CS0~400

C# コンパイルエラーCS0076について解説

C#のCS0076エラーは、列挙体内で予約されている識別子value__を項目名として使用した場合に発生します。

内部的にバッキングフィールド用として確保されているため、同じ名前を使うとコンパイルエラーとなります。

エラーが表示された場合は、識別子を別の名称に変更して対応してください。

エラー発生の原因

列挙体におけるvalue__の役割

バッキングフィールドとしての利用

C#の列挙体は、内部で数値を保持するためにvalue__という特殊なフィールドを使用しています。

このフィールドは、各列挙子の値を格納するためのバッキングフィールドとして管理されており、開発者が直接利用するためのものではありません。

例えば、列挙型を利用するときに、各メンバーが内部的にはこのvalue__フィールドに対応した数値を持つことが実現されています。

予約識別子としての制約

value__は列挙体のバッキングフィールドとしてシステムによりあらかじめ予約されているため、開発者が同じ識別子を列挙体内の名前として使用すると、コンパイラは予約された名前の再定義とみなしてエラーを発生させます。

こうした制約により、意図しない不具合や予期せぬ挙動を防止するための設計となっています。

不適切な記述方法の検証

開発時に列挙体にvalue__という名前を持つ要素を記述すると、C#コンパイラはその名前の予約状態を検知し、コンパイルエラー CS0076 を出力します。

不適切な記述方法を検証するために、以下のようなコードをコンパイルしてエラーが発生することを確認できます。

発生例の確認

コード例によるエラー出力

サンプルコードの紹介

次のサンプルコードは、予約識別子value__を列挙体の要素として記述した例です。

コード内に日本語のコメントで説明を加えてありますので、どの部分が問題となっているかが分かりやすくなっています。

using System;
namespace EnumErrorExample
{
    class Program
    {
        // Main関数からサンプルコードを実行します
        static void Main(string[] args)
        {
            // 以下のEnum定義はエラー CS0076 を発生させるための例です
            // 列挙子 'value__' は予約されているため使用できません
            EnumWithError();
        }
        // エラーが発生する列挙体の定義を含むメソッド
        static void EnumWithError()
        {
            // コンパイルエラーが発生するコード例
            // public enum E
            // {
            //     value__   // ここでエラー CS0076 が発生します
            // }
            Console.WriteLine("このメソッドはコンパイル前にエラーとなるため実行されません。");
        }
    }
}
// コンパイル時に以下のエラーが表示されます:
// CS0076: 列挙子名 'value__' は予約されているため、使用できません

エラーメッセージの解析

上記のサンプルコードをコンパイルすると、コンパイラはvalue__という識別子が予約されているためにエラー CS0076 を発生させます。

エラーメッセージは「列挙子名 ‘value__’ は予約されているため、使用できません」と明記され、どの部分が誤っているかを示しています。

このメッセージから、予約された内部フィールド名を利用している点が直接の原因であると理解できます。

エラー解決方法の解説

識別子名称の変更方法

適切な名称の選定基準

エラーを回避するためには、予約された名前と衝突しない有意義な名称を選定する必要があります。

列挙体の各要素には、列挙体の用途を反映した名前や、プロジェクト内での一貫性が確認できるような識別子を使用することが望ましいです。

例えば、value__ではなくStatusActivePriorityHighなど、意味のある名前を選びます。

変更対象となる部分の特定

修正すべき箇所は、列挙体の定義内に存在するvalue__と記述された箇所です。

エラーメッセージの指摘する該当箇所を特定し、予約されていない別の名前に変更する必要があります。

コード全体に同様の誤記がないかも確認し、全体で統一された命名ルールに従って修正することが重要です。

コード修正時の注意点

開発環境での検証方法

コード修正後は、まずコンパイルを実行してエラーが無くなったことを確認してください。

また、修正した内容が期待通りに動作するかどうかを検証するために、ユニットテストや手動テストを実行して動作確認を行います。

以下は修正後のサンプルコードの一例です。

修正箇所は、value__ValidMemberに変更した部分になります。

using System;
namespace EnumFixExample
{
    class Program
    {
        // Main関数からサンプルコードを実行します
        static void Main(string[] args)
        {
            // 正常動作するEnum定義を利用して、処理を実行します
            EnumWithFixedIdentifier();
        }
        // 修正した列挙体の定義を含むメソッド
        static void EnumWithFixedIdentifier()
        {
            // 正しい名称 'ValidMember' を使用した列挙体の定義
            E status = E.ValidMember;
            Console.WriteLine("列挙体から取得した値は: " + status);
        }
    }
    // 修正済みの列挙体定義
    public enum E
    {
        ValidMember   // 予約された名前ではないため、正常に使用できます
    }
}
列挙体から取得した値は: ValidMember

修正後の確認

コンパイル動作のチェック

修正を加えた後は、まずコンパイルを実行してエラーが解消されているかを確認します。

予約識別子を正しい名前に変更することで、エラー CS0076は発生せず、コンパイラが正常にコードを解釈できる状態になっているはずです。

実行環境での動作確認

コンパイルエラーが解消された後、実際にアプリケーションを実行して、列挙体が期待通りに動作しているかどうかを確認してください。

上記のサンプルコードのように、Main関数から列挙体を利用する部分を実行することで、修正の成果が反映されていることを確認できます。

実行時に想定した出力が得られれば、修正が正しく行われたと判断できます。

まとめ

この記事を読むと、C#の列挙体で内部的に使用されるvalue__の役割を理解でき、予約識別子としての利用制限に起因するコンパイルエラー CS0076 の原因が分かります。

また、エラーが発生するサンプルコードと修正後の例を通して、識別子名称の適切な選定方法や変更時の注意点、開発環境での検証手法について学ぶことができます。

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