アーカイブ

[C#] tar圧縮してtar.gzファイルを作成する方法

2025-01-18更新日: 2025-01-18

C#でtar圧縮してtar.gzファイルを作成するには、System.IO.Compression名前空間を使用します。

まず、tarアーカイブを作成するために、TarArchiveクラスを利用してファイルやディレクトリを追加します。

次に、作成したtarファイルをgzipで圧縮します。

gzip圧縮にはGZipStreamクラスを使用します。

具体的には、tarファイルをストリームとして開き、GZipStreamを通して圧縮されたデータを出力します。

これにより、tar.gz形式の圧縮ファイルが生成されます。

外部ライブラリとしてSharpZipLibやDotNetZipを使用する方法もありますが、標準ライブラリでの実装が推奨されます。

目次から探す

tar.gzファイルとは
tarファイルの作成方法
- TarArchiveクラスの使用
- ファイルとディレクトリの追加
gzip圧縮の実装
- GZipStreamクラスの使用
- tarファイルの圧縮手順
外部ライブラリの活用
- SharpZipLibの利用方法
- DotNetZipの利用方法
応用例
まとめ

tar.gzファイルとは

tar.gzファイルは、UNIX系のシステムで一般的に使用される圧縮アーカイブ形式です。

この形式は、まず複数のファイルやディレクトリを一つのtar(Tape Archive)ファイルにまとめ、その後gzip(GNU zip)で圧縮することで作成されます。

tarファイルは単にファイルをまとめるだけで圧縮は行わないため、gzipを用いて圧縮することで、ファイルサイズを大幅に削減できます。

tar.gz形式は、データのバックアップや転送において非常に効率的であり、C#を含む多くのプログラミング言語でサポートされています。

これにより、プログラマは簡単にファイルの圧縮・解凍を行うことができ、データの管理や配布を効率化できます。

tarファイルの作成方法

tarファイルは、複数のファイルやディレクトリを一つのアーカイブにまとめるための形式です。

C#では、tarファイルを作成するために外部ライブラリを利用することが一般的です。

ここでは、TarArchiveクラスを使用してtarファイルを作成する方法を解説します。

TarArchiveクラスの使用

TarArchiveクラスは、tarファイルを作成および操作するためのクラスです。

このクラスを使用することで、簡単にtarファイルを生成することができます。

以下に、TarArchiveクラスを用いた基本的なtarファイルの作成手順を示します。

using System;
using System.IO;
using ICSharpCode.SharpZipLib.Tar; // SharpZipLibライブラリを使用
class Program
{
    static void Main()
    {
        // tarファイルの出力先を指定
        string tarFilePath = "output.tar";
        
        // 出力ストリームを作成
        using (FileStream fs = new FileStream(tarFilePath, FileMode.Create))
        {
            // TarArchiveオブジェクトを作成
            using (TarArchive tarArchive = TarArchive.CreateOutputTarArchive(fs))
            {
                // ファイルやディレクトリを追加する処理をここに記述
            }
        }
        
        Console.WriteLine("tarファイルが作成されました。");
    }
}

このコードは、SharpZipLibライブラリを使用してtarファイルを作成するための基本的な構造を示しています。

TarArchiveオブジェクトを作成し、出力ストリームに書き込むことでtarファイルを生成します。

ファイルとディレクトリの追加

tarファイルにファイルやディレクトリを追加するには、TarEntryオブジェクトを作成し、それをTarArchiveに追加します。

以下に、具体的な例を示します。

using System;
using System.IO;
using ICSharpCode.SharpZipLib.Tar; // SharpZipLibライブラリを使用
class Program
{
    static void Main()
    {
        string tarFilePath = "output.tar";
        string directoryToAdd = "exampleDir"; // 追加するディレクトリのパス
        using (FileStream fs = new FileStream(tarFilePath, FileMode.Create))
        {
            using (TarArchive tarArchive = TarArchive.CreateOutputTarArchive(fs))
            {
                // ディレクトリを再帰的に追加
                AddDirectoryFilesToTar(tarArchive, directoryToAdd, "");
            }
        }
        
