ServiceController

[C#] ServiceControllerの使い方と基本操作

2025-01-18更新日: 2025-01-18

ServiceControllerは、C#でWindowsサービスを管理するためのクラスです。

これを使用すると、サービスの開始、停止、再起動、状態の確認などが可能です。

基本的な操作としては、まずServiceControllerオブジェクトを作成し、対象のサービス名を指定します。

サービスを開始するにはStart()メソッドを、停止するにはStop()メソッドを使用します。

サービスの状態を確認するにはStatusプロパティを参照し、ServiceControllerStatus列挙型を用いて状態を判別します。

これにより、サービスの管理をプログラムから自動化できます。

目次から探す

ServiceControllerとは
ServiceControllerの基本操作
ServiceControllerのプロパティとメソッド
- 主要なプロパティ
- 主要なメソッド
ServiceControllerの応用例
ServiceControllerを使用する際の注意点
まとめ

ServiceControllerとは

ServiceControllerは、C#でWindowsサービスを管理するためのクラスです。

このクラスを使用することで、サービスの開始、停止、再起動、状態確認などの操作をプログラムから簡単に行うことができます。

ServiceControllerはSystem.ServiceProcess名前空間に含まれており、特にサーバーアプリケーションやバックグラウンドプロセスの管理に役立ちます。

これにより、システムの自動化や監視ツールの開発が容易になり、効率的なサービス管理が実現します。

ServiceControllerの基本操作

ServiceControllerオブジェクトの作成

ServiceControllerオブジェクトを作成するには、サービス名を指定してインスタンスを生成します。

以下のサンプルコードでは、”MyService”という名前のサービスを管理するためのServiceControllerオブジェクトを作成しています。

using System;
using System.ServiceProcess;
class Program
{
    static void Main()
    {
        // ServiceControllerオブジェクトの作成
        ServiceController serviceController = new ServiceController("MyService");
        
        // サービス名の表示
        Console.WriteLine("サービス名: " + serviceController.ServiceName);
    }
}

サービス名: MyService

サービスの開始

サービスを開始するには、ServiceControllerオブジェクトのStartメソッドを使用します。

以下のサンプルコードでは、サービスを開始する方法を示しています。

using System;
using System.ServiceProcess;
class Program
{
    static void Main()
    {
        ServiceController serviceController = new ServiceController("MyService");
        
        // サービスの開始
        serviceController.Start();
        serviceController.WaitForStatus(ServiceControllerStatus.Running);
        
        Console.WriteLine("サービスが開始されました。");
    }
}

サービスが開始されました。

サービスの停止

サービスを停止するには、ServiceControllerオブジェクトのStopメソッドを使用します。

以下のサンプルコードでは、サービスを停止する方法を示しています。

using System;
using System.ServiceProcess;
class Program
{
    static void Main()
    {
        ServiceController serviceController = new ServiceController("MyService");
        
        // サービスの停止
        serviceController.Stop();
        serviceController.WaitForStatus(ServiceControllerStatus.Stopped);
        
        Console.WriteLine("サービスが停止されました。");
    }
}

サービスが停止されました。

サービスの再起動

サービスを再起動するには、StopメソッドとStartメソッドを連続して呼び出します。

以下のサンプルコードでは、サービスを再起動する方法を示しています。

using System;
using System.ServiceProcess;
class Program
{
    static void Main()
    {
        ServiceController serviceController = new ServiceController("MyService");
        
        // サービスの再起動
        serviceController.Stop();
        serviceController.WaitForStatus(ServiceControllerStatus.Stopped);
        
        serviceController.Start();
        serviceController.WaitForStatus(ServiceControllerStatus.Running);
        
        Console.WriteLine("サービスが再起動されました。");
    }
}

サービスが再起動されました。

サービスの状態確認

サービスの状態を確認するには、Statusプロパティを使用します。

以下のサンプルコードでは、サービスの状態を表示する方法を示しています。

using System;
using System.ServiceProcess;
class Program
{
    static void Main()
    {
        ServiceController serviceController = new ServiceController("MyService");
        
        // サービスの状態確認
        Console.WriteLine("サービスの状態: " + serviceController.Status);
    }
}

