C# コンパイラエラー CS1947 の原因と対策について解説
C#で発生するコンパイラ エラー CS1947は、LINQクエリ内の範囲変数が読み取り専用のため、変数への割り当てができずに起こります。
foreach文で使用される反復変数と似た性質のため、直接値を変更することはできません。
解決には、範囲変数への代入を削除し、必要に応じてlet句で新しい変数を導入してください。
エラー CS1947 の発生機構
このセクションでは、CS1947 エラーがなぜ発生するのか、その背後にある仕組みについて説明します。
LINQ クエリにおける範囲変数の特性がエラーの原因となっているため、具体的なポイントを確認していきます。
LINQクエリでの範囲変数の役割
LINQ クエリ内では、from
句で定義される範囲変数が、配列やリストといったデータソースから各要素を一度に参照する役割を果たします。
たとえば、次の例では i
が各要素を表す範囲変数として使われています。
// LINQで各要素を参照する例
using System;
using System.Linq;
class Program {
static void Main() {
int[] numbers = { 1, 2, 3, 4, 5 };
var query = from i in numbers
select i; // i は単にループ内の各値にアクセスするための変数
foreach(var num in query) {
Console.WriteLine(num);
}
}
}
このような範囲変数は、foreach ステートメントの反復変数に似た役割を持つため、基本的に値を再代入するための変数としては使えません。
CS1947 のエラーは多くの場合、この取り扱い方に起因しています。
読み取り専用の特性と割り当て操作の制限
LINQ クエリで利用される範囲変数は、読み取り専用として扱われるため、クエリ内で直接値を変更することができません。
つまり、次のような操作はエラーとなります。
// エラーが発生する例
var result = from i in numbers
select i = 5; // 範囲変数 i に直接値を代入しようとしているため CS1947 エラーが発生
データの変更が必要な場合は、新しい変数を導入し、let
句を用いて加工後の値を確保する方法が推奨されます。
読み取り専用の特性を理解することが、正しい対策を講じる上で重要です。
エラー詳細解析
CS1947 エラーの詳細な解析を通して、どのような状況でエラーが発生するのか掴んでいきます。
発生パターンの確認
CS1947 エラーは、LINQ クエリ式内で既定の範囲変数に対して代入演算などの書き換え操作を行った場合に発生します。
一般的な発生パターンとしては、以下が挙げられます。
- クエリ内で
select
句において、範囲変数に新たな値を代入しようとした場合 - 複雑なクエリ式の中で、意図せず再代入操作が行われた場合
これらの操作は、C# の仕様として範囲変数は変更不可として扱われるため、コンパイラがエラーを返します。
ソースコード事例による解析
次のソースコードは CS1947 エラーが発生する例です。
コメントにも日本語の説明を加え、各部分の役割を明示しています。
using System;
using System.Linq;
class Test {
// Main関数:プログラムのエントリポイント
static void Main() {
int[] array = { 1, 2, 3, 4, 5 };
// LINQクエリ内で範囲変数 i に対して不正な代入操作が試みられている
var query = from i in array
let k = i // 正常な let 句による新しい変数 k の導入
select i = 5; // ここで範囲変数 i に値を代入しようとしているためエラーが発生
query.ToList();
}
}
上記のコードは、select i = 5;
の部分で CS1947 エラーを引き起こすため、範囲変数は変更せずに処理を行う方法を再検討する必要があることが分かります。
エラー CS1947 の対策と修正手法
ここからは、CS1947 エラーを解消するためにどのような対策が有効なのかを説明します。
基本的な方針は、範囲変数に対する直接の再代入を避け、必要な場合は let
句などを利用して新しい変数に値を保持する方法です。
割り当て操作の削除による修正方法
最もシンプルな対策は、クエリ式内で不必要な代入操作を削除することです。
たとえば、先ほどのエラー例では単に select i
という形に変更することで、範囲変数の再代入を避けることできます。
以下に修正例を示します。
using System;
using System.Linq;
class Test {
static void Main() {
int[] array = { 1, 2, 3, 4, 5 };
// 削除前: select i = 5; がエラーの原因となっていた
// 修正後: i をそのまま選択
var query = from i in array
select i;
// クエリ結果を出力
foreach (var number in query) {
Console.WriteLine(number);
}
}
}
1
2
3
4
5
このように、直接代入を行わないことでコンパイラエラーを回避できます。
let句を用いた新規変数導入の手法
範囲変数の値に何らかの加工を加える必要がある場合は、let
句を利用して新たな変数に値を格納する方法が有効です。
これにより、元の範囲変数は読み取り専用のままとなり、変更操作が行われません。
let句の基本構文と使い方
let
句は、LINQ クエリの中で加工済みの値や中間結果を一時的に保持するために使います。
基本構文は次の通りです。
from <variable> in <collection>
let <newVariable> = <expression>
select <newVariable>
具体的な例として、各値に定数を加算する処理を行う場合は以下のように記述できます。
using System;
using System.Linq;
class Test {
static void Main() {
int[] array = { 1, 2, 3, 4, 5 };
// let句を使用して値を加工。元の i は変更せず、新しい変数 modified に値を保持する
var query = from i in array
let modified = i + 5 // i に定数 5 を加える
select modified;
// 加工後の値を出力
foreach (var value in query) {
Console.WriteLine(value);
}
}
}
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この例では、let modified = i + 5
の部分で新しい変数 modified
を作成しており、元の範囲変数 i
の読み取り専用特性を保ちながら値の加工が行えます。
実装時の注意事項
let
句を使う際の注意点は以下の通りです。
- すでに定義されている範囲変数を再利用しない。新しく変数名を定義する必要がある。
- 複雑な変換処理の場合、無理にクエリ式内で実装せず、場合によってはメソッドとして切り出すと分かりやすくなる。
- 代入操作ではなく、計算結果や加工した値を保持する目的で利用する。
これらの注意点を守ることで、エラーを防止しながらクエリの可読性を向上させることができます。
修正後の検証方法
修正を行った後は、必ず正しい結果が得られているか検証することが重要です。
以下のポイントに注意して検証を進めてください。
- コンパイルエラーが解消されているか確認する。
- クエリ処理の結果が期待通りになっているか、サンプルコードを実行して出力結果をチェックする。
- 特に
let
句を使用した場合、元の値と加工後の値が正しく処理されているかを確認する。
検証例として、先ほどの修正済みコードをコンパイルし実行することで、プログラムが正常に動作し、出力結果も意図した通りの数値が表示されるかどうかを確認します。
これにより、誤った代入操作を行わない設計が実現できることを確認できます。
まとめ
この記事では、C# のコンパイラエラー CS1947 の発生理由と対策について解説しております。
LINQ クエリ内での範囲変数は読み取り専用であり、再代入操作が禁止されるためにエラーが発生することを説明しました。
直接代入の削除や let 句を用いた新規変数の導入など、具体的な修正手法とその検証方法についても紹介しております。