[C#] String.ToLowerメソッドの使い方 – 小文字アルファベットに変換する

Q: String.ToLowerは元の文字列を変更しますか？

String.ToLowerメソッドは、元の文字列を変更することはありません。 C#の文字列は不変(immutable)であるため、ToLowerメソッドを呼び出すと、新しい小文字の文字列が生成され、元の文字列はそのまま保持されます。 したがって、元の文字列を保持しつつ、小文字の文字列を必要に応じて使用することができます。

Q: String.ToLowerはパフォーマンスに影響しますか？

String.ToLowerメソッドは、文字列の変換を行うため、特に大きな文字列や頻繁に呼び出される場合にはパフォーマンスに影響を与える可能性があります。 ただし、通常の使用においては、パフォーマンスへの影響は軽微であることが多いです。 パフォーマンスが重要な場合は、必要な場合にのみToLowerを使用し、可能であればキャッシュを利用することを検討すると良いでしょう。

C#のString.ToLowerメソッドは、文字列内のすべてのアルファベットを小文字に変換するために使用されます。

このメソッドは、元の文字列の内容を変更せず、新しい小文字の文字列を返します。

例えば、"Hello World".ToLower()は"hello world"を返します。

ToLowerにはオーバーロードがあり、カルチャ情報を指定してロケールに依存した変換を行うことも可能です。

この記事でわかること

String.ToLowerメソッドの基本的な使い方
カルチャ依存の小文字変換の重要性
ユーザー入力の正規化方法
大文字小文字を無視した比較手法
他のメソッドとの使い分けポイント

目次から探す

String.ToLowerメソッドとは

C#のString.ToLowerメソッドは、文字列を小文字に変換するためのメソッドです。

このメソッドを使用することで、ユーザーからの入力やデータベースから取得した文字列を一貫して小文字にすることができます。

これにより、大文字と小文字の違いを無視した比較や検索が可能になり、データの整合性を保つのに役立ちます。

ToLowerメソッドは、元の文字列を変更するのではなく、新しい小文字の文字列を返します。

これにより、元のデータを保持しつつ、必要な処理を行うことができます。

また、ToLowerメソッドはカルチャに依存するため、特定の言語や地域に応じた小文字変換が行われる点も重要です。

これにより、国際化対応のアプリケーションにおいても適切に動作します。

String.ToLowerメソッドの基本的な使い方

単純な文字列の小文字変換

String.ToLowerメソッドを使用すると、簡単に文字列を小文字に変換できます。

以下のサンプルコードでは、”Hello World”という文字列を小文字に変換しています。

using System;
class Program
{
    static void Main()
    {
        string originalString = "Hello World"; // 元の文字列
        string lowerString = originalString.ToLower(); // 小文字に変換
        
        Console.WriteLine(lowerString); // 結果を表示
    }
}

hello world

変換前後の文字列の比較

ToLowerメソッドを使うことで、変換前後の文字列を比較することができます。

以下のサンプルコードでは、元の文字列と小文字に変換した文字列を比較しています。

using System;
class Program
{
    static void Main()
    {
        string originalString = "Hello"; // 元の文字列
        string lowerString = originalString.ToLower(); // 小文字に変換
        
        // 変換前後の比較
        bool isEqual = originalString.Equals(lowerString); // 大文字小文字を区別して比較
        
        Console.WriteLine(isEqual); // 結果を表示
    }
}

False

空文字列やnullに対する動作

ToLowerメソッドは、空文字列やnullに対しても適切に動作します。

空文字列に対しては、変換後も空文字列が返されます。

nullに対しては、メソッドを呼び出すことができないため、注意が必要です。

using System;
class Program
{
    static void Main()
    {
        string emptyString = ""; // 空文字列
        string nullString = null; // null
        
        // 空文字列の変換
        string lowerEmpty = emptyString.ToLower(); // 小文字に変換
        
        // nullの場合は例外が発生するため、try-catchで処理
        try
        {
            string lowerNull = nullString.ToLower(); // 小文字に変換
        }
        catch (NullReferenceException)
        {
            Console.WriteLine("nullに対してToLowerを呼び出しました。"); // エラーメッセージを表示
        }
        
        Console.WriteLine($"空文字列の変換結果: '{lowerEmpty}'"); // 結果を表示
    }
}

nullに対してToLowerを呼び出しました。
空文字列の変換結果: ''

特殊文字や数字が含まれる場合の挙動

ToLowerメソッドは、特殊文字や数字が含まれる文字列に対しても適切に動作します。

数字や特殊文字は変換されず、そのままの形で返されます。

以下のサンプルコードでは、特殊文字や数字を含む文字列を小文字に変換しています。

using System;
class Program
{
    static void Main()
    {
        string mixedString = "Hello123!"; // 特殊文字と数字を含む文字列
        string lowerMixed = mixedString.ToLower(); // 小文字に変換
        
        Console.WriteLine(lowerMixed); // 結果を表示
    }
}

hello123!

