[C#] PerformanceCounterのカスタム設定方法

C#でPerformanceCounterをカスタム設定するには、まずSystem.Diagnostics名前空間を使用します。

カスタムパフォーマンスカウンターを作成するには、PerformanceCounterCategoryクラスを用いて新しいカテゴリを作成し、その中にカウンターを定義します。

CounterCreationDataCollectionを使用して複数のカウンターをまとめ、PerformanceCounterCategory.Createメソッドでカテゴリとカウンターを登録します。

カウンターの種類や初期値を設定することも可能です。

設定後、PerformanceCounterクラスを使ってカウンターの値を読み書きできます。

これにより、アプリケーションの特定のパフォーマンス指標を監視することができます。

この記事でわかること
  • カスタムPerformanceCounterの作成方法
  • カウンターの設定と管理手法
  • アプリケーションのパフォーマンス監視
  • サーバーリソースのトラッキング方法
  • 特定イベントの発生頻度の計測方法

目次から探す

カスタムPerformanceCounterの作成

NugetからSystem.Diagnostics.PerformanceCounterを検索してインストールしておく必要があります。

コンソールからの場合は、dotnet add package System.Diagnostics.PerformanceCounterでインストールできます。

必要な名前空間とクラス

カスタムPerformanceCounterを作成するためには、以下の名前空間を使用します。

  • System.Diagnostics
  • System.Collections.Generic

これらの名前空間をインポートすることで、PerformanceCounterやPerformanceCounterCategoryなどのクラスを利用できるようになります。

using System.Diagnostics; // PerformanceCounterやPerformanceCounterCategoryを使用するため
using System.Collections.Generic; // コレクションを使用するため

カウンターカテゴリの作成

カスタムPerformanceCounterを使用するには、まずカウンターカテゴリを作成する必要があります。

カウンターカテゴリは、関連するカウンターをグループ化するためのものです。

以下のサンプルコードでは、”MyCustomCategory”という名前のカウンターカテゴリを作成します。

// カウンターカテゴリの作成
if (!PerformanceCounterCategory.Exists("MyCustomCategory"))
{
    // カウンターのデータを格納するためのコレクションを作成
    CounterCreationDataCollection counterDataCollection = new CounterCreationDataCollection();
    // カウンターのデータを作成
    CounterCreationData myCounter = new CounterCreationData
    {
        CounterName = "MyCustomCounter", // カウンター名
        CounterHelp = "This is a custom counter.", // カウンターの説明
        CounterType = PerformanceCounterType.NumberOfItems32 // カウンターの種類
    };
    // カウンターをコレクションに追加
    counterDataCollection.Add(myCounter);
    // カウンターカテゴリを作成
    PerformanceCounterCategory.Create("MyCustomCategory", "Category for custom performance counters", PerformanceCounterCategoryType.SingleInstance, counterDataCollection);
}

PerformanceCounterCategory.Createメソッドの呼び出しは管理者権限を持った状態で実行しないと例外が発生します。

カウンターの種類と設定

PerformanceCounterには、さまざまな種類があります。

以下は、一般的なカウンターの種類です。

スクロールできます
カウンターの種類説明
PerformanceCounterType.NumberOfItems3232ビットの整数値をカウントするカウンター
PerformanceCounterType.AverageCount64平均値を計算するカウンター
PerformanceCounterType.Timer時間を計測するカウンター

カウンターの種類を設定する際は、目的に応じて適切なタイプを選択します。

CounterCreationDataCollectionの利用

CounterCreationDataCollectionは、複数のカウンターを一度に作成するためのコレクションです。

このコレクションを使用することで、複数のカウンターをまとめてカテゴリに追加できます。

以下のサンプルコードでは、2つのカウンターを持つカテゴリを作成します。

// カウンターカテゴリの作成
if (!PerformanceCounterCategory.Exists("MyCustomCategory"))
{
    CounterCreationDataCollection counterDataCollection = new CounterCreationDataCollection();
    // 1つ目のカウンター
    CounterCreationData counter1 = new CounterCreationData
    {
        CounterName = "Counter1",
        CounterHelp = "First custom counter.",
        CounterType = PerformanceCounterType.NumberOfItems32
    };
    // 2つ目のカウンター
    CounterCreationData counter2 = new CounterCreationData
    {
        CounterName = "Counter2",
        CounterHelp = "Second custom counter.",
        CounterType = PerformanceCounterType.NumberOfItems32
    };
    // カウンターをコレクションに追加
    counterDataCollection.Add(counter1);
    counterDataCollection.Add(counter2);
    // カウンターカテゴリを作成
    PerformanceCounterCategory.Create("MyCustomCategory", "Category for custom performance counters", PerformanceCounterCategoryType.SingleInstance, counterDataCollection);
}