        Console.WriteLine("tarファイルが作成されました。");
    }
    static void AddDirectoryFilesToTar(TarArchive tarArchive, string sourceDirectory, string baseDirectory)
    {
        // ディレクトリ内のすべてのファイルを取得
        string[] files = Directory.GetFiles(sourceDirectory);
        foreach (string file in files)
        {
            // TarEntryオブジェクトを作成
            TarEntry entry = TarEntry.CreateEntryFromFile(file);
            // エントリの名前を設定
            entry.Name = Path.Combine(baseDirectory, Path.GetFileName(file));
            // TarArchiveにエントリを追加
            tarArchive.WriteEntry(entry, true);
        }
        // ディレクトリ内のすべてのサブディレクトリを取得
        string[] directories = Directory.GetDirectories(sourceDirectory);
        foreach (string directory in directories)
        {
            // サブディレクトリを再帰的に追加
            string newBase = Path.Combine(baseDirectory, Path.GetFileName(directory));
            AddDirectoryFilesToTar(tarArchive, directory, newBase);
        }
    }
}

このコードは、指定したディレクトリ内のすべてのファイルとサブディレクトリを再帰的にtarファイルに追加します。

カレントディレクトリを指定する場合、if (fileName == tarFilePath) continue;のように、出力先のtarファイルをエントリ追加処理から除外するようにしてください。

AddDirectoryFilesToTarメソッドを使用して、ディレクトリ内のファイルをTarEntryとして作成し、TarArchiveに追加しています。

これにより、ディレクトリ構造を保持したままtarファイルを作成することができます。

gzip圧縮の実装

tarファイルを作成した後、そのファイルをgzipで圧縮することで、tar.gzファイルを生成できます。

C#では、GZipStreamクラスを使用してgzip圧縮を行います。

このクラスは、.NETの標準ライブラリに含まれており、簡単に圧縮処理を実装することができます。

GZipStreamクラスの使用

GZipStreamクラスは、ストリームをgzip形式で圧縮または解凍するためのクラスです。

以下に、GZipStreamを使用してファイルを圧縮する基本的な方法を示します。

using System;
using System.IO;
using System.IO.Compression; // GZipStreamクラスを使用
class Program
{
    static void Main()
    {
        string sourceFile = "output.tar"; // 圧縮する元のtarファイル
        string compressedFile = "output.tar.gz"; // 圧縮後のファイル名
        // 圧縮処理を実行
        using (FileStream sourceStream = new FileStream(sourceFile, FileMode.Open))
        {
            using (FileStream destinationStream = new FileStream(compressedFile, FileMode.Create))
            {
                using (GZipStream compressionStream = new GZipStream(destinationStream, CompressionMode.Compress))
                {
                    // 元のファイルを圧縮ストリームにコピー
                    sourceStream.CopyTo(compressionStream);
                }
            }
        }
        Console.WriteLine("gzip圧縮が完了しました。");
    }
}

