配列&コレクション

[C#] Resizeメソッドの使い方 – 配列の要素数を動的に変更する

C#では、配列のサイズを動的に変更するためにArray.Resizeメソッドを使用します。

このメソッドは、指定した配列のサイズを変更し、新しいサイズの配列を返します。

元の配列の要素は新しい配列にコピーされ、サイズが大きくなる場合は新しい要素がデフォルト値で初期化されます。

使用方法はArray.Resize(ref array, newSize)の形式で、arrayは変更対象の配列、newSizeは新しい配列のサイズです。

Array.Resizeメソッドとは

C#におけるArray.Resizeメソッドは、配列のサイズを動的に変更するための便利な機能です。

通常、配列は固定サイズであり、初期化時に指定したサイズを変更することはできません。

しかし、Array.Resizeを使用することで、既存の配列のサイズを増減させることが可能になります。

このメソッドは、配列の要素数を変更する際に新しい配列を生成し、元の配列の要素を新しい配列にコピーします。

これにより、プログラムの実行中にデータの数が変化する場合でも、柔軟に対応できるようになります。

特に、データの追加や削除が頻繁に行われる場合に役立ちます。

Array.Resizeは、配列のサイズを変更する際の手間を軽減し、コードの可読性を向上させるための重要なツールです。

Array.Resizeメソッドの使い方

Array.Resizeの基本構文

Array.Resizeメソッドの基本構文は以下の通りです。

Array.Resize(ref array, newSize);

ここで、arrayはサイズを変更したい配列の参照、newSizeは新しい配列のサイズを指定します。

newSizeは整数値で、0以上の値でなければなりません。

引数の説明

Array.Resizeメソッドの引数は以下のように説明できます。

引数名説明
arrayサイズを変更する対象の配列の参照
newSize新しい配列のサイズ(整数値)

arrayref修飾子を使って参照渡しされるため、メソッド内で配列のサイズが変更されると、呼び出し元の配列も更新されます。

返り値と動作の詳細

Array.Resizeメソッドは返り値を持ちません。

配列のサイズを変更するために、内部で新しい配列を生成し、元の配列の要素を新しい配列にコピーします。

元の配列は、サイズ変更後に新しい配列の参照に置き換えられます。

これにより、元の配列のデータは失われることなく、新しいサイズの配列が得られます。

配列の要素が増加する場合の挙動

配列の要素数を増加させる場合、Array.Resizeメソッドは新しいサイズの配列を生成し、元の配列の要素を新しい配列にコピーします。

増加した部分にはデフォルト値が設定されます。

例えば、整数型の配列の場合、新しい要素には0が設定されます。

int[] numbers = { 1, 2, 3 };
Array.Resize(ref numbers, 5);
// numbersは { 1, 2, 3, 0, 0 } になります

配列の要素が減少する場合の挙動

配列の要素数を減少させる場合も、Array.Resizeメソッドは新しいサイズの配列を生成します。

この場合、元の配列の要素が新しい配列にコピーされ、指定した新しいサイズに満たない部分は切り捨てられます。

元の配列のデータは失われるため、注意が必要です。

int[] numbers = { 1, 2, 3, 4, 5 };
Array.Resize(ref numbers, 3);
// numbersは { 1, 2, 3 } になります

Array.Resizeの具体例

配列のサイズを増やす例

以下のコードは、整数型の配列のサイズを増やす例です。

元の配列には3つの要素があり、Array.Resizeを使って5つの要素を持つ配列に変更します。

増加した要素にはデフォルト値の0が設定されます。

using System;
class Program
{
    static void Main()
    {
        int[] numbers = { 1, 2, 3 };
        Array.Resize(ref numbers, 5); // 配列のサイズを5に変更
        foreach (var number in numbers)
        {
            Console.WriteLine(number); // 各要素を出力
        }
    }
}
1
2
3
0
0

