[C#] キー入力の取得方法と実装例【KeyDown/KeyPress/KeyUp】

2024-09-16

C#でキー入力を取得する方法には、主にKeyDownとKeyPressイベントがあります。

KeyDownはキーが押された瞬間に発生し、キーの物理的な状態を検出します。

KeyPressは文字入力を目的としており、押されたキーが文字として認識されたときに発生します。

これらのイベントは通常、Windows FormsやWPFアプリケーションで使用されます。

実装例として、フォームのKeyDownイベントを利用する場合、フォームのイベントハンドラにe.KeyCodeを用いて特定のキーを判定し、処理を行います。

例えば、Enterキーが押されたときに特定のアクションを実行することが可能です。

KeyPressではe.KeyCharを使用して文字を取得します。

これにより、ユーザーの入力に応じた動的な操作が実現できます。

この記事でわかること

KeyDown、KeyPress、KeyUpの違い
各イベントの設定方法と実装例
キー入力を活用した応用例
ショートカットキーの実装方法
テキスト入力の制限の実装方法

目次から探す

KeyDownイベントの実装

KeyDownイベントの設定方法

C#のWindowsフォームアプリケーションでKeyDownイベントを使用するには、まずフォームのプロパティでKeyPreviewをtrueに設定します。

これにより、フォームが子コントロールのキー入力を受け取ることができます。

次に、KeyDownイベントハンドラを作成し、特定のキーが押されたときの処理を記述します。

KeyCodeプロパティの使用

KeyDownイベントでは、押されたキーを識別するためにKeyCodeプロパティを使用します。

このプロパティは、押されたキーに対応するKeyEventArgsオブジェクトを通じて取得できます。

これにより、特定のキーに対する処理を簡単に実装できます。

特定のキーを検出する方法

特定のキーを検出するには、KeyDownイベントハンドラ内でKeyCodeプロパティを使用して、押されたキーが特定のキーかどうかを確認します。

例えば、EnterキーやEscapeキーなど、特定のキーに対して異なる処理を行うことができます。

KeyDownイベントのサンプルコード

以下は、KeyDownイベントを使用してEnterキーが押されたときにメッセージボックスを表示するサンプルコードです。

using System;
using System.Windows.Forms;
public partial class MyForm : Form
{
    public MyForm()
    {
        InitializeComponent();
        this.KeyDown += new KeyEventHandler(MyForm_KeyDown); // KeyDownイベントの設定
    }
    private void MyForm_KeyDown(object sender, KeyEventArgs e)
    {
        // Enterキーが押された場合
        if (e.KeyCode == Keys.Enter)
        {
            MessageBox.Show("Enterキーが押されました！"); // メッセージボックスを表示
        }
    }
}

このコードを実行すると、フォームがアクティブな状態でEnterキーを押すと、メッセージボックスが表示されます。

KeyDownイベントを利用することで、ユーザーのキー入力に応じたインタラクションを実現できます。

KeyPressイベントの実装

KeyPressイベントの設定方法

KeyPressイベントは、ユーザーがキーボードから文字を入力したときに発生します。

このイベントを使用するには、フォームまたは特定のコントロール(例えばTextBox)のKeyPressイベントハンドラを設定します。

これにより、ユーザーが入力した文字をリアルタイムで処理することができます。

KeyCharプロパティの使用

KeyPressイベントでは、KeyCharプロパティを使用して、押されたキーに対応する文字を取得します。

このプロパティは、KeyPressイベントの引数であるKeyPressEventArgsオブジェクトを通じてアクセスできます。

これにより、入力された文字に基づいて処理を行うことができます。

文字入力の検出方法

文字入力を検出するには、KeyPressイベントハンドラ内でKeyCharプロパティを使用します。

特定の文字が入力された場合に特定の処理を行うことができます。

例えば、特定の文字を無視したり、特定の条件に基づいて入力を制限したりすることが可能です。

KeyPressイベントのサンプルコード

以下は、KeyPressイベントを使用して、ユーザーが入力した文字を表示するサンプルコードです。

using System;
using System.Windows.Forms;
public partial class MyForm : Form
{
    public MyForm()
    {
        InitializeComponent();
        this.textBox1.KeyPress += new KeyPressEventHandler(TextBox1_KeyPress); // KeyPressイベントの設定
    }
    private void TextBox1_KeyPress(object sender, KeyPressEventArgs e)
    {
        // 入力された文字を表示
        MessageBox.Show("入力された文字: " + e.KeyChar); // メッセージボックスを表示
    }
}