サービスの状態: Running

これらの基本操作を通じて、ServiceControllerを使用してWindowsサービスを効果的に管理することができます。

ServiceControllerのプロパティとメソッド

主要なプロパティ

ServiceControllerクラスには、サービスの状態や名前を取得するための重要なプロパティがあります。

Statusプロパティ

Statusプロパティは、サービスの現在の状態を取得します。

状態は、Running、Stopped、PausePending、ContinuePendingなどの値を持ちます。

以下のサンプルコードでは、Statusプロパティを使用してサービスの状態を表示しています。

using System;
using System.ServiceProcess;
class Program
{
    static void Main()
    {
        ServiceController serviceController = new ServiceController("MyService");
        
        // サービスの状態を表示
        Console.WriteLine("サービスの状態: " + serviceController.Status);
    }
}

サービスの状態: Running

ServiceNameプロパティ

ServiceNameプロパティは、サービスの名前を取得します。

このプロパティを使用することで、特定のサービスを識別することができます。

以下のサンプルコードでは、ServiceNameプロパティを使用してサービス名を表示しています。

using System;
using System.ServiceProcess;
class Program
{
    static void Main()
    {
        ServiceController serviceController = new ServiceController("MyService");
        
        // サービス名を表示
        Console.WriteLine("サービス名: " + serviceController.ServiceName);
    }
}

サービス名: MyService

主要なメソッド

ServiceControllerクラスには、サービスを操作するための重要なメソッドがあります。

Startメソッド

Startメソッドは、指定したサービスを開始します。

このメソッドを呼び出すことで、サービスを実行状態にすることができます。

以下のサンプルコードでは、Startメソッドを使用してサービスを開始しています。

using System;
using System.ServiceProcess;
class Program
{
    static void Main()
    {
        ServiceController serviceController = new ServiceController("MyService");
        
        // サービスを開始
        serviceController.Start();
        serviceController.WaitForStatus(ServiceControllerStatus.Running);
        
        Console.WriteLine("サービスが開始されました。");
    }
}

サービスが開始されました。

Stopメソッド

Stopメソッドは、指定したサービスを停止します。

このメソッドを使用することで、サービスを停止状態にすることができます。

以下のサンプルコードでは、Stopメソッドを使用してサービスを停止しています。

using System;
using System.ServiceProcess;
class Program
{
    static void Main()
    {
        ServiceController serviceController = new ServiceController("MyService");
        
        // サービスを停止
        serviceController.Stop();
        serviceController.WaitForStatus(ServiceControllerStatus.Stopped);
        
        Console.WriteLine("サービスが停止されました。");
    }
}

サービスが停止されました。

Refreshメソッド

Refreshメソッドは、サービスの状態を最新の情報に更新します。

このメソッドを使用することで、サービスの状態を再取得することができます。

以下のサンプルコードでは、Refreshメソッドを使用してサービスの状態を更新しています。

using System;
using System.ServiceProcess;
class Program
{
    static void Main()
    {
        ServiceController serviceController = new ServiceController("MyService");
        
        // サービスの状態を更新
        serviceController.Refresh();
        
        Console.WriteLine("サービスの状態: " + serviceController.Status);
    }
}

サービスの状態: Running

これらのプロパティとメソッドを活用することで、ServiceControllerを通じてWindowsサービスを効果的に管理することができます。

ServiceControllerの応用例

サービスの自動再起動

サービスが異常終了した場合に自動的に再起動する機能を実装することができます。

以下のサンプルコードでは、指定したサービスが停止している場合に自動的に再起動する処理を示しています。

using System;
using System.ServiceProcess;
using System.Threading;
class Program
{
    static void Main()
    {
        ServiceController serviceController = new ServiceController("MyService");
        while (true)
        {
            // サービスの状態を更新
            serviceController.Refresh();
            // サービスが停止している場合
            if (serviceController.Status == ServiceControllerStatus.Stopped)
            {
                // サービスを再起動
                serviceController.Start();
                serviceController.WaitForStatus(ServiceControllerStatus.Running);
                Console.WriteLine("サービスが再起動されました。");
            }
            // 5秒待機
            Thread.Sleep(5000);
        }
    }
}

