine($"{file} の再生が完了しました。");
        }
    }
}

このコードを実行すると、指定した複数のWAVファイルが順番に再生されます。

再生完了イベントの利用

再生完了イベントを利用することで、再生が終了したときに特定の処理を実行することができます。

以下に、NAudioを使用して再生完了イベントを利用するサンプルコードを示します。

using System;
using NAudio.Wave;
class PlaybackCompletionEvent
{
    static void Main()
    {
        using (var audioFile = new AudioFileReader(@"C:\path\to\your\file.wav"))
        using (var outputDevice = new WaveOutEvent())
        {
            outputDevice.Init(audioFile);
            outputDevice.PlaybackStopped += OnPlaybackStopped;
            outputDevice.Play();
            // 再生が完了するまで待機
            while (outputDevice.PlaybackState == PlaybackState.Playing)
            {
                System.Threading.Thread.Sleep(1000);
            }
        }
    }
    private static void OnPlaybackStopped(object sender, StoppedEventArgs e)
    {
        Console.WriteLine("再生が完了しました。");
    }
}

このコードを実行すると、WAVファイルの再生が完了したときに「再生が完了しました。」と表示されます。

再生完了イベントを利用することで、再生終了後の処理を柔軟に実装できます。

他の音声形式の再生

WAV以外の音声形式の対応

C#でWAV以外の音声形式を再生するには、NAudioライブラリを使用するのが一般的です。

NAudioは、MP3やAAC、FLACなど、さまざまな音声形式に対応しており、音声ファイルの再生や録音、編集を行うための強力な機能を提供します。

以下に、MP3ファイルを再生するサンプルコードを示します。

using System;
using NAudio.Wave;
class MP3Playback
{
    static void Main()
    {
        using (var audioFile = new AudioFileReader(@"C:\path\to\your\file.mp3"))
        using (var outputDevice = new WaveOutEvent())
        {
            outputDevice.Init(audioFile);
            outputDevice.Play();
            // 再生が完了するまで待機
            while (outputDevice.PlaybackState == PlaybackState.Playing)
            {
                System.Threading.Thread.Sleep(1000);
            }
        }
    }
}

このコードを実行すると、指定したMP3ファイルが再生されます。

AudioFileReaderクラスは、さまざまな音声形式をサポートしており、ファイルの拡張子に応じて適切なデコーダーを自動的に選択します。

NAudioライブラリの紹介

NAudioは、.NETアプリケーションで音声処理を行うためのオープンソースライブラリです。

以下に、NAudioの主な機能を示します。

機能	説明
音声再生	WAV、MP3、AAC、FLACなどの再生
音声録音	マイクからの音声録音
音声編集	音声ファイルの編集や変換
エフェクト	音声エフェクトの適用

NAudioを使用することで、C#アプリケーションに高度な音声機能を簡単に追加できます。

NAudioはNuGetパッケージとして提供されており、Visual Studioのパッケージマネージャーを使用して簡単にインストールできます。

DirectXを使用した再生方法

DirectXを使用して音声を再生する方法もあります。

DirectXのDirectSoundを利用することで、低レイテンシーでの音声再生が可能です。

以下に、DirectSoundを使用して音声を再生するサンプルコードを示します。

using System;
using Microsoft.DirectX.DirectSound;
using System.IO;
class DirectSoundPlayback
{
    static void Main()
    {
        // デバイスの初期化
        Device soundDevice = new Device();
        soundDevice.SetCooperativeLevel(new System.Windows.Forms.Control(), CooperativeLevel.Priority);
        // WAVファイルの読み込み
        string filePath = @"C:\path\to\your\file.wav";
        byte[] soundData = File.ReadAllBytes(filePath);
        // バッファの作成
        BufferDescription bufferDesc = new BufferDescription();
        bufferDesc.ControlVolume = true;
        SecondaryBuffer soundBuffer = new SecondaryBuffer(new MemoryStream(soundData), bufferDesc, soundDevice);
        // 再生を開始
        soundBuffer.Play(0, BufferPlayFlags.Default);
        Console.WriteLine("DirectSoundで再生中...");
        // 再生が完了するまで待機
        while (soundBuffer.Status.Playing)
        {
            System.Threading.Thread.Sleep(1000);
        }
    }
}

このコードを実行すると、指定したWAVファイルがDirectSoundを使用して再生されます。

DirectSoundは、特にゲームやリアルタイムアプリケーションでの音声再生に適していますが、セットアップがやや複雑であるため、NAudioの方が簡単に実装できる場合が多いです。