このコードを実行すると、TextBoxに文字を入力するたびに、その文字がメッセージボックスに表示されます。

KeyPressイベントを利用することで、ユーザーの入力に対して即座に反応するインターフェースを作成できます。

KeyUpイベントの活用

KeyUpイベントの役割

KeyUpイベントは、ユーザーがキーを放したときに発生します。

このイベントは、キーが押されている間の処理ではなく、キーが離された後の処理を行うために使用されます。

例えば、特定のキーが放されたときにアクションを実行したり、状態を更新したりするのに適しています。

KeyUpイベントの設定方法

KeyUpイベントを使用するには、フォームまたは特定のコントロールのKeyUpイベントハンドラを設定します。

フォームのプロパティでKeyPreviewをtrueに設定することで、フォームが子コントロールのキー入力を受け取ることができます。

次に、KeyUpイベントハンドラを作成し、キーが放されたときの処理を記述します。

KeyUpイベントのサンプルコード

以下は、KeyUpイベントを使用して、ユーザーがEscapeキーを放したときにメッセージボックスを表示するサンプルコードです。

using System;
using System.Windows.Forms;
public partial class MyForm : Form
{
    public MyForm()
    {
        InitializeComponent();
        this.KeyUp += new KeyEventHandler(MyForm_KeyUp); // KeyUpイベントの設定
    }
    private void MyForm_KeyUp(object sender, KeyEventArgs e)
    {
        // Escapeキーが放された場合
        if (e.KeyCode == Keys.Escape)
        {
            MessageBox.Show("Escapeキーが放されました！"); // メッセージボックスを表示
        }
    }
}

このコードを実行すると、フォームがアクティブな状態でEscapeキーを放すと、メッセージボックスが表示されます。

KeyUpイベントを利用することで、ユーザーのキー入力に基づいたアクションを実行することができます。

応用例

ショートカットキーの実装

ショートカットキーを実装することで、ユーザーが特定のキーの組み合わせを押すことで迅速にアクションを実行できるようになります。

例えば、Ctrl + Sでファイルを保存する機能を実装することができます。

KeyDownイベントを使用して、特定のキーの組み合わせを検出し、対応する処理を行います。

private void MyForm_KeyDown(object sender, KeyEventArgs e)
{
    // Ctrl + Sが押された場合
    if (e.Control && e.KeyCode == Keys.S)
    {
        // ファイル保存処理を実行
        SaveFile(); // SaveFileメソッドを呼び出す
    }
}

ゲームでのキー入力処理

ゲームアプリケーションでは、キー入力をリアルタイムで処理することが重要です。

KeyDownイベントを使用して、プレイヤーのキャラクターを移動させたり、アクションを実行したりすることができます。

例えば、WASDキーを使ってキャラクターを移動させる処理を実装できます。

private void MyForm_KeyDown(object sender, KeyEventArgs e)
{
    switch (e.KeyCode)
    {
        case Keys.W:
            MoveCharacterUp(); // キャラクターを上に移動
            break;
        case Keys.S:
            MoveCharacterDown(); // キャラクターを下に移動
            break;
        case Keys.A:
            MoveCharacterLeft(); // キャラクターを左に移動
            break;
        case Keys.D:
            MoveCharacterRight(); // キャラクターを右に移動
            break;
    }
}

フォームのナビゲーション制御

フォーム内でのナビゲーションを制御するために、キー入力を利用することができます。

例えば、Tabキーを押すことで次のコントロールにフォーカスを移動させたり、Shift + Tabで前のコントロールに戻ることができます。

KeyDownイベントを使用して、これらのキー入力を検出し、フォーカスを移動させる処理を実装します。

private void MyForm_KeyDown(object sender, KeyEventArgs e)
{
    if (e.KeyCode == Keys.Tab)
    {
        if (e.Shift) // Shift + Tabの場合
        {
            // 前のコントロールにフォーカスを移動
            this.SelectNextControl(this.ActiveControl, false, true, true, true);
        }
        else // Tabの場合
        {
            // 次のコントロールにフォーカスを移動
            this.SelectNextControl(this.ActiveControl, true, true, true, true);
        }
    }
}

テキスト入力の制限

特定の条件に基づいてテキストボックスへの入力を制限することができます。

KeyPressイベントを使用して、特定の文字(例えば数字のみ)を許可する処理を実装します。

これにより、ユーザーが不正な入力を行うのを防ぐことができます。

private void textBox1_KeyPress(object sender, KeyPressEventArgs e)
{
    // 数字以外の入力を無視
    if (!char.IsDigit(e.KeyChar) && !char.IsControl(e.KeyChar))
    {
        e.Handled = true; // 入力を無効にする
    }
}

これらの応用例を通じて、C#のキー入力イベントを活用した多様なインタラクションを実現することができます。