このコードは、output.tarというtarファイルをgzip形式で圧縮し、output.tar.gzというファイルを生成します。

GZipStreamを使用することで、ストリームを通じてデータを圧縮することができます。

tarファイルの圧縮手順

tarファイルをgzipで圧縮する手順は以下の通りです。

tarファイルの作成: まず、tarファイルを作成します。

これは、前述のTarArchiveクラスを使用して行います。

GZipStreamを使用した圧縮: 作成したtarファイルをGZipStreamを用いて圧縮します。

圧縮は、tarファイルを読み込み、gzip形式で新しいファイルに書き込むことで行います。

圧縮ファイルの保存: 圧縮されたファイルは、指定したパスに保存されます。

以下に、tarファイルの作成からgzip圧縮までの一連の流れを示すコードを示します。

using System;
using System.IO;
using System.IO.Compression;
using ICSharpCode.SharpZipLib.Tar;
class Program
{
    static void Main()
    {
        string tarFilePath = "output.tar";
        string directoryToAdd = "exampleDir"; // 追加するディレクトリのパス
        string compressedFilePath = "output.tar.gz";
        // tarファイルの作成
        using (FileStream fs = new FileStream(tarFilePath, FileMode.Create))
        {
            using (TarArchive tarArchive = TarArchive.CreateOutputTarArchive(fs))
            {
                AddDirectoryFilesToTar(tarArchive, directoryToAdd, "");
            }
        }
        // tarファイルのgzip圧縮
        using (FileStream sourceStream = new FileStream(tarFilePath, FileMode.Open))
        {
            using (FileStream destinationStream = new FileStream(compressedFilePath, FileMode.Create))
            {
                using (GZipStream compressionStream = new GZipStream(destinationStream, CompressionMode.Compress))
                {
                    sourceStream.CopyTo(compressionStream);
                }
            }
        }
        Console.WriteLine("tar.gzファイルが作成されました。");
    }
    static void AddDirectoryFilesToTar(TarArchive tarArchive, string sourceDirectory, string baseDirectory)
    {
        string[] files = Directory.GetFiles(sourceDirectory);
        foreach (string file in files)
        {
            TarEntry entry = TarEntry.CreateEntryFromFile(file);
            entry.Name = Path.Combine(baseDirectory, Path.GetFileName(file));
            tarArchive.WriteEntry(entry, true);
        }
        string[] directories = Directory.GetDirectories(sourceDirectory);
        foreach (string directory in directories)
        {
            string newBase = Path.Combine(baseDirectory, Path.GetFileName(directory));
            AddDirectoryFilesToTar(tarArchive, directory, newBase);
        }
    }
}

このコードは、指定したディレクトリをtarファイルにまとめ、その後gzipで圧縮してtar.gzファイルを生成します。

これにより、ディレクトリ内のすべてのファイルを効率的に圧縮することができます。

外部ライブラリの活用

C#でtar.gzファイルを作成する際、外部ライブラリを利用することで、より簡単に圧縮や解凍の機能を実装できます。

ここでは、SharpZipLibとDotNetZipという2つのライブラリの利用方法を紹介します。

SharpZipLibの利用方法

SharpZipLibは、C#で圧縮や解凍を行うための強力なライブラリです。

tar.gzファイルの作成や解凍に対応しており、使いやすいAPIを提供しています。

SharpZipLibを使ったtar.gzファイルの作成

以下に、SharpZipLibを使用してtar.gzファイルを作成する方法を示します。

using System;
using System.IO;
using ICSharpCode.SharpZipLib.Tar;
using ICSharpCode.SharpZipLib.GZip;
class Program
{
    static void Main()
    {
        string directoryToAdd = "exampleDir"; // 追加するディレクトリのパス
        string tarGzFilePath = "output.tar.gz";
        using (FileStream fs = new FileStream(tarGzFilePath, FileMode.Create))
        {
            using (GZipOutputStream gzipStream = new GZipOutputStream(fs))
            {
                using (TarArchive tarArchive = TarArchive.CreateOutputTarArchive(gzipStream))
                {
                    AddDirectoryFilesToTar(tarArchive, directoryToAdd, "");
                }
            }
        }
        Console.WriteLine("tar.gzファイルが作成されました。");
    }
    static void AddDirectoryFilesToTar(TarArchive tarArchive, string sourceDirectory, string baseDirectory)
    {
        string[] files = Directory.GetFiles(sourceDirectory);
        foreach (string file in files)
        {
            TarEntry entry = TarEntry.CreateEntryFromFile(file);
            entry.Name = Path.Combine(baseDirectory, Path.GetFileName(file));
            tarArchive.WriteEntry(entry, true);
        }
        string[] directories = Directory.GetDirectories(sourceDirectory);
        foreach (string directory in directories)
        {
            string newBase = Path.Combine(baseDirectory, Path.GetFileName(directory));
            AddDirectoryFilesToTar(tarArchive, directory, newBase);
        }
    }
}

このコードは、SharpZipLibを使用して指定したディレクトリをtar.gz形式で圧縮します。

GZipOutputStreamを使用することで、tarファイルをgzip形式で圧縮しています。

DotNetZipの利用方法

DotNetZipは、ZIP形式の圧縮と解凍をサポートするライブラリですが、tar.gz形式の直接的なサポートはありません。

しかし、tarファイルを作成した後にgzipで圧縮することで、tar.gzファイルを生成することができます。

DotNetZipを使ったZIPファイルの作成

DotNetZipを使用してZIPファイルを作成する方法を以下に示します。

tar.gz形式ではありませんが、ZIP形式の圧縮も多くの場面で利用されます。

using System;
using System.IO;
using Ionic.Zip; // DotNetZipライブラリを使用
class Program
{
    static void Main()
    {
        string directoryToZip = "exampleDir"; // 圧縮するディレクトリのパス
        string zipFilePath = "output.zip";
        using (ZipFile zip = new ZipFile())
        {
            zip.AddDirectory(directoryToZip); // ディレクトリをZIPに追加
            zip.Save(zipFilePath); // ZIPファイルを保存
        }
        Console.WriteLine("ZIPファイルが作成されました。");
    }
}

