CS2001~

C# コンパイラエラー CS4004 について解説:unsafeブロック内でのawait使用エラーの原因と対策

CS4004エラーは、C#でunsafeブロック内においてawaitを使用した際に発生します。

例えば、固定領域を確保するfixedブロック内で非同期処理の待機を行うと、このエラーが出ます。

対策として、アンセーフコードは別メソッドに分離し、非同期処理とは切り離して実行する方法が推奨されます。

エラーCS4004の概要

発生するシチュエーション

C# のコンパイラが、unsafe ブロック内で await を使用する場合にエラー CS4004 が発生する状況があります。

具体的には、ポインタ操作などを伴う unsafe コンテキスト内で非同期処理を実行しようとすると、コンパイラがその安全性を保証できずにエラーとして報告します。

開発中に非同期処理でアンマネージドなコードを扱う部分があると、このエラーに遭遇する可能性があります。

エラーメッセージの意味

エラーメッセージ「unsafe コンテキストで待機することはできません」は、unsafe ブロック内に配置した await が許可されないことを示しています。

これは、非同期の状態機械が生成される際、アンマネージドコードの扱いが不確実になるリスクがあるためです。

コンパイラは安全性を最優先しているため、このような混在を防止する仕組みとなっています。

unsafeブロックとawaitの基本知識

unsafeブロックの基本

unsafe ブロックは、C# でポインタ演算や固定領域(fixed ブロック)を使って直接メモリアクセスを行うために用意されています。

この機能により、パフォーマンス向上や低レベルなメモリ操作が可能になる一方で、メモリ管理のリスクや予期せぬ動作を招く恐れがあるため、注意深く使用する必要があります。

通常は、確実な安全確認が行われた上で使用されるものです。

awaitの使用条件

await は非同期操作の結果を待機するために使用され、非同期メソッドに必須のキーワードです。

使用するためには、呼び出し元のメソッドが async 修飾子で定義されている必要があります。

また、await が置かれる場所は、コンパイラが非同期の状態機械を生成できる安全なコンテキストであることが求められます。

unsafe コードと混在する場合、状態機械の生成処理が妨げられる可能性があるため注意が必要です。

CS4004エラー発生の原因詳細

C# 13における安全性強化の影響

C# 13 以降では、コードの安全性をさらに強化するための改善が行われています。

その一環として、非同期処理awaitとアンマネージドコードunsafeの同時利用に対して制約が強化されました。

これにより、非同期処理が内部で生成する状態機械の動作中に、アンマネージドメモリやポインタを誤って操作するリスクを未然に防ぐ目的があります。

結果として、unsafe コンテキスト内で await を使用すると、コンパイラがエラーを発生させる仕様となっています。

unsafeコードとawaitの混在問題

unsafe コードと await を同一のメソッド内で混在させると、非同期処理のための状態管理とポインタなどの低レベル操作が同時に要求され、環境によってはメモリの不整合や予測しにくい動作が発生する可能性があります。

特に、fixed ブロック内でのポインタ操作と非同期処理の組み合わせは、コンパイラが適切な管理を行えず、エラーを引き起こす要因となります。

エラー発生時のコード例と解析

問題となるコード例の紹介

fixedブロック内でのawait利用

以下のサンプルコードは、fixed ブロック内に await を含むため、CS4004 エラーが発生する例です。

このコードは、文字列を逆転する処理を非同期に実行しようとしていますが、unsafe コンテキスト内で await が使われているためエラーとなります。

using System;
using System.Threading.Tasks;
public static class Program {
    public static async Task Main(string[] args) {
        // 非同期メソッドの呼び出し
        string result = await C.ReverseTextAsync("サンプルテキスト");
        Console.WriteLine(result);
    }
}
public static class C {
    public static unsafe async Task<string> ReverseTextAsync(string text) {
        // このコードは CS4004 エラーを発生させます
        return await Task.Run(() => {
            if (string.IsNullOrEmpty(text)) {
                return text;
            }
            fixed (char* pText = text) {
                char* pStart = pText;
                char* pEnd = pText + text.Length - 1;
                for (int i = text.Length / 2; i >= 0; i--) {
                    char temp = *pStart;
                    *pStart++ = *pEnd;
                    *pEnd-- = temp;
                }
                return text;
            }
        });
    }
}
error CS4004: unsafe コンテキストで待機することはできません