PerformanceCounterCategory.Createメソッドの使用

PerformanceCounterCategory.Createメソッドは、新しいカウンターカテゴリを作成するために使用されます。

このメソッドには、カテゴリ名、説明、カテゴリタイプ、カウンターのコレクションを引数として渡します。

以下のサンプルコードは、カウンターカテゴリを作成する方法を示しています。

// カウンターカテゴリの作成
CounterCreationDataCollection counterDataCollection = new CounterCreationDataCollection();
CounterCreationData myCounter = new CounterCreationData
{
    CounterName = "MyCustomCounter",
    CounterHelp = "This is a custom counter.",
    CounterType = PerformanceCounterType.NumberOfItems32
};
counterDataCollection.Add(myCounter);
// カウンターカテゴリを作成
PerformanceCounterCategory.Create("MyCustomCategory", "Category for custom performance counters", PerformanceCounterCategoryType.SingleInstance, counterDataCollection);

このコードを実行すると、”MyCustomCategory”という名前のカウンターカテゴリが作成され、その中に”MyCustomCounter”というカウンターが追加されます。

カスタムPerformanceCounterの設定

カウンターの初期値設定

カスタムPerformanceCounterを使用する際、カウンターの初期値を設定することが重要です。

初期値は、カウンターが最初に読み取られたときの値を示します。

以下のサンプルコードでは、カウンターの初期値を設定する方法を示します。

// カウンターのインスタンスを作成
PerformanceCounter myCounter = new PerformanceCounter("MyCustomCategory", "MyCustomCounter", false);
// 初期値を設定
myCounter.RawValue = 0; // 初期値を0に設定

このコードを実行すると、”MyCustomCounter”の初期値が0に設定されます。

カウンターのインスタンス化

カスタムPerformanceCounterを使用するには、まずカウンターのインスタンスを作成する必要があります。

インスタンス化する際には、カテゴリ名、カウンター名、読み取り専用かどうかを指定します。

以下のサンプルコードでは、カウンターのインスタンスを作成する方法を示します。

// カウンターのインスタンスを作成
PerformanceCounter myCounter = new PerformanceCounter("MyCustomCategory", "MyCustomCounter", false);
// カウンターの初期値を設定
myCounter.RawValue = 0; // 初期値を0に設定

このコードを実行すると、”MyCustomCounter”のインスタンスが作成され、初期値が設定されます。

カウンターの読み取りと書き込み

カスタムPerformanceCounterの値を読み取ったり書き込んだりすることができます。

カウンターの値は、RawValueプロパティを使用して取得または設定します。

以下のサンプルコードでは、カウンターの値を読み取り、書き込む方法を示します。

// カウンターのインスタンスを作成
PerformanceCounter myCounter = new PerformanceCounter("MyCustomCategory", "MyCustomCounter", false);
// カウンターの値を読み取る
float currentValue = myCounter.RawValue; // 現在の値を取得
Console.WriteLine($"現在のカウンターの値: {currentValue}");
// カウンターの値を書き込む
myCounter.Increment(); // 値を1増加させる
Console.WriteLine($"カウンターの値を1増加させました: {myCounter.RawValue}");

このコードを実行すると、現在のカウンターの値が表示され、その後カウンターの値が1増加します。

カウンターのリセット方法

カスタムPerformanceCounterの値をリセットすることも可能です。

リセットすることで、カウンターの値を初期状態に戻すことができます。

リセットは、RawValueプロパティを0に設定することで行います。

以下のサンプルコードでは、カウンターのリセット方法を示します。

// カウンターのインスタンスを作成
PerformanceCounter myCounter = new PerformanceCounter("MyCustomCategory", "MyCustomCounter", false);
// カウンターの値をリセット
myCounter.RawValue = 0; // 値を0に設定
Console.WriteLine("カウンターの値をリセットしました。");

このコードを実行すると、”MyCustomCounter”の値が0にリセットされます。

リセット後は、再度カウンターの値を増加させることができます。

カスタムPerformanceCounterの管理

カウンターの削除方法

カスタムPerformanceCounterを削除するには、PerformanceCounterCategory.Deleteメソッドを使用します。

このメソッドを呼び出すことで、指定したカウンターカテゴリとその中のすべてのカウンターを削除することができます。

以下のサンプルコードでは、”MyCustomCategory”というカウンターカテゴリを削除する方法を示します。

// カウンターカテゴリの削除
if (PerformanceCounterCategory.Exists("MyCustomCategory"))
{
    PerformanceCounterCategory.Delete("MyCustomCategory"); // カウンターカテゴリを削除
    Console.WriteLine("カウンターカテゴリ 'MyCustomCategory' を削除しました。");
}
else
{
    Console.WriteLine("カウンターカテゴリ 'MyCustomCategory' は存在しません。");
}