このコードは、DotNetZipを使用して指定したディレクトリをZIP形式で圧縮します。

ZipFileクラスを使用することで、簡単にディレクトリをZIPファイルにまとめることができます。

SharpZipLibとDotNetZipは、それぞれ異なる圧縮形式をサポートしており、用途に応じて使い分けることができます。

tar.gz形式の圧縮にはSharpZipLibが適しており、ZIP形式の圧縮にはDotNetZipが便利です。

応用例

tar.gzファイルの作成や圧縮の基本を理解したら、さらに応用的な操作を行うことができます。

ここでは、複数ファイルの一括圧縮、圧縮ファイルの分割保存、圧縮ファイルのパスワード保護について解説します。

複数ファイルの一括圧縮

複数のファイルを一括で圧縮することは、データのバックアップや配布において非常に便利です。

以下に、複数のファイルをtar.gz形式で一括圧縮する方法を示します。

using System;
using System.IO;
using ICSharpCode.SharpZipLib.Tar;
using ICSharpCode.SharpZipLib.GZip;
class Program
{
    static void Main()
    {
        string[] filesToAdd = { "file1.txt", "file2.txt", "file3.txt" }; // 圧縮するファイルのリスト
        string tarGzFilePath = "output.tar.gz";
        using (FileStream fs = new FileStream(tarGzFilePath, FileMode.Create))
        {
            using (GZipOutputStream gzipStream = new GZipOutputStream(fs))
            {
                using (TarArchive tarArchive = TarArchive.CreateOutputTarArchive(gzipStream))
                {
                    foreach (string file in filesToAdd)
                    {
                        TarEntry entry = TarEntry.CreateEntryFromFile(file);
                        tarArchive.WriteEntry(entry, true);
                    }
                }
            }
        }
        Console.WriteLine("複数ファイルのtar.gz圧縮が完了しました。");
    }
}

このコードは、指定した複数のファイルをtar.gz形式で一括圧縮します。

filesToAdd配列に圧縮したいファイルを指定し、それらを順にtarアーカイブに追加しています。

圧縮ファイルの分割保存

大きな圧縮ファイルを分割して保存することで、ファイルの転送や保存が容易になります。

SharpZipLibでは直接的な分割機能はありませんが、ファイルを分割して保存する方法を示します。

using System;
using System.IO;
class Program
{
    static void Main()
    {
        string sourceFilePath = "output.tar.gz"; // 分割する元のファイル
        string destinationDirectory = "splitFiles"; // 分割ファイルの保存先ディレクトリ
        int partSize = 1024 * 1024 * 10; // 10MBごとに分割
        Directory.CreateDirectory(destinationDirectory);
        using (FileStream sourceStream = new FileStream(sourceFilePath, FileMode.Open))
        {
            byte[] buffer = new byte[partSize];
            int partNumber = 0;
            int bytesRead;
            while ((bytesRead = sourceStream.Read(buffer, 0, buffer.Length)) > 0)
            {
                string partFileName = Path.Combine(destinationDirectory, $"part{partNumber}.gz");
                using (FileStream partStream = new FileStream(partFileName, FileMode.Create))
                {
                    partStream.Write(buffer, 0, bytesRead);
                }
                partNumber++;
            }
        }
        Console.WriteLine("ファイルの分割保存が完了しました。");
    }
}

このコードは、指定したファイルを10MBごとに分割して保存します。

partSizeを調整することで、分割サイズを変更できます。

圧縮ファイルのパスワード保護

圧縮ファイルにパスワードを設定することで、データのセキュリティを強化できます。

DotNetZipを使用すると、ZIPファイルにパスワードを設定することが可能です。

using System;
using Ionic.Zip;
class Program
{
    static void Main()
    {
        string directoryToZip = "exampleDir"; // 圧縮するディレクトリのパス
        string zipFilePath = "protected.zip";
        string password = "securePassword"; // 設定するパスワード
        using (ZipFile zip = new ZipFile())
        {
            zip.Password = password; // パスワードを設定
            zip.AddDirectory(directoryToZip); // ディレクトリをZIPに追加
            zip.Save(zipFilePath); // ZIPファイルを保存
        }
        Console.WriteLine("パスワード保護されたZIPファイルが作成されました。");
    }
}