文字列逆転処理の例

上記のサンプルコードは、文字列の各文字をポインタ演算で入れ替えることにより、文字列を逆順に並べ替える処理を実行しています。

fixed ブロックを使って文字列の固定アドレスを取得し、ポインタを用いた操作を行っていますが、その中に await が含まれているため、コンパイラは安全性を担保できず、CS4004 エラーとなります。

エラー発生箇所の詳細解析

エラーが発生するのは、await キーワードが unsafe コンテキスト、特に fixed ブロック内に存在する箇所です。

C# コンパイラは、await を含む非同期メソッドの変換処理時に状態機械を生成しますが、unsafe コードが混在すると、その状態機械がアンマネージド資源に対して安全な操作を行えなくなる可能性があります。

結果として、コンパイラはこれを未然に防ぐため、エラー CS4004 を発生させる仕様となっています。

エラー対策と修正方法

アンセーフコード分離の手法

独立メソッドへの切り出し

エラーを回避するための対策のひとつは、unsafe コードを独立したメソッドに切り出す方法です。

この方法では、await を含む非同期処理とは別に、アンマネージドコードの部分を専用の unsafeメソッドとして実装します。

以下のサンプルコードは、元のコードからアンセーフな部分を独立メソッド ReverseTextUnsafe に切り分ける方法を示しています。

using System;
using System.Threading.Tasks;
public static class Program {
    public static async Task Main(string[] args) {
        // アンセーフコードを分離した非同期メソッドの呼び出し
        string result = await C.ReverseTextAsync("サンプルテキスト");
        Console.WriteLine(result);
    }
}
public static class C {
    public static async Task<string> ReverseTextAsync(string text) {
        // Task.Run 内でアンセーフメソッドを呼び出し、待機可能なコードと分離する
        return await Task.Run(() => ReverseTextUnsafe(text));
    }
    // unsafe メソッドとしてアンセーフコード部分を切り出す
    private static unsafe string ReverseTextUnsafe(string text) {
        if (string.IsNullOrEmpty(text)) {
            return text;
        }
        fixed (char* pText = text) {
            char* pStart = pText;
            char* pEnd = pText + text.Length - 1;
            for (int i = text.Length / 2; i >= 0; i--) {
                char temp = *pStart;
                *pStart++ = *pEnd;
                *pEnd-- = temp;
            }
            return text;
        }
    }
}
トスキテルプンサ

待機可能コードとの分離方法

待機可能なコードとアンセーフコードを分離する方法は、非同期メソッド内で直接アンセーフコードを含めず、必ず安全なメソッドを呼び出す形に変更することです。

これにより、await は純粋な安全コード内で使用され、アンセーフ操作は別途独立して処理されます。

結果として、コンパイラが生成する状態機械は安全なコードのみを対象とするため、CS4004 エラーが解消されます。

実践的な修正手順と検証方法

エラー対策として修正を行う際は、以下の手順を参考にしてください。

    1. 問題となっている箇所(unsafe ブロック内での await 使用)を特定する。
    1. アンセーフな処理部分を独立したメソッドに抽出し、unsafe 修飾子を付与する。
    1. もともとの非同期メソッドでは、抽出したメソッドを Task.Run などで呼び出し、待機可能な状態にする。
    1. 変更後、コンパイルエラーが解消されることを確認するために再コンパイルする。
    1. 修正したコードを実行し、正しく動作することを出力例などで確認する。

このように、アンセーフコードと待機可能なコードを明確に分離することで、C# 13 以降の安全性強化仕様に対応し、CS4004 エラーを回避することが可能です。

まとめ

この記事では、C#で発生するCS4004エラーの原因と対策について解説しています。

unsafeブロック内でawaitを使用すると、アンマネージドコードと非同期処理の混在による安全性の問題が発生するためエラーが出ることがわかります。

エラー箇所のコード例と解析を踏まえ、unsafeコード部分を独立メソッドへ切り分ける方法が効果的であることが確認できました。

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