配列のサイズを減らす例

次のコードは、配列のサイズを減らす例です。

元の配列には5つの要素があり、Array.Resizeを使って3つの要素を持つ配列に変更します。

減少した要素は切り捨てられます。

using System;
class Program
{
    static void Main()
    {
        int[] numbers = { 1, 2, 3, 4, 5 };
        Array.Resize(ref numbers, 3); // 配列のサイズを3に変更
        foreach (var number in numbers)
        {
            Console.WriteLine(number); // 各要素を出力
        }
    }
}
1
2
3

空の配列に要素を追加する例

この例では、最初は空の配列を作成し、Array.Resizeを使って要素を追加します。

最初のサイズは0ですが、要素を追加することで配列のサイズが変更されます。

using System;
class Program
{
    static void Main()
    {
        int[] numbers = new int[0]; // 空の配列を作成
        Array.Resize(ref numbers, 1); // サイズを1に変更
        numbers[0] = 10; // 要素を追加
        foreach (var number in numbers)
        {
            Console.WriteLine(number); // 各要素を出力
        }
    }
}
10

既存の配列に新しい要素を追加する例

この例では、既存の配列に新しい要素を追加する方法を示します。

元の配列には3つの要素があり、Array.Resizeを使ってサイズを4に変更し、新しい要素を追加します。

using System;
class Program
{
    static void Main()
    {
        int[] numbers = { 1, 2, 3 };
        Array.Resize(ref numbers, 4); // サイズを4に変更
        numbers[3] = 4; // 新しい要素を追加
        foreach (var number in numbers)
        {
            Console.WriteLine(number); // 各要素を出力
        }
    }
}
1
2
3
4

Array.Resizeの注意点

参照型と値型の違いによる影響

Array.Resizeメソッドを使用する際、参照型と値型の違いに注意が必要です。

値型の配列(例えば、intstruct)の場合、要素が新しい配列にコピーされますが、参照型の配列(例えば、stringやカスタムクラス)では、参照がコピーされるため、元の配列と新しい配列の要素が同じオブジェクトを指すことになります。

これにより、元の配列の要素を変更すると、新しい配列の要素にも影響が及ぶことがあります。

パフォーマンスへの影響

Array.Resizeメソッドは、新しい配列を生成し、元の配列の要素をコピーするため、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。

特に、大きな配列を頻繁にサイズ変更する場合、メモリの割り当てやコピー処理がボトルネックとなり、アプリケーションのパフォーマンスが低下することがあります。

このため、サイズ変更が頻繁に行われる場合は、List<T>などの動的配列を使用することを検討することが推奨されます。

多次元配列には使えない

Array.Resizeメソッドは一次元配列にのみ適用可能であり、多次元配列には使用できません。

多次元配列のサイズを変更する必要がある場合は、新しい配列を手動で作成し、要素をコピーする必要があります。

これは、コードが複雑になりやすく、エラーの原因となることがあります。

多次元配列を使用する場合は、サイズ変更の必要性を事前に考慮することが重要です。

Array.ResizeとList<T>の違い

Array.ResizeList<T>は、どちらも動的にサイズを変更できるデータ構造ですが、いくつかの重要な違いがあります。

特徴Array.ResizeList<T>
サイズ変更の方法新しい配列を生成し、要素をコピー内部で自動的にサイズを管理
パフォーマンス大きな配列では低下する可能性あり高速で効率的
多次元配列のサポートなしなし(List<List<T>>で代用可)
機能の豊富さ基本的な配列操作のみ様々なメソッドが利用可能