String.ToLowerメソッドのカルチャ依存の使い方

CultureInfoを使った小文字変換

String.ToLowerメソッドは、CultureInfoを指定することで、特定のカルチャに基づいた小文字変換を行うことができます。

以下のサンプルコードでは、CultureInfoを使用して、英語とフランス語の文字列を小文字に変換しています。

using System;
using System.Globalization;

class Program
{
    static void Main()
    {
        string englishString = "HELLO WORLD"; // 英語の文字列（大文字）
        string frenchString = "ÉLÈVE À L'ÉCOLE"; // フランス語の文字列（大文字）

        // 英語のカルチャを指定して小文字に変換
        string lowerEnglish = englishString.ToLower(CultureInfo.InvariantCulture);

        // フランス語のカルチャを指定して小文字に変換
        string lowerFrench = frenchString.ToLower(new CultureInfo("fr-FR"));

        Console.WriteLine(lowerEnglish); // 結果を表示
        Console.WriteLine(lowerFrench); // 結果を表示
    }
}

hello world
élève à l'école

カルチャ依存の変換が必要なケース

カルチャ依存の変換が必要なケースは、特定の言語や地域において文字の大文字小文字の変換が異なる場合です。

例えば、トルコ語では I の小文字は「ı」であり、英語とは異なります。

このような場合、適切なカルチャを指定することで、正しい変換を行うことができます。

カルチャを指定しない場合のデフォルト動作

カルチャを指定しない場合、ToLowerメソッドはデフォルトのカルチャ(通常はシステムのカルチャ)を使用します。

これにより、一般的な文字列の小文字変換が行われますが、特定のカルチャに依存する文字の変換が必要な場合には、意図しない結果を招くことがあります。

using System;
class Program
{
    static void Main()
    {
        string mixedString = "Istanbul"; // トルコ語の文字列
        
        // デフォルトのカルチャを使用して小文字に変換
        string lowerDefault = mixedString.ToLower(); // デフォルトのカルチャで変換
        
        Console.WriteLine(lowerDefault); // 結果を表示
    }
}

istanbul

このように、カルチャを指定することで、言語特有の文字の変換を正確に行うことができます。

String.ToLowerメソッドの応用例

ユーザー入力の正規化

ユーザーからの入力を受け取る際、String.ToLowerメソッドを使用して入力を小文字に変換することで、データの一貫性を保つことができます。

これにより、同じ内容の異なる表記(例：”Hello”と”hello”)を統一することができます。

以下のサンプルコードでは、ユーザーの入力を小文字に変換しています。

using System;
class Program
{
    static void Main()
    {
        Console.Write("ユーザー名を入力してください: ");
        string userInput = Console.ReadLine(); // ユーザーからの入力を取得
        
        // 入力を小文字に変換
        string normalizedInput = userInput.ToLower();
        
        Console.WriteLine($"正規化されたユーザー名: {normalizedInput}"); // 結果を表示
    }
}

ユーザー名を入力してください: Hello
正規化されたユーザー名: hello

ファイル名やURLの一貫性を保つための変換

ファイル名やURLを扱う際にも、ToLowerメソッドを使用して一貫性を保つことが重要です。

特に、URLは大文字小文字を区別する場合があるため、すべて小文字に変換することで、アクセスの際のエラーを防ぐことができます。

以下のサンプルコードでは、ファイル名を小文字に変換しています。

using System;
class Program
{
    static void Main()
    {
        string fileName = "MyDocument.TXT"; // 元のファイル名
        
        // ファイル名を小文字に変換
        string lowerFileName = fileName.ToLower();
        
        Console.WriteLine($"一貫性のあるファイル名: {lowerFileName}"); // 結果を表示
    }
}

一貫性のあるファイル名: mydocument.txt

検索機能での大文字・小文字の区別を無視した比較

検索機能を実装する際、ユーザーが入力した検索キーワードとデータベース内のデータを比較する際に、大文字小文字を区別しないようにするためにToLowerメソッドを使用します。

