C# コンパイラエラー CS1937 の原因と解決策について解説
CS1937は、C#のjoin句を使用する際に発生するコンパイラエラーです。
join句では、外側のシーケンス変数は等式の左側にしか使用できず、内側の変数は左側の範囲に含まれません。
たとえば、join b in sourceB on b equals a
と記述するとエラーが生じるため、正しくはjoin b in sourceB on a equals b
と書く必要があります。
CS1937エラーの発生原因
このセクションでは、CS1937エラーが発生する背景について解説します。
主にLINQのjoin句に関する変数スコープの仕組みと、コンパイラエラーメッセージの内容を整理します。
join句における変数スコープの仕組み
LINQにおいてjoin句を記述する場合、データソースごとに定義された範囲変数(range variable)が存在します。
これらの変数は、クエリ内で一定のスコープを持つため、変数の出現位置が正しくなければエラーが発生します。
外部側と内部側の範囲変数の定義
join句では、最初に指定されたデータソースの範囲変数が「外部側」、次に指定されたデータソースの範囲変数が「内部側」と呼ばれます。
たとえば、以下のように定義した場合、a
が外部側、b
が内部側となります。
- 外部側変数
(a)
は、join句の等式の両側で利用できる。 - 内部側変数
(b)
は、等式の右側でのみ利用可能なスコープになる。
このスコープのルールは、変数が適切に参照されないと、CS1937エラーの原因となります。
等式内での変数使用ルール
等式部分には、外部側と内部側の変数を正しい順序で配置する必要があります。
具体的には、等式の左側に外部側変数、右側に内部側変数を記述する必要があります。
もし順序を入れ替えると、外部側のスコープに内部側変数が存在しないと解釈され、コンパイラはエラーを報告します。
数式的に表現すると、
とする必要があります。
コンパイラエラーメッセージの解析
CS1937エラーの具体的なメッセージは、変数の位置が正しく配置されていないことを示しています。
エラーメッセージには「名前 ‘name’ は、’equals’ の左側のスコープにありません。」と記され、左側に指定すべき変数が見つからないためにエラーとなることが説明されています。
エラー内容の主要ポイント
エラーメッセージの主要なポイントは以下の通りです。
- 変数が正しいスコープ内に存在しない。
- join句の
equals
の左右で、参照する変数の順序が逆転している可能性がある。 - 外部側と内部側の変数指定が逆になっている場合、エラーが発生する。
誤った記述が引き起こす影響
誤った変数の配置により、コンパイラは正しく変数を解釈できず、エラーCS1937を発生させます。
このエラーは、スコープルールに反しているため、正しい順序に修正する必要があります。
エラーが発生すると、アプリケーションはコンパイルできず、開発サイクルに大きな影響を与えるため、注意が必要です。
コード例による解析
次に、CS1937エラーを発生させる誤ったコード例と、正しいコード例との比較を行います。
各コード例は、LINQのjoin句における変数の記述方法の違いを明確に示しています。
誤ったコード例の検証
不適切な変数位置の記述
以下のコード例では、join句の等式において変数の位置が誤って記述されています。
join b in sourceB on b equals a
となっているため、外部側変数と内部側変数が逆転しており、CS1937エラーが発生します。
using System;
using System.Linq;
class Program
{
static void Main()
{
int[] sourceA = { 1, 2, 3, 4, 5 };
int[] sourceB = { 3, 4, 5, 6, 7 };
// 以下のクエリはCS1937エラーを発生させる
var query = from a in sourceA
join b in sourceB on b equals a // 誤った変数の配置
select new { ValueA = a, ValueB = b };
// クエリ結果表示(この部分はエラーが解消されないと実行されない)
foreach (var item in query)
{
Console.WriteLine($"a: {item.ValueA}, b: {item.ValueB}");
}
}
}
コンパイルエラー CS1937: 名前 'a' は、'equals' の左側のスコープに存在しない。
エラーメッセージ発生の状況
上記のコード例では、コンパイラが等式の左側に存在しない変数を参照しているためにエラーを報告します。
エラーメッセージは、どの変数がスコープ外であるかを明示しており、修正する際の手がかりとなります。
正しいコード例との比較
変数位置の入れ替えによる修正
次に、正しいコード例を示します。
join句の等式部分では、外部側変数 a
を左側、内部側変数 b
を右側に配置しています。
これにより、CS1937エラーが解消され、正しく動作するクエリとなります。
using System;
using System.Linq;
class Program
{
static void Main()
{
int[] sourceA = { 1, 2, 3, 4, 5 };
int[] sourceB = { 3, 4, 5, 6, 7 };
// 修正後のクエリはエラーが発生せず正常に動作する
var query = from a in sourceA
join b in sourceB on a equals b // 正しい変数の配置
select new { ValueA = a, ValueB = b };
// クエリ結果表示
foreach (var item in query)
{
Console.WriteLine($"a: {item.ValueA}, b: {item.ValueB}");
}
}
}
a: 3, b: 3
a: 4, b: 4
a: 5, b: 5
正常動作確認のポイント
正しいコード例では、以下のポイントを確認してください。
- 等式部分の左側で外部側変数
a
、右側で内部側変数b
を使用している。 - クエリが正常にコンパイルされ、共通する値(この例では3, 4, 5)が正しく出力されている。
- 変数のスコープが正しく適用され、意図した結果が得られること。
エラー解決の具体的方法
このセクションでは、CS1937エラーを解決するための具体的な手順について解説します。
コードの修正手順から実際の検証方法まで、順を追って説明します。
join句記述の修正手順
正しい変数配置の記述方法
join句を書く際は、次の点に注意してください。
- 最初に指定した変数を外部側変数として利用し、等式の左側に記述する。
- 次に指定した変数を内部側変数として利用し、等式の右側に記述する。
- 等式部分は、数学的表現で言えば
という配置にする必要があります。
たとえば、正しくは join b in sourceB on a equals b
となるため、変数の位置を入れ替えて記述することでエラーは解消します。
コード修正時の確認事項
コードを修正する際は、以下の点を確認してください。
- 変数のスコープが正しく決まっているかを確認する。
- LINQクエリの
equals
部分において、外部側変数が常に左側にあるか確認する。 - 開発環境のシンタックスチェッカーやIntelliSense等で、変数のスコープが適切に認識されているかをチェックする。
開発環境での検証方法
実際にエラー解決が正しく行われたかを確認するために、開発環境で以下の方法を採るとよいでしょう。
Visual StudioなどのIDEを用いる場合、LINQクエリの補完機能が有用です。
試行コードの実装手順
- 新しいコンソールアプリケーションプロジェクトを作成する。
- 問題の再現が可能なLINQクエリを実装し、CS1937エラーが発生するかどうかを確かめる。
- エラーが発生した場合、変数の位置を変更して修正する。
修正結果の動作検証方法
修正後は、以下の点を確認してください。
- プロジェクトが正常にコンパイルされること。
- 実行結果として、join句で意図した通りのデータが出力されること。
- 添付のサンプルコードを実行し、出力例と同じ結果が得られるかをチェックする。
この手順に沿ってコードを修正することで、CS1937エラーを効果的に回避できるでしょう。
まとめ
この記事では、CS1937エラーの原因や発生する背景について解説しています。
LINQのjoin句で用いられる外部側と内部側の変数スコープの仕組み、等式内での変数配置の重要性、そして誤った記述によるエラーメッセージの内容を整理しました。
また、誤ったコード例と正しいコード例を比較し、正しい変数配置の修正方法と開発環境での検証方法について具体的に説明しています。