List<T>は、要素の追加や削除が頻繁に行われる場合に特に便利であり、パフォーマンスの観点からも優れています。

配列のサイズ変更が必要な場合は、List<T>の使用を検討することが推奨されます。

Array.Resizeの応用例

配列のサイズを動的に変更するアルゴリズム

配列のサイズを動的に変更するアルゴリズムは、特定の条件に基づいて配列のサイズを調整する際に役立ちます。

例えば、ユーザーからの入力に応じて配列のサイズを変更し、必要なデータを格納することができます。

以下のコードは、ユーザーが入力した数値を配列に追加し、必要に応じて配列のサイズを変更する例です。

using System;
class Program
{
    static void Main()
    {
        int[] numbers = new int[0]; // 空の配列を作成
        string input;
        
        while (true)
        {
            Console.WriteLine("数値を入力してください(終了するには'exit'と入力):");
            input = Console.ReadLine();
            
            if (input.ToLower() == "exit")
            {
                break; // 'exit'が入力されたらループを終了
            }
            
            Array.Resize(ref numbers, numbers.Length + 1); // 配列のサイズを1増やす
            numbers[numbers.Length - 1] = int.Parse(input); // 新しい要素を追加
        }
        Console.WriteLine("入力された数値:");
        foreach (var number in numbers)
        {
            Console.WriteLine(number); // 各要素を出力
        }
    }
}

配列のサイズ変更を伴うデータの管理

配列のサイズ変更を伴うデータの管理は、特にデータの追加や削除が頻繁に行われる場合に重要です。

例えば、タスク管理アプリケーションでは、タスクの追加や削除に応じて配列のサイズを変更することが考えられます。

以下のコードは、タスクを追加するたびに配列のサイズを変更する例です。

using System;
class Program
{
    static void Main()
    {
        string[] tasks = new string[0]; // 空の配列を作成
        string task;
        
        while (true)
        {
            Console.WriteLine("タスクを入力してください(終了するには'exit'と入力):");
            task = Console.ReadLine();
            
            if (task.ToLower() == "exit")
            {
                break; // 'exit'が入力されたらループを終了
            }
            
            Array.Resize(ref tasks, tasks.Length + 1); // 配列のサイズを1増やす
            tasks[tasks.Length - 1] = task; // 新しいタスクを追加
        }
        Console.WriteLine("登録されたタスク:");
        foreach (var t in tasks)
        {
            Console.WriteLine(t); // 各タスクを出力
        }
    }
}

配列のサイズ変更を伴うメモリ管理の最適化

配列のサイズ変更を伴うメモリ管理の最適化は、特に大規模なデータを扱う場合に重要です。

Array.Resizeを使用する際、頻繁にサイズ変更を行うとメモリの断片化が発生する可能性があります。

これを避けるために、初期サイズを大きめに設定し、必要に応じてサイズを変更する方法が考えられます。

以下のコードは、初期サイズを大きく設定し、必要に応じてサイズを変更する例です。

using System;
class Program
{
    static void Main()
    {
        int initialSize = 10; // 初期サイズを設定
        int[] numbers = new int[initialSize]; // 初期サイズの配列を作成
        int count = 0; // 現在の要素数
        
        while (true)
        {
            Console.WriteLine("数値を入力してください(終了するには'exit'と入力):");
            string input = Console.ReadLine();
            
            if (input.ToLower() == "exit")
            {
                break; // 'exit'が入力されたらループを終了
            }
            
            if (count == numbers.Length) // 配列が満杯の場合
            {
                Array.Resize(ref numbers, numbers.Length * 2); // サイズを2倍に増やす
            }
            
            numbers[count] = int.Parse(input); // 新しい要素を追加
            count++; // 要素数を増やす
        }
        Console.WriteLine("入力された数値:");
        for (int i = 0; i < count; i++)
        {
            Console.WriteLine(numbers[i]); // 各要素を出力
        }
    }
}

このように、初期サイズを大きく設定し、必要に応じてサイズを変更することで、メモリ管理の効率を向上させることができます。

まとめ

この記事では、C#のArray.Resizeメソッドの使い方や注意点、具体的な応用例について詳しく解説しました。

配列のサイズを動的に変更することで、データの管理が柔軟になり、プログラムの効率を向上させることが可能です。

配列のサイズ変更が必要な場面では、Array.Resizeを活用しつつ、場合によってはList<T>の使用も検討してみてください。

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