このコードを実行すると、指定したカウンターカテゴリが削除されます。

カウンターの更新と変更

カスタムPerformanceCounterの設定を変更することも可能です。

カウンターの種類や説明を変更する場合は、カウンターカテゴリを再作成する必要があります。

以下のサンプルコードでは、カウンターの説明を変更する方法を示します。

// カウンターカテゴリの更新
if (PerformanceCounterCategory.Exists("MyCustomCategory"))
{
    // 既存のカウンターカテゴリを削除
    PerformanceCounterCategory.Delete("MyCustomCategory");
    // 新しいカウンターのデータを作成
    CounterCreationDataCollection counterDataCollection = new CounterCreationDataCollection();
    CounterCreationData myCounter = new CounterCreationData
    {
        CounterName = "MyCustomCounter",
        CounterHelp = "Updated custom counter description.", // 説明を更新
        CounterType = PerformanceCounterType.NumberOfItems32
    };
    counterDataCollection.Add(myCounter);
    // カウンターカテゴリを再作成
    PerformanceCounterCategory.Create("MyCustomCategory", "Category for custom performance counters", PerformanceCounterCategoryType.SingleInstance, counterDataCollection);
    Console.WriteLine("カウンターカテゴリ 'MyCustomCategory' を更新しました。");
}

このコードを実行すると、カウンターの説明が更新されます。

カウンターの監視とログの取得

カスタムPerformanceCounterの値を監視し、ログを取得することができます。

これにより、アプリケーションのパフォーマンスを分析することが可能です。

カウンターの値を定期的に取得し、ログファイルに記録する方法を以下のサンプルコードで示します。

// カウンターのインスタンスを作成
PerformanceCounter myCounter = new PerformanceCounter("MyCustomCategory", "MyCustomCounter", false);
// ログファイルのパス
string logFilePath = "performance_log.txt";
// 定期的にカウンターの値を取得してログに記録
for (int i = 0; i < 10; i++)
{
    float currentValue = myCounter.RawValue; // 現在の値を取得
    using (StreamWriter writer = new StreamWriter(logFilePath, true)) // 追記モードで開く
    {
        writer.WriteLine($"[{DateTime.Now}] カウンターの値: {currentValue}"); // ログに記録
    }
    Thread.Sleep(1000); // 1秒待機
}

このコードを実行すると、カウンターの値が1秒ごとに取得され、”performance_log.txt”というファイルに記録されます。

これにより、カウンターの動作を監視し、後で分析することができます。

応用例

アプリケーションのパフォーマンス監視

カスタムPerformanceCounterを使用して、アプリケーションのパフォーマンスを監視することができます。

例えば、処理時間やメモリ使用量をカウントするカウンターを作成し、アプリケーションのパフォーマンスをリアルタイムで把握することが可能です。

以下のサンプルコードでは、アプリケーションの処理時間を測定するカウンターを作成し、定期的にその値を更新します。

// 処理時間を測定するカウンターの作成
PerformanceCounter processingTimeCounter = new PerformanceCounter("MyCustomCategory", "ProcessingTimeCounter", false);
// 処理を行う
for (int i = 0; i < 10; i++)
{
    var watch = System.Diagnostics.Stopwatch.StartNew(); // 処理時間を測定開始
    // ここに処理を記述
    Thread.Sleep(500); // 例として500ms待機
    watch.Stop(); // 処理時間を測定終了
    processingTimeCounter.RawValue = watch.ElapsedMilliseconds; // カウンターに処理時間を設定
    Console.WriteLine($"処理時間: {processingTimeCounter.RawValue} ms");
}

このコードを実行すると、各処理の時間がカウンターに記録され、アプリケーションのパフォーマンスを監視できます。

サーバーのリソース使用状況のトラッキング

カスタムPerformanceCounterを使用して、サーバーのCPU使用率やメモリ使用量をトラッキングすることができます。

これにより、リソースの使用状況を把握し、必要に応じて最適化を行うことが可能です。

以下のサンプルコードでは、CPU使用率を監視するカウンターを作成し、定期的にその値を更新します。

// CPU使用率を測定するカウンターの作成
PerformanceCounter cpuCounter = new PerformanceCounter("Processor", "% Processor Time", "_Total");
// 定期的にCPU使用率を取得
for (int i = 0; i < 10; i++)
{
    float cpuUsage = cpuCounter.NextValue(); // CPU使用率を取得
    Console.WriteLine($"現在のCPU使用率: {cpuUsage}%");
    Thread.Sleep(1000); // 1秒待機
}