以下のサンプルコードでは、検索キーワードとデータを小文字に変換して比較しています。

using System;
class Program
{
    static void Main()
    {
        string[] data = { "Apple", "Banana", "Cherry" }; // データの配列
        Console.Write("検索キーワードを入力してください: ");
        string searchKeyword = Console.ReadLine(); // ユーザーからの入力を取得
        
        // 検索キーワードを小文字に変換
        string lowerKeyword = searchKeyword.ToLower();
        
        // データの中から一致するものを探す
        foreach (string item in data)
        {
            if (item.ToLower() == lowerKeyword) // 大文字小文字を区別せず比較
            {
                Console.WriteLine($"見つかりました: {item}"); // 結果を表示
            }
        }
    }
}

検索キーワードを入力してください: apple
見つかりました: Apple

データベースでの文字列比較における使用例

データベースに格納された文字列を比較する際にも、ToLowerメソッドを使用して大文字小文字を無視した比較を行うことができます。

これにより、ユーザーが入力したデータとデータベース内のデータを正確に比較することができます。

以下のサンプルコードでは、データベースのレコードとユーザーの入力を比較しています。

using System;
class Program
{
    static void Main()
    {
        string[] databaseRecords = { "Alice", "Bob", "Charlie" }; // データベースのレコード
        Console.Write("検索する名前を入力してください: ");
        string searchName = Console.ReadLine(); // ユーザーからの入力を取得
        
        // ユーザーの入力を小文字に変換
        string lowerSearchName = searchName.ToLower();
        
        // データベースのレコードと比較
        foreach (string record in databaseRecords)
        {
            if (record.ToLower() == lowerSearchName) // 大文字小文字を区別せず比較
            {
                Console.WriteLine($"レコードが見つかりました: {record}"); // 結果を表示
            }
        }
    }
}

検索する名前を入力してください: ALICE
レコードが見つかりました: Alice

String.ToLowerと他のメソッドの比較

String.ToUpperとの違い

String.ToLowerメソッドは文字列を小文字に変換するのに対し、String.ToUpperメソッドは文字列を大文字に変換します。

これにより、文字列の表記を統一することができます。

以下のサンプルコードでは、両方のメソッドを使用して文字列を変換しています。

using System;
class Program
{
    static void Main()
    {
        string originalString = "Hello World"; // 元の文字列
        
        // 小文字に変換
        string lowerString = originalString.ToLower();
        
        // 大文字に変換
        string upperString = originalString.ToUpper();
        
        Console.WriteLine($"小文字: {lowerString}"); // 結果を表示
        Console.WriteLine($"大文字: {upperString}"); // 結果を表示
    }
}

小文字: hello world
大文字: HELLO WORLD

String.EqualsとString.ToLowerを組み合わせた比較

String.Equalsメソッドは、2つの文字列が等しいかどうかを比較しますが、大文字小文字を区別します。

ToLowerメソッドを組み合わせることで、大文字小文字を無視した比較が可能になります。

以下のサンプルコードでは、ユーザーの入力と既存の文字列を比較しています。

using System;
class Program
{
    static void Main()
    {
        string existingString = "Hello"; // 既存の文字列
        Console.Write("比較する文字列を入力してください: ");
        string userInput = Console.ReadLine(); // ユーザーからの入力を取得
        
        // 大文字小文字を無視して比較
        bool isEqual = existingString.ToLower().Equals(userInput.ToLower());
        
        Console.WriteLine($"文字列は等しいですか？: {isEqual}"); // 結果を表示
    }
}

比較する文字列を入力してください: hello
文字列は等しいですか？: True

String.CompareとString.ToLowerの使い分け

String.Compareメソッドは、2つの文字列を比較し、その順序を示す整数を返します。

大文字小文字を無視して比較したい場合は、ToLowerメソッドを使用して両方の文字列を小文字に変換してから比較することができます。

以下のサンプルコードでは、String.Compareを使用して文字列を比較しています。

using System;
class Program
{
    static void Main()
    {
        string stringA = "apple"; // 文字列A
        string stringB = "Apple"; // 文字列B
        
        // 大文字小文字を無視して比較
        int comparisonResult = String.Compare(stringA.ToLower(), stringB.ToLower());
        
        if (comparisonResult == 0)
        {
            Console.WriteLine("文字列は等しいです。"); // 結果を表示
        }
        else if (comparisonResult < 0)
        {
            Console.WriteLine("stringAはstringBよりも前に位置します。"); // 結果を表示
        }
        else
        {
            Console.WriteLine("stringAはstringBよりも後に位置します。"); // 結果を表示
        }
    }
}