サービスが再起動されました。

サービスの状態監視ツールの作成

複数のサービスの状態を監視し、異常があった場合に通知するツールを作成することができます。

以下のサンプルコードでは、複数のサービスの状態を定期的にチェックし、停止しているサービスを表示します。

using System;
using System.ServiceProcess;
using System.Threading;
class Program
{
    static void Main()
    {
        string[] serviceNames = { "MyService1", "MyService2", "MyService3" };
        while (true)
        {
            foreach (var serviceName in serviceNames)
            {
                ServiceController serviceController = new ServiceController(serviceName);
                serviceController.Refresh();
                // サービスが停止している場合
                if (serviceController.Status == ServiceControllerStatus.Stopped)
                {
                    Console.WriteLine(serviceName + "は停止しています。");
                }
            }
            // 10秒待機
            Thread.Sleep(10000);
        }
    }
}

MyService1は停止しています。
MyService2は停止しています。

複数サービスの一括管理

複数のサービスを一括で開始、停止、再起動する機能を実装することができます。

以下のサンプルコードでは、指定したサービスのリストを一括で停止し、その後再起動します。

using System;
using System.ServiceProcess;
class Program
{
    static void Main()
    {
        string[] serviceNames = { "MyService1", "MyService2", "MyService3" };
        // サービスを一括で停止
        foreach (var serviceName in serviceNames)
        {
            ServiceController serviceController = new ServiceController(serviceName);
            serviceController.Stop();
            serviceController.WaitForStatus(ServiceControllerStatus.Stopped);
            Console.WriteLine(serviceName + "が停止されました。");
        }
        // サービスを一括で再起動
        foreach (var serviceName in serviceNames)
        {
            ServiceController serviceController = new ServiceController(serviceName);
            serviceController.Start();
            serviceController.WaitForStatus(ServiceControllerStatus.Running);
            Console.WriteLine(serviceName + "が再起動されました。");
        }
    }
}

MyService1が停止されました。
MyService2が停止されました。
MyService3が停止されました。
MyService1が再起動されました。
MyService2が再起動されました。
MyService3が再起動されました。

これらの応用例を通じて、ServiceControllerを活用した高度なサービス管理が可能になります。

ServiceControllerを使用する際の注意点

管理者権限の必要性

ServiceControllerを使用してWindowsサービスを操作するには、管理者権限が必要です。

サービスの開始、停止、再起動などの操作は、システムの重要な部分に影響を与えるため、通常のユーザーアカウントでは実行できません。

プログラムを実行する際には、必ず管理者として実行するか、適切な権限を持つアカウントでログインしていることを確認してください。

サービス名の確認方法

ServiceControllerを使用する際には、正確なサービス名を指定する必要があります。

サービス名は、Windowsのサービス管理ツールやコマンドプロンプトを使用して確認できます。

以下の手順でサービス名を確認できます。

サービス管理ツールを使用する:

Windowsの「スタート」メニューから「サービス」を検索し、サービス管理ツールを開きます。
一覧から目的のサービスを見つけ、右クリックして「プロパティ」を選択します。
「サービス名」フィールドに表示されている名前が、ServiceControllerで使用するサービス名です。

コマンドプロンプトを使用する:

コマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを入力します。

sc query state= all

これにより、すべてのサービスの状態とサービス名が表示されます。

エラーハンドリングの重要性

ServiceControllerを使用する際には、エラーハンドリングを適切に実装することが重要です。

サービスの操作中に発生する可能性のある例外(例: サービスが存在しない、権限が不足しているなど)に対処するために、try-catchブロックを使用することをお勧めします。

以下のサンプルコードでは、エラーハンドリングの実装例を示しています。

using System;
using System.ServiceProcess;
class Program
{
    static void Main()
    {
        try
        {
            ServiceController serviceController = new ServiceController("MyService");
            serviceController.Start();
            serviceController.WaitForStatus(ServiceControllerStatus.Running);
            Console.WriteLine("サービスが開始されました。");
        }
        catch (InvalidOperationException ex)
        {
            Console.WriteLine("エラー: " + ex.Message);
        }
        catch (System.UnauthorizedAccessException ex)
        {
            Console.WriteLine("権限エラー: " + ex.Message);
        }
        catch (Exception ex)
        {
            Console.WriteLine("予期しないエラー: " + ex.Message);
        }
    }
}