このコードを実行すると、サーバーのCPU使用率が1秒ごとに表示され、リソースの使用状況を把握できます。

特定イベントの発生頻度の計測

カスタムPerformanceCounterを使用して、特定のイベントの発生頻度を計測することができます。

例えば、エラーログの発生回数やユーザーのアクションをカウントするカウンターを作成することで、アプリケーションの動作を分析できます。

以下のサンプルコードでは、特定のイベント(ここではエラー発生)をカウントするカウンターを作成し、エラーが発生するたびにその値を更新します。

// エラー発生回数をカウントするカウンターの作成
PerformanceCounter errorCounter = new PerformanceCounter("MyCustomCategory", "ErrorCount", false);
// エラーが発生した場合の処理
for (int i = 0; i < 5; i++)
{
    // エラーが発生したと仮定
    errorCounter.Increment(); // エラー発生回数を1増加
    Console.WriteLine($"エラーが発生しました。現在のエラー発生回数: {errorCounter.RawValue}");
    Thread.Sleep(1000); // 1秒待機
}

このコードを実行すると、エラーが発生するたびにカウンターが更新され、特定イベントの発生頻度を計測できます。

これにより、アプリケーションの問題を特定しやすくなります。

よくある質問

カスタムPerformanceCounterが動作しない場合の対処法は?

カスタムPerformanceCounterが動作しない場合、以下の点を確認してください。

  • カウンターカテゴリの存在: 指定したカウンターカテゴリが存在するか確認します。

PerformanceCounterCategory.Existsメソッドを使用して、カテゴリの存在を確認できます。

  • 権限の確認: PerformanceCounterを使用するには、適切な権限が必要です。

特に、管理者権限でアプリケーションを実行しているか確認してください。

  • カウンター名の確認: カウンター名が正しいかどうかを確認します。

スペルミスや大文字小文字の違いが原因で動作しないことがあります。

  • エラーログの確認: アプリケーションのエラーログを確認し、何らかのエラーが発生していないかをチェックします。

カウンターの値が正しく更新されないのはなぜ?

カウンターの値が正しく更新されない場合、以下の原因が考えられます。

  • インクリメントの方法: カウンターの値を更新する際に、IncrementメソッドRawValueプロパティを正しく使用しているか確認します。

例えば、myCounter.Increment()を使用して値を増加させる必要があります。

  • カウンターのインスタンス化: カウンターのインスタンスが正しく作成されているか確認します。

PerformanceCounterのコンストラクタに正しいカテゴリ名とカウンター名を指定しているかをチェックします。

  • カウンターのリセット: カウンターの値がリセットされている可能性があります。

RawValueを0に設定している場合、値がリセットされるため、意図しない動作が発生することがあります。

  • アプリケーションの実行環境: アプリケーションが実行されている環境によっては、PerformanceCounterが正しく動作しないことがあります。

特に、開発環境と本番環境での動作を確認してください。

カスタムカウンターを削除する方法は?

カスタムカウンターを削除するには、PerformanceCounterCategory.Deleteメソッドを使用します。

このメソッドを呼び出すことで、指定したカウンターカテゴリとその中のすべてのカウンターを削除できます。

以下の手順でカスタムカウンターを削除できます。

  1. カウンターカテゴリの存在確認: 削除したいカウンターカテゴリが存在するか確認します。
  2. 削除処理の実行: PerformanceCounterCategory.Deleteメソッドを使用して、カウンターカテゴリを削除します。

以下は、カスタムカウンターを削除するサンプルコードです。

if (PerformanceCounterCategory.Exists("MyCustomCategory"))
{
    PerformanceCounterCategory.Delete("MyCustomCategory"); // カウンターカテゴリを削除
    Console.WriteLine("カスタムカウンター 'MyCustomCategory' を削除しました。");
}
else
{
    Console.WriteLine("カスタムカウンター 'MyCustomCategory' は存在しません。");
}

このコードを実行すると、指定したカウンターカテゴリが削除され、その中のカスタムカウンターもすべて削除されます。

まとめ

この記事では、C#におけるカスタムPerformanceCounterの作成から設定、管理、応用例までを詳しく解説しました。

カスタムPerformanceCounterを活用することで、アプリケーションのパフォーマンスやリソース使用状況を効果的に監視し、特定のイベントの発生頻度を計測することが可能です。

これを機に、実際のプロジェクトにカスタムPerformanceCounterを導入し、パフォーマンスの最適化に役立ててみてはいかがでしょうか。

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